ボンバーガール性癖スレに投稿する用 作:名無しのマスターさん
「マスターは、私の浴衣姿が見たいと思うか?」
ある日のバトルからの帰り道、隣を歩いていたクロがふと、電柱に貼られたポスターを見てこう言った。
藪から棒に何なんだ?と思いながら自分も視線をポスターに向けると、そこで彼女の言いたいことを理解した。
頭脳明晰で何時だって冷静沈着、そんな彼女だが、その言葉はいつだって『そのまま』だ、私はそれを知っている。
「勿論。凄く綺麗だろうし。是非見たい。」
さもなくば、彼女をパートナーに選んだりはしないのだから。
★
「どうだマスター?似合うか?」
藍の海を金魚がくるりと一回転、普段の澄ました顔とは打って変わり、不安げに此方をうかがう表情に、胸を打たれぬ男が居るものか。
「とても綺麗だよ、すごく似合ってる、素敵。」
万の言葉を尽くしてでも自分が思う限りの誉め言葉をと、振り絞った結果がこの様だ。
月並みな言葉をただ吐いただけで終わってしまった。
だが、どうやら私の思いは伝わったらしい。
「そうか……。嬉しいぞ、マスター。」
はにかんだ笑顔が、何よりの証拠だ。
★
『マスターは少し待っててくれ。せっかくだ、待ち合わせをしよう。場所は――』
縁日をやっている神社までもう少しだ、人も疎らながらに増えてきた。
クロと二人で手をつないで歩く中で、ふいに先日のことを思い出す。
大層はしゃぐ彼女を見て、とても可愛らしいなと思ったものだ。
思い出すと、つい笑みがこぼれてしまう
「ふふっ」
「ン?どうしたんだマスター?」
「いや、クロは可愛いなぁと思って。」
「なぁッ!?」
赤面した彼女も、また一段と可愛らしい。
★
「何はともあれ腹ごしらえだぞ。」
そう言って彼女が最初に要求したのは、牛串である。
縁日に付き物ではあるが、乗っけからそれなのかと思う。
もっとこう、金魚すくいとか、りんご飴とか、あるだろうと思うのだが、彼女の場合、それは当てはまらないらしい。
予定調和とも言う。
「次はアレだ、グズグズしている時間は無い、行くぞマスター!」
と、袖を引かれた先は、すわ女の子らしくクレープかチョコバナナかと思いきや、お好み焼きである。
行列に並んでいる間、彼女に話しかける。
「もっとこう、金魚すくいとか、お面や綿菓子とかはいいのか?」
「もちろん行く、が、先ほども言っただろう?まずは腹ごしらえだ、この後はフランクフルトにタコ焼きに焼きそばに...」
まぁ、彼女が楽しんでくれているのなら、それで良い。
★
「まずは前哨戦といったところだな。うむ、こんなところだろう。」
あれから彼女は、腹に溜まる系の出店を8件ハシゴした。
毎度思うのだが、彼女の胃はブラックホールに繋がっているに違いない。
彼女が食べ物を購入する度、自分もつい物欲しくなり、ちょっと一口と要求していたのが仇となったか、
それを身に染みて実感しているところだ。
「マスターだからな、一口だけだぞ。あとは私のだ!」
などと宣いながら全てを飲み込んだ事実を、私はまだ現実の事として認められない。
その事をクロに伝えたところ
「何を言う、私の知り合いにはバトルの最中だろうと常におにぎりを食べ続ける娘がいるぞ?私など小食な方だ。」
と、衝撃のカウンターをもらってしまった。
ガール達の闇を垣間見た気分だ。
★
「これは楽しいな!」
今、クロは右手に金魚が2匹入った小袋と水風船のヨーヨー、左手に綿菓子と、頭によくわからないキャラクターのお面を装備して御満悦だ。
……私の努力の成果でもある。
金魚すくいに挑んでは、偶にみせる不器用な部分がここで花開き、釣果ゼロ。
「私がふがいないばっかりに……。」
などと落ち込むので、自分が替わり2匹ほど掬ってみせたところ
「上手い、流石だ!」
と、初めの内はこちらを冷静に褒める余裕があったのだが、これが続かない。
ヨーヨー釣りでリベンジを果たそうとして、
「さっきのようには行かない!」
と意気込んだもののあえなく二の舞を演じ、射的の屋台にて、
「ここは私に任せろ!」
などと啖呵を切りつつ、勇ましく鉄砲を構えたクロは大変格好良かったのだが、此方もいかんせん結果が伴わず、無念の敗退を喫したのだった。
このあたりで、彼女は壊れ始めた。
続くミドリガメ掬いなるものに手を伸ばしては、やはり金魚すくいの三番煎じ、ならば動かない無機物だとスーパーボールを掬おうとして、
だからそれはヨーヨー釣りで見たと止めようとしても話を聞かず、トドメの型抜きでは見事に爆発四散。
「爆破ッ!!」とか叫んでるけどそういう遊びじゃないからこれ。
彼女のテンションも急降下と急上昇を繰り返し、落ち込んではこちらを褒めて、落ち込んではこちらを褒めてのエンドレス。
型抜きを成功させただけで、
「お前は所詮、ただの天才か!!」
などと、貶したいのか褒めたいのか一瞬戸惑うセリフで、大声で讃えられるのだから堪らない。
私も多少浮かれていたのは認めるが、ここで正気に返ったのだった。
そこからお面やくじ引き、カラーひよこなどで気を引きつつ、クレープ、ベビーカステラ、りんご飴にあんず飴、チョコバナナやら綿菓子やらを与え、
いつも頑張ってくれていることの感謝を伝えたり、頭をなでたり、今日も綺麗で可愛いなどと囁いたり、頭をなでたり、
ありとあらゆる手段でもってなだめすかした結果が、冒頭の御満悦モードである。
私も楽しかったのは確かに認めるが、体力と財布の中身をゴッソリ持って行かれたのは、正直しんどいものがある。
★
「頼む、マスター…… 見ないで。」
ラムネを一気に3本空けたところで落ち着いたクロは、そう言い残すと赤面して、いきなり駅の方へ走り去っていった。
あぁ、今になって恥ずかしさに襲われたか、やれやれ。
そう思っていると、クロから私の端末にメッセージが届いた。
『荷物をコインロッカーに預けてすぐ戻る。そこで待っていてくれ。』
『金魚は持って帰っておいで。あ、いや、私も荷物を預けたい、ロッカーで合流しよう。』
『分かった。場所はボンバー神社駅東口の第3ロッカー、大型が置ける所だ。』
『了解。』
連絡を終え端末を閉じると、私も駅の方へ早歩きで向かった。
駅は人であふれていたが、何とかクロの待つロッカーにたどり着くと
「遅い!」
お叱りを受けてしまった。
「すまない、言い訳をしても良いか?人が多すぎたんだ。」
「私も同じ障害を乗り越えてきたわけだが?」
「そこはほら、クロがエリートなガールだから」
「むっ……。 いや、誤魔化されないぞ!?」
「駄目か」
「駄目だ。……どうしてもというのなら、今川焼で手を打とう。」
「じゃあそれで」
「ん。了解だ。」
満足気にうなずくクロを横目に、先ほどまで彼女をあやすのに使った品々をロッカーに収めていく。
ロッカー内にフックがあった、これなら金魚も預けられるな。
「そういえば、マスターを待っている間、不埒者に声をかけられたのだが……あまりにしつこくてな、
一発蹴りをくれてやったらすごすご退散していったぞ。あの程度で人様のガールに声を掛けようとは、軟弱なものだ。」
……うちのクロは、男前だ。
★
余談として、私は元々喫煙者だったのだが、クロの涙ながらのキックという説得に応じ、今日に至るまでの禁煙に成功している。
クロに声を掛けてきた連中に思うところはあるが、その蹴りの威力を知っている身としては、一抹の同情を禁じ得ない。
★
「行こうか。」
荷物を預け、施錠を確認したところでクロがこちらに右手を差し出してきたので、その手を左手で握り返すと二人で歩調を合わせて歩き出す。
心なしか彼女は再び浮かれている様子だ、見ているこちらもつい幸せになる。
「マスター、打ち上げ花火の時間は覚えているか?」
「あぁ、あと小一時間」
「そうか……、そろそろ場所取りに動いた方が良いな」
「そうだな。川べりへ降りるのと、神社の本殿まで行って、そこから脇道で分社の方へ上がるのと、
ポイントは二つあるけれど、クロはどちらが良いと思う?」
「私はどちらでも構わないが、できれば人込みは避けたいな。」
「ん、なら神社の方だな、少し昇るが、頑張ろう。」
「良いのか?マスターはそこまで体力のある方では無いと思うのだが」
「道中どこかで一休みできれば大丈夫だと思う。今川焼も買わないとだし。」
「そうか、ならそうしよう。」
平静を装いつつも、つい、といった様子でクロの口元が綻んだ。
★
「焼きとうもろこしか、あれは駄目だぞ、歯に挟まる。マスターにそんな無様を見せたくない。ここがすぐに磨ける状況なら良いのだが……。」
「なら、買って帰ろうか」
「むぅ……、しかし冷えたのを温めなおしても、あの焼きたての美味しさまでは復活しない、悩ましいところだ。」
「霧吹きで湿らせてからアルミホイルでくるんで焼きなおすと大分復活するよ?」
「うむ、だがやはり完璧ではない。それに、この場所でという特別感も損なわれる。マスター、これらはとても大事なことだぞ。」
「そうだなぁ、じゃあ、やっぱりそこらで食べるかい?」
「いや、このあともしばらくこの辺りをうろうろするのだ、先も言ったが、やはり歯に挟まるのがよろしくない。」
「そう?」
「そうだぞ。それに……。」
「それに?」
「それに……だな、その……。ちゅ、ちゅーをするかもしれないだろう?その時に歯にとうもろこしが挟まっているなんて、私は死ぬしかない!」
★
「痛いぞ!」
再びの露店通りでサクッと今川焼を平らげたクロが
「今は甘味の口だぞ、熱いものを食べたから、次は冷たい物だ」
などと言うので、それならこれしかないとかき氷を購入した。
自分はみぞれ味、彼女は宇治金時だ。
急いで食べて頭が痛くなるは定番だと思うが、うちのクロは最初の一口でこの様である。
二人して行儀悪く食べながら歩いていると、本殿に到着した。
境内の広場に長椅子がいくつか置かれているので、ここで一休みとする。
「マスター、実はかき氷に使われるシロップは、苺だろうと檸檬だろうと同じ味、着色料で見た目を変えているだけなんだぞ、知ってたか?」
「うん。」
「そうか……。ではブルーハワイが何の味なのかというと」
「そういう名前のカクテルね、オレンジとか柑橘系の味」
「……あのかき氷の旗は」
「もとは営業許可証だった。模様は波に千鳥。」
こちとら伊達に歳食ってないよ、お嬢ちゃん。
★
「胸の高鳴りが収まらないぞ!」
ブンむくれFUNNU状態になったクロを再び頭なでなでであやし、本殿に一度お参りをしてから、分社へ続く脇道に入る。
すぐに現れる急な石段に多くの人間が挫折して、やっぱり川辺の方で見ようかと引き換えしていくが、
クロが人込みはちょっとと言うので、二人して登り切った。
胸の高鳴りが収まらないのは、もうすぐ始まる打ち上げ花火への期待から。そういうことにしておこう。
「なぁ、マスター。」
「うん?」
「花火が上がるまで、あとどのくらいだろうか?」
クロに聞かれたので、左手の腕時計を確認する。
駅での一幕から丁度50分程といったところだった。
「もうぼちぼち。」
「そうか。」
途中で一度力尽き、遺言を遺したりして遊んでいたのもあって、良い時間になったようだ。
やはり手前の石段が人を拒むのか、分社の周りに人はほとんど居なかった。
そんなことを思いながら辺りを見渡して、クロに話しかける。
「この分だと、川の方は凄い人になってそうだな。」
「そうだな。やはりこちらでよかった。あまりに人が多いと身動きも取りづらいし、
あまり公衆の面前で……その、マスターに甘えるのも恥ずかしい。」
彼女は、そう言いながら握りしめていた手を一度解き、組みなおして来たかと思うと、そのまま顔を擦り付けてくる。
その顔が真っ赤に染まっているのは、見えない振りをした。
これ以上の胸の高鳴りには、耐えられない。
★
「た~まや~!だぞ!!」
「か~ぎや~」
二人を轟音と共に炎の華が包み込む。
「見事なものだな」
「あぁ、とても素晴らしいぞ!いずれ名のあるガールによるものとお見受けした。全一だろうか?
私もいつか、あのような見事な爆破を成してみたいものだ。」
興奮しながら話す彼女は、鼻息も荒く目をキラキラさせている。
ちょっと私が思うのと興奮の種類が違うような気もするのだが、確かに夜空に大輪の花を咲かせる技術は素晴らしいものだ。
オープニングのスターマインから始まって、早打ちの連発、仕掛けのある花火が空を走り、稲光の様に炸裂したかと思えば滝のように流れ落ちる。
時折袖を強く引かれるので、いかんせん花火に集中しきれないのだが、
それだけ彼女もこの花火に惹き込まれているのだと思うと、微笑ましくもある。
連れて来た甲斐があったというものだ。
余りに隣の彼女が興奮している様なので、ついそちらに視線を遣って、その横顔をしばらく眺めた。
赤や青や紫に照らされるその横顔もまた、素敵だった。
中盤のスターマインだろうか、激しい連射音、炸裂音が聞こえると共にクロも歓声を上げ、思わずと言った様子でこちらを振り向く。
「マスター!見たか今の!凄いぞ!凄かったぞ!!」
「あぁ、なかなかだったな。」
(君のリアクションがね。)
私が相槌を返すと、繰り返し勢いよくウンウン頷いて、そこからさらに何か言おうとした矢先に、次の花火の打ち上げ音が聞こえて来た。
クロは、こちらにスターマインの感想を伝えたい、でも花火の続きも見たいといった具合で、
何度も顔を、あちらへ向け、こちらへ向けを繰り返し、どうやら花火を見る方に専念することにしたようだ。
私も視線を空の方へ戻す。
ここからフィナーレへ向けて盛り上げていくための、静から動への段階、といった頃合いだろう。
一度沈黙した空が、波を打つように少しずつ大きく、大きく騒ぎ出す。
ここまでのスターマインの〆で使われただろう尺玉サイズの大玉が惜しげもなく打ち上げられ、二人して一気に視線を釘付けにされた。
色とりどりの花々が咲き乱れる!咲き乱れる!咲き乱れる!下から上まで花の嵐だ!
先ほどまでは、緩急の付け方が絶妙だ等と思う余裕もあったのだが、そんなものとうに吹き飛ばされた。
3尺クラスの大玉のみが同時に大連発で打ち上げられ、その光景と衝撃に、しばし、我を忘れた。
しばらく呆けていると、クロがまだ心ここにあらずといった面もちながらに呟いた。
「すごいな……。マスター。」
私も、似たような調子で言葉を返す。
「あぁ……。すごかったな。」
半分まだ上の空だ。
と、そこで、特徴的な少し高めのブザーの音が鳴り響き、私は我に返った。
私はこの後に何があるのかを、知っている。
だがクロは知らない。
だから、教える。
「む、なんだ?この音は?」
「来るよ、クロ。大締め、しっかり見ておくと良い。“全一”だ。」
私が言い終わってからしばらくして、ブザー音が停止する。
クロもいつもの引き締まった表情を取り戻し、真剣そのものの顔で空を睨みつけている。
私の左袖を握る手に力が入った。次の瞬間。
尺玉か、2尺玉か、そんな大玉が開いた時ほどの大音量と共に光の筋が天へ立ち昇っていき――
視界のすべてを覆いつくす光の奔流と共に、全身を衝撃が強打した。
★
「……。」
クロがその場にへたりこむ。
あまりの衝撃に、あまりの威力に、あまりにその――美しさに、完全に自分を飛ばされたようだ。
少し待ってから、
「おーぃ、クロー?」
私もまだ、先の余韻が残っているため、そう大きな声は出せないが、とりあえずクロに帰ってきてもらおうと呼びかけ、目の前で手を振る。
リアクションが無い。
私の左袖を握る手はまだ離れていないので、彼女の右手に自身の右手を添えて訊ねる。
「クロ、立てる?」
「……。」
少し間が空いてから、わずかに顎が引かれた。
「よーし、良い子だ。」
せーのと声をかけ、彼女が自力で態勢を整えられるように、ゆっくりと、ゆっくりと引き上げる。
「歩ける?」
「……。」
再びわずかに、首が縦にふれる。
「ちょっと休めるところに行こうか、ちょっとだけだから辛抱しておくれ。」
また一拍おいて、首が縦に振られる。
「よーし、良い子良い子。」
彼女の手を引いて、ゆっくり、ゆっくりと分社の拝殿、その縁まで連れて行き、丁寧に彼女を座らせる。
その手を離さぬよう気を付けながら自分も体を回し、彼女の右隣りに腰掛ける。
「少しここで休んでいこうか。」
「……。」
しばらくそのままでいると、彼女は私に寄りかかり、一呼吸おいてから、崩れ落ちるようにして私の太腿にその頭を収めた。
続け様に、普段の彼女らしからぬ雑に履物を脱いで、縁に足を上げる。
私は何も言わずに、彼女の頭を撫でた。
酷い敗北の後、時々見られる現象だ。
★
「先ほどは安直にも、『私もあのような爆破を成したい』などと言ってしまったが、
あれほどの物が私にもできるのかと、そう思ってしまってな……。」
クロの頭を撫でていると、しばらくして、彼女はぽつりぽつりと口を開き始めた。
どうも打ちのめされたらしい。さもありなん。
「できるさ。」
「軽率に言ってくれる。」
「まぁね、確かにクロ一人じゃできないかもしれない、たどり着けないかもしれない、
途中で折れてしまうかもしれない。……今みたいにね。」
「……。」
「でもね、そういう時の為に私が居るんだよ。」
「……!」
「それにね、なにも根拠なく言ってる訳じゃない。
初めて私と逢ったときに言ってくれたじゃないか、『すべてを爆破してみせる』んだろう?
私は、クロならそれができると信じている。それだけさ。」
「……。」
「ま、今はもうちょっと休んでいこうか。」
「……うん。」
「よしよし。」
「……あと10分撫でてくれ、あいや、あと1時間…… いや、この際だ、あと3時間くらい延長だぞ。」
「流石に終電無くなるからね?」
★
「すまない、マスター。浴衣を汚してしまったな。」
きっちり10分後とはいかなかったが、クロは無事に復活した。
「いいのいいの、元々汗結構かいてるし、だから、どうせクリーニングに出すし」
「そうか……しかし、」
「良いのかクロ?縁日とは時間制限があるものだ、具体的に言うとあと1時間足らずで全ての出店が明かりを落とす。」
「何だと!?……こうしてはいられない、行くぞマスター!まだイカ焼きも、たい焼きも、フライドポテトやタコ天だって食べてないんだ!」
クロが、勢いよく立ち上がる。
「そうだな、あぁ、あとやっぱり持ち帰りで焼きモロコシも買おうか。」
「うむ、良いだろう。」
私も、クロの手を借りながら腰を上げた。
「そうそう、あとね、打ち上げ花火とはいかないけれど、家で二人でやる用の花火セットも帰りに買いたいな。」
「そうか…… 持ち切れるか?」
「“マスターがまん”でなんとかするさ。」
「ふふっ、なんだそれは。私のスキルのつもりか?結局はただのやせ我慢じゃないか。」
二人して軽く笑いながら、手を取り合い歩き出す。
「そうだ、マスター。」
柔らかい感触が、頬にふれた。
「いつもありがとう。だ。」
作業用BGM:隅田川夏恋歌
2chに投稿するつもりで、見やすいように「セリフ」の上下を一段開けているけれど、
ハーメルンだと開きすぎなのかな?と思う。その辺読み手の意見が欲しいです。
物書きが一番メンタルをヤられるのは何のリアクションも無い事なので、
何でも良いから反応が欲しいです。
少々の批判はドンと来い。
返信はココでもスレの方でもどちらでも大丈夫です。よろしくお願いします。