雪山の恐怖   作:瀧音

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フローズン・???(+あとがき)

『……』

『……分身が消えた、か』

『本当に強くなったな、レスぺ』

『次に会う時には本当にかき氷にされないよう私も頑張らねば、な』

『……』

 

『しまった。レスぺに私が攫った者について伝えるのを忘れていたな』

「カザード様」

 

『ん?どうした』

「もうそろそろ準備ができますので、お呼びに参りました」

『ああ、そうだったな。

 すまない、友との語らいが楽しくて忘れてしまっていた』

「いえ、カザード様の楽しみを優先して頂ければ」

 

『お前は最近ここにたどり着いたのだったな』

「はっ、まだ二日ほどしか経っておりません」

『なら仕方のないことだとは思うが、あまりそこまで畏まる必要はない』

「しかし」

『私が手下を欲してお前たちを集めたのではないのだと知っているだろう?』

「……」

『お前たちが自然に過ごしている姿を見られることが一番嬉しい。

 少しずつ慣れて、普段通りのお前と話せることを楽しみにしている』

「……分かりました」

『少しずつで良い。日数が浅いというなら、まだ落ち着けてはいないか?』

「そう言われてしまうと、そうですね」

『そうか。ならば自らの過去ともまだ?』

「……」

『それでいい。それが当然なのだ。

 お前が抱えてきた想いに納得いく答えを出せるのはお前だけだ。

 それには多くの時間が必要だ』

「……はい」

『同時になんらかのきっかけが必要な時もある。

 もし助けが必要ならば私たちはいつでもその声に応えよう。

 だから安心してゆっくりと考えると良い』

「ありがとう、ございます」

『ああ、すまない。祝いの前にそんな顔をさせるつもりではなかったのだ。

 ――大丈夫だ。私たちはここにいる』

「はい……!」

 

「お見苦しいところをお見せしてしまい……」

『フフ、今更気にせんとも。お前の言う見苦しい姿は全員分見てきたからな』

「(そう言われるとめちゃくちゃ恥ずかしい集団だな……)」

『さて、会場に向かうとしよう』

「はい、皆首を長くしてまっているかと」

 

『おお、ずいぶん飾り付けを頑張っているようだな』

「あー! おいカザードてめえこっちの準備も手伝わねえでどこ行ってやがった!」

『少しな。準備を進めてくれて感謝する』

「感謝する、じゃねえんだよ! 俺にこんな細けえ作業させんな!

 なんだよこの紙を輪っかにしてくっつけるって! つまんねえわ!」

「そうか? 俺は結構楽しんでるぞ。ほら、もうこんなに長く繋がった!」

「お前はお前でなんでこっちの作業手伝ってんだよ! もっと力仕事があるだろーが!」

「もう力仕事系は終わっちゃったからこっちを手伝ってもらってるんだよ。

 ほら、僕のと繋げよう」

「……(黙々)」

「一人はもはや話もしねーし、なんで俺のチームがこんな雑務を……

 カザード、てめえもさっさとやれ!」

「いや、自分の主人に雑務を手伝わせるのはあまり良いとは言えないと思うが?」

「しゅ・じ・ん、だあ? 俺はこいつのこと主人だと認めた覚えはねえ!」

「そうは言っても僕たち四人がかりでボコボコにされたじゃないか」

「あれは! その、あれだ、ちょっと調子が悪かっただけだ!

 次やりゃあ絶対俺たちが勝つ!」

「……そのための作戦は?」

「まだ思いついてねえ!」

「あ、僕机拭きにいかないとー(棒)」「……他で手が必要か聞いてくる(棒)」

「おい! おい!! てめえら悔しくねえの、ガっ!!」

「あんまりうるさいと問答無用で絞め落とすぞ?」

「……っ!……っ!(誰か助けやがれ!って顔)」

「……さらば、我らがリーダー。安らかに眠れ」

「……(ガクっ)」

「あ、落ちた」

「……テンションが高すぎてうるさかったからな。丁度いい薬だ」

『良く眠っているな。しばらくそのままにしておいてやろう』

「もうすぐ準備できますから、カザードさんはあっちの席にどうぞ」

『ありがとう』

「(あいつ宴会開始直前に気絶したのか……哀れだな)」

 

「お、来たなカザードの野郎。今日はちゃんと腹空かせて来たんだろぉなぁ?」

『もちろんだ。彼からも全部食べるように念を押されてしまったからな』

「当然だ。あいつの料理を残すなんてことしやがったら、ただじゃおかねぇぞ?」

『フフ、心得た』

「あー、まあ、なんだ……お前には感謝してるよ」

『……彼は元気そうだな』

「ああ、以前はこんな大勢の見てる前で料理なんてできなかった。

 自分の気持ちを正直に表に出すことだって、あいつが自分で思うほどできてなかったんだ」

『……』

「ここに来てから、少しずつ変わり始めてる。

 あんたがここを作ってくれなかったら誰が見ても楽しそうなあいつの姿なんて見られなかった」

『それを聞けただけで、私がここを作ろうと思った意味があったというものだ。

 私のわがままで、私が求めてしまっただけなのだがな』

「いいんじゃねぇの? 人間は普通そうやって自分の欲で他人を幸せにするもんだしな。

 ま、カタストロフの悪魔が他人を幸せにするなんて笑っちまうけどな!」

『本当に、幸せか?』

「?」

『私がしたことは人間としての幸せを奪う事だぞ?

 それに自然の摂理から大きく外れることだ。

 世界を破滅に導くカタストロフらしいと思うが』

「……人間としてとか、自然の摂理とか。

 あいつの笑顔が見られねぇってんならそんなのどうでもいいって思っちまうけどな、俺は」

『……』

「ここにいるやつは皆あんたに救われてる。

 だから俺たちは全員、()()()()()()()()()()()()って思ってる。

 絶対にここは壊させねぇ。たとえ相手が神だろうとな」

『……ありがとう』

「……へ、こんな時に辛気くせぇ話すんじゃなかった。

 ほら、もう料理もできて、飲み物も行き渡ってる。皆あんたの音頭を待ってんぜ」

『そうだな、音頭というのは初めてだが、務めさせてもらおう』

 

――……

 

『皆、良く今日この場に集まってくれた。私からは感謝しかない』

『新しく来た者も、この町を作り始めた時から居る者も。

 ()()()()()、皆等しくこの青い炎によって燃やされた』

『この炎は私たちにとって苦しい過去の象徴だ。

 だが同時に私たちはこの炎によって繋がっている』

『そしてこの繋がりこそが、この町を完成まで至らせた』

『今日の宴はその完成を祝うためのもの。思う存分楽しんでほしい』

 

『では、我々の町の完成を祝して!』

 

『乾杯!!』

 

(後日談 フローズン・タウン 了)




突然AFKアリーナの二次創作意欲が湧いたので書いてしまいました。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

……いえ、言いたいことは分かっておりますよ?
「どうか見てもまだ完結していないじゃないか!」
「伏線どころか謎の回収すらできてないし!」
間違いなく全員がそう思われていることでしょう。

言い訳させてください(土下座)。

原作キャラであるカザードさんはめちゃくちゃ好みなのですが、
彼に関する妄想の種が急に天から舞い降りてきました。
たぶん急に寒くなって人肌が恋しくなったからだと思うんです(悲しい)。
それで設定も固まってきてどんな事件を起こしたかまでは思いついたんですが……

その後の妄想が発散してしまいました。

読んで頂いた方は分かると思うのですが、
今回書いたのは「カザードがどんなことをしてきたか?」というところまで。
まずはそれを書ければ自分の中でもよりキャラが固定化されると思いました。
それは正しかったのですが、問題はこの続きでして。

「このカザードはどんな風に原作キャラと絡むのか?」というところが色々妄想できすぎて逆に固まらないという事態に陥ってしまいました。

この部分が固まらないと本当の意味での結末が思いつきもしません。
かといって今を逃してしまうと創作意欲が無くなってしまう。
「じゃあしょうがない、既に分かっている区切りの良いところを一先ずの最終話にしよう」
ということでできたのがこの小説です。
いうなればここまでは序章なんですよね。

逆にここから色々と原作キャラとの絡みだったり、
オリキャラとの絡みとかを書いていければ方向性は見えてくると思っています。
ただここまでを結構勢いで書いたので今はちょいガス欠です……
また意欲が湧いたら少しずつ書いていけたらいいな、と思っています。
(自分の性格的に「少しずつ」は無理そうだなと思っていることはナイショ)

さて、それとは別の話です。
正直この作品を書いていて今まで経験したことがない現象に襲われました。
「自分の書いた言葉が自分の胸に深く突き刺さる」ということです。

もともと性癖を一杯詰め込もうとして書き始めたお話ではあるのですが、
それは同時に結構暗い面も多く含まれることになることが決定していました。
私は割とそういう暗めのお話は好きなので(救いがないのはきついのですが)。

ただ、小説内のキャラが吐露し、叫び、苦しんでいる言葉は、
ほとんどが私の胸の内から自然と出てきた言葉でした。
そうして書いているうちに、私自身も気づいていなかった
「あ、もしかしてこの小説はこの単語がテーマなのかな」
というものが作り上げられていました。
それに気づいてからは、逆に絶対にその単語を使わないようにしようと
注意して書き進めていました。
「最後のお話には書いてもいいかな?」という気持ちもねじ伏せました。
なので正真正銘、この小説にそのテーマとなる単語は出てきていません。
ありきたりな言葉なのですが、今それを強く感じるからこそ
こういうお話を書きたくなったのかな、と思いました。

もしテーマが分かったという方がいたらこっそり教えてください。
たぶん原作キャラとの絡みを読んでしまうとすぐ分かっちゃう気がするので、
今のうちですよ(何が?)。

さて、言いたいこともだいたい書けたのでそろそろこの辺で。

あ、AFKアリーナは基本無料の放置ゲームなので遊びやすいですよ!
ちょいちょい日本語訳がおかしいところはありますが、
私はシステムもキャラも好きだったので、すっかりはまってしまいました。
もし良かったらダウンロードしてみてください。
それでキャラのことを知ってからこの先のお話を読むともっと楽しめる…かも?
続きがいつ書けるか分かりませんが(おい)。

はい、それではいい加減にこの辺で。
続きのお話は気長にお待ちください。
皆さん、こんなご時世ですので、体調にはお気をつけてお過ごしください。
瀧音(そうね)でした。
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