トータルイクリプスサンダーボルト   作:マブラマ

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第21話 Take The A TSF

レッドフラッグ

東欧州社会主義同盟総帥、ベアトリクス・ブレーメが発案した

ブルーフラッグ不参加の衛士2人の為に設けた大規模模擬戦闘プログラム

参加機体は

・日本帝国佐渡島同胞団ムーア中隊

94フルアーマー

不知火

・東欧州社会主義同盟第666戦術機中隊

ラーストチカ

サイコアリゲートル

ブルーフラッグ同様、その概要はAH演習によって互いの技術を評価研鑽する事を目的とした、総当たり形式の戦術機同士の模擬戦である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東欧州社会主義同盟Side

 

アルゴス試験小隊専用格納庫から10km離れてる特殊演習場では東ドイツのベルリン市街の一部を再現して作られた特別な場である

そして何よりもここは元々映画『1983-国家に反抗した哀れな衛士たち‐』の撮影セットで、それを身に付けたベアトリクスはこのセットは映画会社から解体する予定だったが、手間が省けた

予定通りでは5ヶ月かかっていた。

そしてブランデンブルグ門の復元した建物の前でアラスカに到着したベアトリクスは壇上に立つ

「ブルーフラッグは各国の試験小隊が集う場である。より他の衛士を超え、より強くなり、国の為に役に立ちたいと強い想いを持つ競い合う…所謂、模擬戦闘プログラムだ」

ベアトリクスは目の前にいる2つの代表衛士達に言い放つ

勿論、悠一とダリルも参加する

互いに闘志を燃やしていた

この人に勝ちたいという思いで

「ブルーフラッグ不参加の代表の皆は存じてるだろうが、参加できない理由は自分の頭で考え理解してる者は答えを導いてる筈だ」

この演説を傾いて聞いてる悠一はベアトリクスが何考えてるか分からないとそう思った。

ダリルは逆にベアトリクスの考えを理解している振舞いをした。

「ブルーフラッグは試験小隊の集まりだが、このレッドフラッグはブルーフラッグ不参加の衛士達が競う模擬戦闘プログラムだ、悠一……」

「フン、最後は必ず俺が勝つんだ。お前は敗北する運命だ」

悠一は勝ち誇った表情でダリルに向け言い放った

勝利に拘る素振りが見えてる

「アメリカと我が同胞国のソ連は互いに友好に築きたいとこうほざいてるがそんな筈がない。”人類は必ずしも絶対に一つにはなれない”この一言でしか言えない。が、アメリカは日本に対し佐渡島を見捨てたことは事実でこれに限っては覆されない。そんな国の政治家が日本の事を考えているとは程遠い」

ベアトリクスは在日米軍が佐渡島を見捨て、都合が悪くなったら即撤退した事を怒りを表している

「ここは馬鹿な衛士2人と戦わせるために…失礼、優秀な衛士2人を戦わせる場だ。私からの話は以上だ」

と言い放った後、壇上から降りて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠一Side

 

レッドフラッグに参加した俺と鈴乃は第3格納庫でブリーフィングルームにてムーア中隊の衛士を集い作戦を練っていた

「第666戦術機中隊の機体編成はMiG-29 ラーストチカ11機、その1機はMiG-27 アリゲートルがそれぞれ12機。さて、紅林少尉。斯様に手強い”シュヴァルツェスマーケン”に我々が付け入る隙があるとすれば何だと思う?」

鈴乃は紅林に問いかける

「はい、今回の戦闘に置いて戦力の要の一つとすれば豊臣少尉の存在です。戦法は卑劣で敵味方問わず機体を盾にして敵機を撃墜すると思います。が不知火をベースにした94フルアーマーはまだ実戦経験がなく、既に現役機として実戦で信頼を得ている不知火、そして練習機としての役割を得ている吹雪はBETAどころか対人戦は未知数です」

成る程な…って俺の戦い方をケチ付けるな!

紅林は話し続ける

「最も警戒すべき衛士がノーマークに近い機体に乗っています。これが彼女らにとって――――また我々にとっても相手へ付け入る隙となります」

「成る程、その分析から取るべき戦術は自ずと導かれるな。誰か提案ある者はいないか?」

「はい!」

黒髪セミロングの真ん中分けでサングラスの男性が挙手した

年齢は30代ぐらいと思われる細身の風貌で、やや額が広めの中分け、帝国軍の簡易ジャケットに濃紫色のYシャツと、中々に奇抜な出で立ちをしている。ただし、休日の旅行地の気候では上着を脱いでシャツの袖をまくっていたり、逆に防寒着をまとっていたり、ラフな柄シャツ姿であったりと微妙な差異も存在する。

髪型は2本のアホ毛が特徴だ

何者だ?此奴は

「鬼頭少尉、言ってみろ」

「はい!え~まずは弱い機体を後ろにするセオリーを狙って豊臣少尉の94フルアーマーを後列に置きます。すると敵は豊臣少尉が我々の弱点だと確信して回り込んで来る筈です。ところがこっちの豊臣少尉がトップの逆配置が本当の狙い……豊臣少尉は囮になりつつ攻撃の中心となります。紅林少尉が長距離支援で大倉大尉と紅林が追い込み豊臣少尉が喰う」

「ほぅ…」

「これを基軸プランにあとは状況によって…」

「貴様が言いたい事はよくわかった」

鈴乃は小さな笑みでこう言い返した

「いいだろう。今回は鬼頭少尉、貴様のプランで行く。サブプランの検討は……私の判断で考えて決める。異論はないな?以上解散!」

そう言うと、鈴乃はブリーフィングルームから立ち去り強化装備を着替え演習開始まで待機した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

演習開始から10分経過、俺達は第666戦術機中隊の戦術機と模擬戦演習をしていた

この時点で始まった直後に4機が脱落

残り8機に陥った

「クソ!いつの間に回り込んでやがる!」

《第666戦術機中隊は市街戦慣れしてる、東ドイツのウルスラ革命で活躍した伝説の中隊だからな。生半可な気持ちでは倒せないぞ!》

鈴乃は俺に念には念を押し言い放った

「分かってる!とりあえず…」

俺は2連装突撃砲で乱射しつつ、目の前にいるラーストチカに向ける

666中隊側は12機

損害数0かよ……。

アネットのラーストチカが94フルアーマーに向け長刀を構え切りかかる

《このぉぉぉぉっ!》

真上だったが、何とか回避

2連装突撃砲を発砲

「突っ込めりゃいいってもんじゃないぜ!」

ロケットランチャー射出しアネット機に向けたが躱された

アネット機は長刀を構え、94フルアーマーに切りかかるが、背部兵装担架に収納してる突撃砲で一回転しつつ背部射撃する

《ぐ!》

アネット機は再度切りかかるが、俺はサブアームに付いてる追加装甲で受け止める

「ウルスラ革命に参加した歴戦の衛士はその程度の戦力だったのかよ!ガッカリだぜ」

《煩い!アンタはあたしがやっつけるんだから!》

この構え、長刀を両手で握り態勢を整えただと!?

そして俺に突っ込み……

《このぉぉぉぉぉぉぉっ!》

拙い!やられる!

当たりかけたが、鈴乃が乗る不知火の突撃砲で乱射する

《無暗に突っ込むな、豊臣!》

「あ?何でだよ!」

《相手は666だぞ、本気でやらなきゃ倒せないぞ》

「なら、ちょいと付き合ってくれ」

俺は追加装甲2つをアネット機に向け投げ当てる

《ぎゃ!此奴……何する気なの!?》

そして鈴乃機を盾にして突っ込む

「これなら敵さんも脱落出来るぞ」

《ちょ、貴様!私を盾にして》

「一気に攻める!」

鈴乃の言動を無視して俺はただアネット機に2連装突撃砲で砲撃

サブアームに掴まれ盾となった鈴乃機は観念したか突撃砲で発砲

これらの流れ弾なら躱せない

そしてアネット機の管制ユニットに当たった

アネット機は脱落した

《そんな……あたしが、やられた…》

俺は次の獲物を狙う

残り11機

これはキツイな………。

《アネットちゃんがやられたわ!》

《これが日帝の戦術機……こんな重装備で良く動けるわね。戦い方が卑怯だけど》

ファムとシルヴィアか。

俺は一旦鈴乃機をサブアームから放す

「確かに生半可な気持ちだと倒せない相手だな……」

《やっと理解出来たわね》

「バラバラになったが……ここから本気で仕掛けるぞ!」

俺は機器にガムテープで固定してるカセットレコーダーの電源を入れ軽快なジャズを流しつつ颯爽とファム機とシルヴィア機に向け最大全速でジグザグ飛行し2連装突撃砲で連射

《此方ムーア3、敵機3撃墜しました。残りは8です!》

紅林、よくやった!

で、肝心の鬼頭って男は?

《ムーア2からムーア4!敵に囲まれた援護を!…ぎゃあああああああっ》

ブツ!

《ムーア4!どうした?クソ、また1機やられた》

鈴乃が焦りだした

残り7かよ!

《シュヴァルツ1より各機に告ぐ!敵の数が少なくなった。ここで一気に叩き込む!》

ファム機が俺に向け突撃砲を構え発砲し突っ込んできた

2連装突撃砲の残弾は少なくなってきた

《ムーア5、2機撃墜!作戦継続します!》

残り9

《ん?このアリゲートル速いぞ!旧型にしては…ぐあっ!》

え?

何が起こったんだ?

《アリゲートル!?ウルスラ革命で活躍した戦術機が……!》

鈴乃は何か気が付いたようだ

「どうした!?」

《……気をつけろ!このアリゲートル、ただのアリゲートルではない》

「もう一度盾にしようか?」

《それは愚策だな、同じパターンは通用しない》

7対9か……。

「予定とは大幅違うが、何かやれる気がするぞ!」

俺はファム機に向け最大全速で突っ込み2連装突撃砲で連射

《ファム!危ない!》

放った弾丸はファム機の管制ユニットに当たりかけるがシルヴィア機が追加装甲で防いだ

2連装突撃砲の残弾は10

シルヴィア機が跳躍ユニットを噴出し水平飛行で94フルアーマーに接近し膝蹴りを喰らわす

膝蹴りされた94フルアーマーが装備してる2連装突撃砲はシルヴィア機に目掛けて叩き付け投げ棄てる

「くっ!」

ファム機の背後にラーストチカ3機が俺と鈴乃に向け一斉射撃

鈴乃機は頭部がやられるが機体はまだ動けるようだ

《案ずるな、メインカメラがやられただけだ》

紅林が俺らのところに来てラーストチカ3機に向け突撃砲を構え発砲

3機とも、管制ユニットに命中

ただの整備兵ではないな、此奴は

《中隊長!援護に来ました》

《紅林か?残存は?》

《それが……4機全部アリゲートルにやられ俺と豊臣少尉と貴女だけです》

嘘だろ……おい。

アリゲートル1機で4機を……。

面倒臭いが、少し派手にやるか

「鈴乃、紅林!離れてろ。俺が全部やっつけてやる」

俺は92式多目的自律誘導弾をラーストチカ6機に向け放出

《ぐは!》

《がは》

《回避…うが》

3機撃破、残りの3機は上手く躱してやがる

《サブアーム付きの背部兵装担架を外したらただの不知火だ!やれるな?》

サブアーム付きの背部兵装担架を外し、鈴乃から長刀を借りそれを握り構える

「奴との決着をつけねえと……」

アリゲートルが俺の94フルアーマー…いや不知火に急接近

サブアームに付いてる突撃砲や両手握ってる突撃砲で同時連射

おかしい……何かが

旧型にしちゃ、両腕がアリゲートルのモノではない

「くっ、近づけさせないってかよ!」

速い!これが666の力と言うのか!?

反応が良好だ!動きが鈍くはない

「鈴乃!紅林!あのラーストチカ2機は任せる、俺はアリゲートルを!」

《了解したわ》

《了解です!》

長刀を握り構えながらアリゲートルに切りかかる

しかし躱されつつ、距離を取る

《お前にしてはなかなかやるな》

やはりな、どうりでおかしいと思ったわけだ

「……!」

俺はもう一度長刀を握り構えダリル機に突っ込みつつ切りかかる

また躱された!

その時だ、互いの夢を見た事を振り返る

 

私もいつか心から笑いたい

 

 もう貴方を愛しません…そうすれば沙霧大尉の為に忠誠を尽くす事が出来る

 

私に出来る細やかな思い……テオドール君がいつかベルンハルト大尉と一緒に幸せに暮らせる日が

 

 あの頃に戻りたい……今でも夢に見る程です…草野少尉、村田少尉に早乙女少尉、坂崎中隊長の仇を!

 

テオドール君……早く戻ってきて

 

貴方ともう一度…

 

テオドール君……

 

 この苦しみを……貴方も背負えばいいわ…貴方なんか坂崎中隊長の何が分かると言うんですか!

 

 私は迷いはありません、坂崎中隊長の仇は……貴方が取ればいいんだわ!

 

 もう戻ってこないんですよ……どんなに足掻こうと……だから私は、民を導いていない日本を…変えて見せる!

 

俺が見た夢は駒木が今までの自分と決別した会話

ダリルの方はファムがテオドールをアイリスディーナの元に戻って欲しいと願う夢の内容だ。

我を振り返り、互いの機体と衝突し合う

猪突猛進でダリル機に突っ込み長刀を振り回しつつ攻撃を躱し、的確に切りかかる

サブアーム1つ切り落とす

ダリル機はもう1つのサブアームで保持してる突撃砲と両手握ってる突撃砲で同時連射

不知火の頭部左半分に直撃

「……」

警報音が鳴り響く

「チッ!視界を半分潰されるとは…やってくれるぜ……!!」

俺は長刀を握り構えながら後退

「来い…機動力は失ったが」

そこに脱落したラーストチカ1機が棄ておいた突撃砲を拾い上げ左手で握り構える

「置いてけぼりの突撃砲があって良かったぜ。火力は僅かだが残ってる」

そう油断してるうちにダリル機が急速に突っ込む

《墜ちろ!!》

「これで終わりだ!!大人しく脱落しろ!!」

俺は突撃砲を構え発砲

ダリル機の左腕に直撃

そして同時にその衝撃で俺の機体は倒れ機体は動かなくなった

「……!」

冷静さを振る舞い俺は機器を弄り不知火を再起動させる

ブオン

「再起動完了…流石94フルアーマー…頑丈に出来てる。跳躍ユニットも2つとも無傷だ」

突撃砲と長刀を棄て両腕部に収納してる近接戦用短刀を取り出し握る

「あと20分……奴とのセッションも次で最後だな。ケリをつけてやる!!」

最大全速で突っ込み、近接戦用短刀を握り構えつつダリル機に急接近を試みるが

《ここから先は通さないわよ!》

シルヴィア機が邪魔入った

鈴乃、紅林はやられたのか?

「邪魔だ!」

俺はシルヴィア機に蹴りを入れ近接戦用短刀で管制ユニットを攻撃し墜落する

《が……!》

俺はシルヴィア機が握り持ってる突撃砲を奪い管制ユニットに向け直撃

シルヴィア機は脱落した

ファム機のマーカーが付いていない……鈴乃か紅林がやったのか

シルヴィア相手によくやったもんだ

互いに残り1……

ダリル機が最大全速で近づいて来る!

残弾は0みたいだが、油断は出来ない

俺はダリル機に向け近接戦用短刀を投げ突撃砲を構え発砲

これで終わるかと思ったが……

「ジャズが聴こえるか?義足野郎。貴様を脱落させに来たぜ」

ジャズが鳴り響く

激しく鳴り響く

「俺の…勝ちだ…!!」

ダリル機の左腕に内蔵してるモーターブレードで機体を一刀両断した

真っ二つになった機体はそのまま倒れた

「何故だ!?何故奴に勝てない!?何故だ!!」

俺は脱落した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良平Side

 

レッドフラッグは無事終了し、俺達はナタリーが経営するバーへ向かいカウンター席に座った

「遠くから観戦させて貰ったわ。あの旧型のアリゲートル、貴方が乗ってたの?」

ナタリーは俺に問いかける

「……ああ、俺が乗ったよ」

「ふふ、嘘が上手ね」

「本当だよ、信じられないと思うけど俺みたいに手足が失った衛士は沢山いるんだ」

ナタリーは和やかな笑みを浮かべ優しい目線で俺の顔を見る

「……そんな戦術機があったら国連から何言われるか予想付いてると思うわよ」

そう言いつつ、ナタリーは何も言わず氷が入ったグラスにウォッカを注ぎそれをカウンターに置く

「ん、頼んでないけど」

「私からのサービスよ♪」

ナタリーの表情見ると一見笑ってるように見えるが目は笑ってはおらずどこか寂しい感じがしていた

「ファムはアネットを連れ先に戻ってくれ。俺はナタリーと大事な話があるんだ」

「分かったわ、ダリル君先に帰ってるわね」

ファムはアネットを連れ、基地に戻って行った。

「なぁに?私と大事な話って」

ナタリーは優しく声をかけ俺を問いかける

「以前、『貴方も私の同志にならない?』と言ってたけど」

「うん、忘れるはずないじゃない」

「……」

ここはカマかけてやるか

「ナタリー、君は親切で優しい女性だと思ってる」

「あら、嬉しいわね♪私の事好き?」

「ああ、好きだよ。1人の女性として」

まさかナタリーがテロに加担してたとは思わなかったな

潜入任務ならここは奴等の巣に入るチャンスがある

「考えたよ、俺は…この先どうすべきか?」

「それで私の同志になってくれるのかしら?」

これは潜入任務なんだ。

ファム、アネット、シルヴィア……お前達を巻き込みたくない

でも分かってくれ、これが俺の本来の任務だ!

「俺はお前を安全な所へ行かせて平穏な生活を暮らさせたい!」

「?」

「同志になるよ。ナタリー、俺を利用して構わない…どんな状況だろうと俺は守って見せるよ」

俺がそう言うと、ナタリーは誇らしげな笑みを浮かんでこう言った

「賢明な判断ね。幸いここには誰もいないわ。そろそろ店閉めようと思ったところなの」

「営業時間まだあるのに?」

「臨時休業よ」

ナタリーは俺に近づき棘がある笑みを浮かべながら手を差し伸べた

「ふふ、ようこそ難民解放戦線へ。歓迎するわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2時間後、俺は専用格納庫に戻り俺のサイコ・ザクを見つめていた

そんな中、ファムが俺に声をかける

「随分と長い時間いたのね、ダリル君」

「ファム姉……話したい事がある。聞いてくれないか?」

この事は包み隠さず話しておきたい

「何かしら?」

「薄々気づいてると思ってるけど、俺は難民解放戦線に潜入し破壊工作を行う」

「え……?」

俺がそう言うとファムの表情が凍り付いた

「ブレーメ総帥の命でテログループの壊滅及びにそのリーダーの粛清任務があるんだ」

「ダリル君……」

「俺はこれから戦場で戦い続けたい。俺の体を最大限に活かす最高の戦術機で最高の敵と!」

ファムは戸惑ってる

そうだよな、いきなり潜入して破壊工作するとか言ったら戸惑うのも無理はない

これは極秘任務だからな

「アネットの事、頼んだ」

「そんな……危険よ!貴方は自分が何しようとしてるか分かってるの?」

分かってるさ

でも、今更退けないんだ

「大丈夫だ、ファム姉を巻き込ませたくはない。何かあった場合はサイコ・ザクを自動操縦に設定してリモコンで動かしてくれ」

俺はサイコ・ザクの遠隔操作用リモコンをファムに渡した

「これは……?」

「ボタン押すだけで動くよ、それとここも何れ襲われる可能性が高い」

俺はここから立ち去ろうとするがファムは涙目で俺を抱き締めキスした

「……」

「……必ず帰ってきて。寂しい想いはしたくないの」

「うん、必ず……必ず帰ってくる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テログループSide

 

「いよいよその時が来たのだ諸君――――後は決行するのみである」

褐色の女性と左側に額と眉毛の間に傷がある屈強な体格を持つ男性と数人の構成員で作戦会議をしていた

「確かに――――作戦は順調だわ。慌てて繰り上げた割に気持ち悪いくらいにね」

「ほぅ……何か問題があるとでも?」

女性は眉間にしわを寄せつつ冷静に言い放つ

「いきなり始まった例の大演習……あれは完全なイレギュラーよね?基地のレベルも当然上がってるしその分リスクも高くなった」

女性は言い続ける

「なのに演習の終了を待つ事もなく、寧ろ計画を前倒しにするなんて私にはどうしても理解できないわね」

「……完全な計画がないように完璧な状況もあり得ない。ここに来て失敗を恐れているのか?」

「違う――――私達はあんたやあんたの部下みたいに兵隊だった訳じゃないわ。大きな疑問を棚上げしたまま、ただ命令に従うなんてできないって言っているの」

「………」

男は口籠った

その直後、ある男から通信が来た

《―――君の心配はもっともだ、ヴァレンタイン》

赤い髪で年齢は30代、その顔立ちはかつてアイリスディーナと共にし仲間達を親しんだ少年が成長した姿だ

《計画や作戦は何度でも立て直す事が出来る……だが人の命は一度きりだ。主が与えたもうたそれらを無駄にするべきではない》

「―――はい」

《なればこそ―――私は今こそが好機だと確信している。ソ連遠征とそれに続く大演習は彼らにしても寝耳に水だった。警戒レベルこそ上がってはいるが準備が万全ではない事は潜入班の報告がそれを証明している。これこそ正に主の導き……私にはそう思えてはならない。行動しよう……救われるべき子羊の為に》




次回はユーコンテロ事件です!
いよいよですね……長かった
このままいけばオルタまでいけそうかも?
悠一はフルアーマーガンダムで難民解放戦線の衛士が乗る戦術機と衝突
ダリルは難民解放戦線に潜入して情報を漏洩し悠一達にリークする
お楽しみに!
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