悠一Side
小田原西インターで俺含め伊隅大尉率いるヴァルキリーズはクーデター軍と交戦し殲滅し終えた後、状況確認していた
『烈士』と書いてる不知火が炎に包まれ燃え盛っていた
《上出来だ!全員生きているな?》
《新型OSのテストが人間相手なんて…》
多恵、言いたいことは分かるぜ
皮肉だな、まさか対人戦でテスト行われるなんてな
笑えねぇよ
《築地少尉。今は任務に集中なさい》
祷子は冷静な対応を取る
全集中……か
集中……呼吸を整えて意識を高める
《ここを突破できない限り彼らは目的を達成できない。次は本腰を入れてくる筈》
《ですが!命までは奪わなくても!》
多恵は人を殺した経験はなかったのか。
「不知火をここまで苦しめたんだ。誇っていいんだぜ?」
《え?》
「相手は帝国軍の強者だ。ウジウジしてたらいつまでも自分のセッションは奏でられないぜ?そうだろ、速瀬中尉」
《……まぁ、アンタが言ってることも一理あるわね。圧倒的な差を見せつけることが犠牲を最小限にする唯一の方法なんだ》
《うん……》
覚悟と正義のぶつかり合い
これだけは言っておくぜ多恵
戦争っていうセッションは永遠に終わらないんだ
《全員聞け!我々ヴァルキリーズは人類を保護する天の切先。いかなる任務であれそれを遂行する!》
伊隅大尉の一言でヴァルキリーズ衛士全員戦闘態勢を構える
《その妨げとなるのならBETAであれ人であれ排除するのみ!》
そうだ、その通りだぜ伊隅大尉
人類を保護するために人を排除とはなんとも皮肉な事だが、これは戦争だ
男も女も関係ない
対人戦なんて本来したくない筈だ。
萌香、多恵、クーデターに加担しない鈴乃と早乙女も
皆同じなんだ、そんな甘ったれな事言ってる場合じゃねぇ!
「中尉殿、高原少尉と築地少尉にお叱りの言葉を送りたいのですが許可を願えませんか?」
《え?ああ、分かったわ。伊隅大尉》
《許可する》
「んじゃ、お言葉に甘えて…高原少尉、築地少尉!俺達は戦い続ける宿命だ。BETAだろうが人であろうが立ち向かわなければいけないんだ!お前の甘言でクーデターが収まると思うのか?」
俺の言葉を聞いた多恵は一瞬ポカーンと固まった。
《それは…》
多恵は口籠り不安そうな表情をした
ま、他人の命を奪うのは罪だが戦争はそうはいかない
命を奪い合う場なんだ、多恵
その甘さが命取りになるぜ?
「……少しは分かったか?場を盛り下げるのはやめて頂きたいね。冷めちまうぜ」
沈黙
皆全員黙り込む
「セッションはまだ始まったばかりだぜ、お二人さん☆」
説教終えた後、伊隅大尉から「気が済んだか?」と一言を添え俺は「はい」と返答した。
赤いマーカーが表示され、レーダーに機影が見えた
クーデター軍が目の前に近づいてくる
《来るぞ!》
クーデター軍と接敵したヴァルキリーズは全機、跳躍ユニットを噴出し最大全速で突撃していった
不知火同士の対決……!
すげぇ、比較になんねぇな!これが………ヴァルキリーズか
6対6、俺含めたら7対6
機動力はヴァルキリーズの方が上だ
前方にクーデター軍の戦術機と既に接敵したが、1機だけ動きが違う
《ここを確保すれば南へ増援を送り込める!》
クーデター軍衛士と交信する女性の声……。
!
この声は、まさか……!!!?
《一気に突破するぞ!全機!突撃!》
間違いない、この真面目さがある女性の声忘れる訳がない。
的確に戦況を把握しゆっくりと分析するその行動力
「(駒木だ、あの野郎…クーデターに加担するとは、沙霧大尉が傍にいるから盲目的に心酔したか)」
俺は駒木が乗ってると思われる機体に向け大声で叫んだ
「駒木!!俺の名を言ってみろ!」
萌香Side
私の名前は高原萌香
国連軍A-01部隊…ヴァルキリーズに所属してる衛士よ
私の上官である伊隅みちる大尉は私達に生き延びる術を厳しく頭に叩き込み、それを教えてくれた
衛士としての腕はまだまだだけど、いつかきっと私も一人前の衛士として前線に行ってBETAと戦いたい。本気出せば戦術機同士の戦闘は勝てる……と思い込んだのはある男が横浜基地に来て傭兵としてヴァルキリーズと行動を共にするまでだった。
出撃する数時間前、ブリーフィング後に更衣室で強化装備を着替えてる中私は多恵といつも通り楽しく会話をしていた
「萌香、ここ横浜基地にね。佐渡島同胞団っていう組織にいる衛士が私達と協力するんだって」
「ブリーフィングで聞いたよ。斯衛軍の豊臣悠一少尉だよね。あの人って見た目は不良だけど悪い人ではなさそうだし」
豊臣少尉の初対面での印象は、衛士界隈内で問題起こしてた人だって事は分かったけど私はそんな風には見えない
「そうかな……萌香はダメな男に惹かれやすいのね?」
「え?」
「何て言うか…デリカシーがない所とかね」
互いに強化装備を着替え終え、私は更衣室から出ようとしたが多恵が私の背後に胸を両手でゆっさゆさと揺らし揉み触る
「ひゃぁん!」
「ほれほれ、少しは大きくなった?」
多恵はいやらしい手つきで私の胸を揉み触り耳元に息を吹きかける
「ふぅ」
「あぁん!ちょっと何するのよ」
胸が大きくなったところで別に男と戯れたいとか思っていない
ただ、ひとつ気になることがある
それはBETA大戦終結まで生き延びられるか?
それだけが不安を募り気になった
私は多恵の両手を触れ自分の胸を揉み触り観念した
「あぁ…んぁ…」
吐息を吐いて妖艶な笑みを浮かべる
そして私は多恵の唇を重ねられ舌を絡められ強くぎゅっと抱き締めお互いに興奮をした
でも多恵は茜の事が好きな筈、なんで私に?
これは夢なの?いや現実だった
私は多恵の胸を試しに触った
「萌香?あぁん♡ちょ、やぁ…♡」
茜の胸と多恵の胸の体積比率は1:4。
香月副司令より大きい……なんて弾力なの!?
私と多恵が興奮し欲情した頃には既に自我を失っていた
「ん…♡多恵の…胸大きい♡」
「あぁ♡萌香…らめてぇ」
「私の胸を散々揺らして揉み触ったのに、自分のを揉まれたら都合が悪いのはダメだよ」
唇を重ね互いの胸を引っ付き合い舌を絡めつつ抱き締め合っている
「ん…♡ちゅ♡ちゅるちゅる♡」
「んぁ…♡萌香…ん♡ちゅぱ♡ぁん♡」
10分後、自我が戻り、互いの目線を合わせる
「多恵、私は貴女の事好きになっちゃった」
「ん…萌香、ありがとう。任務終えたら続きやろ☆」
深呼吸し、更衣室から退室
格納庫に入り、自分が乗る戦術機の管制ユニットに入ろうとするが一人の男の喚き声が聞こえそっちに向かうと豊臣少尉の姿があった
「火力が足りねぇんだよ!火力が!」
「え?」
私は豊臣少尉の言葉を聞き困惑し始めた
「何でシンプルな装備品ばかりなんだ!もっと武装を増やせ!チボラシュカ…アリゲートル…ラーストチカみたいに出力を上げろよ!」
強化装備を着た多恵は豊臣少尉が喚き散らしてるのを見て呆れ顔になりジト目で冷たい視線しつつ溜息をついた
「はぁ…」
「武装てんこ盛りによ!火力さえあればクーデターの連中だって一発で倒せるんだ!」
私は豊臣少尉に声をかけ少し怒りを表す
「無茶言わないでください!私達がいるヴァルキリーズは機動力重視です。シンプルな武装であるこそBETAと対等的に戦えるのですよ」
「そうそう、戦術機は基本的に機動力重視だからね…」
多恵は苦笑いで言った。
性能と出力、火力だけを頼ってちゃBETAは倒せないよ
「なあ、高原」
「はい」
「この基地に配備してる機体はシンプルな装備ばかりだが」
「先程言った通り、ヴァルキリーズは機動力重視で戦闘挑む中隊です♪」
私はニコッと笑みを浮かびこう言い放った
「豊臣少尉は火力重視の機体を好んでますが、仮にてんこ盛りにしてしまうとただの砲台としか使えませんね♪」
「分かった分かった、とりまアレだ。鎮圧することだけ集中すればいいんだな?」
「それだけではないと思いますが…」
「どういう事だ!?」
格納庫に入った速瀬中尉と茜ちゃんが豊臣少尉にちょっかい出してきた
「あら~?新しい機体与えられて御不満でもあるのかしら」
「贅沢は敵だよ!」
贅沢は敵……言われてみればそうかも
「よう、高原少尉と話してる途中だがアドバイスくれてな。嬉しい限りだよ」
私は思わずは「え!?」と驚愕し困惑する
速瀬中尉は「ホントに~?」と一言を添え茜ちゃんは無言でムスッとした顔になった
「えっと、豊臣少尉?」
「?」
私はもじもじとして頬を赤らめながら言い放った
「わ、私と付き合ってくれませんか!」
模擬戦闘の相手として豊臣少尉を誘ったが……。
「あ、わりぃな。俺付き合ってる人いるんだ」
「え?」
「俺が好きな人は…」
何か勘違いしてるから一応訂正しておこう
「え?あのそっちではなくて模擬戦の方です…」
「模擬戦闘か。ああ、良いぜ」
「ありがとうございます!」
「機動力重視って事はこの中にある機体は何かタネや仕掛けとかあるのか?」
私は笑みを崩さず機体に搭載している新型OSについて丁寧に説明した
「タネや仕掛けはありませんが、香月副司令が開発した新型OSを私達の機体に搭載してるらしいですよ」
「機体の性能と出力を頼ってばかりはいられないよな……」
「そうですよね」
私は豊臣少尉に優しい笑みを浮かべる
「えっと、シミュレータールームに行きましょう。そこでなら…」
そして私と豊臣少尉はシミュレータールームに行き、1対1での模擬戦を行った。
模擬戦始まってから3分後、私は豊臣少尉の戦闘スタイルを翻弄され苦戦していた
互いの機体は不知火
不知火同士なのに何でこんな卑劣な手を!?
私は……豊臣少尉の盾になってしまった
《おいおい、もうお終いか?つまんねぇな》
「!」
私の機体は豊臣少尉機から振り払い突撃砲の銃口を向け38mm弾を放った
これで当たった……訳ではなく躱された
そして……。
1時間経たずに私の敗北という結果で終わってしまった
模擬戦終了後、私はシミュレータールームから退室
横浜基地のPXで京塚のおばちゃん特製生姜焼きをゆっくりと食べた
PXとは酒保、簡単に言えば売店ね
食堂としての備えだけではなく日用品から各種記念品まで売られている
合成食ばかりだけど贅沢は言ってられない
私の隣に豊臣少尉がいつの間にか座っており私と同じ生姜焼きを食べていた
「よう、隣いいかい?」
「ええ、どうぞ」
何なの、あの男は
ストーカー?
そんな訳ないよね…単に運が良いだけの口が軽い男しか見えない
10分間、黙々と食事を手に付け食べ終えた後私は部屋に戻ろうとしたその時、豊臣少尉に声かけられる
「高原」
「何でしょうか?」
「ちょいと気になってな、アンタが好きな音楽は何だ?」
軽い口調で私に話しかけ好きな音楽趣向について聞かれた
「あー、私は特に何もないです」
好きな音楽か……うーん、何もないや
「何もないか……」
「はい」
「んじゃ、高原に興味持つ音楽趣向をみんなに聞くぜ」
え?
「じ、自分で探しますから!いいですよ!!」
「そ、そうか……」
豊臣少尉ってジャズを好んでるけど、「実は私もジャズが好きなんです」とか言ったらどんな反応するのかな?
「あの、豊臣少尉。ごめんなさい!私嘘吐いてました」
「あ?」
「私もジャズが好んで聴いてますよ。ただどんな曲なのかまでは分からないです」
「おお、高原もジャズの魅力が分かるか!」
ふふ、良い反応♪
よし、ここでグイグイと話すか
「あははは、聞き齧りですが…」
「そうかそうか、ジャズの名盤教えてやるぜ」
「お手柔らかに…」
まさか、自分がこの後死ぬなんてこの時は思いはしなかった。
悠一Side
任務開始から2時間経過、俺含め伊隅大尉率いるヴァルキリーズはクーデター軍の戦術機部隊と交戦
新型OSを搭載した不知火を駆けて俺は次々とクーデターの連中を捻り潰していった
《速い!》
そりゃそうだろうよ、連中の面子が丸潰れだ
しかし追加装甲で防御するクーデター軍の戦術機の1機がヴァルキリーズの弾幕を張られるのを粘る
《チッ…そう簡単に崩れないよね》
晴子は悔し紛れで敵機の動きを読む
《敵陣に誘い込まれるな!向こうの目的は時間稼ぎだ!アローヘッド1で左翼から突入!端から一気に削り落とすぞ!》
おうおう、そう来たか。
左から端を削るとはな……流石沙霧大尉の腹心といったところか
だがな、相手が悪かったな駒木
ヴァルキリーズ相手に牙を剥くとは無謀だぜ
《そのまま陣形を維持!機動性を生かして攪乱するんだ。動き回って囲い込め!》
伊隅大尉の文字通り、そのまま陣形を維持し機体の機動性を生かして攪乱させ動き回りクーデター軍部隊を囲い込もうと試みる
《うっ…ちょこまかと!》
クーデター軍部隊も猛攻し砲撃を続ける
欠伸が出るほど遅い動きだ
《うわっ!》
遅い!遅すぎるぜ!
《な…なんだあの機動は!?》
《こんな動きが戦術機に…!》
夜間戦闘は京都で経験済みだ
俺はクーデター軍側の機体の頭部をサッカーボールみたいに蹴り上げメインカメラを使えなくさせた
そして管制ユニットに向け120mm弾を放った
その繰り返し……次々と撃破
萌香機が直接前へ出て突撃砲を構えクーデター軍の戦術機に向け120mm弾を放とうとするが
《いける!この新型OSがあれば帝国の精鋭とも渡り合える!》
しかし萌香機の上から長刀を握り構えた不知火が……
「!高原、避けろ!」
《え?》
萌香機を真っ二つにさせ撃破された
「!」
《た…高原ぁー!!》
速瀬中尉の悲痛な叫び
「くっ……!」
燃え盛る萌香機の残骸
もう我慢ならねぇ!
俺は確信した。萌香を殺したのは駒木だって事を
その頭上からの長刀を使った切り捌き
的確な攻撃
そう思い私怨で駒木機を攻撃しようとしたその瞬間、速瀬中尉機が駒木機に突っ込み長刀で切りかかる
《よくも…よくもあんた達!》
しかし別方角から敵機が速瀬中尉機の背後に
《しまった!》
伊隅大尉が突撃砲で背部兵装担架に収納したまま速瀬中尉機の背後にいる敵機を背部砲撃
左手に長刀を握り駒木機と対峙する
《馬鹿者!余所見をするな!こちらは私が抑える!》
燃え盛る萌香機の残骸を見た多恵は号泣し叫んだ
《いやぁー!!》
機体の動きが止まった
馬鹿か死ぬ気か!
《うっ…》
真正面からクーデター軍の砲撃
拙い、当たってしまう!
多恵は動かないし、俺は何もできねぇ!
《多恵!足を止めちゃ駄目!動き回って!》
《茜ちゃん……》
俺は機体の残骸を盾代わりに使おうと目論むが、萌香機に盾代わりしたら伊隅大尉が怒るだろうな
多恵には申し訳ないが……ダメだ、やめておこう
《しまった!晴子!このままじゃ大尉が孤立する!援護を!》
《わかってるって!でも!こっちも結構…きついんだよね…》
万事休す
緊迫感が溢れる
練度が高いな……本土防衛軍の力は一筋縄ではいかないな
《茜ちゃん!》
多恵はクーデター軍の戦術機2機に向けバレルロールを展開し旋回飛行で砲撃
動きが滑らかで凄い
しかし、茜機の背後に敵機が長刀で切りかかる
チッ…こうなりゃ自棄だ!
俺は最大全速でジグザグ飛行しつつ突撃砲を構え敵機に向け砲撃
敵機の頭部を蹴り上げる
「動きがのろいぜ!そんなに死にたいならさっさと潔く退場しろ!それが嫌なら動け!」
俺は俺らしくない言動で多恵と茜を叱りの言葉を送る
「いいか!?戦争っていうセッションは永遠にループし続けるんだ!ただプレイヤーが入れ替わるだけだ!その甘ったれな言動で貴様等は高原を死に追い込んだ!戦争ジャンキーの俺だが大切な人を喪った人間の気持ちは分かる伊隅大尉の代わりに俺は言わせて貰う!動かない衛士は奴等に殺されて来い!その方が部隊の負担も減るというものだ」
悪いな伊隅大尉、台詞を取らせて貰ったぜ
それを聞いた伊隅大尉は何かを察したか小さな笑みを浮かべる
《そうだ…これ以上死なせるもんか。この戦いを終わらせて…私達は生きて帰るんだ!》
多恵は涙を流し泣き終えた後、その目は闘志を燃えていた。
「うっしゃあ!そう来なくてはセッションが出来ないぜ!」
俺はアドレナリンが活発し突撃砲で駒木機に向け照準を合わせる
120mm弾の残弾は100
38mm弾はまだ余裕で行けそうだ
後退し伊隅大尉を先行させ駒木機と長刀で交わる
互角の操縦センスだ。一歩も引き下がっていない
《投降しろ!最早追撃は間に合わん!これ以上無駄な血を流させるな!》
伊隅大尉は駒木に咆哮
武力をもって降伏させようとするが
《日本語!?貴様日本人か!》
駒木機は伊隅大尉機に近づき長刀を握り刃を向ける
《現状を見てもなお殿下を連れ去ろうとするか…売国奴め!!》
《我々は軍人としての責務を果たす!必要なのはそれだけだ!》
《そういう言葉を言い訳にして皆が現実から目を背けた結果がこれだ!》
ちょいと強くなってきたな駒木
伊隅大尉に喧嘩を買うなんていい度胸してるじゃないか
刃を向き合う双方は猛攻し合う
俺はただ見守るだけで介入することはできない
《己の利益や立場を守ることしか考えずそのために他者を貶めるならBETAと何が違うというのだ!!》
練度がえげつない!
近距離での突撃砲全部回避する伊隅大尉
……いい盛り上がりだぜ伊隅大尉
《繰り返す!武装を解除して部下達を投降させろ!貴様達の計画は既に破綻している。これ以上の問答は不要だ!》
最後通告、これ以上はやめた方がいいぜ駒木
都が喜ぶわけがないし軽蔑されるぞ
《第2小隊…ぐわーっ!》
《我…行動不能…先に逝きます…駒木中尉…》
次々と撃墜されていくクーデター軍側の戦術機
駒木機は最後の悪足掻きをしたが伊隅大尉の練度が高過ぎたか左腕が切断され倒れた
《ここまでだ。殿下は間もなく国連軍保護の下戦域を離脱される》
これ以上邪魔をしようってんなら、容赦はしない
伊隅大尉はそう思った。
《既に追撃は不可能。貴様の目的は潰えた》
俺は突撃砲を下げ、伊隅大尉機に近づく
《この戦乱もここで終わりだ》
伊隅大尉はそう言い放ち、駒木は弱弱しい声で何か呟いた
《既に雪は降り出した…地に積もった雪は日に照らされ冬の終わりを告げる雪解け水となる…夜明けは近い…我等は清流となりこの国の汚濁を洗い流す…日の差す所に…雪が残ることはない》
上空から何かが飛んできたぞ
《上空を何かが通過します!》
《これは!》
これは、日本帝国軍の輸送機
空挺部隊か!?
増援かよ……ということは駒木はそれの時間稼ぎしてたって事か……陽動って訳かよ!クソ!嵌められた!
高度を置きギリギリまで下げる輸送機
これはBETA対策の一つだ
光線級がレーザー照射されないためにギリギリまで高度を下げる
エアボーンだ……クーデター軍の主戦力が地上に投下させ地面に付ける
海上の制空権は何故かアメリカ軍が抑えている
内陸を飛んできたというのか……恐れ入ったぜ
そしてある男が国連軍やアメリカ軍に向けこう言い放った
《私は本土防衛軍帝都守備第1戦術機甲連隊所属沙霧尚哉大尉である》
スペシャルなゲストのお出ましだぜ!
分かってると思うが、沙霧尚哉大尉はクーデターの首謀者だ
《直ちに戦闘行動を中止せよ!我等の目的は戦闘ではない!》
おいおい、正気かよ
こんな時に対話か?
双方は好きでこんなことやってるわけではない
それは分かってる。穏便に済ませたいというのか
《故あって決起し立場を異にする諸君らと対峙しているが、我等は諸君らが無法にも連れ去ろうとしている殿下をお迎えに上がったのだ!聊か一方的ではあるが諸君らにただ今から60分間の休戦を申し入れる》
「何言ってやがる……?」
《尚、この休戦は煌武院悠陽殿下の御存命にかけて履行されるものである。我等からそれを破ることはあり得ない》
………。
《諸君らにとって現実的で誠実な対応を取られることを切に願う。60分後再び呼びかける。返答なき場合我等も全ての手段をもって事態の収拾を図る。そう心得られよ。以上》
……さて、どうするか?
「どうします?伊隅大尉」
《どうするも何も、我々ができる事は見守るだけだ。休戦を応じるべきか》
「それよりこの不埒な衛士をどう落とし前を付けるか?自分はそう思っております」
駒木の拘束は後回しだな
今は沙霧大尉の動向を見守るしかない
総力戦か、面白い……!
俺は期待感を高め闘志を燃やしていった。
大変申し訳ないと思いますが一番重要な場面を書きたかったのですが残念ながらカットしました。
理由は悠一がヴァルキリーズの隊列から離れてタケルちゃんのところに行ったら不自然ではないかと思ったからです
これは結構重要な場面ですね
ウォーケン少佐とイルマ少尉出したかったのですがこれもカット(-_-;)
その重要な場面はタケルちゃん視点ばかりですから他のキャラ視点だと書くのが難しいんです(-_-;)
自分はイルマ少尉好きですよ
クーデター勃発前の彼女の物語が見たいな……。
そんな訳で次回はクーデター最終局面かな?
多分最終局面です
次回のお楽しみに