トータルイクリプスサンダーボルト   作:マブラマ

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いよいよ明星作戦です!
久々に別視点からの描写を書きます


第7話 Opration“Lucifer”

1998年9月24日

佐渡島はBETAの侵攻により陥落

北陸地方は完全にBETAの支配下となった

陥落から6日後、欺衛軍本部の会議室にて帝国軍将校を集い、俺を含めかつて佐渡基地第三予備戦術部隊B中隊の中隊長だった大倉鈴乃とその残存戦力と戦災難民で組織された一団『佐渡島同胞団』を設立した

佐渡島の奪還と復興を悲願とし、欺衛軍及び帝国軍への貢献度を誇示する為、数々の任務を遂行し部隊の作戦立案と物資、兵員の調達は、同胞団上層部によって行われている。

バラライカやラーストチカ等の海外の戦術機を調達できるほどの資金力を持ち、日本帝国の事実上の長である征夷大将軍や五摂家の崇宰恭子への貢献の象徴となることを期待し、鈴乃を同胞団の長に任命される

戦力は戦術機空母を中心に戦術機揚陸艦が5隻

無論、フルアーマーガンダムに乗っているのは俺1人を戦力の要の一つとして導入する

他は装甲車両や撃震、不知火等の戦術機を編成してる部隊だ。

1999年8月5日

過酷なBETA大戦においてはパレオロゴス作戦に次ぐ大規模反攻作戦、明星作戦に参加。

横浜ハイヴの殲滅と本州島奪還が優先戦略目的。太平洋側と日本海側からの艦砲交差射撃による後続の寸断に始まった本作戦は、横浜ハイヴ攻略を今始めようとしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠一Side

 

《総員兵器使用自由。目標前面BETA群》

鈴乃の号令で戦術機とモビルスーツを混成した強襲部隊を編成し鈴乃は撃震に乗って殿を務め指揮を執る

《撃て!》

佐渡島同胞団の衛士達は、一斉に構えた武器を眼前より向かってくるBETA群相手に斉射した。勿論俺もフルアーマーガンダムで右腕部の2連装ビームライフルを撃ちまくり、倒しにくい大型種を一手に引き受けている。

残存戦力の寄り集まった同胞団にも関わらず、最近は最前線の一角を任される。まぁ、このフルアーマーガンダムの火力と性能、出力あってのものだが。

残存戦力では物足りないので正規の軍将校や俺の他に元の世界や別世界から転生した人間がごちゃ混ぜで、恭子や斑鳩少佐が苦労してやっと一団を編成しているという始末だ。

撃震5機が鈴乃機を通り過ぎ突撃砲で要撃級5体に向け放った。

鈴乃から連絡がきた

《豊臣、光線級の出現をCPが報告した。光線級吶喊の要請が来ると思うから、この地点で控えててくれ!》

「了解したぜ!しかし誰が光線級を」

《恐らくだが、国連軍だろう》

国連軍か……平和的に貢献する軍隊って感じだが、あまりいいイメージがないな

画面越しで鈴乃の顔を見ると、別嬪さんで母性溢れる女性だ

途端に嘆きの声が満ち、引き留める声が後を絶たない。

これはフルアーマーガンダムが戦線を離れると戦死者が相当数出る

撃震、不知火単機では無理だろう。

光線級吶喊など本来は正規衛士の役割だろうが、それをすると重金属雲を厚く巻いて数十数百もの部隊の犠牲を積み重ね、やっとなし得なければならない。

フルアーマーガンダムやサイコ・ザクなら、ただ一機で出来てしまうのだから仕方ない

桁が違うんだ、桁が。

《光線級群の位置を確認した》

不知火のパイロットの1人から通信が来る

何やら光線級が確認したらしい

鈴乃から指示がきた。

《非常に厳しいが頼む。欺衛軍からの情報で位置はここ、この辺り。作戦を検討した結果、もっとも成功確率の高いルートは………》

「正確なルートを行けばいいだけだろ!」

小型ラジオの電源を入れ音楽番組のジャズを流す

曲はオーネット・コールマンのRound Trip

良い盛り上がりだ

おぉ、漸くお出ましか?BETA共

「戦車級は無視!光線級だけ狙え!当たるなよ」

《了解!》

途中にいるBETAを吹き飛ばしたりやりすごしたり。

目標位置まで近付くと、早速光線級がレーザーの歓迎をしてきた。

しかし右に左に回避していくと、やがて突撃級の集団がこちらに向かってきた。

足の速い突撃級がこんな所にいるのは、おそらく光線級の護衛だろう。

「チッ…壁になって守りを固めるってか?」

大型ビーム砲を放ち、前方の2体が突撃級の足を綺麗に吹き飛ばした。

突撃級2体は派手に転倒し、隣の個体をも巻き込み、綺麗に道が空いた。

そこを火力と速度を緩めず突破。ついでに突撃級を背にして照射を防ぐ。

照射の瞬間を読んで回避行動をとっても、レバーを動かす時間と機体が反応する時間のコンマ数秒で遅れてしまう

距離を詰めながら接近してくるBETA群に向け2連ビームライフルで連射する

「殻を割ってやらぁ!」

俺のフルアーマーガンダムの威力を示された鈴乃は驚愕する

《凄い……あんな重武装で軽々とBETAを殲滅していく…》

どんなもんよ!

「大倉大尉もお気に召したようで」

ランドセル側面にビームサーベルをサブアームでラックからの取り出しつつ右手で握り光線級を切り刻み突っ込んでいく

6連装ミサイル・ポッドで多弾頭ミサイルを発射し50匹以上もいた光線級群を殲滅

撃ち漏らしがないか確認する

周囲を警戒

《よくやってくれた。が、まだ終わってはいない……》

「ハイヴを……だろ?」

《ああ、国連軍だけでなく大東亜連合軍が参戦してくる》

国連の意向を従わない軍の集まりが何でここに来たのかはさて置き今は目の前にいるBETA群の残存を殲滅することが先決だ

連中は好きにやらせとけばいい

「米軍は、参戦してくるのか?」

《……私達を見捨てて都まで殺した連中が今更……来るのが遅いのよ》

鈴乃?泣いてる…のか。

「あ、ああ悪かった。すまない」

俺はそういうと鈴乃は腕で涙を拭い少し笑みを浮かべる

《すまない、豊臣……取り乱してしまった》

鈴乃はオープン回線から秘匿回線に変え、通信を交わす

「秘匿回線……」

《公では話せない事あるから秘匿回線にした。他の衛士達の士気が下がるからね…》

俺はこの世界に来てから2年半だ。

もうBETAとは戦い慣れてきた

小型ラジオの電源を切り小型カセットレコーダーで雰囲気がいいジャズの曲を流す

《あ……曲変えたわね?》

「良い曲だろ?」

鈴乃はニコニコと満面の笑みを浮かべる

鈴乃や恭子、他の衛士達を守りながらBETAを排除することは出来る。

それくらい宇宙世紀の機体は圧倒的火力……いやこのフルアーマーガンダム自体がパラレル宇宙世紀の機体だから一般的に知られているフルアーマーガンダムとは異なるが、これはこの機体がロールアウトした時点でFSWS計画は発展途上であった事に由来し、様々な武装や機能が試験的に装備されている。

本来ならサンダーボルト宙域での運用を想定した機体だ

関節部のシーリング処理やサブアームを有した大型ランドセルを装備し、更にアポジモーターの増設やロケットブースターの追加によって、普通のMSを上回る火力を持ち、尚且つ重装甲でありながらも高機動MSに匹敵する推力を持つ。

それに加え、バックパックの大型メガ粒子砲や腕部二連装式ビームライフル、装甲内蔵式のミサイルポッドなどMSには過剰とも言える程の武装を持っており、本機の総合火力はMSの範疇を大きく超える。

 

両腕に装備されているビームライフルとロケットランチャーは上部にシールドを外装でき、更にサブアームで保持する分を合わせると、合計4枚のシールドを装備可能となっている。また、増加装甲及びランドセルは、搭乗者の判断で別個にパージが可能。

だからお気に入りになったんだ、フルアーマーガンダム(サンダーボルトVer)をな。

《ふふ、せいぜい任務を果たして実績をつける事ね。私は帝国の救世主。貴様は崇宰家の守護神》

「いやいや、俺は守護神じゃねぇ。ただ崇宰家次期当主を死なせたくないだけさ、それと鈴乃」

《?》

「お前は英雄になる器じゃねぇぞ」

《酷い言い方ね……》

不貞腐れてしまったか………。

「悪い、言い過ぎた」

《このまま貴様……ああ今は2人きりだから》

鈴乃は咳込みながら口調を変え話し続ける

《このまま貴方と一緒に帰りたい……》

「作戦行動中だぜ?」

《地獄を見るよりはマシでしょ?》

良いムードになったところで俺は鈴乃と抱き締めたいと思いから機体に降りようとするが、状況は一変し雰囲気は凍り付いた

オープン回線で佐渡島同胞団CPの報告を受ける

《観測部隊から報告です、米国は五次元効果爆弾、通称:G弾の使用を決定した。繰り返す米国は五次元効果爆弾、通称:G弾の使用を決定した》

G弾?

何だそれは

「鈴乃!G弾って何だ?」

《米軍が使用される兵器よ、使用は凍結したと聞いたけど》

五次元効果爆弾。通称:G弾。どのようなものかは知らないが、とにかく強力で、ハンパない被害をもたらすものだと聞いている。あの曲者の香月副司令が、断固として使用を反対したものだから相当ヤバイものだろう。

「国連軍は⁈」

《恐らく突入部隊の連絡途絶。先行部隊の壊滅。奇襲による損害の穴埋め。支配地域の放棄。上層部からは現状維持と伝達した筈……》

ふざけてるのか?

このまま黙ってみてろってか!

《こちらヴァルキリー01だ。司令部から聞いているか? 米軍の動きを》

ヴァルキリー01!? 

機体は不知火……識別は国連軍

《伊隅大尉か?》

「誰だそれは?」

《伊隅みちる大尉……国連軍の伊隅戦乙女中隊の中隊長で『鉄の女』とも言われる俊英だ》

成る程な

戦乙女か……。

《佐渡島同胞団の大倉鈴乃大尉です、通信障害が酷くて聞き取れませんでした。米軍がどうかしたのですか?》

《佐渡島同胞団?貴様は佐渡島の……そうか。『補給のついで』というには大回りだったが、わざわざここまで足を運んだ甲斐はあったな。実は帝国と米国が激しくやりあっている。ハイヴ突入隊の全滅をうけ、米国はG弾の使用許可を帝国に迫っているのだ》

《伊隅大尉!? あれは作戦計画から外されたんじゃ?》

おいおい、マジかよ……冗談じゃねぇぜ

恭子はそのG弾という兵器の存在を知ってるのか?

知らない筈がない……欺衛軍の一般衛士はまだしも五摂家に属する衛士が知らない訳ではない

知ってて知らないふりをしてるだろう

《復活したのだ。G弾使用はハイヴ攻略作戦失敗時の予備作戦として残してあったらしい。このままでは本当にG弾が使われる可能性が高い………いや、あえて言おう。米軍は確実に使用する。いまG弾の最新の情報を送る。被害予想範囲の項を見てみろ》

伊隅大尉から送られてきたデータリンクを見て、俺達は驚愕した。

「何だこりゃ……」

《!》

鈴乃も驚愕し困惑している

そりゃあんなもん見せられたら誰でも驚愕するだろうよ

横浜の殆どがその被害地域に入っている。

これでは横浜は終わりだ

《もう一度言う。米国は五次元効果爆弾、通称:G弾の使用を決定した。貴様らはいつでも撤収できるようにしておけ。撤退の命令が来たなら全力で効果予想範囲から逃げろ。他の部隊も既に撤退し始めている。以上だ》

「逃げろって何処に逃げればいいんだ!」

《それは貴様自身で考えろ》

伊隅大尉とその随伴機は、そのまま去って行った。

「……今の話、他の連中は知っていると思うか?」

《恐らく知らないでしょうね。私達は佐渡島同胞団の一員だがある程度の情報なら掴んでいる》

「見捨てられて見殺しか…そして機体は無事でも衛士はミートソースってか」

正直、横浜市内でBETAと交戦してる部隊の数は知れている

犠牲になった衛士は四肢切断され、溶解液で体を溶かされ跡形もなく遺体は消える

残った遺体は食べられてミートソースになる

笑えるかよこんなの……!

「どこから落とされるか分かんねぇな……」

《……》

「やるつもりなのか?」

鈴乃、まさか……。

《……》

「やめておけ!お前まで失ったら俺は都に会わせる顔がなくなっちまう!」

そうだ、お前はただのか弱き女性だ

ハイヴの中にいるBETAを一掃するという発想自体がどう足掻いても無理だ

俺がニュータイプではない限りは……。

「佐渡島を取り戻したいんだろ?お前がいなきゃ誰がやるんだ!」

鈴乃は管制ユニットから降りてヘッドセットで俺と通信を交わす

《降りてきて》

「え?」

《……少しだけ…少しだけでいいから》

そう言われ俺はコクピットのハッチを開け機体から降りる

俺が見えた光景は建物は並んでいるが大半が倒壊してるばかりのが多くみられる

鈴乃は俺に近づき抱き締める

「あの佐渡島でみた地獄の光景を夢の中で何度も何度も見たわ」

俺は鈴乃に抱き締め返す

「坂崎大尉が……都が私の夢の中に出てきて『死んでいった衛士の仇を取ってくれ』と」

都……駒木や俺達を佐渡島から脱出させたのはそういう意味だったのか

俺はあの時、撃震に乗っててボロボロの状態で両津港に

駒木は都が言った事は分からなかった

「そうか……鈴乃、俺はお前を守って見せる!だから……あの時の事覚えているか?」

「あの時の事?」

鈴乃は首を傾げる

「欺衛軍の本部で崇宰大尉の前で私と豊臣が姉弟の契りを交わした事ね」

そうだ、あの時の俺は泣き崩れてしまったからな

恭子は俺が鈴乃に介抱され泣き崩れた場面を見てドン引きしつつ悲しげな表情してたな

「あ、豊臣ではなく”悠一君”って呼んだ方がいいかな?」

「今まで通りでいいぜ」

「私の事は”鈴姉”って呼んでいいわよ?」

おいおい、それって……ファム・ティ・ランを対抗してるのか?

違うと願いたいぜ

「いや、俺も今まで通りに鈴乃って呼ばせて貰うぜ」

俺はニヒルに笑ってそう言った。

鈴乃はクスっと笑みを浮かびながら目を瞑り互いの唇を重ねた

「帰ったら続きやりましょう、今夜は」

「寝かさないか……俺もお前と一緒にいたい。ダメか?」

俺はそう言ったが鈴乃は笑みを崩さず言い放つ

「ダメじゃないわ………寧ろ一緒にいたい」

1999年8月6日

米軍が放ったG弾によって、人類はBETA大戦史上初のハイヴ占拠に成功した

それと同時にBETA群をほぼ一掃した。それに呼応して西日本を制圧していた残存BETA群は一斉に大陸に向け撤退を開始。戦術機甲部隊による追撃戦、艦砲射撃などによって敗走するBETA群に大損害を与え、歴史的な大勝利となり明星作戦は終結した。

佐渡島防衛戦で安保条約を一方的に破棄して撤退した米国が、なぜ本作戦に部隊を送り込んだのか。これについては様々な憶測と疑念を呼んでいるが、恐らくはそれが目的だったであろう無通告のG弾使用が、日本国民の心に更に深い反米感情を刻み込んだのは確実である。オルタネイティヴ4への牽制と、オルタネイティヴ5の優位性を誇示するためのG弾投下が、結果的にオルタネイティヴ4と香月博士に利をもたらしたという事実はもはや歴史の皮肉と言う他ない。

そしてまだこの戦争は終わらない

いや戦争という名のセッションは永遠に終わらない、ただプレイヤーが入れ替わるだけだ

人類はここからが反撃し始める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1999年8月9日

横浜ハイヴ F層

人類は明星作戦という名により、BETAの巣の一つである横浜ハイヴを攻略

《CP from Bravo Leader Currently arrived at the central section at a depth of 1300m Start searching from this》

《It's a great hall!》

《There is no reaction of CP BETA from Bravo leader》

《Bravo Leader from CP Report any changes in the destruction situation without leaking details.》

《Bravo leader understands》

F-15 イーグルを主に編成した米軍のブラボー中隊は横浜ハイヴの中に入り探索活動していた

《Lieutenant!》

《What happened? !! 》

部下の一人が何かを見つけたようだ

ホールのど真ん中に……何かがある

《Bravo Leader Report the situation》

CPはブラボー中隊の現状報告を聞く

《This is Bravo Leader in the middle of the hall ... there is something》

中隊長は報告を続ける

《Many thin pillars extend from the floor to the ceiling, and the transparent part in the center is ... Check at maximum telephoto》

中隊長機は最大望遠で何かを確認を試みるが、それを見た中隊長は目を見開いて顔面蒼白で驚愕した

《Fucking! What a hell! 》

《Bravo Leader What happened! ?? Report the situation! Is it a survivor! ?? 》

《Human ... brain!!》

そうハイヴの奥に入るとそこには人間の脳みそがあった。

しかし、誰のかは分からない

中隊全機、ピクリと動かずただ驚愕するだけだった

そして横浜ハイヴ跡地は国連軍横浜基地として建設する

これが終わりではなく始まりだと気付かなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良平Side

 

東欧州社会主義同盟戦術機空母『ヴィリー・シュトフ』及び戦術機揚陸艦『ぺーネミュンデ』戦艦『カールマルクス』はカムチャッカ半島南部カムチャッカ州の軍港に停泊。

俺がこの世界に転生してから2年半経とうとしていた

そんな時、ある出来事を空母の中にある食堂に設置してるソ連の国営放送局であるソビエト連邦中央テレビに映ってるニュースを見た。

日本の帝都である京都が陥落した事、佐渡島がBETAの手に墜ちた事……そして1999年、明星作戦で米軍が横浜ハイヴ上空にG弾2発投下しモニュメントや構造物を消滅した事が報道された。

『アメリカ軍が事前協議なく持ち込み、独断で投下した2発の新型爆弾は、日本の横浜ハイヴの地表構造物だけでなく、横浜市街を含む半径数百mの範囲を、球状に削り去ったのです』

彼奴は今頃どうしてるんだろう、G弾に巻き込まれて死んだか。

それとも難を逃れて生き延びたか

彼奴の事だ、絶対に生き延びている

口が軽いだけの運がいい男だ、易々と死ぬわけがない

「アメリカ軍が、こんなのを持ち込んでいたのね」

ファム……分かるよ。

俺は今、悲しいんだ

「この戦いは理不尽な事はある。軍の上層部に逆らえなかった衛士にとって屈辱で悲惨だ」

「ダリル君……」

『許し難きアメリカの非道、時の合衆国大統領…』

俺はファムと共に食堂から出て中隊長執務室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベアトリクスSide

ダリル・ローレンツと名乗る男が現れてから2年半

私は東欧州社会主義同盟総帥として戦艦カールマルクスの艦長室でヴェアヴォルフ大隊大隊指揮官の二コラと共にラジオでモスクワ放送のニュース番組を聴いていた

《『新型爆弾の投下によって、人類は数十万の将兵、そして数千万の日本国民の生命が失われずに済んだ。経緯は遺憾だが、緊急状況故にやむを得なかった』と》

「何て自分勝手な発言だ!諜報員をアメリカに送り込んで大統領の暗殺計画を」

「ダメよ、今の私達が介入したらややこしくなるわ」

《新型爆弾……所謂G弾の投下は今も日本国民の心に、深く傷跡となって刻み込まれています…》

嫌気がさした私は番組を変え、オールディーズを流す

曲はドリス・デイのケ・セラ・セラ

「ユーコンにいるソ連政府に会談の準備をしなさい。忙しくなるわよ」

「ハッ、え?1人で行かれるのですか?」

ニコラは私の顔を見て困惑する

「ええ、ダメかしら?」

「ダメですよ、1人で行かれたら命がいつ奪われるか分からないです!」

心配してくれてるのね、ニコラ

「私も行かせてください。大隊の指揮はロザリンデに代行させます。宜しいですね?」

「ホント、私の事を思って行動してるわね…」

「総帥…」

「何かしら?」

「ブレーメ総帥はいつからオールディーズを好んだのです?あれはアメリカの音楽ですよ」

「音楽に罪はないわ。ただ私は不愉快なアメリカ政府の連中がやったことを毛嫌いしてるだけよ、ニコラ」

「成る程……」

ふふ、照れてるのね?

私はニコラの背後から抱き締める

「え?ブレーメ総帥…」

「いつも私についてくれて感謝するわ、これからも…」

私はニコラの耳元に近づけ囁く

「ずっと一緒にいてくれる?」

囁かれたニコラは「はい、勿論です!私はブレーメ総帥と一緒ならどこまでもついて行きます」と言葉を添え、私を抱き締め返した

「私もニコラの事が好きよ、だからずっと傍にいてね」




次回、出雲奪還作戦(本土防衛戦)です
トータルイクリプス第13話冒頭しか語られていないエピソードを独自解釈で書こうと思います
結構暴れ回ります
ジャズ聴きながらBETAと戦闘します
遂にあのパラレル宇宙世紀の最強機体が出てきますよ
誰が乗ってるかは……そこはお楽しみです。
次回のお楽しみに
暫くの間、本編書くのを一時中断し外伝を書きます
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