7月1日 7:00 東条の街
『こちら濁流、公園保護部隊展開完了』
『こちらフル、中学校保護部隊展開完了だよ』
『こちら天龍、病院保護部隊展開完了だ』
『こちら福山、第一部隊目標地点より2kmの指定地点に到着』
「こちら江風、第二部隊狂咲神社に展開済」
『響だよ。防衛部隊、遊撃部隊も各員所定のポイントについたことを確認したよ』
『……では、始めようか。放送開始!』
東条の街中のエーテル通信を行う機器という機器が強制的に起動され、ハッキングされる。そこに映し出されたのは東条裕也氏だ。
『東条の住民の皆様、おはようございます。私は東条家の東条裕也。皆様にお伝えしなければならないことがあります――』
これはハギトさんが東条裕也氏と数日かけて行った仕込みの成果である。非東条関係者が何かを設置しようとしても本能的に東条住民が勝手に撤去や破壊してしまうことに対して、裕也氏が「東条賢三の要請で行っている事業である」と東条グループでかつ外部の人で構成された人員を送り込み配置と監視、説明を行わせたのだ。東条賢三には「麗華の誕生日に行う儀式を東条の住民全員に見せたほうがいいと思っての判断である」と伝え了承を得ている徹底ぶりで、東条住民には本能的な忌避感を覚えても撤去する大義名分を完全に失う事態にしていたのだった。実態は私達側、東条怪異攻略側の配信・ジャミングの為の機材である。
『現在、東条には東条の人々を脅かす脅威が迫ってきています。皆様に関しては私の声が聞こえている限り以下の場所に避難してください。私の手配した人員が皆様を御守りします。繰り返します――』
『響だよ。第一部隊、第二部隊行動開始。早く頭を押さえて欲しい』
「『了解!』」
「さて、行くぜ、狂咲……!」
『えぇ』
6:00 東条の街 狂咲神社
展開が完了する少し前。私は1人で神社の奥に入っていた。
「……」
私は迷いなく神社奥の鎮石に向かい、状態を確認した。残りの1本の注連縄も切れている。それを確認して私は鎮石に触れた。
「……今日、母多を討伐する。母多は明日大々的に依り代交代による復活劇をやる予定で、それを防がなきゃいけない。力を貸してくれ」
『貴方の素直な願いは何かしら?』
「母多のクソ野郎に友達の麗華を捧げさせてたまるか!この街の大半の人間がどうなろうと構わない、だけど大事な人達もいる。それまで失わせるものか!だから私は、私の仲間と全力で今日母多を完全に殺す!手伝ってくれ狂咲!」
『いいわよ。ふふ、貴方の魂、随分と余裕が出来たみたいね。そこに憑依(依らせて)貰うわ』
「……ありがとう」
『きひひっ!大所帯だな!』
『汝が立花蒼の言っていた狂咲か。立花蒼はこの数ヶ月でさらに成長している。よくよく確かめられよ』
『なんで神様まで憑依させてるのかは事が終わったら聞かせてもらおうかしら』
「そうだね。……さあ、皆の下に戻ろう」
そうして神社の入口に戻ると、第二部隊の皆とハギトさん、そして裕也さんが出迎えてくれた。
「狂咲を身に宿してきました」
「江風、体は大丈夫?」
「あそーとのオッサンのおかげでだいぶ慣れてるからね。支障はないよ」
「立花蒼さん。……麗華を、よろしくお願いします」
「はい。……裕也さんもここに同行してよかったんですか?確実に一番危険な部隊になりますよ」
先日の会議の後、裕也氏から麗華や東条賢三のいる東条家に進軍する私達に同行したいとハギトさん経由で連絡があったのだ。ハギトさんは護衛を兼ねて同行している。
「俺にも母多が恐れた退魔の力はあります。それに、思考汚染の最も強い父に揺さぶりをかけられるのは俺だと認識していますから」
「本来、東条を近代化に伴い過疎化するのを防ぐために1つの経済圏の中心とする賢三氏の計画のために送り出された賢三氏にとって最も重要な人物だったからね。思考汚染で排他的になってもその矛盾が効果を発揮するだろう」
「……私は、麗華を助けるために賢三さんを殺しますよ。賢三さんは……助からない」
「承知の上です。ならばこそ、父の最期を看取りたいという子心もあるんです」
「……皆しっかり覚悟しちゃってさ。……分かりました。この作戦は貴方の存在が重要だし、戦いの後も貴方に大きく依存することになる。絶対に、死なないでくださいよ」
「ええ」
「安心するといい。私が護衛しきってみせるさ」
そんな会話の後に時間を迎え、出陣した。
7:30 東条市街地
「ジャアッ」
「グルルッ」
「ごばぁ」
「クッッッソ敵の数が多いのです!!!まだ母多そこまで動いてないのですよね!!?」
「ふんっ!ぬぅん!はぁあ!!雑魚ばかり!」
「多分儀式に乗っかって強化されるつもりだった怪異共だな、っと!『滅び果てよ』!」
私達は早速怪異の群れに足止めされていた。じりじりと進軍できてはいるものの、数が数だけにまだ行程の半分も行っていない。支障が一切なければ今頃東条家に到着できる頃合いなのだが。
「今更なのだけど、江風の家族や友永一家とかはこんな中で大丈夫なのかしら?」
「……加賀、ブリーフィング後半、配属先決まってからから聞くのサボっていましたね?江風のご両親や友永一家、その他話が事前に通る地元住民の方や東条に出張しに来た一家などには予め退避するように勧告して退避済みのはずよ」
「加賀ちゃん自分のとこしか気にしないからも〜」
「だから遊撃隊の救助対象は事前に話が通せない上で母多の影響を強く受けないで済んでいる人が中心なんですよね」
「正直どれくらいいるんだろうね?そういう人」
加賀達の話の通りで、私の両親や友永家といった面々には前日までに街を一旦出てもらっている。東条グループの東条出身ではないが東条に出張しに来ている、移住しているといった人々にも裕也氏が連絡して全員逃がしてある。濁流さんの言うとおりであれば、遊撃隊の救助対象は地元住民の若い世代に大方集中すると思われる。
そうやりとりしながらも裕也氏は放送を続けていて、異常が発生した。
「東条の住民の皆様――」
『裕也ァァァァァ!!』
「割り込み!?」
「落ち着き給え海風君。想定の範囲内だよ。むしろ遅かったね?東条賢三さん?」
『この大切な時に何をしている!主様の儀式をなんだと思っているのだ!!』
「ふざけるな、そう思っているよ父さん」
『なっ……!?』
「父さんが俺を育てて、麗華が生まれてからも願っていた『東条の街を日本中に、世界に通用する街にする。地方過疎化の波に囚われさせない』。俺はこの考えに賛同しているしそのつもりで外でずっとやり続けてきた。少なくない実績もあると自負している。
けど母多の考えは何だ?東条の街の人々を都合の良い眷属にして、外の人を犠牲にして、私欲を肥やす……!そんなやり方は東条の発展とは真逆を行くものだって誰よりも父さんが言っていたことだろう!その汚染のせいで母さんも、俺の妻も死んだ!それを今度は麗華を依り代にしようだって!?何度でも言うよ、ふざけるな、だ!」
『貴様……!』
麗華の母親が亡くなっていることは知っていたが母多のせいだったらしい。それを知ればなおさら麗華に依り代を移すということが悍ましいことだと理解できる。
「東条グループとして雇ってきた俺の部下を母多の影響を受けた人々は何人潰してきた!?東条がこんな排他的な街になっているなら重要でも出向なんてさせなかった。俺は犠牲になった部下やその家族に償わなければならない。だからこそ、この母多のふざけた計画を今日、止める!そのためにYMTコーポレーションと提携して、東条出身で母多の影響と対極にいる麗華の友達が就職している鎮守府に助けを求めて今共にそちらに向かっている!全てはこの街の人々、俺が抱えた人々、そして麗華、父さん、皆のために!」
((無言で士気が高いことを示してみせる))
裕也氏が宣言した直後ハギトさんがカメラを私達に向けてきたのでポーズを取る。
『貴様か、またもや貴様の仕業か!立花蒼!!』
「いつまでも歯痒さに顔をしかめているガキだと思ってンじゃねェぞ!麗華への呪縛、この土地の汚染、今日ここで絶ってやる!」
『あぁ、主様がお怒りだ。東条の民よ!愚かな余所者に鉄槌を下せ!我等に主様の加護ぞある!』
『響だよ。街全体に怪異反応、遊撃隊は出番だよ。第一部隊第二部隊それぞれ状況は?』
『こちら福山!今、到着しました!総員戦闘態勢!マザーさん、解析をお願いします!全て力を殺ぎます!』
「こちら江風、有象無象の怪異に足止めされているけど……切れ目が見えた!皆、突破して東条家にカチ込むぞ!」
「「おー!」」
7:45 東条市街地 ライル視点
「なあライル、この辺りに陣取りたいって言ったのはお前さんだがそろそろ理由がわかるんだろうな?」
「はい、ゼノさん。母多が力を出した以上、そして江風が東条家に向かっていることが判明した以上、ここの人間は眷属化して妨害するはずです。……江風だけに余計な負い目を負わせるわけにはいかない」
「情報だと……江風の親戚の家?」
「そうですエコーさん。家族の死に目にも立ち会わせようとすらしなかった江風に敵対的な親族のーー」
言っている途中でそこら中の建物からドアを破壊して半分人間、半分異形の怪異と化した人々がそこら中の家屋から飛び出して来た。
「なんて悍ましい……!」
「無事な人はいるのか!?」
「ライル、お前さんまさか……」
「そのまさかです。ゼノさん、命令を!」
「ッチ……各員、眷属化した連中を無力化しろ!出来る限り殺すなよ!無事な人がいたらその保護を優先しろ!」
「蒼めぇ……」
「!」
目標の家から出てきたのは既に身体の8割が怪異ーーマザーさんの演算よりも眷属化がずっと早いーーになった中年女性、そしてその一家。無事な人は一人もいない。
「貴方が立花蒼の叔母とその一族ですね」
「お前はぁ、お前達はなんだ余所者ぉ!」
「僕はライル。立花蒼の、友達だ!」
「蒼に友達?そんなものがいるものか!」
「その差別感情、反吐が出る。僕は蒼の友達としてお前達を蒼の下に行かせるわけにはいかない。ここで、倒す!」
「邪魔ゔぉ、す”る”な”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”!!!」
一気に眷属化が進み完全に異形と化した江風の叔母。下半身が肉塊で上半身は腕が異常に長く伸びて爪も大きく鋭くなっている。他の親族も同様の形になっていっている。江風の叔母は、この一族だけは、ここで消さなければならない。
「ライル、殺傷設定のまま吶喊します!」
「……任せて良いんだな、ライル!」
「はい!」
僕はそのためにここに来たのだから。
「お”お”お”お”あ”あ”あ”!!」
「遅い!ジェットブーツの機動力なら!」
数mにまで伸びた腕を掻い潜る。戦闘力があるのと戦闘経験があるのはやはり違う。だが、あれだけ大きく鋭い爪だ。油断してはいけない。
「ターゲットロック!『ストライクガスト』!派生!」
「ぬがぁ!?」
「『グランウェイブ!』……派生今!」
蹴りを叩き込みながら後ろから迫ってくる爪に合わせてフォトン回避を行う。勢いよく振られた爪が怪異を自傷する。
「強化される前に倒す!ステップアタック、『ヴィントジーカー』!……これで消えろ!派生!」
「ひぎゃ――」
心臓部を断面に上下で泣き別れして絶命する怪異。この為に切断能力の高いタイプのジェットブーツをわざわざ用意したのだ。その甲斐があったというものだ。
「母”さ”ん”!」
「貴”様”ぁ”!」
「まとめて!『モーメントゲイル』!派生!」
「「う”か”ぁ”ぁ”!?」」
『モーメントゲイル』は対複数に向かって蹴りを複数回斬るように浴びせかけて、派生で追撃支援テクニック『ザンバース』を発動させつつ敵をまとめて中央に寄せるPA(フォトンアーツ)である。
「お前達も!『ヴィントジーカー』!派生!」
まとめて必殺の蹴りで薙ぎ払った。
「……」
「おいライル!大丈夫か!」
「少し、息を整えさせてください……」
覚悟はしていたけれど人殺しをした、と認識したうえでの殺しは精神的にクるものがある。だがまだ戦いは始まったばかりだ。
「やるよ、最後まで。この程度の背中を追いかけられないようじゃ、姉さんの背中なんて追いすがることすら出来ないんだからね……!」
だから江風、君も最後まで戦い抜いて。
同時刻 東条の山 コハル視点
山の中腹は大小様々な肉塊が蠢く、肉塊の森と化していた。これが母多の一部だということだろうか。
「なんと悍ましい肉塊ですこと」
「ビビったなら下がっていいのよコハル」
「暁様、逆ですわ!完膚無きまでに斬り刻んで差し上げようと思っているだけですわ!」
自ら志願してこの部隊に参加したのに気遣いで下がらされてはたまったものではない。
「梓お姉様!」
「攻撃はまだです。マザーさん、解析の方は」
「今完了した。……エーテル変換。空間制御……これより私は戦闘に参加出来なくなるが、母多及びその眷属の血や死体といったものの腐食はある程度抑えられるだろう。それでも邪魔な場合は、やはりだな。弱点は炎だ、燃やせ」
「皆さん聞きましたね。……攻撃隊各員攻撃開始!憲兵隊各員はエーテル式ナパーム弾を準備し腐食を食い止めてください!」
「「了解!」」
「ハハハ!一番槍は私が貰うぜえええっ!!」
アウトローの一撃が大きな肉塊に直撃、爆ぜる。地面が悲鳴を上げるように震える。
「あれがアウトロー様の攻撃。お話に聞いていた通り凄まじいですわね」
「なんだ?どう聞いてたんだァ?」
「完成された鋭い総合火力、と。それでいて動きも十全と」
「ハハハハハ!よくわかってるじゃねぇか!ならもっと見せてやるぜぇ!!」
「こらアウトロー!先走りすぎないの!コハル、あまりおだてちゃ駄目よ?」
「あら、御免遊ばせ」
「塊までの道を開けろ!焼き払え!」
「当分バーベキューは食いたくないな!」
「そこなら……そぉれ!」
憲兵隊が確保した足場から目の前の塊に飛び掛かり、斬り刻む。マザーの制御により軽く蹴り飛ばした程度では腐食の影響も受けない。
「『オーバーエンド』!」
「主砲発射!」
「私も続くわよ!……ヲ、艦載機を飛ばして上空から全体を見て変化があったらすぐに伝えて!変に動かさないように爆撃は攻撃隊に合わせて!」
「分かった。艦載機、発艦」
「27年組は仲良すぎて困るわね。ちょっと打点足りないかしら」
「そこは私(わたくし)が支えましてよ!ほぉ~っほ!」
「頼りにさせてもらうんだからね!」
暁の言う通りこの部隊の火力を担う通常部隊の半数が江風に随伴しているので火力不足の節がある。それでこそやり甲斐があるというものだが。
「北北西に反応。頭が出た」
『愚かな人間共めぇ!!我に歯向かうかぁ!!』
「他は?」
「そこだけ」
「では進路を北北西へ。中核を叩いたほうが効果的です」
『貴様等ぁ!!』
「聞こえていますわよ騒々しい」
「コハルさん、会話をする価値はありません」
「分かりましたわ梓お姉様!」
梓お姉様の言う通り、他の面々は完全に母多の叫びを無視している。害虫駆除に害虫の羽音を気にする必要などないというかの様に。そして次の大型の肉塊を、と思ったタイミングでソレが爆発した。反応は2つ。
「はーはっはっは!俺、参上!」
「私も参上だ!」
「……ヒューイさんにクラリスクレイスさん?」
六芒均衡の六、戦闘部局長のヒューイと六芒均衡の五、戦闘部次席のクラリスクレイス。他者からの評価は戦力として非常に頼りになる他、性格面は気持ちの良い馬鹿というコンビである。
「水臭いじゃないかアズサ!こんな大規模作戦に俺達を呼んでくれないとは!寂しいから来てしまったぞ!」
「そうだそうだ!私たちも混ぜろ!」
「アークスの地球への干渉は最小限になっていて……というよりどこから知りましたか?」
「地球にはよく鍛えられた戦士のファレグという女性がいるだろう?彼女がアークスシップに守護輝士(アイツ)に戦いを誘いに来た時に出会ってな!それで話を聞いたのだ!」
「ファレグさん、今回の作戦は気が向いたらとしか言ってませんでしたが……でしたら期待させていただきます。
今、貴方達が吹き飛ばしたのは惑星地球における私達で言えばダークファルス、惑星ハルコタンで言えばマガツの本体の一部。私達の部隊はコレを消耗させ、山の麓の街にいる依り代やコレの影響下にある街への干渉を最大限減らし、最終的に討伐することを目的としています。肉塊に触れ続けていると腐食によるダメージを受けますがお二人の得意属性は炎。それがコレの弱点ですので積極的に攻めていただければ」
「委細承知した!」
「つまりどんどん吹き飛ばしていけば良いんだな!」
「えぇ。……お願いしますね」
そうして強力な援軍を迎えて進軍していると空の色が変わった。エーテルの色と模様だ。
「これは……オフィエル・ハーバート?」
「その通りだ福山梓提督」
私達の前に降り立ったのはかつてアーデムの手先として梓お姉様達と戦ったオフィエル・ハーバート。現在はファレグ=アイヴスの下で人格矯正プログラムとやらを受けていると聞いていた。
「私の力で母多本体が露出している区画を全て隔離した。これで街への影響力は下がるだろう。逆に街の者からの信仰も通りが鈍くなるはずだ」
「……なんの目的ですか?」
「これしきのこと魔人の鍛錬に比べれば容易き事!」
「ファレグさんから脅されたのね」
「そういや痣残ってるな」
「貴公ら!聞こえているぞ!」
ファレグの指示の元に援軍に来たらしい。あの最強戦力に一対一で鍛えてもらえることの有り難みをこの男は今ひとつ理解していないようだ。勿体無い。
「ならいいでしょう。頼みましたよ。……ですが」
「な、なんだ」
「少しでも妙な動きを見せた場合。その首刎ねる」
「っひ!?」
「梓お姉様の殺気も素敵ですわ……!」
「前々から思ってたけどコハルの感覚は独特過ぎるわ」
暁が何か言っているが私にとっては梓お姉様が最高の一人なので気にならない。
ファレグが増援だけ寄越して自分は静観しているとは思えないので、街の方に行っているのだろう。当初想定していた状況よりだいぶ良くなっていると言えるし、一層奮起しなければこちらに来た甲斐がなくなってしまう。
「梓お姉様!私の戦働きもその目に焼き付けてくださいませ!」
「えぇ。期待していますよ」
「〜!さあ、さあさあさあさあ!」
今頃ライルもやることをやっているだろう。彼は用意周到な男だから。場は整えたし整え続ける。さあ、やってみせなさい江風。