少しファンタシーな鎮守府で   作:朝宮 糸瓜

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ディーオ・ヒューナルとの交流会(???)です。


112話 次の世界のてーとく

 3月22日 18:00 マザーシップシャオ最深部

 

 

 守護輝士(ガーディアン)ーー以降は私達の世界の守護輝士とややこしいのでルーファと呼称するーーと別れて私達はマザーシップシャオ、つまりルーファやシエラの目が届かないところまでライルとコハルに連れられてやってきた。

 マザーシップシャオはマザーシップシオンをベースに造られた模倣機であるため、月のマザーの本拠地とも構造が似ていた。そしてその最奥にそのアバターであるシャオがいた。

 

 「やあ、梓から話は聞いているよ。127の江風、電、加賀、海風。こちらの世界へようこそ。僕はシャオ。このマザーシップを構成している『惑星シャオ』のアバターさ」

 「皆にはマザーのような存在、と言えば伝わると思う。向こうの世界で『向こうの世界のシャオ』についてはどれくらい知っているんだい?」

 「てーとくの上司で惑星シオンに造られたバックアップで人間が大好きな冷徹になりきれない理論家」

 「後半酷くないかなぁ!まあ事実だけど。……その辺りまで知っているなら僕についての説明は不要かな」

 「貴方は司令官さんのどこまでを知っているのですか?」

 「誤解を恐れずに言うなら『梓の持ってきた情報の全て』だ。君たちにはもちろん、ここにいるライルやルーファにすら言えない情報もある。君達の世界の未来に何が起きたとかね」

 

 情報は全て握っていればいいという話ではない。未来に何が起きるかを知って下手にその想定で動いてかえって失敗する可能性もあるからだ。シャオはその辺りまで織り込み済みで何を話すべきか、黙しているべきかを判断しているということだ。

 

 「顔見せだけ、というわけではないのでしょう。何をしろ、何をするなという指示を出したいと言ったところかしら」

 「それもルーファさんには言えない、ってことですよね」

 「話が早いね。前提として、ルーファやシエラには未来の情報は何も話さないでほしい。来る未来をより良くするために君達がやってきて動くという話は僕が既にシエラに通してあるから心配は要らない。……まあ、ルーファが色々聞きたがるかもしれないけどうまくかわしてほしい」

 「姉さんには僕も言うから……」

 「落ち着きと無縁な方ですしどこに出没するかも分からない方ですので今後について話をしたければ逐一ここに来たほうが良いですわね」

 

 私達の世界の守護輝士も神出鬼没だと言われていたが、それに輪をかけて動き回るタチらしい。

 

 「私達が具体的に行動、というか介入を始めていいタイミングは?」

 「亜贄萩人が行動を起こしてから。もっとも、彼が召喚する巨大幻創種、幻創戦艦大和を君達には相手取ってもらいたい。ルーファや他のアークスに君達は頼れる味方だ、と示してもらうためにね」

 「……アレってA.I.Sで戦ってなかった?」

 「電は扱えるのです!……PSO2上は」

 「乗ったら負けな気がしてPSO2でも封印していたのよね」

 「私はPSO2でも操作苦手だったなー」

 「私もユーザーとしてって前提で大して上手くない……こンな私達に習熟訓練でもさせるつもり?」

 

 A.I.S。アークスが搭乗する人型機動兵器だ。高い機動力やそこらのアークスを凌駕ーーてーとくやテオドールさん達の方が出力は上だがーーする火力と空を飛べるメリットがある。

 反面、フォトンの通りを最大限良くする構造のため防御力が皆無であり、アークス非搭乗時にはダーカーの侵食も簡単に受けてしまう攻撃面一辺倒の兵器である。

 

 「そこの辺りはアークスでやるよ。梓が知っている情報だから君達も知っていると思うけど、幻創戦艦大和は一回浮上を抑えて海上に凍結させて縫い付けた後に地上部隊で甲板部を破壊する手順になっていた。

 君達とコハルにはその地上部隊の担当をお願いしたいんだ。ライルには徹頭徹尾A.I.Sに乗ってもらうけどね」

 「私(わたくし)もあの玩具は扱えませんもの。フォトンを十全に扱えるわけでもありませんし」

 「黒の民だモンな」

 「ハギトさんの保護はどうするのですか?」

 「その後にお願いしたい。アークスが再起動した幻創戦艦大和を相手にする間にキャンプシップで向かってもらうよ。身柄はこのマザーシップで扱うつもりだ」

 「130の代わりにアークスが手出ししないこの聖域を使うのね」

 「そういうことさ。ベトール=ゼラズニイに関しても同様に連れてきてほしい。今後を考えたらこういった要人は一人でも欠けさせたくないからね」

 「任せろなのです!」

 「変なことさせられるんじゃないかって思ったけど安心だね」

 「ハギトさんを保護する前に、八坂にアクションを起こす前に顔合わせだけしておきたい。普通逃げるよ、前情報無しだと」

 「江風ちゃん、アテはあるのです?」

 「カフェで八坂達と初顔合わせする時、その前。要は私達の世界で私がやったように接するよ。シャオさんそれでいいかな?」

 「問題ないよ」

 

 ハギトさんがアクションを起こす前後の話はまとまった。

 

 「それと、君達には明日梓に会ってほしい」

 「!」

 「司令官さん!?」

 「この時間軸だと【深遠なる闇】の依り代になっているはずよね」

 「【深遠なる闇】と戦えって……こと!?」

 「話が行き過ぎだなぁ!まずこの映像を見てほしい。今の梓だよ」

 

 そう言ってシャオが出した画面には人型の異形、私達がダークファルス【若人(アプレンティス)】と戦った際に遭遇したディーオ・ヒューナルのようなモノが映し出されていた。ディーオ・ヒューナルは【深遠なる闇】の休眠状態の姿のようなものである。

 

 「司令官さん……!」

 「この通り、身体は【深遠なる闇】の依り代になってこそいるけれど……主導権は基本的に梓の方にある」

 「えっ」

 「つまり会話もできるし敵対もしないということさ。いるだけでダーカー汚染が周囲に広まってしまうからアークスシップには帰ってこれないけどね。

 今の彼女は【深遠なる闇】発生地点、今日ルーファが起きがけに調査に行ってきたところだけど、そこから少し離れたところを根城にしている。顔を合わせてあげてほしい」

 「もちろんなのです!」

 「梓お姉様はそのままでいると段々【深遠なる闇】に意識が呑まれてしまいますから定期的なダーカー因子の発散が必要ですの。その為に私やライルは時折手合わせ願っていますのよ」

 「お前達が新人の割にやけに強いと思ったらてーとく相手に訓練積んでいたのか。納得だよ」

 「今日は世界線転移の様子見もあるから休んでもらうけどね。コハルもだよ?」

 「……分かっていますわ」

 「不服そうだね……」

 「このことをルーファさんは知っているの?」

 「ああ。ルーファが冷凍睡眠で浄化措置に入る前からこの状態だからね。冷凍睡眠前はよく通っていたよ」

 「てーとくと私達の世界の守護輝士や【仮面(ペルソナ)】の関係を知ってるとその辺りが本当に信じられないンだよね」

 「逆にそちらにいった僕達も混乱したよ」

 「梓お姉様があそこまでいがみ合っているとは思いませんでしたわ」

 

 【仮面】であるてーとくと守護輝士であるルーファさんが仲がいいことが未だに信じられない。

 

 「明日、それこそルーファも同行するだろうからその目で見てくればいいよ」

 「それもそうか」

 

 こっちのてーとくの反応も気になるところである。

 

 

 3月23日 10:00 惑星ナベリウス 遺跡エリア

 

 

 一夜明け、私達は惑星ナベリウスのてーとくの元へと向かっていた。想定通りルーファさんもついて来ている。想定外だったのはアークスのアフィンさんという男性アークスも同行していることだ。

 彼はルーファさんとーーつまりてーとくや守護輝士ともそうだーーアークス修了試験でペアを組んだ相手であり、世界を変えるための旅路の中で何度も共闘した仲間である。姉はユクリータといい、てーとくの始まりになった12年前の【若人】襲撃の際、討伐されかけた【若人】が憑依した対象だった。幸い残り滓だけだった為、ルーファさんに浄化されて生還したという経歴がある。その際にユクリータさんの心を繋ぎ止めて勝利に導いた要因はアフィンさんだった。

 てーとくはマトイさんを独りで助けようとして失敗、守護輝士はてーとくや自分自身の【仮面】を動かして助け出したのに対してルーファさんはマトイさんを救う時もアフィンさんの力を大いに借りたという違いがあったそうだ。そのため私達の世界におけるアフィンさんは一人のアークスでしかないが、この世界においては誰もが認めるルーファさんの「相棒」であるという。

 

 「相棒とこうやって一緒に動くの久しぶりだな」

 「寝てた私にとっては先日ぶりだったけど、アフィン君も顔がシュッとしたよねぇ」

 「相棒、顔が近い」

 「えー?」

 「……ライル」

 「姉さんはアフィンさんに対して昔からあの距離感だよ」

 「そういう関係なのです?」

 「ルーファさんは何一つ自覚していませんのよ」

 「……アレで?」

 「うっわぁ」

 

 当たり前のように顔と顔が触れ合うような距離まで踏み込んで覗き込むルーファさん。私が言うのもなんだが距離が近すぎる。皆も引いている。

 

 「2年ぐらい私だけ置いていかれちゃったの残念だけど、これから取り戻しておけばいいよね!」

 「そうだな、相棒は身体の勘は取り戻せているのか?」

 「うん!昨日戦ったりしたけどバッチリ!」

 「何度も言うけどなんで冷凍睡眠から起きたその日に戦ってんだよ」

 「アークスもその認識なんだ」

 「お前たちにとってのアークスってなんなんだよ」

 「参考元がてーとくに守護輝士にマトイさんにテオドールさんだから……」

 「テオドールはマトモな判断するだろ!?」

 

 アフィンさんには基本的に色々と話して共有していく方針らしく、ルーファさんと同程度の情報が与えられている。

 

 「とか言ってる間に到着〜!すぅ……あーずーさーさーん!!!」

 

 ルーファさんが大声でてーとくを呼ぶ。すると2体の怪物が目の前に降り立った。

 

 「アンガ・ファンダージ!?」

 「人型と獣型の二種類!」

 「……でも敵意はないようね?」

 「色も変じゃない?差し色が青いよ?」

 

 アンガ・ファンダージ。【深遠なる闇】の眷属らしい強力なダーカーであり、人型の上半身のタイプと獣型のタイプがいる。とてつもないタフネスに破茶滅茶な攻撃力と攻撃範囲を持ち、更にはアークスの攻撃属性を学習し耐性をつけるという厄介な特殊能力も持っている難敵である。

 PSO2においてのこのダーカーとの戦いには複数の武器種を持って臨むことで耐性を回避しないととんでもない長期戦になってしまう。

 海の言う通り、本来は白を基調として紫や赤の差し色をしているのだがこのアンガ・ファンダージは差し色が淡い青と濃い青にそれぞれ置き換わっていた。そして加賀言う通り敵意を感じられない。

 

 「αちゃんにβちゃん久しぶりだねぇ!紹介するね!人型の方がαちゃんで獣型の方がβちゃん!梓さんの直属の眷属だから味方だよ!」

 「ああそういう……っていうか、アークス的にはダーカーをちゃん付けアリなンです?」

 「アリなワケないだろ相棒だけだよこんなの」

 

 アークス、というかオラクル人にとってダーカーは本能的に敵対する敵性存在のはずである。

 

 「このダーカー達……こっちに来いって言ってます?」

 「うん!この子達は門番で案内人なんだ!ついていこっ!」

 「皆ダーカー因子の汚染具合には気を付けて。梓さんにその気はなくてもダーカー因子はそういうモノだから」

 「了解。グリーン・タブレット起動。汚染濃度上昇時に警告音を設定……っと」

 「へぇ、君達のデバイスそういう感じなんだ」

 「ルーファ様。詮索はナシでお願いしますわ」

 「ちぇー」

 「相棒、その辺言い含められてただろ」

 

 そう話しながら進む。そうして到達した広間に出るとダーカー因子で澱んでいた空気がクリアになる。そしてその中央に、てーとくは鎮座していた。

 

 「コオォォ……」

 「ピィィイイ!」

 「……αにβ、客人ですか。……!」

 「てーとく!」

 「司令官さん!」

 「あーずーさーさーん!!」

 「お久しぶりで……うわっ」

 

 私達が駆け寄るよりも早くルーファさんが駆け寄り抱きついた。

 

 「冷凍睡眠から起きたのですか?変わりませんね」

 「えっへへー♪」

 「電も撫でて欲しいのです〜!」

 「ええ、どうぞ」

 「……うん?」

 

 ディーオ・ヒューナルがてーとくだ、という確信は得ているがそれにしてもてーとくが穏やかになっていると感じる。例えるなら表面は硬く中身は柔らかい、といったところだったのが表面も柔らかいように感じるのだ。

 

 「私の様子が不思議ですか?江風さん」

 「っ!……うん」

 「そちらの世界を出るまでに色々ありましたし、ルーファさんがこの様子でしょう?順応するうちに毒気も抜けてしまったんです」

 「なる……ほど?」

 「卯月さんの責任重大ね」

 「卯月さんの成果じゃなかったらすごい悔しがりそうだよね」

 「勿論、卯月も関係していますよ」

 

 両手で二人を撫でながら穏やかな声で語りかけてくるてーとく。ディーオ・ヒューナルの姿でなければ未来はいい方向に転がったのだ、と思えたのだが。

 

 「皆さんが来たということは……ルーファさん。八坂火継さんと出会いましたか?」

 「うん、昨日一緒にクエストに行って知り合ったんだ!」

 「そうですか……そういう、時期ですか」

 「てーとく、だから私達が来たンだよ」

 「頼もしく思わせていただきますよ」

 「コオォォ……」

 「α。分かりました。皆さん、少し離れてください」

 「はーい!」

 「司令官さん?」

 「少しでもダーカー因子を削るために。この体になったからこそ出来ることもあります」

 

 そう言っててーとくが意識を向けた先には別のアンガ・ファンダージがいた。色こそ通常カラーであるが全身からはち切れんばかりのダーカー因子を溜め込んでいるようで、印象は『爆発寸前の爆弾』だった。ダークファルス程ではないが、かなりの怖気がする。

 

 「αとβは私の意思に忠実な眷属でいる一方で他のアンガ・ファンダージは大まかな指令を出す事しかできませんし、そのダーカー因子の制御も困難です。ダーカー因子を溜め込めば溜め込む程にそれは強くなります。その一方で私自身、放置していればダーカー因子を周囲から溜め込んで【深遠なる闇】に近づいてしまいます。さて、どうすればその進行を遅らせることが出来るでしょうか?私なりの答えがこれです。……α、β。結界を」

 

 てーとくの言葉に従ってαとβが爆弾のようなアンガ・ファンダージを取り囲み、ぐるぐると円を描き始める。それと同時に怖気が消えた。

 

 「ダーカー因子を遮断している?」

 「ええ。このアクション自体大きく力、つまりダーカー因子を消費しますし皆さんへのダーカー因子被爆を抑えられますので都合の良いガス抜きと言えるでしょう。その上で……はああああっ!!」

 

 てーとくからも凄まじい力の奔流を感じる。片手を上げ、その先に大きな負のエネルギーの球体が生成される。

 

 「『ラ・フェーネ』最大出力。ここに滅べ」

 

 てーとくから放たれた球体はαとβの結界を突き破り、勢いよく爆弾のようなアンガ・ファンダージに着弾し、大爆発を起こした。空間の中は瞬く間に爆風に呑まれ、その外、私達が立っている所も大気が悲鳴を上げる。

 

 「うっ……わっ……!」

 「ふむ……」

 

 てーとくが結界に近づき手をかざすと爆発は収束した。そして爆心地には1m程の小型のアンガ・ファンダージの幼体のようなものがいた。本来のアンガ・ファンダージは10mを超える巨体である。

 

 「浄化完了ですね。さあ、再びダーカー因子を根こそぎ集めてきてください」

 「!!」

 

 飛び去っていく幼体を見送ってからてーとくがこちらに振り返える。

 

 「お待たせしました」

 「司令官さん、今のは?」

 「アンガ・ファンダージは周囲のダーカー因子を吸収し、まとめてダークファルス等の餌にする役割を持っています。それを流用してダーカー因子のあるエリアに出向かせては抱えられる最大まで根こそぎ剥ぎ取り、先程のように爆発させて消費しています。やっていることは【若人】相手にダーカー因子を奪いながら消耗させていたあの戦いの応用です」

 「あのリリーパでのリスキル持久戦ね……」

 「大変だったよね」

 「爆発消耗させて大きくダーカー因子を消費しましたがまだ多く残っています。残りは私が吸収するかーー」

 「私に任せて!」

 「姉さん!」

 「安心して?危ないラインは理解しているから!」

 

 そう言って爆心地に歩いていくルーファさん。そして手をかざし、フォトンを大きく発動した。それによって残留していたダーカー因子が悪寒と共に消えていった。これが守護輝士の「浄化」という突出した能力。アルを無害化した力だ。

 

 「これでカンペキ!」

 「流石ですが……ちゃんと検査はしてくださいね」

 「はーい!」

 「アレだけのダーカー因子を浄化してケロッとしてるのか……」

 「格が違う、ってことですかね」

 「……だけど、だからこそ無理ができる。無理をしてしまう」

 「自己申告をアテにしないで支えないとどこかで崩れるわね」

 「それこそ大丈夫だと思ってたら敵側からポンって膨大なダーカー因子渡されて滅茶苦茶になったのがマトイさんの【深遠なる闇】化の一件だったもんね」

 「私共があのようにダーカー因子を引き受けられない分、他の事で支えるしかありませんわ。ライルも気負いすぎないように」

 「……分かってるよ」

 「ルーファさん、ライルさんの懸念もしっかりと頭に入れておいてくださいね」

 「うん!だから、頼りにしてるね!」

 「わっ!?」

 

 そう言ってルーファさんはライルに抱きついた。スキンシップが激しい人だ。ライルも満更ではなさそうな辺り、シスコンの類なのだろう。

 

 「梓さん、梓さん自身のダーカー因子はどうなんだ?」

 「アフィンさん。少し削っておきたいのが正直なところですね」

 「削るって……」

 「私が消耗すれば良いんです。……実戦訓練、お付き合い頂けますか?」

 「へェ……いい経験になりそうじゃンかさ!」

 「やってやるのです!」

 「気分が高揚してきました」

 「負けません!」

 「流石梓さんの部下。やる気すごいな」

 「アフィン君もやろっ!」

 「まあ俺もそのつもりで来たけどな……!」

 「僕達も!」

 「あちらの世界で武を磨いて参りましたの!」

 

 そうしててーとくのダーカー因子を削ることを目的とした実戦訓練が始まった。これ以降も暇さえあれば技能向上も狙って手合わせするようになった。どうせ半年近く滞在するのだから実力向上も狙わなければ勿体ないし、やればやる程てーとくの負担も下がるのだ。やらない理由を探すほうが難しかった。

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