少しファンタシーな鎮守府で   作:朝宮 糸瓜

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 コミュ回及びちょっとした振り返り回です。


50話 虫退治をして一息

 19:00 第127鎮守府食堂

 

 

 あれからしっかり寝て休息を取り、祝勝会の時間を迎えた。暁の姐さんは私達が寝ている間にゼノさんらと色々と協定を結んでいたらしい。

 そして、帰投時には居なかったアークスの人々が来ていた。アークス総司令ウルクさん、総司令補佐テオドールさん、それとサラさんとクーナさんもだ。……向こうは大丈夫なんだろうか?

 

 「一度来てみたかったんだよねここ!」

 「なんとか仕事に一区切りついたから良かったけど、帰ったらまた大変だろうなぁ……」

 「重役どころじゃないのが揃ってる気がするんだけどアークスはいいの?」

 「夕食ぐらい抜けても問題ないわよ。たまにはひいひい言えばいいのよ、バカマリアは」

 「こちらもそうですね。秘匿方針はカスラが主導してきていたので、ツケはカスラが支払えばいいんです」

 「いいならいいんだけどね?」

 

 暁の姐さんも気になったらしく聞いていた。上司に投げた、という二人だが帰ったら減ってないどころか増えている仕事に忙殺されなければいいが。

 そんなことを思っているとてーとくが入ってきた。本調子ではなさそうだが、初めて見るぐらいに柔らかい雰囲気になっている。

 

 「手短に行きますね。皆さん、ダークファルス【若人(アプレンティス)】の討伐作戦、お疲れ様でした。目標通り和泉リナさんを無事に奪還し、彼女の主導していた学園祭も無事完遂したとのことです。

 自力での【若人】の完全討伐こそ出来ませんでしたが、同様のケースへの目処が立ちました。これ以上は望み過ぎという戦果です。

 どれも皆さんの尽力あってこそであり、皆さんも全員無事に帰還できてこの場を迎えている。このことを誇らしく思います。この誇らしい勝利を祝って、乾杯!」

 「「乾杯!」」

 

 初めて見るレベルのてーとくの笑みと声だった。

 

 「梓いい顔出来るようになったじゃないかっぴょん?」

 「そうですか?だとしたら良かったです、卯月」

 「俺秘蔵のワインだ、飲むぞお前ら!」

 「天龍ちゃんのワイン趣味は私が太鼓判を押すわよ〜」

 「私にも飲ませなさい!」

 「私も飲みたいので」

 「「未成年は駄目」」

 「えー」

 「電にはモクテル出すから我慢しなさい」

 「はーい」

 「何やってンだよ電」

 「なんだ?電も分解剤デビューするのか?」

 「絶対嫌なのです」

 

 艦娘に変身すると体のスペックが人のそれよりは引き上げられている他、体質も変わるため飲酒しても問題ない人が多い。

 だが、それで飲酒等を許していたら変身解除後でも飲んでやらかす未成年等が出た上に、外にバレて問題になったりした。それと出撃待機時に飲んで酔っ払って出撃するケースなども多々発生した。

 結果、艦娘でも未成年は飲酒や喫煙は禁止。出撃待機時も飲酒は禁止。破ってバレたら罰則を与えられつつものすごく不味い分解剤という強力な醉い覚ましを飲まされることになる。

 それでも飲む問題児はそこそこ居て、127だと菊月の姐さんと陽炎の姐さんが該当する。

 海風が来る前、金剛さんが居た頃に菊月の姐さんは不味い不味いと言いながら分解剤を飲んで飲酒を止めようとしなかった。それを見咎めた金剛さんが分解剤の開発している部門により一層不味いものを作るように指示し、菊月の姐さんに「ゲロが美味いと思った」と言わしめるものが作られていた。……それでも飲酒癖が矯正されたわけではないが。

 陽炎の姐さんは127に本格的に所属した直後にやらかした。

 

 ーー不っ味ッ!!ちょっとペナルティ厳しくない!?

 ーー待機中に飲むからやろ。

 ーーちょっとぐらい飲むのが丁度いいの、よ……不知火?じゃないわね梓?

 ーー陽炎姉さん……いえ陽炎さん。それは少し……。

 ーーぎゃーっ!?他人行儀やめてー!?お姉ちゃん呼びしてぇ!!っぐ、うぇ……。

 ーーおかしい、不知火の記憶ではこんな醜態は……。

 ーー美化されて忘れられてるだけやそれ。定期的になんかやらかしてプラマイゼロにしないと死ぬ病気にかかっとるんちゃうかって奴やで陽炎は。これだから放っておけないって着いてきたんよ……。

 

 艦娘母艦の窓から魚に餌を上げる羽目になっていた陽炎の姐さんを見て、こうはなるまいと思ったものだ。

 陽炎の姐さんはその後も命に関わるなど重要なミスはしないものの、黒潮の姐さんの言う通り笑い話になる範囲での「やらかし」を定期的にやっている。それに対しててーとくも不知火さんも罰則こそ適用するものの態度は甘い。おかげで鎮守府の面子には『芸人陽炎と突っ込みつつ楽しむ黒潮』という共通認識が定着した。

 

 「ガンガン飲むわよー!あ、このおつまみ酒に合うのよ」

 「へぇ、なんて料理なんだ?」

 「んぐ、んぐ、んぐ……くっはぁー!これはたこわさ、って言うのよ!」

 「日本慣れしてない奴に開幕勧めるモノとちゃうやろ……」

 「ん、いけるわ。お酒も貰うわね」

 「お前そこまで強くないんだから飲みすぎるなよ、エコー」

 

 ハイペースで飲みつつゼノさんやエコーさんにいきなりおつまみを勧める陽炎の姐さんに一抹の不安を覚えるが、黒潮の姐さんもいるし相手も大人だし大丈夫だろう、と意識を逸らす。

 

 「ん!これも美味しい!そっちのも食べてみたいなぁ!」

 「お姉ちゃん後で食べすぎた、って言わないでね?」

 「うぐ」

 

 サラさんに釘を刺されるマトイさん。最強級のアークスも日常面はかなりポンコツらしい。近くにはクーナさん、坂田の兄さんやその班員のメンバーが居る。

 

 「でもでも、こういう時は楽しまなきゃって守護輝士(あの人)も言っていたよ!」

 「あの人もマトイさんには大分甘いですよね……」

 「おかげで突っ込みが私に集中して……これどんな飲み物?」

 「酒だな。アルコールは君達大丈夫かい?」

 「飲んだことないなぁ、飲んでみたいなぁ」

 「お姉ちゃんはフィリアさんに止められてるから駄目よ」

 「うー」

 「フィリアさんってのは誰だい?」

 「マトイさんの主治医のような方です」

 「そりゃ駄目だわ。とりあえず料理楽しみたいなら麦茶で行こうな」

 

 坂田の兄さんはこういう時の扱いを間違えない。逆に羽目を外していい相手だと判断したら無限に外すのだが。天龍の姐さんやルの姐さんとよく騒いでいるのを見る。

 

 「テオ!一通り取ってきたよ!食べよ!」

 「カフェ経験が活きてるねウルク……」

 「道理で配膳に回ろうとしてたわけね……」

 「好きに楽しんでもらえればいいよ」

 「選んできたものに合うのは、この飲み物です」

 「ありがとう!……それにしても、話は聞いてたけどオラクル人と地球人は外見が似ているのに年上に見えないね本当」

 「艦娘に変身した駆逐艦、それも私達睦月型は特に幼い容姿になりますから」

 「こんなナリでも一般人より高い身体能力や抵抗力を備えているよ」

 「とは言っても、『一般人より強いだけ』であって一般人が致命傷になるようなのは普通に危ないんだけどね」

 「そこはアークスも同じですね。ベテランでさえ不慮の一撃で落命することもありますし」

 「それ以上にあっちでお酒ガンガン飲んでる緑の子が大丈夫か気になるんだけど」

 「長月は酒は好きだしペースも早いけど、そこまで強くないからもうすぐ酔い潰れるだろうね」

 「大丈夫なんですか?」

 「同室の白い人、菊月がお持ち帰りするだけなので気にするだけ無駄、です」

 「……あぁそういう」

 

 暁の姐さん、響の姐さん、弥生の姐さんにウルクさんとテオドールさん。ここは割と落ち着いた雰囲気だ。話題に上がった長月の姐さんはいつものことなので気にしないでおく。

 

 「かーわーかーぜー!悟った目でなーに壁のシミになってるのー!」

 「それを言うなら壁の華ですよ海風」

 (歩きながらもぐもぐと食べ続けている)

 「海に赤城、加賀か。加賀、歩き食いは喉つまらせるぞ……」

 (食べながらお勧めの品を江風に突き出す)

 「会話放棄すんの止めろ加賀ァ。いや食べるけどさ。……うまいなコレ」

 (ドヤ顔)

 「加賀が作った料理じゃないでしょうに。でも、ここの料理は日々バリエーションも増えて食べ飽きないですね」

 「料理長の新しいものにチャレンジする意欲がすごいからなァ」

 「航行時の非常食は流石に専門外のようだけど、艦娘母艦に積める食料に関しては妥協をしないものね」

 「艦娘母艦に同乗する機会のある他所の艦娘からも洋上でここまで凝ったものを食べられるだなんて!って評判ですよね」

 「128もここみたいには凝ってなかったなぁ」

 「そういえば、料理長も天龍さんがスカウトしてきたはずよね」

 「そうだぜ加賀。ついでに言えば旧127の副料理長だったんだよ」

 「天龍の姐さん」

 

 天龍の姐さんがこちらに話しかけて来た。

 

 「料理長は旧127の料理長のカミさんでよ、夫婦で切り盛りしてくれてたんだ」

 「……もしかして」

 「あぁ。旦那さんの方は旧127が壊滅したときに死んじまったよ」

 「その上でよく来てくれましたね?」

 「俺が頼み込んで口説き落としてな。旦那さんが生き残ってたら、俺たちを支えるために参加するだろうって言ってくれてな。実際、料理長の美味ぇ飯にはかなり力をもらってるだろ?お前らも」

 「どんなに疲れていても美味しいごはんが待ってる!って思うとやる気が出てきます!」

 「どこかの卵焼きが作りすぎるのを見越していい具合に併せた品を出してくれますし」

 「タさんが料理作りを楽しめているのも料理長さんのおかげですよね」

 「旧海軍とかでウチの料理のがうめぇンだぞ!って競い合ってたってのがよく分かるようになったっスね」

 「それなら良かったぜ。料理長にも直接伝えておけよ?喜んでくれるだろうよ」

 「っス」

 「はーい」

 「もう伝えてあります」

 「来た初日に」

 「礼儀のいい姉妹だこった」

 

 そういう感情を躊躇いなく伝えられる加賀と礼儀正しく振舞える赤城。彼女らの親が外面にこだわる性格だったとはいえ、まっとうな育ちをしているなと感心する。

 

 「その料理長だがよ、オラクル人の料理も学んでバリエーション増やしたいって言ってるんだがお前達オラクルに何度か訓練で行っただろ?オススメできそうなのあったら教えてやってくれよ」

 「「……」」

 「なんでそこで黙るんだよ!?」

 

 私達がエーテル関連の習熟のためにオラクルへ行く際に食事をする場所はフランカ’sカフェというゲームPSO2でも登場する場所である。地球人と感覚が近いのか見慣れた感じの料理が多く、普通に食事をする分には参考になる目新しい料理は乏しい。

 だが、カフェの主であるフランカという人の趣味なのかチャレンジ精神なのか、妙なゲテモノがしれっと混じっているのだ。オラクル人はこういうのも行けるのか、と思いきやサラさん達からオラクル人目線でもゲテモノだと告げられた品々だった。初めてオラクルに行った際の『ブルメッタの蕾パフェ』もそれだ。要するにマトモに紹介できるものがない。

 

 「まー食材入手の問題もあるしいいか。んじゃ、お前達も腹一杯食っておけよ!俺は梓に飲ませる酒の追加取ってくるぜ」

 「はーい」

 「……福山提督って加賀達のような年の時にダークファルス化したんですよね。アルコール耐性って大丈夫なんでしょうか」

 「アルコールは毒扱いになるみたいで、飲んだそばから解毒されるらしいわ。おかげで酩酊感を知らないとか」

 「ちょっと羨ましいですよね。……あれ?福山提督って私の光テクニックで重い状態異常になるけど、これってアルコール中毒より私の方が強いってこと!?」

 「得手不得手の話だと思うンだよなそれ」

 

 てーとくはダークファルスという性質上光属性に弱く、その派生である『パニック』という前後不覚になる状態異常への耐性も極端に低い。海が要所要所でてーとくに勝てて来た一因でもある。

 

 「そういえば江風」

 「何さ赤城」

 「先程海風も言っていましたけど、周囲を傍観するのが好きなんですか?始まって早々姿を消したと思ったらこんな壁際で黄昏れていましたし」

 「鎮守府の一般開放時も引いたところによくいるわよね」

 「好きっていうか……癖かなぁ。地元で大人数でなんやかんやする時は大体ハブられがちだったし、トラブルが起きないかって周囲警戒することが多かったンだよね」

 「私がこっちに来てから顔を出すようになった友永さん一家は別な感じ?」

 「そうだね。元々革新的で周囲を気にしない一家ってのもあるけど、『あの立花と絡んでる』って理恵の奴も浮きがちで申し訳ないのがなぁ……」

 

 メディアに私の本名、立花蒼という名前と第二技研襲撃のことが暴露された際にいつかやると思っていた、と周辺住民に言われる犯罪者のような言い草を地元の連中にされたがあれが平常運転だったのだ。逆に積極的に接してくれる友永家が例外だ。

 

 「江風の地元って魔境か何かなの?」

 「遠からず、ってトコかなぁ。外部の人は皆口を揃えて『異常な街』って言うよ。地元民は『これ以上の街は存在しない!』って言うンだけどね」

 

 地元民及び流入してきて「定住」した者は身内とみなし好意的に、積極的に接するが他所の住人及び「外部の人間として接する」者や外部に出ていく者に対しては腫れ物なんて言葉が生温いほどに敵意を示す。そんな街だった。だから、外部の人間が地元民に危害を加えれば死罪も妥当と言わんばかりの姿勢を示し、逆に地元民が外部の人間を害しても情状酌量の余地がある、冤罪だ、騒ぐような罪でない、などと打って変わって擁護し始める住民性を持っている。地元警察や役所の連中も例外ではない。当然、外部からは蛇蝎の如く嫌われている。

 

 「因習村か何かなの?」

 「元々は村で、その昔東条って為政者がやってきて治め始めて多少まともになった、ってことで地名も東条になったらしいけど。それでこれなのか、悪化してるのか、そういう美談エピソードだけ捏造されてたのかは知らない。大地主が東条家なのは事実なンだけどねぇ」

 「東条……もしかして、数年前に小動物への猟奇殺害事件が起きていたりしませんか?」

 「記憶力がいいな赤城。その犯人は鎖鎌、って男だろ?」

 「えぇ。印象に残っていたんです。野良猫を攫っては殺してはく製にしてというだけでも相当なのに、今後は街の外の子供もターゲットにしていこうと思っていた、なんて供述があったって報道があって身の毛がよだつ思いでした。それに、地元住民へのインタビューで全員が全員何かの間違いだ、そんなに悪いことはしていない、通報した子供が悪い、などと異様な雰囲気だったので」

 「ちなみにその子供ってのが私な」

 「「えっ!?」」

 「先に言っておくけど、祝いの席でするような内容じゃねーからな。……私が保護した捨て猫がいて最終的に保健所に預けてさ、引き取りに来たのがソイツでね。すんごい嫌な雰囲気があったから家までストーキングしたンだわ。そして小動物を殺してるのを目撃して通報、って流れさ」

 「すごい度胸ね」

 「放っておけなかったからねぇ」

 「でも、地元警察もそれって大丈夫だったんですか?」

 「異常性に気づいた外部、つまり県警だね。の応援の人がたまたま私が駆け込んだ派出所で調査しててね。その人が居なかったらアウトだったよ。私が鎖鎌に引き渡されて、殺されてたね」

 「そんな……!」

 「でも待ってください、なんで地元住民の江風がそんな仕打ちを?」

 「今思うとエーテルへの適性なのかな。地元住民なのに『外部の人間』って本能的に思われてたみたいでね。地元に居ながら余所者がいる、って扱いだったんだよね。だから高校進学を機にこんな街出てやる!って思ってたとこにアウトローと遭遇して、艦娘になってどっちにしろ地元脱出になったってわけだ」

 「そうなると友永家の人達って特殊になるのかしら」

 「そうだねぇ。私の両親と友永家を含めたご近所さんはかなりそういうのが薄かったね。なンでかは分かんないけど。後はー……同じ町だけど離れたとこに住んでる祖父ちゃんと地主の娘のお嬢様ぐらいかな。例外は」

 「だからかなぁ。江風って身内判定した人としてない人で大分警戒心違うよね」

 「えっ」

 「私も転属してから警戒を解かれるまで大分時間かかりましたね」

 「えっ」

 「そもそも訓練校で江風と海風が喧嘩を頻繁にしていたのも江風が噛みつき気味だったからよね。段々落ち着いていったけど地元民の気質って考えるとしっくりくるわね」

 「マジで……?」

 「「うん」」

 「やだなぁ、こんな連中みたいになりたくねェなーって思ってたのにやらかしてたのか」

 「江風のそれは警戒心の強い猫、ぐらいの感じだからそんな因習村めいた状態ではないから安心すればいいと思うわ」

 「演習や一般開放でもそれが原因でトラブルは起きてないですからね」

 「だから安心していいよ?」

 「うん、うーん……」

 

 心底嫌っていた地元気質が私自身にも受け継がれていた、という指摘にかなりのショックを受ける。毒親の子供が同じようにならないかと苦悩するという話は時折耳にするが、私にも該当する話だったようだ。

 

 「そこのしけた面の江風!卵スイーツをくらえー!!」

 「もがーっ!!?」

 「瑞鳳ちゃんはしたないよ!?」

 「あ、美味い」

 「でしょー!ふふん、自信作だもん!」

 

 不意打ち気味に瑞鳳に卵スイーツを口に突っ込まれた。自信気なだけあって本当に美味しい。

 

 「アークスの皆さんにも高評価を頂きました!ってことでオラクル人も地球の、私の味に虜ってわけよ!」

 「瑞鳳ちゃんそれは極端だと思うなぁ」

 「ふむ、いけますね」

 「美味しいです」

 「デザートにぴったりだな」

 

 卵料理に関する自己評価が過剰気味なものの、実際に瑞鳳の卵に関する料理の腕は着任時からメキメキと上達していて、バリエーションも卵焼き以外にも豊富になっていた。料理長や羽黒の補佐がなければ卵焼き一辺倒だっただろうと思うと感謝しかない。

 

 「なんか暗い話してたけど、今はお祝いの席だよ?盛り上がらないでどうするのよ!」

 「瑞鳳の言う通りだな。料理、もっとあるか?」

 「たーっぷり用意したからね!」

 「遠慮なく喰わせて貰うぜ!皆、湿っぽい話になって悪かったな」

 「いえ、言い出したのは私ですし」

 「結論を言えば、江風は今の調子でいいと思うわ」

 「もし悩むことがあったらお姉ちゃんに任せてね!」

 「はは、頼りにしてるよ」

 

 そうして宴の時間は過ぎていくのだった。




 ――「連絡?横須賀から?あぁ、沖田のとっつぁんからだ。……へぇ、現地勢力と共同して星をも滅ぼしうる災厄を退けた、ね。いい機会だし頼っちゃおうかなぁ、127鎮守府ちゃんには!」

 江風の出身地東条は架空の中規模都市という設定です。
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