18:00 東条の街 大病院ロビー
泣き止まない私や祖父の死への悲しみ、動揺そして看取ったのが私であったことへの怒りでヒステリーを起こしていた叔母を始めとする親族を私の両親がなんとか宥めるまで時間がかかった。
なんとか落ち着いた私は遺言の件を動画を見せつつ説明した。
「父さん……」
「何よ!あなたまだこんな子の言葉を信じるつもりなの!?作り物に決まっているわ!」
「姉さん、嘘じゃないって見て分かっているでしょう!?それに確かに母さんが亡くなってから父さんが俺も遺言を残さなければ、って話をよくしていたのは事実でしょう!
まさか姉さん、勝手に父さんの書斎の中身を処分したわけじゃないでしょうね?」
「そんな訳ないでしょう!?」
「なら確認しにいきましょう。……蒼のことも父さんのことも身勝手に決めつけるのは止めて」
「身勝手なのは……!」
「それにここは病院よ。静かにしなさいよいい年して」
「っぐ……!」
母が今までにない程の気迫で叔母を黙らせた。
「蒼、確認が終わったら家で夕飯にしましょう。父さんが言っていた奇跡についても教えてくれる?あなた、父さん周りの病院での手続き、お願い」
「あぁ。任せろ」
「……うん」
その後も感情的に私を責め立てる親族から庇うように母が連れ添ってくれた。父は理性的に病院側とやり取りをするために叔母の夫と残った。
そして、祖父の家ーーつまり叔母一家の家でもあるーーの書斎の引き出しから祖父の言う通り遺言状が発見された。日付も5年以上前、祖母が亡くなってからしばらくしてのものだった。
内容に関しても生前、というより呆けが始まる前から宣言していた通りの内容であり、余計な争いが起きないようにとマメな性格をしていた祖父らしく詳細に相続に関して書き記されていた。
20:30 立花家 居間
私と母は先んじて遺品のカメラを回収して帰宅、別行動をしていた父も無事帰宅し、合流。そして夕飯が完成した。私も手伝うと言ったが母が実家の味を堪能しなさい、と譲らなかった。
「おまたせ。久々に蒼が帰ってきたから張り切っちゃった」
「オムライス……!」
「蒼は好きだったな」
「うん、うん……!」
卵料理に幅広く手を出している瑞鳳も美味しいオムライスを作ってくれるが、やはり実家の味というのは格別で。
「やっぱり、母さんのオムライスが1番美味しい」
「そう言ってもらえて何よりだわ」
「そうだなぁ、母さんの手料理は最高だからな」
「次はあなたの好物を作らなくちゃね」
「相変わらず仲が良いね」
私と東条の街という組み合わせでは異端と疎外という状態だが、立花家においては夫婦仲良好、親子仲も良好だ。
もし電や加賀、赤城のような家庭事情だったとしたら……そう考えると恐ろしいしマザーの救いの手を絶対に手放せなかっただろうと思う。
そうして食事が終わり、私が出会った死神を含めた経緯を説明した。
「死神……か。そんな馬鹿な、と以前なら言っていたかもしれないな」
「蒼の出ていたテレビ番組を見て、その上で一気に呆けが進行して誰が誰だか分からなくなっていた父さんのあの様子を見た上で否定なんて出来ないわね」
「……信じてくれるの?」
「当然だ。お前を信じるよ」
「それに、その話のとおりなら父さんも心残りなく往生できたってことでしょう?その方が嬉しいわ」
「ありがとう」
「蒼も素直になって。鎮守府ではいい人達と巡り会えたのかな」
「そうねぇ、こういう時恥ずかしがってお礼なんて言えない子だったものね」
「うぅ、そうなンだけどさ」
良くも悪くも、鎮守府での1年は私を大きく変えた。それを両親が好意的に受け止めてくれることもまた嬉しい。
「機密とかはあると思うんだけど、障りのない範囲でお話を聞かせて?」
「必要最低限の返事しか聞いていなかったからな」
「うん、そうだね。……その前に、どれぐらい私の、127を知ってるの?」
「人類に友好的な深海棲艦?正直この街で暮らしていて深海棲艦自体も見たことがないが……いるという話だったな」
「後はすごい危険の最前線にいるってことね。……大丈夫なの?」
「そこを知ってるなら話をしやすいかな。危険に関しては、気をつけているけど何も保証は出来ない。だけど、絶対に引き返したくない。あの時みたいに……5年前みたいに何もできなかったこと、手が届かなかったことを後悔したくないから」
「一度決めたら曲げないな、蒼は」
「そうね。でも、私達の大事な娘なんだから命を大事に、ね?」
「うん。それで、話せることはーー」
愉快な同期たちのこと。艦娘になる切欠になったアウトローやココといった縁を結んだ深海棲艦のこと。真面目な空気を維持できないけどやる時はすごい頼もしい先輩達のこと。笑ってしまうぐらい常識も何もかも抜けているけれど、私を受け入れて強く背中を支えてくれるてーとくのこと。
八坂達やともちゃんのような外部で言葉を選ぶ必要があるが交流を深めてきた面々のおかげで、スラスラと言葉が出てくる。
「本当に良い縁に恵まれたな、蒼」
「そこまで嬉しそうに誰かのことを話す蒼を初めて見た」
「きひひっ」
「迷惑でなければ一度ご挨拶に行きたいわね。興行で一部開放しているんでしょう?友永さん達だけ行っていて羨ましいのよね」
「周りが嫌がるだろうが、どこかで時間を見つけて行きたいな」
「本当にそこが心配だけど、どうにかなったら大歓迎だよ。あ、でもうちの鎮守府には猫がすごい多いンだ。変に訪問者に近づかないように躾けてあるし、毛も飛ばないようにブラッシングも欠かしていないけど父さんは猫アレルギーだから気をつけてね」
「近づかなければ大丈夫さ。それと換毛期の猫のいる建物に入らなければな」
「思い出すわね、学生の頃……」
「そ、それはいいだろう!」
「あはは、アレルギーはシャレにならないから本当に気を付けてね?」
「あ、猫といえば……」
ふと思い出して顔をしかめる母。すごい嫌な予感がする。
「蒼を連れ去ろうとしていたあの鎖鎌って犯罪者、釈放されたみたいなのよ。蒼、気を付けてね」
「え……?」
私のトラウマの元凶。行き急ぐように後悔しないように彷徨う(ストレイする)ようになった原因。この街から多くの猫のような野良の動物を消した張本人で、私の目の前でーー
「ーーッ!!」
「蒼!?」
「落ち着け蒼!」
先程食べた夕食が逆流しそうになるのをなんとかこらえる。私にとって、それほどの相手。
「はぁ、はぁ……待って、アイツ終身刑だったよね?裁判に1年、動物関連を殺し回った罪で5年、私を殺そうとしたこと、街の外の子供を次のターゲットにしようとしていた準備等の罪でずっともう檻から出てこれないはずだよ!?」
「そのはずなんだがな……」
「紛れもなく、あの男だったわ」
「……ふぅ。ごめん、熱くなって。落ち着いたよ。感情でモノ見ても仕方ない。事実を受け止めるべきだよね。ってことは誰かが釈放に働きかけて……かけて……」
東条の住人の多くが同郷民に甘く、余所者へ厳しいという性質は犯罪者及びその反応にも色濃く反映される。
余所者が東条民を害した場合、軽犯罪でも重罰どころか死刑を求刑し始めるのだ。東条民であれば警察も検察も弁護士も裁判官も。
逆に東条民が余所者を害した場合。情状酌量の余地があるという主張は手緩く、殺人でさえ無罪を勝ち取るために市民運動さえ起こりかねない。事件現場や犯罪者の自宅に立ち入り証拠を隠滅する一般人が出ることも珍しくなく、警察等の公務員も例外ではない。
それ故に罪状が確定した鎖鎌に対していち早く刑務所から出られるように手配した人物がいてもおかしくはないし、特定も難しいという状況だ。私に親しくない人ーーそれこそ親族である叔母も含めーー全員が容疑者だ。
「……でもこの胸騒ぎ、トラウマが刺激されたからってだけじゃない。嫌な予感がする……」
「蒼……」
「気を付けてね蒼。もしかしたらまたあなたを狙うかもしれない」
「猟奇犯罪者よりよっぽどヤバいのを相手にしてきたから心配いらないよ。でも……うん、ちょっと電話かけるね」
そう言って響の姐さんに連絡を取る。
「もしもし、響の姐さん?江風です。杞憂だったら良いんですけど調べてほしいことがあって……」
鎮守府に情報を共有する。祖父が他界したこととそれに伴い3日後まで滞在することは既に伝えてある。
「うん、お願いします。……ちょっと鎮守府の人に調査してもらうようにお願いした。頼れる人達だから、少しは安心できるかな」
「そ、そうか」
「大丈夫?兄さんに父さんのカメラを渡す役割をこっちでやってもいいのよ?」
「いいのいいの。自分の手で色々とケジメをつけたいから」
明日はミッケの世話、カメラでここのいい景色ーーなんとか主観を押し殺していい光景を見出さねばならないーーを収める等、やることは多い。
「色々あって疲れちゃった、今日は早めに休むね」
「寒いからしっかり暖かくして寝るんだぞ」
「おやすみなさい」
「うん、おやすみなさい」
そうして早々に布団に潜り込む。同期組に街の風景でいい風景ってどういうものが思い浮かぶか?と問いかけだけ送っておいたので、明日はそれを参考に廻るつもりだ。
???
ーー体が重い。暗闇の中、べっとりとした空気で呼吸をすることさえしんどい。
ーー身動きすると光が見える。暗い部屋の中。
ーー檻に囚われたミケと目が合う。そしてその横で机に拘束された犬に狂った目をした男が狂喜の涎を散らしながら刃を突き刺して、私に気付いてこちらを向いてーー
05:00 立花家 蒼の部屋
「ーーうわあああああっ!はぁ、はぁ、はぁ……!ここは……そうか、実家で、さっきのは……うぐっ」
吐き気がこみ上げてトイレに駆け込む。胃液しか出なくなるまで嘔吐してしばらくしてようやく落ち着いた。水で口をゆすいで気持ちを切り替える。
「最近は見なくなってたけど、昨日の話があったからなァ……」
それこそミケを失ってしばらくは毎晩のように見ていた悪夢であり、その当時の記憶だった。
「切り替え切り替え……二度寝はもう出来ないなァ。朝食までランニングでもするかな」
中学生時代に着ていたジャージに着替え、朝食の時間には戻ると書き置きをして家を出た。鎮守府での訓練の日々もあり、気持ちがモヤモヤしたら体を動かすのが習慣になっていた。
06:00 東条の街
「久々だけど一年、か。まあ変わらないよね。そろそろ折り返して帰る方向にするから……あっちだな」
ランニングをしながら独りごちる。べっとりとした不快な空気が満ちる東条の街も冬の朝はいくらかクリアだった。
そうして帰りのルートを走っているとーー大きな円を描くようなルート設定だったーー大きな屋敷の前に差し掛かった。東条の街を実質支配している名家、東条家だ。
そして家の前にこの寒い朝の中ぼうっと佇む気品のある人影を確認する。それは1年前までよく見てきた顔だが浮かべる表情は見たことのない憂いに満ちたもので。思わず声をかけてしまった。
「東条?」
「え……立花、さん?」
「やっぱり東条か。どうした?こんな寒い中呆然としてさ。体壊すぞ」
「あ……いえ、立花さんこそどうしてここへ?街を出ていったはずでは」
「良くしてくれてたじいちゃんが昨日亡くなってさ。見送ってきた」
「それは……ご愁傷さまです」
「それで東条は?」
「私は……最近悩むことが多くて、朝はこうやって考えに更けているのです」
「なる程、ね。私はあと2日で東京に帰るし、独り言のつもりで話してみない?」
「え……」
「ンだよそこまで驚くことか?……いや、そうかもね。悪い、ずっと態度悪くて」
「立花さん!?」
頭を下げる。彼女はここの大地主東条家の孫娘で跡取り候補、東条麗華。気品に溢れる金髪にウェーブのかかった髪といういかにもお嬢様、という出で立ちで性格は穏やかでいて率先して皆を不和少なくまとめ上げて成績も全て優秀、多くの技能も修めているハイスペックお嬢様といったものだ。
彼女とは中学生時代の3年間ずっとクラスメイトであり、本能的な問題で孤立していた私に唯一別け隔てなくーーむしろ意固地な私に頑張って構おうとしていたーー稀有な人物だった。
もっとも、彼女の取り巻きーー実家が代々東条家の取り巻きをやっているような家系の一部らしいーー2名が虎の威を借る狐よろしく威張り散らかしていて、彼女が2人を宥めつつ最終的に私が切れるか退去するかというのが日常だった。
「この街で孤立している私に関係ないと手を差し伸べてくれた東条はすごい有難かった。嬉しかった。それなのに突っぱねるような態度をとってて本当にごめんな」
「いえ。高校に進学して、その理由を理解しましたから。こちらこそ、坂東さんと鎌倉さんがごめんなさい」
「東条?」
坂東と鎌倉。先の取り巻き2名だ。東条が気を配れば麗華様にお手を煩わせるなんて、といったようにとにかく東条を上げて他者を下げるイヤミな取り巻き、といった人物だった。
「高校では私は特進クラスに編入されましたの」
「中学でも成績トップだったもんな」
「お二人は一緒に来たがっていたのですが一般クラスに編入されまして……」
「……学力不足?」
「えぇ、進学は出来るように指導したのですけど力及ばず」
「あんの馬鹿共……。まあ、同じ学校に進学させられただけでもよくやったと思うよ?北高でしょ?こいつら高校別になりそうだけどどうすんのかなって思ってたけどそこは滑り込めたんだね」
北高とはこの街1番の進学校である。その中でも特進クラスと一般クラスと更に差があるらしいとは聞いたことがあった。
「えぇ……それで一人になって改めて周囲を見渡して、接しようとして。状況を理解しました」
「状況?」
「皆さん、私に手を差し出されることを嫌がっています」
「お前に悪意は……あぁ、あいつらが絡んで来る……アレ?でも別クラスなんだよね?」
「休み時間は必ず私のところに来ますわ。私一人にしておけない、と。以前はそれが当たり前、それが喜ばしいことと思っていましたが、他の方の席を奪ってでも行うことに疑問を覚えまして。……それで、立花さんにも迷惑をかけていた、と……」
「あー……」
確かに迷惑だった。クラスどころか学校でも注目の的だった東条に積極的に昼食も一緒しようと絡まれるということは他の連中からやっかみを受けるということであり、何より取り巻き共の過剰反応が苦痛だった。ただ、それは『東条麗華が嫌』なのではないのだ。
「迷惑だったかといえば迷惑だったよ、あの馬鹿共がね。逆に東条には感謝してる。完全に孤立しないですんだし、私に強く当たりすぎるということは東条のメンツを潰すってことだってどいつもこいつも本能的に理解してたみたいだから、直接的な嫌がらせもなかった。何より、退屈しなかったよ。ありがとう」
中学に上がりたての頃は物を隠す、破壊するなどの嫌がらせを受けていたがそれを私よりも東条が許さなかった。それを何度か経て、腫れ物ではあるが手は出さない程度の塩梅に落ち着いていたのだ。
「この街を出て鎮守府で働くようになって色々と見直せたし吹っ切れた。だからこそ、力になれる範囲なら今度は東条の悩みを解決するのに手を貸したい。それが私の偽りない本音だよ」
「信じて、いいんですの……?」
「嘘つく趣味はないよ。それはお前も知っているだろう?」
「そう、ですわね。……では、聞いてくださる?」
「勿論」
東条麗華という個人は限界だった。人々の模範となるべく努力をし、別け隔てなく人々に手を差し伸べ日々努力を重ねて。
それに対してこの街の人々は腐っていた。彼女個人の努力も尽力も『東条様は流石だ』と彼女のものとして見ない。手を差し伸べられることを当たり前のものとして享受し、何も彼女に返さない。
そして、彼女に差し伸べられた人が東条人でない移住者等であった場合。猛烈に不快感を示し攻撃するのだ。「東条様に手をかけさせるなど言語道断だ」と。彼女の意向も意思も訴えも通らない。
中学時代はよりそういった心を向ける相手が私だったからこそ表沙汰になりにくかったことが、私が居なくなったことで広範囲かつ顕在化したのだ。
「私は、この街の人だから、そうでないからと区別したくないのです。ですけど、誰もそれを聞き入れてくれません。
……立花さん、この街は外から見てどういう街ととらえられていますの?」
「想像のとおりだと思う。最悪だよ。同郷びいきの外道共。できる限りこの街に行く用事はキャンセルして何かで補ったほうがいい。両隣の街からはならず者が出てくる不倶戴天の敵の街とすら思われている」
東条の街は北を中心に山に囲われ、南は海に面し、海沿いに東西へ行くと隣町に行ける。東条の住民は同郷ではなく他所の判定ならば悪事を働いてもいいとすら思っているわけで、その他所の街である両者からは半端ではない敵愾心を持たれている。
「そう……ですの」
「正直言うと、この街を棄てて他所に行ったほうがいいと思うよ。低い意識でつるんでいる連中以外にはこの街は地獄だ」
彼女は覚悟はしていたけどそれでもショックは大きい、という面持ちで顔を伏せる。しかし、それでも、と顔を上げた。
「それでも。それでも、この街は私にとって大事な街、愛する街。愛する人々のいる街です。出ていくことはありません」
「決意は本物みたいだね。なら、取れるアプローチは2つだ。妥協して連中の求める『東条様』になるか、連中を変えるかだそれと……さ」
「?」
「この街も東条だしお前の実家も東条でややこしいからさ。名前で呼んでいいか?」
「えっ」
「いや、嫌ならいいんだけーー」
「嫌なんてことありませんわ!私も、私も立花さんのことを名前の方で呼んでみたくて……でも嫌だと思われたら、と」
「前の私は恥ずかしがって嫌がってたね。けど、この1年で慣らされちまってさ。テレビ番組でアイドル相手に親しくちゃん付けする羽目にまでなったからな」
「テレビに出たんですの?」
「まだ撮影終わっての放送前だけどね。後でエスカ端末に配信ページ送るよ。……で、いいかな、れ、麗華」
「はい、蒼さん!」
慣らされたとはいったもののやっぱり恥ずかしい。だが、麗華を『東条家令嬢』ではない1個人として接したいのだから止めるわけにはいかない。
「そういえばエスカ端末のアドレスも交換してなかったな。とりあえずそこから……げ」
「私、そういうことしたことがなくて……どうしましたの?」
「7時回ってる!遅刻とか大丈夫か!?」
「少し急ぎませんと……」
「とりあえずアドレス交換オッケー!連絡入れるからとりあえずまたな!」
「え、えぇ、また」
これで麗華が怒られるのは嫌だしそれこそ東条家の使用人に見咎められるかもしれない。そう思いつつ私は自宅に向けて走り去るのだった。
ちなみに朝食に遅れて両親に軽く怒られたのと、ついでにカメラを持っていって撮影もしてくればいいと言われた。返す言葉もないとはこのことだった。