砲剣使いがダンジョンに行くのは間違っているだろうか? 作:にんころ
あと原作キャラの口調てこんなに難しかったっけ?特にロキわけわからんくなる
砲剣の英雄、彼の名は他国にも響き渡りその一撃は城壁など意味をなさなかったらしい。
曰く、大穴を穿ち吹き出した炎は森を焼き払い
曰く、漏れ出す冷気は肺を凍らせ
曰く、砲剣から繰り出される雷撃は天の怒り神鳴りだと言われていた。
そんな彼が今ピンチに陥っていた。
「すまん、入団を希望しているんだが」
「お前の様な屈強な入団希望者が居る訳ないだろう! 嘘ならもっとましな嘘をつけ! 大方他ファミリアのスパイだろう!」
「……………………勘弁してくれ」
そんな不毛なやりとりが繰り広げられているのは城のような巨大建造物の門前であった。
門の隙間から見える庭は全面芝生に覆われていて建物の壁は全面白塗りで王の居城と言われても納得してしまうレベルだ。
(どうしてこんな事になってしまったんだ、俺はただファミリアに入りたかっただけなんだが)
内心途方に暮れていた、これ以上面倒なのは流石にごめん被りたいものだな、そう思っていると門が開き見るからにアマゾネスって感じの服装をした女性が出て来た。
「何? 昼時にそんなに大声出して、何か問題でもあった?」
「はい! 怪しい奴が居ましたので追っ払おうとした所入団希望者だと言い張るのです!」
「入団希望者? こんな時期に?」
そう言って女性が顰めっ面で此方を睨みつける勢いで見ていた。
「すまない、入団希望者に来たのだがそこの門番に止められてしまってね、騒がしてしまったのなら謝る、申し訳ない」
「こんな入団希望者見たことありませんって! もしかしたら闇派閥のスパイかもしれませんよ! 用心してください」
そう言って門番が自分を睨みつけたくる、あまり心地の良い物でもないし、騒がせるのは申し訳ないのでここは一度出直そうと思い踵をかえそうとしたその時
「なるほどね、悪かったわね今うちのファミリア闇派閥のせいで少しピリついてるのよ、この子も悪気がある訳じゃないわ」
「いや、私も少し間が悪かったようだ。今日は出直させてもらうよ」
「その必要は無いわ」
そう言うと女性は門番を引かせて門を開けて言った。
「貴方強そうだもの特別にロキの所に連れてってあげるわ」
「ほう、その提案は願っても無いが良いのか? そんな事して、言ってはなんだがかなり怪しいだろう私は」
自覚はしているのだ、先程門番が言ったように今オラリオは全体が緊張状態と言っても過言ではなかった。
その原因は闇派閥と呼ばれる連中、神の力が届かぬ場所で好き放題やったり地上でも裏で暗躍していると小耳に挟んでいた。
「やましい事がある奴は自分の事を怪しい奴なんて言わないわよ、それで来るの? 来ないのどっち?」
「あんたの厚意に甘えさせてもらうよ」
そう言って中に連れられて行った。
この後にあんなに濃い人達と出会うなんてこの時は想像すらしていなかった。
門を潜ると、そこに広がっていたのはやはり城を思わせるような白い建造物と広い芝生の庭だった。
「これは……凄いな」
「ふふ、ここがロキファミリアのホーム黄昏の館よ」
そうたわわに実った胸を少し強調させながら自信満々に紹介してくれた。
「そう言えば自己紹介がまだだったわね、私の名前はティオネ・ヒリュテ、ティオネで良いわよ」
「私の、いや俺の名前は富嶽《ふがく》だよろしく頼む」
「ええ、よろしくね」
自己紹介も程々に白い廊下を歩いてく、外観通り中も広く慣れるまでは確実に迷うであろう複雑な構造になっていた。
「着いたわ、ここが私達の主神ロキの自室よ」
そう言って彼女は俺に目配せした。
「それじゃ入るわよ」
コンコン「ロキ?居る?お客さんよ」
ノックをし中にいるであろう神物に語りかけるさまはまるで、友人を遊びに誘うくらい気軽な雰囲気だった。
少しして扉の向こうから大きな足音がドタドタ聞こえてきた。
バタン!
「ティオネたーん!」
そう大声を出しながら扉を勢いよく開け放ったのは赤髪の女性だった。
「死ね、、」
そう一言小さく一言入れてついでに出てきた神物に蹴りをかまして部屋の中に戻した。一瞬の事で呆気に取られるどころかびっくりしすぎて目の前の女性が一瞬般若に見えた。
「いったた、容赦ないわぁほんま少しは加減してぇな」
「嫌よ弱くしても強くしても懲りないじゃない、だから少しずつ強くしてるのよ」
「怖っ」
この人死なないギリギリを攻めてるのか、弱くしてもストレス解消できないから見極めているのだ。
「それで後ろの子は誰や?見ない顔やな」
「入団希望だそうよ、強そうだから少し興味が湧いて連れてきたわ」
「へぇ、珍しいなぁフィン以外の人にそんなこと言うなんて」
「団長は特別なのよ!」
そんなやりとりを経て入室した部屋は酒が多く並べられていて酒好きなのが一眼でわかる。何より視界の端に映った額縁に入ったファミリアの集合写真が強く印象に残りこの神様は子供好きなのが伝わってきた。
「私の名前は富嶽って言います。神ロキ出会えて光栄だ」
そう言って片膝を地につけ大剣を地に置いた。
「ええよ、よう言う堅苦しいんは背中が痒くなるわ」
「すまない、正直俺もこういうのは苦手でねそう言ってくれるなら助かるよ」
そう言って大剣を背に戻し立ち上がる、正面から見た彼女は美しく狐目でルビーのような髪、軽薄そうだが愛情や優しさを讃える微笑み。
だが視線が一点で止まった、時も止まった、思考も止まった。神は地上で一番完璧に近いと言われている。
だからこそ残念でならない、本来なら実っているはずのものが実ってないのだ。
(なんと嘆かわしい事なんだ)
女性に対してかなり失礼な事を思っていると目の前からの圧が増した気がした。
「何や自分もうステータス持っとるやんコンバートしにきたんかいな」
「はい、故郷の神様からステータスを刻んで貰っていまして無理言ってコンバートの許しを得ました」
背を見せると彼女の目が見開いた。
「レベル3やと!?自分外で一体何したらそこまで強くなれんねん!」
「まぁ戦争に行ったり戦場で過ごしたりしていたらですかね」
そうオラリオでのレベルアップとそれ以外でのレベルアップでは価値が違うのだ。オラリオのモンスターから貰える経験値は上質な物が多く外とは比べ物にならないペースで成長出来る。
一方外のモンスターは長い年月を経て野生化しそして戦闘力を削り生存能力を上げたのだ。繁殖力や獲物を狩る方法などを強化した結果倒した時の経験値の質が下がってしまったのだ。
だから人の天敵人を倒して経験値を貯めた。より強い敵と戦い勝利しまた戦うそれを繰り返していたらレベル3になっていた。
「自分の主神はオーディンで間違いないな?」
「ええ、やはり背中の模様でわかりますか?」
「そらそうやなそんなグングニルの槍を掲げた模様なんてオーディンくらいなもんやで」
そう言ってやれやれとでも言いたげな雰囲気を醸し出していた。
「レベル3やから無条件に入れたい所やけどそう言うわけにもいかん」
「・・・・と言うと?」
少しばかり嫌な予感がして腰が低くなる
「そんなん入団試験に決まってるやろ」
目の前の女神がニヨニヨと嫌な笑みを顔に貼り付けている、間違いなく俺の嫌そうな顔を見て楽しんでるに違いない、なんて言ったって目の前にいるのは悪名高い神ロキなのだから。
(今更ながら自分の浅慮を呪う事になろうとは思わなかった)
神々は娯楽好きな事を忘れていた自分を呪いたい気分に苛まれていた。レベルが高い事を知った目の前の神は自分の欲望を満たす為俺を限界まで追い込むだろう、この時一つ確実になった運命があったそれは
(間違いなく俺は明日動けなくなる!!)
その事実を理解し俺は、天を見上げて明日の激痛を思い顔を顰めるのだった。