有坂浩平と五人の花嫁 作:ゼノ
これから頑張っていこうと思っているので、よろしくお願いします。
夢を見ていた
君と出会ったあの日を
あの夢のような日の夢を
「「焼肉定食、焼肉抜きで」」
「はいよ」
学校の昼食時間、俺は親友の上杉風太郎と学食に来ていた。そしていつものように焼肉定食、焼肉抜きを頼む。
焼肉定食、焼肉抜きとは俺と風太郎がいつも頼んでいるメニューだ。この学食での最安値はライス(200円)と思われがちだが実は違う。焼肉定食(400円)から焼肉(200円)を抜くことでライスと同じ値段で味噌汁とお新香が付いてくるのだ!
しかも水は飲み放題!学食最高!
焼肉定食(焼肉抜き)を受け取った後俺達はいつも座っている席へと向かう。
そして俺と風太郎がトレーを席に置いた瞬間、もう1人別の生徒が席にトレーを置いた。
「あの!私のほうが先でした。隣の席が空いてるのでそっちに移ってください」
「悪いがここは俺達が毎日座っている席だ。あんたが移れ」
「関係ありません早い者勝ちです」
このまま放っておくと喧嘩になりそうだったので2人の間に割って入る。
「はいはい、ストップ!ストップ!俺が隣の席に移るから風太郎はそこに座れ。あんたもそれで良いだろ?」
「......わかりました。ありがとうございます」
「......まあ、浩平がそう言うなら」
そう言って2人は席に着き昼食を食べ始める。
俺は女子生徒のトレーを見て目を疑った。何故なら女子生徒のメニューは250円のうどんにトッピングで150円の海老天×2と100円のいか天、かしわ天、さつまいも天。更にはデザートに180円のプリンと明らかに1000円を超えている。昼食にこれだけ金を使えるとはおそらくこの女子生徒はセレブなのだろう。
そんなことを考えていると女子生徒が口を開いた。
「行儀悪いですよ」
おそらく風太郎が勉強しながら食事していることを言っているのだろう。
「テストの復習をしてるんだ。ほっといてくれ」
「昼食の最中に勉強なんて......よほど追い込まれているんですね。何点だったんですか?」
女子生徒は風太郎からテスト用紙を取り上げ点数を見ようとする。
「あ、おい、見るな!」
「ええー......上杉風太郎くん、得点は......100点」
「あーめっちゃはずかしい!」
「風太郎、お前......」
「わざと見せましたね!?」
「さあ?なんのことだか」
そう言って風太郎は目を逸らした。ほんとコイツのこういうところは昔から変わらないな......。
「うぅ......悔しいですが勉強は苦手なので羨ましいです」
すると、女子生徒は何かを思いついたのか手を叩いた。
「あ、そうです!良いこと思いつきました!せっかく相席になったんですから勉強、教えてくださいよ」
「ごちそうさま」
即答だった。食べ終わった食器をトレーに乗せて風太郎は席を立つ。
「えぇっ!?食べるの早っ!?お昼それっぽっちで足りるんですか?後からお腹空きません?私の分少し分けましょうか?」
女子生徒が心配したように風太郎にたずねる。
「満腹だね。むしろあんたが食べ過ぎなんだよ。太るぞ?」
「ふ、ふとっ......!?」
「おい、風太郎、お前さすがに女子に今のは......」
さすがに言い過ぎだと思い風太郎に注意しようとするが、風太郎は携帯を見ると何処かへ行ってしまった。
「なんなんですかあの人は!あんな無神経な人初めてです!」
「連れがすまなかった。あいつのあの性格は昔からなんだよ」
俺は女子生徒に謝った。
「い、いえ、あなたが悪いわけじゃないので気にしないでください」
「そっか......ありがとな、えっと......」
「そういえば自己紹介がまだでしたね。私の名前は中野五月です。今日からこの学校に転入してきたんです」
「転入生か。どうりでうちの学校の制服じゃないわけだ。俺の名前は有坂浩平だ。よろしくな、中野」
「はい!よろしくお願いしますね、有坂君」
お互いに自己紹介を済ませた後、俺は先程の風太郎と中野のやり取りを思い出しある提案をする。
「勉強、良かったら俺が教えようか?」
「え、良いんですか?」
「ああ。どうせこの後予定なんて無いし、人に教えることも勉強になるからな」
「ありがとうございます!」
「まあ、その前に昼食を食べ終わらないとな。勉強はその後だ」
「はい!」
そして俺と中野は昼食を食べ始めた。
「で、ここにこの公式を当てはめれば答えに辿り着ける」
「なるほど。ありがとうございました!とてもわかりやすかったです!」
あれから昼食を食べ終わった後、20分近く勉強を教えた。教えていてわかったのだが、中野は勉強に対する意欲はとても高いが、とにかく要領が悪い。努力はしているのだろうがその努力が空回りしてしまっているのだろう。
「そっか。そう言ってもらえるなら良かった」
「それじゃ、次の授業の準備もあるし俺は行くよ」
時計を見ると次の授業が始まるまで残り10分だった。教室までの移動時間を考えるとそろそろ移動した方がいいだろう。
「はい。本当にありがとうございました!」
「おう。それじゃあな」
改めて礼を言われたので、中野に返事を返し俺は食堂をあとにした。
〜教室〜
中野と別れた後、教室に戻って次の授業の準備をしていると風太郎が話しかけてきた。
「落ち着いて聞いてくれ、浩平。もしかしたら借金が返せるかもしれない」
「......人間の腎臓って片方なくなっても大丈夫らしいぞ」
「俺はやらんぞ!?お前までらいはと同じようなこと言わないでくれ!」
「すまん、すまん。で、借金を返せるかもしれないってどういうことなんだ?」
「ああ、実は親父が良いバイトを見つけてきたらしくてな。そのバイト、相場の5倍の給料が貰えるらしいんだ」
風太郎のその言葉を聞いたとたん俺は耳を疑った。
「......明らかに胡散臭いんだが本当に大丈夫なのか?そのバイト」
「仕事内容は家庭教師らしい。最近引っ越してきた金持ちの家が家庭教師を探してるそうだ」
「なるほどな。で、俺は何をすれば良い?」
「手伝ってくれるのか?」
「当たり前だろ?両親を亡くした俺を上杉家は受け入れてくれたんだ。こういうときくらい恩返しさせてくれ」
「そうか。ありがとな」
「おう。で、その家庭教師をする生徒ってどんなやつなんだ?」
「なんでも今日俺達の学校に転入してくるらしいぞ。名前は確か......中野というらしい」
中野?確か昼休みに会った転入生って中野だったよな。......だとしたら風太郎にとって最悪だな。なんせあんな態度をとってしまったんだから。
「なあ、風太郎その生徒ってもしかしたら......」
「はい、全員席に着けー」
中野のことを風太郎に伝えようとするが教師が教室に入ってきたので全員が席に着く。
「お前らも知ってるとは思うが、今日からこのクラスに転入生が入ってくることになった」
教師のその言葉によって教室内がざわつき始める。
「それじゃ中野、自己紹介を頼む」
「はい」
そう言って教室に入ってきたのは中野だった。
「中野五月です。よろしくお願いします」
恐らく風太郎は今とても驚いた顔をしているだろう。なんせ、昼休みにあんな態度をとった生徒がこれから勉強を教えることになる相手だったのだから。
「席はそうだな......有坂の隣が空いてるからそこに座ってくれ」
「わかりました」
そして中野は俺の隣の席に向かって歩いてくる。
途中で風太郎が挨拶したようだが、そっぽを向かれてるあたり相当嫌われてるのだろう。
「さっきぶりだな、中野」
「有坂君!同じクラスだったんですね!」
「そうらしいな。改めてこれからよろしく頼むよ、中野」
「はい!よろしくお願いします」
これが俺達と中野五月の出会いだった。
この出会いが俺と風太郎の日常を大きく変えていくことになるとは俺達は思ってもいなかった。
読んでくださり、ありがとうございました。
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