馬の感情が読める厩務員が転生した件   作:泰然

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寒い季節は車が怖いです。
誤字脱字多くてすいません。直してくださる方ありがとうございます。


31話 ウララと遭難 たづなさんの憧憬

ルドルフの洗脳から解き放たれて次の朝を迎え、一人で廊下を歩いていた。ルドルフの洗脳によりトレーナーは独り言のようにルドルフの長所を永遠と呟いていた。

 

佐竹「ルドルフは綺麗で素敵な女性……結婚するなら彼女しかありえない……彼女の瞳は深い色合いでとても引き込まれる……」ブツブツ

 

ルドルフ「やあ!トレーナー君。暁光を仰ぎながら私を褒めはやすとは……悪い気はしないな」

 

何処からともなく現れ、トレーナーの後ろに突然現れた。

 

佐竹「ルナさん!今日も綺麗ですね」グルグル

 

ルドルフ「ああ、ありがとう。早朝からこんなに清々しい気持ちになるとは……早起きは三文の徳とは、よく言ったものだな」

 

一人感動に浸っていると、スカーレットが近づいてきた。

 

ダスカ「会長、その辺にしてあげた方が……」

 

ルドルフ「ん?スカーレットか。昨日君がトレーナー君に胸を揉ませようとした事は不問にしておこう、その後私もトレーナー君と二人きりになれたからね」

 

ダスカ「気付いてたんですか!?」

 

ルドルフ「当然だ。トレーナー君自ら君の胸を触りに行くのは人柄的にあり得ないと思ってね。さて、そろそろ行かなくては。本当はトレーナー君を介抱してあげたいのだが……スカーレットに任せるよ、ではね」

 

ルドルフは立ち去りスカーレットは混乱状態のトレーナーを何とかしようと近づいて、トレーナーの頭をシェイクしたら治った。

 

 

 

 

ダスカ「ねえ、ちょっと大丈夫?」」

 

佐竹「うえ……ありがとう。気持悪い……」

 

ダスカ「昨日はごめんなさい……」

 

佐竹「ああ、気にするな。傷ついたけどああ言うしかなかっただろうから……怒らせたら怖いし」

 

ダスカ「そうね……あまり怒らせないようにするわ。そんな場面に出くわす事ないと思うけど。ほら、ご飯食べに行きましょ」

 

佐竹「そうだな。何食べよう」

 

合宿場の食堂に入り朝ご飯を食べる事にした。正直ウマ娘専属の料理人の人って大変だと思う。普通の大人数の人間でも疲れるのに、ウマ娘だと一人当たりの食事量を考えたら体がもつのか心配になる。今回はウララの練習に付き合う約束をしていたので急いで練習場所に集まった。

 

 

 

 

 

佐竹「まだ来てないな……寝坊か?普段キングに起こしてもらってるらしいからな。もう少ししたら来るだろ」

 

暫くするとウララが走ってきた。

 

ウララ「セーフー!」

 

佐竹「本当にギリギリだな。どうかしたのか?」

 

ウララ「ご飯いーっぱい食べてたのー!オグリちゃんぐらい。でもダメだったよー……半分も食べられなかったー……」

 

佐竹「オグリと比べたら無理だろう……せっかく食べたご飯戻したらヤバいから、柔軟からやるか」

 

ウララ「うん……ちょっと吐きそうかも……」

 

柔軟は怪我の防止になるし入念にやった。

 

ウララ「あっはは、トレーナーくすぐったいよーあはは!」

 

佐竹「我慢しろ~。体柔らかい方が怪我もしないしバネの役割になるから脚力も上がるんだぞ」

 

佐竹(まあ、でも他の娘よりウララの反応の方が自然だよな。他の娘なんて髪撫でたり頭撫でたりしたら、変な声出すし……)

 

柔軟を一時間行い、お腹の方も幾分マシになったと思う。

 

佐竹「どうだ?マシになったか?」

 

ウララ「だいじょーぶっ!これならいっぱい練習できるよー!」

 

佐竹「じゃあ、海で泳ぐ練習するぞ。足への負担も少ないし体力もつくしな。いつも通り、ウララは浮き輪を使って泳ごうな」

 

ウララ「はーい!」

 

浅瀬でウララの手を引きながらトレーニングを開始した。そしてもう少し深い所まで行き、トレーニングしていたのだがトレーナーの脚が攣ってしまった。

 

 

 

 

 

佐竹「ヤベ、攣った!ごほっ……たすけ……」

 

ウララ「トレーナーッ!!捕まって!!」

 

ウララは、拙い泳ぎでトレーナーを浮き輪に掴まらせた。だが、潮の流れでドンドン浜辺から遠ざかった。そのまま流され運良く近くの小島に辿り着いた。

 

佐竹「ゲホッ……ゲホッ……ありがとう、ウララ」

 

ウララ「びっくりしたよ!トレーナーが海で暴れ出したからどうしたのかなって思って、よく見たら溺れそうになってたんだもん」

 

佐竹「ごめんな、こんな事になって……どうしよ……」

 

ウララ「だいじょーぶだよ、トレーナー。二人で助け合えばもんだいなしだよ!!」

 

佐竹「そうだな……よし、先ずは飲み物だな。ヤシの木がないか探そう」

 

ウララ「あっ!あれは?トレーナー」

 

佐竹「いいヤシの実があるな。揺らして取るか……あれ?取れない……」ユサユサ

 

ウララ「ウララに任せてー!」バサバサ

 

ウララの力で簡単に取れたのだが、砕く方法がわからなかった。ウララは、石を取り一発で穴を開けた。

 

佐竹「ウララ……すごいな」

 

ウララ「エッヘンッ!!」

 

佐竹「ストロー状の木の枝を刺して……はい!ウララ」

 

ウララ「いいの!?いただきまーす!!……おいしいー!トレーナーも飲んでみて!おいしいよ」

 

佐竹「躊躇なく渡すなあ……少し甘くて美味しいな。次は、火だな。煙でなんとかコッチにいるのを知らせないと。ウララ、ヤシの木のヒゲみたいな奴と小枝拾ってきてくれるかな?俺は大きめの木探してくるから」

 

ウララ「がってーん!!」

 

佐竹「……本当に、元気だなあ」

 

二人で素材を集め、木を擦って火種を作るだけなのだが……。

 

 

 

 

佐竹「ダメだ~……全然点かない」

 

ウララ「よーしっ!わたしにまかせてー!ウリャアアァァァァ!!」

 

佐竹「すげー煙出てる……あっ点いた」

 

ウララ「やったー!火出たよ!」

 

佐竹「すごいな、ウララ。次は水と食料だな」ナデナデ

 

ウララ「えへー///そう言えばね!木拾ってくる時に池みたいなのあったよ」

 

佐竹「もしかしたら、魚が泳いでるかもしれない。行って見よう」

 

森を掻き分けて進むと開けた場所に大きい滝が見えてきた。そこは人の手が入っていない、とても綺麗で神域のような場所だった。

 

 

 

 

佐竹「綺麗だ……」

 

ウララ「ね!すごいでしょ?ウララも見た時、ひっくり返っちゃったもん」

 

佐竹「ははっ、これだけ大きいと魚もいるかもな、水も飲めそうだし。おっ!やっぱり泳いでるな。取り過ぎは良くないから二匹だけにしよう」

 

ウララ「うん!二匹ともウララが取っちゃうからね!」

 

魚を獲り始めた二人。トレーナーは石と石をぶつけた衝撃で魚を獲ろうとしたのだが中々上手くいかなかった。ウララは手掴みに挑戦し、あっと言う間に二匹捕まえた。

 

ウララ「やったー!トレーナー!お魚獲れたよー!」

 

佐竹「マジか……ウマ娘のポテンシャル高過ぎじゃないか?サバイバル一番向いてるんじゃないか?」

 

そして、時間は過ぎて行き夕方になり二人は早速魚を食べる事にした。

 

 

 

 

 

佐竹「よし!早速食べよう。いただきます!」

 

ウララ「いただきまーす!」

 

佐竹「うまい!」

ウララ「おいしいー!」

 

ウララはあっと言う間に食べ終わりお腹が鳴った。流石に魚一匹だけではウマ娘の摂取カロリーは補えない。トレーナーは自分の魚を半分に割りウララに渡した。

 

佐竹「一番頑張ったのはウララだからな。はい、どうぞ」

 

ウララ「いいの?トレーナーは大丈夫?」

 

佐竹「俺は小食だから、遠慮しなくていいよ」

 

ウララ「ありがとう!トレーナー!」

 

二人食べ終わり、残しておいたヤシの実ジュースを飲んで焚火を眺めた。

 

佐竹「ウララはいつでも元気だな、すごいよホント……」

 

ウララ「う~ん……そうだけど、ここに一人だったらわかんない。でも、トレーナーが『一緒だった』から怖くなかったし、だからいつも通りでいられたんだよ!」

 

佐竹「そ、そうか///」

 

佐竹(よく言えるなそんな事……)

 

陽が落ちてすっかり暗くなり、眠くなる時間になった。トレーナーは火を絶やさない為に焚火を見守る事にした。

 

佐竹「ごめんな、大事な時期なのに……」

 

ウララ「全然だよ!寧ろ知らない事が多くて楽しかったもん!自然の中でトレーニングした感じだったし!」

 

佐竹「そう言ってもらえると助かるよ。明日帰れるといいな……」

 

ウララ「そうだね……」

 

ウララ(わたしはもう少し……このままでもいいかな)

 

佐竹「えっ!?」

 

ウララ「ん?どうしたの、トレーナー?」

 

佐竹「い、いや何でも……ウララもう寝た方がいいんじゃないか?」

 

佐竹(今ウララが言ったのか!?裏表のないウララが……)

 

ウララ「うん……そうするね。流石に疲れちゃった」

 

佐竹「お休み」

 

トレーナーは火の番をし、夜が明けるまで起きていた。火を焚き続けていた事が功を奏し、煙を見つけた先生達が救助しに来てくれた。救助された後は、たづなさんに怒られた。

 

 

 

 

 

 

たづな「今回は怪我人は出ませんでしたけど、もしもの事があったらどうするつもりだったんですか?!ウララさんが助けてくれなかったら、今頃どうなっていたか……トレーナーさんはこの前の一件があります。無茶はなさらないでください……」

 

佐竹「すいません……」

 

たづな「はあ……でも何事もなく済んでよかったです。本当に……」

 

佐竹「あの、たづなさん。何でそこまで怪我の心配をするんですか?確かに大事な事ですけど……」

 

たづなさんは昔の事を話してくれた。たづなさんは過去、ウマ娘としてレースに出ていたそうだ。それからは怪我などで引退を余儀なくされ、今はトレセン学園で自分と同じ境遇になって欲しくないと言う願いを込めて指導やサポートをしているそうだ。その中で、たづなさんが競争時代に憧れていた人物がいたそうだ。

 

佐竹「誰ですか?」

 

たづな「クリフジさんです」

 

元の世界のクリフジは生涯無敗で最多全勝記録という偉業を達成している。牝バでありながら日本ダービー制し、ウオッカが勝利するまで六十四年現れなかった。そしてオークス、菊花賞に勝利し変則三冠を達成した。この世界でも同様である。

 

たづな「私、一度クリフジさんと走ったことがあるんです」

 

佐竹「どうだったんですか?」

 

たづな「風だけが過ぎ去る様な感じでした……前を見たらもうそこにはクリフジさんの背中が見えて……とても強かったです。それと、クリフジさんが通った後は異国の匂いがしました」

 

佐竹「異国の匂い?」

 

たづな「はい……日本では嗅いだ事のない匂いでした、自然の中にいるような……その後のクリフジさんは風邪が長引いて体調が戻らず静かに引退していきました」

 

佐竹「そうなんですか……」

 

たづな「それで私が憧れる要因はもう一つありまして。彼女の言伝で風邪、初期段階で確認できる怪我の兆候にいち早く察知し、多くのウマ娘を救ってほしいと。だから私も、出来る限りのサポートをしようと固く誓ったのです。クリフジさんのように……」

 

佐竹「その願い叶うといいですね」

 

たづな「そうですね……でもその中にトレーナーさんも含まれていますからね!担当の娘や関わりのあるウマ娘の心配をするのはいいですが、自分の事もお忘れなく。くれぐれも無理なさらないように……それでは」

 

たづなさんのありがたい説教が終わり、夜になったので部屋に戻ろうとした時。

 

 

 

 

 

桐生院「ホントに先輩はトラブルを巻き起こすのがお好きですね……」

 

佐竹「桐生院!?何で?!」

 

桐生院「何でって……バスが一台故障して遅れたんです!……先生やトレーナーには報告がいってると思うんですけど……」

 

佐竹「そうか……そんなこと言ってたな」

 

桐生院「自分の担当の娘以外興味なさすぎです……」

 

ミーク「……こんばんは、寝取りトレーナー」

 

佐竹「こんばん……おいミーク、今何って言った?」

 

ミーク「……寝取りトレーナー」

 

佐竹「桐生院どういうことだ……」

 

桐生院「い、いや~先輩に言うのは傷つくかなあって思いまして……なんでも人の担当を奪うクソトレーナーっていう噂が……」

 

佐竹「そんなの聞いた事ないぞ……」

 

桐生院「そりゃあ本人には言わないのではないでしょうか……」

 

ミーク「……みんな言ってる」

 

佐竹「はあ……まあいいや。ライスとスズカは?」

 

桐生院「お部屋に荷物を置きに行ってます」

 

佐竹「そうか、今度顔でも見に行くか。それじゃあな」

 

トレーナーは桐生院達と別れ部屋に戻ろうとしたが呼び止められた。

 

 

 

 

ルドルフ「トレーナー君……君は本当に問題を起こすのが好きだな。しかも、ウララと近くの小島で二人っきりとは……万死に値する!!」ハイライトオフ

 

佐竹「なりたくてなった訳じゃないですから!?あれはしょうがなかったんです!!」

 

ルドルフ「私との時間を蔑ろにし過ぎなのではないか?これは、この間のお仕置きを……」ハイライトオフ

 

佐竹「あ、あれは……あれだけは……」

 

ルドルフ「さあ、トレーナー君。一緒に大人の階段を///……」ハイライトオフ

 

ルドルフに狩られそうになった時、良く知る人物が現れた。

 

エア「会長……」

 

ルドルフ「エアグルーヴ!?どうしてここに?!」

 

エア「生徒会の仕事があらかた片付いたので様子見で行こうとしたのですが、バスの故障で少々遅れまして。そして来てみてれば……」

 

ルドルフ「ち、違うんだエアグルーヴ!!これは、生徒会長として身体検査を……」

 

佐竹「言い訳が苦しいですよ、ルナさん……」

 

エア「私も会長が威厳を保つために感情を表に出さない事くらい知ってます。ですが、最近の会長の言動は目に余る行為が多すぎます。そして来て見ればこのような男と……」

 

ルドルフ「エ、エアグルーヴ……私は……」

 

エア「言い訳は後で聞きます!!ましてやこのような行為……廊下で他の生徒に見られたらどうするおつもりですか?!そして生徒会業務を放棄して私とブライアンにやらせて、あまつさえ……」

 

佐竹「エアグルーヴ……お母さんみたいだな」

 

それからはエアグルーヴの説教が続きルドルフはどんどん縮んでいった。トレーナーはその間に部屋に戻り難を逃れる事が出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 




エアグルーヴはいいお母さんになりそう。
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