馬の感情が読める厩務員が転生した件   作:泰然

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イベントで回してたので書くの遅れました……。


36話 ダスカ風邪をひく オグリとご飯

また数日が経ちスカーレットがローズステークスに出走し、一着で完勝。そしてその一か月後に、秋華賞に挑む予定でいた。だが、そこでスカーレットが感冒を発症した事により出走するかしないかの瀬戸際でトレーナーはフジさんに寮の許可を取りスカーレットの看病をしていた。

 

 

 

 

 

佐竹「だからっ!!無理して走る必要はないんだって」

 

ダスカ「ゲホッ、ゲホッ。こんなの気合いで治して見せるわよ!ここまできて……風邪で休んでられないわよ」

 

佐竹「治せたとしても病み上がりで出走すれば他の病気に繋がる事もある。俺はスカーレットの勝つ姿はもちろん見たい。でも、無理に走る姿は望んでない。無事、元気に走って欲しいだけだ……」

 

ダスカ「……。アタシだって無理して、アンタの辛い顔なんて見たくない。それでもトレーナーにティアラをプレゼントしたいのよ!!」

 

佐竹「スカーレット……。わかった……風邪が治って数日で安定すれば出走登録をする。それがダメなら出走登録は取り消す、これでいいな?」

 

ダスカ「それでいいわ、治らなきゃそれまでだし。運が無かったって諦めるわ」

 

佐竹「よし!暫くはスカーレットの看病に専念しよう。何か欲しいものがあれば言ってくれ、出来る限り持ってくるから」

 

ダスカ「じゃ、じゃあ……お、お粥食べたい///」

 

ダスカ(本当は、食べさせて欲しいけど……)

 

佐竹「わかった、今作ってくるから」

 

佐竹(可愛い奴だな、食べさせて欲しいくせに)ニヤニヤ

 

ダスカ「何ニヤついてんのよ……」

 

佐竹「何でもないよ」ニヤニヤ

 

料理をする為に厨房を借りて始めようとした時、何故かそこに似つかわしくないタキオンが料理をしていた。

 

 

 

 

 

佐竹「え?……タキオン、厨房で何してんの?」

 

タキオン「ん?おや、トレーナー君。見ればわかるだろ?、料理だよ」

 

佐竹「いや……分かるけど、普段食事何て効率が悪いとか言ってるタキオンが料理してるからおかしく見えるんだよ」

 

タキオン「それは私が食べればの話だろ?今回は作る相手がいるからこうして作ってるのさ」

 

佐竹「誰に作るの?」

 

タキオン「無論、スカーレット君だよ。どうやら風邪をひいたという噂を聞いたんだよ、少しでも体にいい物を取り入れてほしくてね。あと、秋華賞を控えている娘だろう?私から何か出来ないかと思ってね」

 

佐竹「凄いありがたいけど……タキオン料理できるのか?」

 

タキオン「失礼だな、私だって自分の分は作れる位には料理は出来るつもりだよ。まぁ、お店やカフェテリアで食べた方が美味しいがね。今回は特別さ、彼女に何かしてあげたいと思っただけ。今更聞くのもあれだが、トレーナー君はスカーレット君に料理でも振る舞うつもりだろ?」

 

佐竹「よくわかったな、今お粥を作ろうと……」

 

タキオン「私が作るから安心したまえ、それにお粥は消化にいいと言うがそれでも胃への負担は大きい。それに加えるならば炭水化物は今のスカーレット君には不要だ、糖質は体を動かす事によってエネルギーに変換できる。だが、それは運動すればの話で病人は安静にしなくてはならないだろ?」

 

佐竹「確かに……何を食べればいいんだ?」

 

タキオン「卵スープや果物類だね。先程私は炭水化物は不要と言ったが、果物は果糖と言って直ぐに代謝されるんだ。それに果物は殆ど水分だからね、ビタミンやカリウム、食物繊維が効率よく取れる。卵スープは、食べやすい故にタンパク質ともに野菜なども一緒に取り入れられる。付け加えて言うとお粥はあれでも固形物だからね、卵を溶いて野菜を入れてスープにした方がいい」

 

佐竹「タキオンの案の方がいいな、頼んでいいか?」

 

タキオン「頼まれなくてもやろうとしていたからね。別に構わないよ、それにクックック……」

 

佐竹「?」

 

タキオンが料理を作れる事に驚きだったが、本来タキオンはスカーレットの父親。この料理の件も何か思う所があったのだろうと推察できる。料理が出来上がった最後にタキオンが何かを入れた、俺は分からなかったが二人でスカーレットの寮へ戻った。

 

 

 

 

佐竹「スカーレット、タキオン連れて来たぞ」

 

タキオン「やぁ!スカーレット君。容態はどうかな?」

 

ダスカ「タキオンさん!?ケホッ、どうしたんですか?」

 

タキオン「君が風邪を拗らせたという噂を聞いてね、こうして訪ねて来たのさ。厨房でトレーナー君と会ってね、私が作る事になったんだよ。献立は特製卵スープと果物、さぁ!食べたまえ」

 

ダスカ「タキオンさん……ありがとうございます。いただきます……あ、美味しいです!」

 

タキオン「フッフッフッ、そうか……それで食べてみてどうだい?」

 

ダスカ「はい!味も美味しいですし、食べやすいです。少し汗が出るくらいで」

 

タキオン「ネギにニンニクに生姜……少な目ではあるが唐辛子を入れているからね、発汗作用や胃腸の強化をしてくれる。その卵スープを食べた後少し時間を置いてから食べたいタイミングで果物でも食べてくれ、水分補給の代わりだ」

 

ダスカ「こんなに気遣ってくれてありがとうございます。今度お礼に伺いますね」

 

タキオン「そうだねぇ……代わりと言っては何だがもう少し体の変化について調べたいのだがいいかな?」

 

ダスカ「いいですよ」

 

佐竹「お前……何か企んでないか?」

 

タキオン「嫌だなぁトレーナー君、人を疑うのは良くないよ。じゃあ、スカーレット君脚の痺れはないかい?脈拍は?指の感覚は?頭はぼうっとしないかな?」

 

ダスカ「いえ、少し熱い程度なので他の症状はないですね。でも、体は凄く軽くなりました」

 

佐竹「もしかして……最後に入れたものと関係があるんじゃないか?タキオン」

 

タキオン「さてどうだったかな?でも、面白い結果は得られたよ。それでは失礼するよ……もう少し薬の効果を強めるべきだったか……」ボソッ

 

佐竹「はぁ……大丈夫か?」

 

ダスカ「えぇ、やっぱりタキオンさんはすごいわ。先の食べ物で体が楽になったわ、……それでトレーナーは何も作ってこなかった訳?」

 

佐竹「作りたかったんだけど、タキオンの方が栄養あるし説明も受けてこっちの方がいいかなぁって思ってさ。それにタキオンも何だかんだ心配してたみたいだし」

 

ダスカ「そうなの?アタシとタキオンさんって接点無いと思うけど……憧れてる先輩ではあるから嬉しいけど」

 

佐竹(その後輩に薬入れて実験台に使おうとしてたけどな……)

 

ダスカ「あ、あの……ありがとう、トレーナー///。アタシの我儘、聞いてくれて……」

 

佐竹「いいさ、俺はお前のトレーナーだし。気を遣う必要もないよ、我儘は言ってもらった方が嬉しいし。じゃあ、ゆっくり治せよ」

 

ダスカ「ねぇ!今、我儘言ってもいい?」

 

佐竹「なに?」

 

ダスカ「あ、頭を撫でてほしいの……小さい頃、寝る時いつもママにしてもらうの……ダメ?」

 

佐竹「いいよ……早く元気になれよ、またな」ナデナデ

 

ダスカ「うん///……」

 

トレーナーはスカーレットの部屋を出るのだが、タキオンがまだそこに立っていた。

 

 

 

 

 

タキオン「いや~君達はとてもトレーナーと担当ウマ娘の関係にはみえないねぇ……もしかして、そうゆう関係なのかな?」

 

佐竹「違うわ!それよりタキオン……あれ、何入れたんだ」

 

タキオン「あの薬は少し触られるだけで過敏に反応する薬だよ。まぁ、最後に君が頭を撫でた事で彼女がどのような反応を示すか見てみたかったんだが……意外と静かなものだね、やはり失敗作だねあの薬は」

 

佐竹「お前の事慕ってくれてんのに酷い奴だな……」

 

タキオン「まぁ、そう言われても仕方ないね。唯の好奇心からくるものだからね、ハッハッハッ」

 

タキオンの高笑いを聞き流すようにその場を後にし、トレーナー室に戻る事にした。スカーレットが薬の効果で服が擦れるだけで変な声出て、同室のウオッカが眠れなくなるのは別の話。そしてトレーナー室で作業をしている時、そこにオグリが訪ねてきた。

 

 

 

 

 

オグリ「トレーナー、いるか?」

 

佐竹「オグリ?どうした」

 

オグリ「たこ焼きパーティーをしないか?」

 

佐竹「何でまた?」

 

オグリ「トレーナーの担当が勝ったと聞いてな、それで二人をお祝いしようと思ったのだが……」

 

佐竹「あぁ、今スカーレット風邪で寝込んでるんだ。ごめんな」

 

オグリ「そうか……すまない。たこ焼きはまた今度にしよう、元気になったらまた来るからな!」

 

佐竹「ありがとう、次は必ず行くよ」

 

オグリのたこ焼きパーティーは断り、スカーレットが元気になったら行く事にした。作業に戻ろうとした時、本当に珍しい客が来た。

 

 

 

 

 

ブライアン「久しいな、トレーナー」

 

佐竹「えっ!?ブライアン、珍しいな……どうしたの?」

 

ブライアン「前に、アタシと約束したの覚えてないか?」

 

佐竹「えっ……約束?ゴメン、覚えてない」

 

ブライアン「やはりな……放置プレイにしては長いなと思ったんだ。だが、それも何気によかった///……。本題だが罵る約束だ」

 

佐竹「よかったんかいっ!!……てか、そんな約束した?」

 

ブライアン「自分の発言はしっかり覚える事だな。確かにあの時、騒がしかったしな……覚えてないのも無理はない。だが、約束は果たしてもらうぞ」

 

佐竹「いや、普通に嫌だよ。あの時は切羽詰まってあんな発言したけど、他人を傷付ける言葉嫌いだし……」

 

ブライアン「うっ!?///……こんなに長い期間を経て断られるとは、やるなトレーナー」

 

佐竹「何で興奮してんだよ!?褒められても嬉しくないし……でも、なんかゴメン」

 

ブライアン「いいさ、嫌な事を勧めても意味はないからな。私はもう行く、またエアグルーヴに追い回されるからな」

 

佐竹「何でよ……」

 

ブライアン「書類整理に来いと言われたがやる事があったんでな、逃げた」

 

佐竹「まぁ……程々にしとけよ。この前、ルナさんもエアグルーヴに滅茶苦茶叱られてたからなぁ……お母さんみたいな顔だったし」

 

エア「ブライアン」

 

ブライアン「エアグルーヴ!?」

 

既にブライアンの背後に女帝が立っていた。何時扉を開いたのか分からなかった、まさに神出鬼没。

 

エア「おい!ブライアン、与えられた仕事くらい片付けたらどうなんだ?!その度に私や会長がやる羽目になるんだぞ」

 

ブライアン「私がやるよりエアグルーヴとルドルフがやった方が早いだろ。面倒だから私は戻る」

 

エア「おい、ブライアンッ!……それより貴様、私の名前を出した後に何か言わなかったか?」

 

佐竹「いえっ!!何も言ってません!!」

 

エア「ふんっ……もし、ブライアンがここに来たら私の方に報告しておけ。分かったな?」

 

そう告げたエアグルーヴはトレーナー室を出て行った。今度はタマが入れ替わる形でトレーナー室に入ってきた。

 

タマモ「邪魔するで、トレーナー」

 

佐竹「邪魔するなら帰って」

 

タマモ「あいよ~、ちょいちょい!来たばっかりやろっ!何しに来たか分からんやろ」

 

佐竹「ごめんごめん、どうしたの?」

 

タマモ「いやな、オグリがたこ焼きしたいゆうとってな、楽しみにしとったんやけど帰ってきたらえらい落ち込んでてなぁ……理由聞いたらまぁ、しゃあないけどフォローだけはしといた方がえぇで、ほなな」

 

佐竹「忠告ありがとう……。少し様子見に行くか」

 

トレーナー室を出てオグリを探し回った。カフェテリアにいると思い、覗いたら大盛りの料理を食べていたのだが果たしてその量は胃に収まるのかと思った。

 

 

 

 

 

 

 

佐竹「凄い量だな、相変わらず……」

 

オグリ「おぉ、トレーナーどうしたんだ?」

 

佐竹「ご飯に誘うと思ったんだけど……」

 

オグリ「本当かっ!?待っていてくれ直ぐに食べる!」

 

僅か数分で盛りに盛られた料理が綺麗に無くなり、既にお腹の膨れたオグリは……。

 

オグリ「よし、行こう」

 

佐竹「今のお腹に入るの?」

 

オグリ「うん?先のは準備運動みたいなものだろう?さぁ、トレーナー腹ごなしに食べに行くぞ」

 

佐竹「腹ごなしに食べに行くのはおかしいが……カレーでも食べに行くか?」

 

オグリ「カレーか!?トレーナー、緑のカレーを食べてみたい。ダメだろうか?」

 

佐竹「オグリの好きな所でいいよ」

 

オグリ「よしっ!取り敢えずカレーの制覇を目指すぞ!トレーナー」

 

佐竹「程々にしてくれよ……」

 

意外とそこまで落ち込んでないオグリを見てホッとしたトレーナーはカレー屋に連れて行った。店に着いてテーブル席を選び、座ったのだがオグリはトレーナーの隣に座ってきた。

 

 

 

 

 

 

佐竹「ねぇ、オグリ……近い」

 

オグリ「この方が食べやすいだろ?」

 

佐竹「食べずらいわっ!普通に肘ぶつかってるし……」

 

オグリ「早くカレーが食べたい!」

 

佐竹「聞いてないし……」

 

そしてすごい量のカレーが運び込まれ、テーブルの隙間が無くなる程の数だった。

 

佐竹「これ全部食うの?」

 

オグリ「もぐもぐ……冷めるぞ?トレーナー」

 

佐竹「もう食べてる!?……俺も食べよ」

 

美味しいカレーに舌鼓を打ちながら無言で食べるトレーナー。偶に横目でオグリの食べる姿を見て、美味しそうに食べる顔を見て癒されるトレーナー。励ますつもりで誘った本人が逆に和んでしまっていた。食べ終えて店を後にした頃は日が傾いて、二人は学園に向う途中だった。

 

 

 

 

 

 

 

オグリ「ありがとう、トレーナー。お陰でお店のカレーを制覇できた」

 

佐竹「よ、よかったな……」

 

オグリ「何故、今日誘ってくれたんだ?」

 

佐竹「タマから落ち込んでるって聞いたから誘ったんだけど、案外平気そうだったよな」

 

オグリ「あぁ、スカーレットの件か。あの時は落ち込んでいたが食べれば直る、食堂で食べていた時から」

 

佐竹「じゃあ……誘った意味ないじゃん」

 

オグリ「だが、トレーナーと久しぶりに出掛ける事が出来て楽しかったぞ?」

 

佐竹「ならよかった。おっと、カレー付いてるぞ」フキフキ

 

オグリ「んっ///、ありがとうトレーナー」

 

夕日に照らされて微笑むオグリを見てトレーナーは改めて綺麗だなと感じた。学園に戻ったトレーナーは疲れてそのまま就寝した。そして数日が経過し、スカーレットの体調は良くなり調子も安定してきた。後は、秋華賞に備えるだけとなった。

 

 

 

 

 

 

 




ロリオグリ可愛い、ハヤヒデサンタ欲しい……。
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