馬の感情が読める厩務員が転生した件   作:泰然

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普段やらないことしようかな~
歌い収めとか。


38話 世話好きフラッシュ トレーナー再発

?「すいません。厨房が何処にあるかご存じでしょうか?」

 

佐竹「少し遠いから案内しましょうか?」

 

?「い、いえ、そこまでしていただかなくても……」

 

佐竹「大丈夫!職員室に資料置いてくるから待ってて」

 

?「は、はい」

 

資料を担当の先生に渡した後、彼女を厨房まで案内した。

 

 

 

 

 

 

 

 

?「ありがとうございました。他の予定があるにも関わらず、ここまでしていただいて。それでは、私はこれで」

 

佐竹「……。あまり見ない顔だな、最近入った娘なのかな?」

 

ゴルシ「よぉ!トレーナーッ!一緒にドミノ倒ししねぇか、誰も相手してくんねぇから暇してたんだよ~」

 

佐竹「ドミノ倒しって一人でもできるだろ……。それよりゴルシ、あれ誰だかわかるか?」

 

ゴルシ「あん?エイシンフラッシュの事か?最近こっちに来た留学生だな」

 

佐竹「通りで見ない顔だと思った」

 

ゴルシ「……お前もしかして、フラッシュの事エロい目で見てねぇよな」

 

佐竹「見てる訳ねぇだろッ!?」

 

ゴルシ「じゃあ何で品定めする目で見てんだよッ!!」

 

佐竹「綺麗だと思っただけだろ!?悪いかッ!!」

 

ゴルシ「今度は逆ギレかよ!?顔が綺麗なら誰でもいいのかよ?」

 

佐竹「美人は認めるが、俺は中身でしか判断しないから」

 

ゴルシ「信用ならねぇからドミノ倒しに付き合えッ!今!すぐ!」

 

佐竹「痛ッ!!引きずるなあああぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

トレーナーはゴルシに引きずられ、暗くなるまでドミノ倒しに付き合わされた。疲れたトレーナーはすぐさま寮に向かい爆睡してしまう。そして次に日の朝になり、今日はコーヒーを飲む為にカフェテリアに向かった。そこに朝練を終えたフラッシュの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

佐竹「おはよう、フラッシュ」

 

フラッシュ「え?昨日の……私の名前、教えていなかったと思うのですが」

 

佐竹「昨日、ゴルシに教えてもらったんだ。俺は佐竹武志よろしく、トレーナーだ」

 

フラッシュ「はい、改めてエイシンフラッシュと申します。ところでトレーナーさん、すごい寝癖ですね……直せなかったんですか?」

 

佐竹「あぁ、ちょっと昨日疲れてそのまま寝ちゃったんだよ。だからこんな頭なんだよ」

 

佐竹(ただ気付かなかっただけなんだけど……誤魔化しとくか)

 

フラッシュ「……。お疲れな様なのであれば私がトレーナーさんのスケジュールを組みましょうか?昨日のお礼も兼ねてお返しできたらと思いまして」

 

佐竹「いやいや、そこまでして貰う訳には……」

 

フラッシュ「でしたら、トレーナーさんの部屋の掃除はどうでしょうか?お話からするとお忙しい様なので中々片付けられないのではないでしょうか。それもダメでしたら何でも致しますので言っていただければ……」グイグイ

 

佐竹「わ、わかった。トレーナー室の方が散らかってるから、そっちをお願いするよ……気が引けるけど」

 

佐竹(ち、近い///)

 

フラッシュ「畏まりました。では、参りましょう」

 

フラッシュに促されるがまま、トレーナー室に向かった。トレーナー室の惨状を見てフラッシュは驚愕する。机の上には書類が散らばり、床にも道具が雑に置かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

フラッシュ「これは……想像以上ですね」

 

佐竹「すいません……」

 

フラッシュ「謝る事ではございません。時間が無ければこうなるのも致し方ないと思います。先ず、大事な書類から片付けていきましょう」

 

佐竹「お願いします……」

 

フラッシュはあれだけあった資料をあっと言う間に片付け終わった。トレーナーはそのお礼も兼ねてフラッシュの故郷の料理を作る事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラッシュ「本当に大丈夫ですよ?トレーナーさん」

 

佐竹「してもらうだけだと悪いし、俺がただやりたいだけだから」

 

フラッシュ「そうですか……」

 

フラッシュ(お優しいのですね)

 

佐竹「今回シュニッツェルを作ろうと思う。ドイツ料理は色々あったんだけど、作り慣れてないから失敗しないものにしようかなって」

 

フラッシュ「Schnitzel!特別な日に食べる事が多い料理ですね」

 

佐竹「一般的に食べないものなの?」

 

フラッシュ「その様な事はないです。祝日などで食べられる事もありますが、日本で言えばお寿司やカレーと似た感覚ですね」

 

佐竹「偶に食べる感覚なんだね。作り方が豚カツに近いような気がするけど……」

 

フラッシュ「確かに作り方としては同じところが見受けられますが、油はあまり使用しませんので」

 

佐竹「そうなんだ。じゃあ、早速作りますかね」

 

シュニッツェルのレシピを一応確認しながら料理を進めていきフラッシュに少しでも故郷の味に近づけられるように開始した。料理をしている最中にずっと視線を感じていた。フラッシュはトレーナーの調味料の目分量が気なるようで、トレーナーが具材を掴むたびにプレッシャーを感じながら進めて行ったのだがフラッシュはとうとう我慢できなかったのか、トレーナーの下に駆け寄った。

 

フラッシュ「いけませんッ!!トレーナーさん。ラードはそこまで必要ありません、バターをたくさん使うのでラードは1グラムで十分です。ソースのクランベリージャムの砂糖は100グラム程度でいいと思います。入れすぎると甘くなりすぎるので」

 

隣で怒涛に捲し立てられ料理の分量を教えられながらやっていくのだが、教える事に集中しているせいかトレーナーに胸が当たっている事に気付いていない様子だった。

 

佐竹「あ、あのフラッシュ///……言いにくいんだけど胸が……っていうかちょっとだけ近いかな」

 

フラッシュ「えっ、はッ!?///す、すいませんトレーナーさん///……」

 

佐竹「い、いや大丈夫///フラッシュに教えてもらったから美味しくなりそうだよ」

 

フラッシュ「それはよかったです///」

 

料理が完成し、不慣れな中フラッシュに手伝ってもらいながらだったがトラブルもなく終える事が出来た。早速食べてもらおうと思ったが、やはり本場の味に近づけているか不安ではあった。

 

佐竹「不安ではあるが気持ちだけでも受け取ってもらえれば嬉しいかな……」

 

フラッシュ「いえ、私の為に作って頂いたのですからとても嬉しいです。では、いただきます」

 

佐竹「ど、どう?」

 

フラッシュ「lecker……」

 

佐竹「レッカーってなに?」

 

フラッシュ「leckerは美味しいという意味です。トレーナーさんが作ったSchnitzelはどこか……温かみを感じます」

 

佐竹「喜んでもらえて嬉しいよ。フラッシュのお陰で上手く作れたよ」

 

フラッシュ「いえ、トレーナーさんの作業を邪魔したような形になってしまい申し訳ございませんでした」シュン

 

佐竹「大丈夫、大丈夫。ここまで美味しく出来なかったと思うし。今日はありがとうフラッシュ、お陰で部屋が綺麗になったよ」

 

フラッシュ「お礼には及びません。私がしたいと思っただけですので。それにとても美味しい料理を……あの、トレーナーさん困った事があればいつでも言ってください。私でよろしければ力になりますので」

 

フラッシュ(なんかトレーナーさんを見てると放っておけないんですよね……)

 

佐竹「そうだな、本当に困った時にするよ。じゃあ、これからもよろしくフラッシュ」

 

佐竹(俺……そんなにだらしなく見えるかな。気を付けよ)

 

フラッシュ「はい、よろしくお願いします」

 

お互い仲が深まったところで別れ、トレーナーは仕事とウマ娘達の練習が終わったのでカフェテリアで食べようとした時スぺに呼び止められた。声を掛けた理由は一緒にラーメンを食べたいとの事で、スぺに連れられお店に行く事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

スぺ「着きましたッ!ここです」

 

佐竹「札幌ラーメン?」

 

スぺ「はいッ!他のお友達と食べ歩いてた時に見つけまして……それで///……トレーナーさんと一緒に食べたいなぁと思いまして」

 

佐竹「俺、あまり札幌ラーメンって食べた事ないからどんなものか分からんけど……」

 

スぺ「大丈夫です!札幌ラーメンって味噌味しかないと思われがちですけど、塩味とか醤油味もあるんですよ。野菜もたっぷり乗ってるのでトレーナーさんも気に入ると思うんです。さぁ!入りましょう」

 

スぺ(本当は友達と言うのは噓ですけどね♪前々から計画してたんですけど、タイミングが合わなかっただけなんですけど)

 

佐竹(なるほど……かわいい)

 

店内に入った瞬間雰囲気がガラリと変わり、同じ日本なのだが違う国に来たような感覚だった。お客さんは疎らでそこまで混んでいる訳ではなく、店員さんとの距離感が近くとても仲が良く明るい印象だった。スぺに促されるまま奥のテーブル席に移動し、メニュー表には豊富なラインナップでサイドメニューも独自のオリジナルが多く目移りしてしまう。それでも俺は、味噌が好きなので味噌ラーメンを頼む事にした。ウマ娘も来店するようで、ラーメンの量を選ぶ欄にウマ盛と表示されていた。スぺは迷わずそれを選び運ばれてくるのが怖かった。案の定スぺの顔が見えない程高い野菜の壁が築かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

佐竹「スぺ……それホントに食べるの?」

 

スぺ「えっ?当然じゃないですかッ!こんなに美味しそうなんですから」キラキラ

 

佐竹「ま、まぁ……スぺが大丈夫ならいいけど」

 

そして食べ始めて、みるみる野菜が無くなっていったのだがあまりに高い野菜の壁が崩れた。

 

スぺ「ああああぁぁぁッ!?私の野菜が……」シュン

 

佐竹「あ~ぁ……急いで食べるから。ほら、俺のチャーシューあげるから元気出せ……」

 

スぺ「うぅ……。じゃあ、トレーナーさんが食べさせてください。そうじゃないと私おかしくなります」ムゥ

 

佐竹「野菜でそんなにか!?しかし随分、我儘な要求だな。ほら、あ~ん」

 

スぺ「あ~ん……んっ、美味しいです///はい、お返しに私の煮卵あげちゃいます!あ~ん」

 

佐竹「俺はいいよ、スぺが食べれば……」

 

スぺ「あ~~~~んッ!!」

 

佐竹「わ、わかったよ……んっ、おいひい///……」

 

スぺ「ふふ~ん♪恥ずかしがるトレーナーさん……かわいいですね」

 

佐竹「からかうなッ!ほら、残り食べるぞ///」

 

スぺ「はい♪」

 

トレーナーは普通の大盛りサイズを食べきり、スぺはあの量を平らげてしまった。本当に完食するとは思わなかった。いい時間になり店を後にした二人は街灯に照らされた街並みを歩きながら学園に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スぺ「どうでした?初めて食べた札幌ラーメンは?」

 

佐竹「うん、味噌がめっちゃうまかった。麺自体にも生姜が練り込んであって気に入ったよ」

 

スぺ「気に入ってもらえてうれしいです!また、予定が合えば行きましょうねッ!あっ!それとも他のお店でもいいかもしれませんね。どうしようかな~……」ブツブツ

 

佐竹「ははっ、楽しそうだな。俺も予定空けておこうかな…………ヤベッ!?」

 

スぺ「う~ん……トレーナーさんはどこがいいと思います?……あれ?トレーナーさん!?どうしたんですか?!」

 

トレーナーの異変に気付いたスぺは駆け寄り、肩を貸した。またしてもトレーナーの右脚が動かなくなりスぺは混乱していた。

 

スぺ「トレーナーさんッ!?大丈夫ですか?何処か痛いんですか?」

 

佐竹「い、いや。突発的に脚が動かなくなる時があって……悪いんだけどスぺ、救急車呼んでもらえる?」

 

スぺ「いえッ!!私が病院までトレーナーさんを運びますッ!いいですか?掴まっててくださいね」

 

佐竹「いやぁ、恥ずかしい……待って、速いッ!?」

 

お姫様抱っこされる形でトレーナーはスぺに運ばれ、病院にあっと言う間に到着し前の症状と同じで検査入院という形になり一週間安静。病室に運ばれる頃には脚は動かせるようになっていたが、隣でずっと泣いているスぺを宥めるのが大変だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スぺ「えっぐ……ひぐっ……トレーナアアアァァァさぁぁんッ!!だいじょぉぉぉぶですかぁぁぁぁ!……」

 

佐竹「泣きすぎだぞスぺ……鼻水めっちゃ出てるけど大丈夫か?」

 

スぺ「だってええぇぇ、突然動かなくなるから……」

 

佐竹「スぺはこっちに来たばかりだもんな、無理ないか。ありがとう、ここまで運んでくれて」

 

スぺ「と、当然です。倒れてたら誰でも助けると思います。私じゃなくても……」グスッ

 

佐竹「取り敢えず……一週間は動けないな。みんなの練習を見てやれないな」

 

スぺ「ダメですよトレーナーさん!絶対安静ですよ。逃げ出したりしないでくださいよ?……トレーナーさんの脚ってどうしてそうなったんですか?」

 

佐竹「まぁ、色々あって……」

 

トレーナーは宝塚記念での出来事をスぺに話した。

 

スぺ「そうなんですか……いつその症状が出るか分からない状況だと不安ですね」

 

佐竹「そうだな、不安だけどまだ動かせるだけマシかな」

 

会話の最中、病室のドアが鳴りルドルフが入ってきた。

 

ルドルフ「話し合いの中失礼する。トレーナー君脚の具合はどうだ?」

 

佐竹「前回と同じですよ。もう動かせますので」

 

ルドルフ「そうか……よかった。学園の方には君の事は早ウマで伝わっている。私が代表で様子を見に行くよう言われていてね大事なくてよかった。スペシャルウィーク、ありがとう。君の迅速な対応のお陰でトレーナー君の負担は減らせたと思っている」

 

スぺ「い、いえ。当然の事ですので……何もなくて私自身もよかったです」

 

ルドルフ「そうか……もう門限が近い、そろそろ戻った方がいいぞ。フジキセキにどやされるぞ」

 

スぺ「は、はい。トレーナーさん、お大事に」

 

佐竹「あぁ、またな」

 

スぺが出て行き病室はルドルフとトレーナーの二人になった。会話が始まると思ったのだが、ルドルフは無言のまま恐い顔をしていた。トレーナーは大事な事を言うのを忘れていた。

 

ルドルフ「トレーナー君……君は確か、私が最初病院を訪ねた時は一時的な麻痺と言っていたな」

 

佐竹「あ、やべ……」

 

ルドルフ「私は記憶力には自信のある方だ。君が何故ここで再び寝ているか説明してはくれないか?」

 

佐竹「あ、あの~その~……」

 

ルドルフ「トレーナー君ッ!!」

 

佐竹「はいッ!!あまり心配かけないように嘘ついてました!すいません!!」

 

ルドルフ「はぁ……気持ちは分かるがそれで傷つくのはライスシャワーだぞ?一度安心したはいいものの、また彼女に重く責任が圧し掛かるんだぞ」

 

佐竹「はい……」

 

ルドルフ「もう、彼女には伝わっていると思うがしっかり釈明せねば要らん誤解を生む。言葉は慎重に選んでおいた方がいいぞ。彼女だけではないと思うが……他の娘にも言っていないのだろう?」

 

佐竹「言ってないです……」

 

ルドルフ「まぁ、私も解いてはみるが説明はちゃんとせねば後が大変だからな。ではそろそろ行くよ、私がいないからと言って泣いたりしてはダメだぞ」バタン

 

佐竹「あはは……最後のはいらないけど、励ましてくれたのかな?明日から大変だな……自業自得なんだけど」

 

そしてトレーナーは病室の天井を仰ぎながら眠りに就き、次の日が訪れライスに必死に謝り他のメンバーにも同じことを繰り返し精神的にキツかったのは、相談してくれなかった事に対して『自分じゃ頼りないか?』が一番気持ち的に堪えた。最後に来たのがタキオンで不思議な事を言われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タキオン「君が脚に不安を抱えていた事に驚きだが……少しその時の状況を詳しく説明してくれないかい?」

 

スぺの時と同じように説明をした。タキオンはそこである事に気付いた。

 

タキオン「レースが終わったタイミングで脚が動かなくなったのであればライス君にも何かしら因果関係があるんじゃないか?」

 

佐竹「俺もそれ考えたけどそれだけの理由で関係あるかなぁと思ったから、自分で否定してたんだけど」

 

タキオン「そうだねぇ……材料が少なすぎるね。そうだ!ライス君にも聞いてみたらどうだい?何か分るかもしれない」

 

佐竹「そうだな、ちゃんと話して無かったかも」

 

タキオン「今度、三人交えて話そうじゃないか!退院したらすぐ準備室に来てくれ、ライス君には話は通しておくよ」

 

佐竹「何か分かるかもしれないし、お願いするよ」

 

タキオン「じゃあ、トレーナー君の退院を心待ちにしているよ。最後に私の特製ドリンクをあげよう」

 

佐竹「いらん」

 

タキオン「おっと、残念だね。今回は普通なんだがねぇあ~あ残念だなぁ。ハッハッハッ」バタン

 

佐竹「帰ってった……はぁ、最初から正直に話しておけばよかった」

 

トレーナーは長い長いウマ娘からの弾劾を受けたが、一週間の検査入院を終え退院した。そしてタキオンに言われた通りに理科準備室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タキオン「やぁ!トレーナー君。退院おめでとう、早速で悪いが椅子に腰かけておいてくれ。まだライス君が来てないんだ」

 

佐竹「なら俺が呼んでこようか?」

 

タキオン「もう来ると思うよ、廊下を走る音がするからね」

 

タキオンの言った通り、遠くで足音が聞こえてドアが開かれた。ライスは入るや否や二人に謝り続けるのを宥めた後、タキオンに促されタキオンによる推理が始まった。

 

タキオン「それではトレーナー君の脚部不安による解決策を講じていきたいと思う。トレーナー君の説明は聞いたから……ライス君?先ずは、宝塚記念で何があったか事細かく詳細を述べてくれたまえ」

 

佐竹「お前……楽しんでないか?」

 

ライス「え、えぇと……ライスが走り終わった後、救急車のサイレンが鳴ってたから鳴ってる方向に行ったらお兄さまとお姉さまが丁度、救急車に乗り込むところだったの」

 

タキオン「ほぅ、それで?」

 

ライス「ライスも乗ろうとしたらウイニングライブがあるからダメって、お兄さまに止められて……それでライブが終わった後にお兄さまから貰ったターコイズのブレスレットが壊れちゃったの……」

 

タキオン「その後は?」

 

ライス「あとは、病院に行ったってだけで……ごめんなさい、お話はここまでなの」

 

タキオン「何か忘れていない事はないかい?潜在的に押し込めている事とかあるんじゃないかな?」

 

ライス「う~ん……あっ!あの、信じてもらえないと思うけど……レース中に声がしたの」

 

タキオン「声?観客の声じゃないのかい?」

 

ライス「ううん、頭の中で聞こえたの。ライスが坂の所で力を籠めたら『ダメ』って声がして頭が痛くなったの。その後は、痛みが引いてレースに勝てたんだ」

 

佐竹「それは初耳だな。不思議な事もあるもんだな」

 

ライス「その後、お姉さまに聞いてライスが勝った後お兄さまが号泣してたってお姉さまが言ってたよ、ふふっ」

 

佐竹「普通に感動したからだけど、恥ずかしいな」

 

タキオン「……。ライス君、ブレスレットが壊れたタイミングはライブ開始の前に気付いたんだよね?」

 

ライス「そうだよ?それがどうかしたの?」

 

タキオン「トレーナー君ッ!解けたよ!そのブレスレットだよ!!」

 

佐竹「えっ、何が?」

 

タキオン「そのブレスレットがライス君を守ったんだよ。俄かには信じ難いが」

 

佐竹「あぁ、なるほど。そのターコイズ魔除けの効果あったような……」

 

ライス「やっぱり……そうなんだ。ありがとう、ターコイズさん」

 

佐竹「でも、俺の脚の関係は?」

 

タキオン「それは、まだよくわからない。君がライス君の送り主であるが故にその反動がきたのか……だが、確実にライス君との関係性はゼロではない。それに加えて今回、原因不明の脚部の脱力も未だに分かっていない。ただ、少し自分でも調べたんだがトレーナー君の症状は君の関わっているウマ娘のレースによるものだと仮定している。可能性としては分からないが頭には入れておいてくれ」

 

佐竹「俺に関わっているウマ娘って事?」

 

タキオン「あくまで仮定の話だ、確定じゃない。あと、もう一つ聞いて分かったのだがライス君のレースではゴールして暫く経った後、脚が動かなくなった。ならばスカーレット君のレースでもゴールした瞬間トレーナー君の脚が動かなくなるなら分かるが、今回はならず時間差で起きている事になる。だから何が引き金なのか余計分からないんだ」

 

佐竹「そうだよな……スカーレットがゴールした瞬間脚が動かなくなるなら分かるけど、時間差だもんな」

 

タキオン「ただ、今回面白い話が聞けてよかったよ。色々分かった事もあるしね、少し君の脚の原因を探ってみる事にするよ。なぁにお礼なんていいさぁ、引き続き私のモルモットであればね。ではね、トレーナー君。改めて退院おめでとう、クックックッ……ハァーハッハッハッ!」バタン

 

佐竹「悪の結社みたいな高笑いして帰ってったし。それに原因探るならこの部屋でやった方がいいのでは?」

 

ライス「ふふっ、面白い人だよねタキオンさんって」

 

佐竹「そうなんだけど……何しでかすか分からんから怖い」

 

ライス「でも、タキオンさんのお陰で対策できるかもしれないね!お兄さま」

 

佐竹「確かにタキオンのお陰でヒントが掴めたかもしれないしな」

 

ライス「あ、あと……お兄さま……本当は恥ずかしいけど///……いつでもライスに甘えてもいいんだよ?寂しくなったらいつでも抱き締めてあげるからね?」

 

佐竹「うっ///……今は、大丈夫」

 

佐竹(破壊力高ぇ……)

 

ライス「そう?じゃあ、ライスも行くね?最近寒くなって来たから風邪ひかないでねお兄さま。バイバイ♪」

 

佐竹「バイバイ……。外でライスに抱き着かれたら俺の方が捕まるよなぁ、学園の中でも殺されそうだけど」

 

ライスとも別れたトレーナーは準備室から退室した。トレーナーが入院している間にタイキとスカーレットのレースが行われ、どちらとも一着を勝ち取りその間お世話してくれた桐生院を訪ねてお礼を言いに行き、スカーレットの今年のレース目標は終わった。タイキは海外でのレースを残すだけだったのだが、風邪をひいてしまい遠征は中止となってしまった。二人の目標レースが終わり、来年から着々と実力を付けてきたウララの目標レースに集中する事になった。ファン数を獲得するためにダート戦に出走し、持ち前の明るい性格とウララ自身の実力も相まって多くのファンが押し寄せる事が多々あった。これからのウララの活躍に期待を膨らませながら一日を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




怒られたら怖いウマ娘は誰なんですかね?
普通にグラスですかね?
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