馬の感情が読める厩務員が転生した件   作:泰然

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喫茶店で奥様方がウマ娘の話しててびびった。


41話 ビンゴ大会の結果 ウララの助っ人

バクシンオー「さぁ!いよいよ始まります。トレセン主催、ビンゴゲームッ!!司会進行を務めるサクラバクシンオーです。それでは皆さんにビンゴカードをお配りします。先に、いち早く抜けた方から商品をゲットする事が出来ます!」

 

テイオー(ニシシ♪、ボクの勝ちだね。今回使われる電子パネルに予め細工してるから後は、それに合わせてカードを選べば……)

 

バクシンオー「あっ!言い忘れていた事がありますが今回使うはずだった機械なんですが不正の恐れがあるという事なので手動で回すタイプになりました」

 

テイオー「そ、そんなぁぁッ?!何で~……」

 

ゴルシ「残念だったな~テイオー。温泉はアタシのもんで決定だなッ!」

 

テイオー「ぐぬぬ……まだ分かんないもん。ここからボクの運で勝ち取ってやる!」

 

ゴルシ(精々カードと睨めっこすればいいさ。アタシは変更になるのは知ってたからな、回す方に細工させてもらったぜ。トレーナーと温泉に行くのはもう決まってるぜ)

 

バクシンオーはなんとなくビンゴマシンの玉が出る箇所を見て……。

 

バクシンオー「ん?何ですか?この棒は……」ボキッ

 

ゴルシの仕掛けた磁石の棒をバクシンオーはへし折った。

 

ゴルシ「あああぁぁぁぁぁぁぁッ!!!折りやがった……」

 

テイオー「やーい、ざまあみろ~」ベー

 

ゴルシ「くそぉぉぉ……」

 

そしてバクシンオーが番号の読み上げに入っていった。

 

バクシンオー「それでは、回していきますッ!バクシーン!!…………五番の方。続けて行きますよ、バクシーン!!…………十番の方」

 

十番が掲げられオグリが幸先良く、二つ番号を開ける事が出来た。

 

オグリ「やったぞ、タマ!二つも開けられたぞ。これでトレーナーとバイキングに一緒に行けるぞ」

 

タマモ「やったやんか、ウチなんてまだやから埋められるか心配やわ。人参一年分、チビ達に食わしてやりたいんやけど……」

 

オグリ「いくら食べても怒られない。無限に食べられる……その後はトレーナーと……」ダラー

 

タマモ「お、おい!?オグリ涎!カードにかかっとる!」

 

オグリ「はっ!?まずい……カードが涎まみれだ!?食べ放題が……」

 

タマモ「あ~あ……取り替えてもらわなあかんなぁ。勿体ないなぁ」

 

バクシンオー「まだまだ行きますよッー!バクシーン!」

 

次々と番号が出され、リーチになる者も現れ始めた。その中でルドルフは中々数字が揃えられずにいたが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テイオー「ねぇ、カイチョー。まだ全然揃ってないのに、何でそんなに落ち着てるの?みんなに取られちゃうよ?」

 

ルドルフ「徐かなること林の如く、これがどういう意味か分かるか?」

 

テイオー「しずかなるって事は、黙ってるって事じゃないの?」

 

ルドルフ「敵に気付かれず好機を待つ、風林火山は聞いた事はあるだろ?」

 

テイオー「兵法の一つでしょ?漢字の響きは格好いいよね。他の言葉もあるよね?」

 

ルドルフ「疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如く……有名なのはこれだが、他にも二つある。知り難きこと陰の如くと動くこと雷霆の如くで全部だな」

 

テイオー「へぇ……他の二つは知らなかったなぁ。ボクも会長と静かに待ってよ~」

 

ルドルフ「ふふっ、テイオーは何が欲しいんだ?」

 

テイオー「ボクは……温泉!トレーナーと一緒に行くんだ~」

 

ルドルフ「そうか、取れるといいな。大半は運のいいウマ娘が勝ち取るだろう、日本ダービーのようにな」

 

テイオー「えぇ~じゃあ、カイチョー有利じゃん。ボク取れないよ……」

 

ルドルフ「そんな事ないさ、テイオーもその素質がある。私が言うんだ、自信を持っていいぞ」

 

テイオー「そう?えへへ~。じゃあ、頑張ってみる」

 

ビンゴ大会は進んで行き、シービーが先に温泉券を手に入れた。次にルドルフが揃い、同じく温泉を手にした。ぞして同じタイミングでたづなさんも揃い、バイキング券を選んだ。特賞と一等が無くなった瞬間、次々と抜けていく数が増え景品は無くなっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シービー「ルドルフも取れたんだ。やるね~」

 

ルドルフ「少しばかり流れが良かっただけだ。やはり、シービーも温泉か……」

 

シービー「……」

ルドルフ「……」

 

二人は見つめ合いながらお互い微笑んでいた。その間には見えるはずのない火花が散っているように見えた。他のウマ娘は景品を獲得した事に大いに喜び、少数ではあるが悔し涙を流しながら温泉とバイキングを勝ち取った三人を睨み続けていた。トレーナーは悔しいのは分かるが泣くほどなのか?と、思った。トレーナーが後片付けをしているとたづなさんが困った表情で、バイキング券と睨めっこをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐竹「どうしたんですか?たづなさん」

 

たづな「いえ、誰をお誘いしたらいいか悩んでまして……理事長を誘ってみたのですが、他の方をお誘いした方がいいと断られまして。一人でもいいのですが……」

 

佐竹「俺でよければご一緒しますが……」

 

たづな「本当ですか?!あ、あの嫌じゃないですか?上の立場の方に言われると断りづらい……みたいな」

 

佐竹「今まで一番お世話になった人ですから嫌じゃないですよ。たづなさんの都合に合わせますので、いつでも声掛けてください」

 

たづな「ありがとうございます。では、近いうちにまたお声掛けしますね」

 

トレーナーはたづなさんとバイキングの約束をして片づけを済ませ、料理を食べクリスマス会はお開きとなった。年末までの仕事はほぼ無く、ウララの練習にシービーと付き合う事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウララ「えっほ、えっほ……ふぅ、トレーナー!終わったよー」

 

佐竹「よし、次は軽くタイヤ引きだな。無理しないようにな」

 

ウララ「うん!行ってくるー!」

 

いつものトレーニングを指示しながらタイムを計っていた。少しだけタイムが落ちている事に気付いた時、シービーに声を掛けられた。

 

シービー「トレーナー……気付いた?ウララ普段より汗かいてるでしょ?」

 

佐竹「同じメニューなんだが、どうしたんだ?」

 

シービー「アタシもあったけど、自主練のやり過ぎだね。ウララ……焦ってると思うよ。トレーナーとアタシに内緒でギリギリまで頑張ってたんだと思うよ」

 

佐竹「そうなのか……俺はその変化に気付けなかったのか。トレーナーとして失格だな」

 

シービー「そんな事ないよ。アタシ達の為にそこまで思ってくれてるんだから、唯そこまで焦る必要はないと思うけど。確実に実力は付けてきてるし」

 

佐竹「こればっかりは、本人に聞いてみないと分からないか……」

 

ウララのタイヤ引きが終わり、二人の下に戻ってきた。トレーナーは先程シービーと話していた事をウララに聞き出す事にした。ウララはトレーナーに内緒で自主練をしていたことを謝罪し、焦る理由を語りだした。

 

ウララ「ウララね……何だか最近脚が重いの。それでね、お休みすれば治ると思って休んで、重たいのは治ったんだけど全然足が速くならないの……」

 

佐竹「調子が戻らないって事か?」

 

ウララ「う~ん……わかんないけど、そうかも」

 

シービー「休ませても治らないんじゃあ、病院で一回診てもらった方がいいんじゃない?」

 

ウララ「えぇー!!病院行くのー?!ヤダー!」

 

シービー「行かないと原因分からないよ?それにトレーナーに重賞プレゼントするんでしょ?」ボソッ

 

ウララ「う、わかった……」

 

その日は練習を切り止め、診察してもらう事にした。だが、普段と変わらず健康な脚で異常が診られないとの事。休んでも変化がなく、病院でも原因が分からないとなると手の施しようがない、どうすればいいのかと考えている時にたづなさんからバイキングのお誘いを受け、都合を合わせると言った手前断る訳にいかないのでお店に行く事にした。二人は店に入りテーブルに座ったのだが、たづなさんはトレーナーの浮かない顔を見て声を掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たづな「やっぱり、私とは嫌でした?」

 

佐竹「すいません!そんなつもりじゃなかったんですが……ウララの事で少し悩んでまして」

 

たづなさんにウララの事を話した。

 

たづな「そうですか……皆さん休息を取れば調子は戻るのですが、診てもらっても分からないとなると……スランプだと思うのですが」

 

佐竹「スランプですか……」

 

たづな「一時的なものとはいえ、それが長引けば心身疲弊してレース所ではなくなっていきます。なので、早く解決策を見つけてあげた方がいいと思います」

 

佐竹「どうしたらいいんですか?」

 

たづな「ん~……私から言える事はウララさんと近い人を見つければ何か分るかもしれません。後はトレーナーさんが見つけてください」

 

佐竹「近い人ですか?……わかりました。ありがとうございます」

 

たづな「そんな事より、今は食べましょう。こんな食べ物、滅多に食べられませんから」

 

佐竹「じゃあ、いただきましょう」

 

トレーナーはたづなさんに相談し、少し何か分った気がした。そんな真摯にトレーナーに答えてくれたたづなさんの表情が綺麗に見えた。本当にトレーナーやウマ娘の事を想っているのがわかった。暫く食事を楽しみ、たづなさんがお酒を煽り始めた。たづなさんの顔は赤くなり距離がドンドントレーナーに近づいて行った。

 

佐竹「あ、あの~たづなさん?だいじょうぶですか?」

 

たづな「酔っていませんよ?少し熱いだけですので~」

 

佐竹「たづなさん///……胸見えてますから離れた方が……」

 

たづな「えぇ~そんな事ないですよ。よいしょっと……」

 

佐竹「ちょっと!?たづなさん!?」

 

たづなさんはトレーナーと対面するように座り、首に手を回してきた。息がかかる程近い距離で、甘い匂いが鼻を掠めた。

 

たづな「トレーナーさぁん///私、とっても期待してるんです。トレーナーさんが担当してる娘が強くなっていく姿に」

 

佐竹「ダメですって///たづなさん!?」

 

たづな「だから私、トレーナーさんに……うっぷ……」

 

佐竹「えっ!?ここで吐かないでください!!トイレ、トイレェェェェェ!!」

 

たづなさんをトイレに行かせ、なんとかその場で吐かずに済んだ。赤い顔から青い顔になってしまったたづなさんの背中を擦りながらテーブルに戻って行った。

 

たづな「ごめんなさい……トレーナーさん」

 

佐竹「いえいえ、俺もこういう経験あるので全然大丈夫ですよ」

 

たづなさんを暫く慰めていると知らないウマ娘に声を掛けられた。

 

?「おっ、どうした?たづなさん」

 

たづな「えっ……あぁ、ニッポーさん帰って来てたんですか?どうでした、北海道は?」

 

ニッポー「あぁ、ゆっくり休めたよ。食べて温泉は行ったし、最高だったぜ?それよりたづなさん、こいつ誰?」

 

たづな「この方は、トレセンの新人の佐竹トレーナーです。それとトレーナーさん、この方はニッポーテイオーさんです」

 

佐竹「えっ!?ニッポーテイオー!?」

 

たづな「お知合いですか?」

 

佐竹「い、いや……え~と~……有名なので」

 

ニッポー「おぉ!分かってるなー見込みあるぞお前!」バシバシ

 

佐竹「はは……ありがとうございます」

 

ニッポー「それよりたづなさん、何で新人トレーナーと一緒にいるんだ?もしかして彼氏か?」

 

たづな「ち、違います!ペアチケットが当たったからご一緒にって事でトレーナーさんを誘ったんです!誤解しないでくださっ……うっぷ」

 

ニッポー「なぁんだ~、遂にたづなさんに春が来たと思ったんだが違うのか~」

 

ニッポーテイオーは『マイルの帝王』と呼ばれハルウララのお父さんでもある。マイルチャンピオンシップ、安田記念を勝ちマイル路線を席巻し、マイルの壁も越え天皇賞秋も勝ち取ったウマ。その中でマイルチャンピオンシップ、天皇賞秋は二着に五バ身差をつけて圧勝。最後のレースではタマモクロスも出走する宝塚記念で対決する事になり、ニッポーテイオーは一番人気に支持されたが本格化したタマモクロスの末脚に屈し、二バ身半離され二着。このレースを最後にターフを去った。余談だが、種牡バも引退した繋養先ではダイユウサクと大変仲が良かった。そしてダイユウサクが亡くなった時、食欲が落ち込んでしまうほどだったらしい。この世界では関係ないが、ウララのお父さんであるニッポーテイオーにトレーナーは聞きたい事があった。

 

佐竹「ニッポーさん少し頼みたい事があるんですけどいいですか?」

 

ニッポー「おう!いいぜ。何でも言いな」

 

佐竹「担当の娘の練習を見て欲しいんです」

 

ニッポー「理由は?」

 

佐竹「恐らくスランプになっていると思うんですけど……ニッポーさんにご教授していただきたいんです」

 

ニッポー「そいつと並走してもいいのか?」

 

佐竹「ウララがよければ並走してもいいですけど……」

 

ニッポー「よし!なら、次の日にでも会いに行くからトレーナー室にいろよッ!いや~楽しみだなぁ!」

 

佐竹「えっ!?ちょ、ちょっと……行っちゃった」

 

ニッポーテイオーは走り去りトレーナーはたづなさんを介抱してトレセン学園に帰った。ニッポーテイオーで何かウララがヒントを掴む事願いながら明日を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 




二つ名って格好いいけど……オッズを見る馬と新聞を読む馬とか全然格好良くない……。
みんなアンケートで思いの外たづなさんに票入れててびっくり……。
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