馬の感情が読める厩務員が転生した件   作:泰然

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一世風靡セピアが突然おすすめに出てくる事にびっくりした最近。


44話 東北の英雄 テイオーと服と忘れた頃の……

シービーとトレーナーは観客席で一緒にウララを見守る事にした。そしてトレーナーはこの場内放送でメイセイオペラが出走している事を知る。

 

佐竹「メイセイオペラ!?出てんの?!」

 

シービー「この間、ウララと一緒に走ってたよ」

 

佐竹「マジか……」

 

シービー「でも、あの娘……強いよ」

 

佐竹「あぁ、明らかに覚悟が違う……ウララ頑張れ」

 

不安に包まれる二人を搔き消すようにファンファーレが轟き、各ウマ娘がゲートインしていき実況が始まった。

 

実況「寒さ更に厳しくなりました東京レース場、ウマ娘の背を高らかに鳴り響くファンファーレ。年初めのGⅠフェブラリーステークス。さぁ今回の十五番、前走は逃げを打って粘り勝ち、今回もその逃走劇を見せてくれるのでしょうか?今日は三番人気です。二番人気はメイセイオペラ、地方から来た岩手の雄、前年の東京大賞典では惜しくも二着に敗れてしまいましたがこのGⅠの舞台で見事勝ち取る事が出来るのでしょうか?そして、一番人気の紹介です。東海ステークスで見事重賞を勝ち取ったハルウララ、この大舞台でも見事返り咲く事は出来るのでしょうか。向こう正面各ウマ娘、ゲートに入って体勢完了しました」

 

実況「スタートしましたッ!おっと、メイセイオペラ少しもたつき出遅れました。さぁ、やはり十五番得意の逃げに打って後続を離していきます。一番人気のハルウララ、今回は綺麗にスタートいつもの中団で虎視眈々と狙っていく構え。最初のコーナーを抜け十五番はまだまだ逃げ続けています。そして出遅れたメイセイオペラは六番手。ハルウララは九番手、中団は団子状態で抜け出せるか心配です。さぁ!!最後のコーナーを曲がって直線に向きますッ!先頭の十五番は厳しいか!?ドンドン後退して行くッ!!そこに並びかけてきたのはッ!?……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終コーナーから直線コースに向いた時、メイセイは出遅れた事が返って功を奏した結果になった。先行争いのバ群に呑まれず、足が溜めれる形になった。そして道が開き、メイセイは仕掛けた。メイセイオペラは今まで関わってくれた人達や家族を思い返しながら走った。

 

メイセイ(ファンのみんな、トレーナーさん、お母さん……今までありがとう。私の『脚に夢を乗せて』くれたお陰でここまで強くなれたよ。このレースで必ず……恩返しするから、これからも頑張るからッ!)

 

ウララは直線からドンドン離していくメイセイに懸命に追い縋るが、バ群から抜け出すのに手間取ってしまい二バ身差を維持されたまま距離が全く縮まらなかった。

 

ウララ(どうして、どうして縮まらないの?!あんなに練習したのに……それに、メイちゃんの体すごく大きく見えて恐い……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実況「抜け出したのはメイセイオペラッ!他のウマ娘は置き去りに二バ身差のリード!ここでやっと上がってきました、ハルウララ。だが縮まらないッ!縮まらないッ!!他は付いて行くのがやっとだ!このまま行くのか!?夢が叶うのか!?地方のウマ娘が中央を制するのか?!残り100メートルッ!まだまだ突き放すメイセイオペラッ!!、メイセイオペラだッ!メイセイオペラッ!!完勝だぁぁぁぁぁぁ!!」

 

実況「メイセイオペラがやりましたッ!地方所属のウマ娘が中央を捻じ伏せ、明けの東に掴み取った金の星ッ!。そして彼女の独唱(オペラ)がここから始まりますッ!おめでとうッ!メイセイオペラッ!」

 

メイセイオペラが一着になり東京競バ場では暫くオペラコールが響いた。地方が中央を制するのは初めての事で会場は大きく沸いた。そしてウララはトレーナーとシービーの下に行き、何時ものウララの笑顔はそこにはなかった。瞳に涙をいっぱいに浮かべ大泣きしてしまった。

 

ウララ「ドレーナー、まげぢゃっだー!!」

 

佐竹「ウララは頑張った、着実に成長してきてる。今は悔しくても次に繋げよう」ナデナデ

 

シービー「そうそう、次勝てばいいんだから。泣かない泣かない」ナデナデ

 

ウララ「うわぁぁぁぁぁん」

 

スタンドで泣くウララの姿にファンが温かい拍手を送った。トレーナーはふと目線を移すとメイセイが二人の男女と泣きながら喜んでいた。そして二人はウイニングライブに備えバ道に戻るとウララはメイセイに呼び止められた。

 

メイセイ「ウララさんと一緒に走れてよかったです。すごく……強かったです」

 

ウララ「ううん、ウララ全然追いつけなかったもん。でも、次は絶対負けない!次のレースでメイちゃんボコボコするからね!」

 

メイセイ「はい!その時はまたよろしくお願いします。あっ、喉乾いてないですか?地元の水でよければ」

 

ウララ「わーい!ありがとう。ゴクッゴクッ……プハー!おいしいー!」

 

メイセイ「よかったです、私地元の水しか飲めなくて地元の人達によく迷惑かけてたんです。それでも私の為に色々動いていただいて……それではウララさん、ライブも頑張りましょう!」

 

ウララ「おー!」

 

二人はウイニングライブを終え、トレーナーはウララがいる控え室に向かった。そこにはメイセイオペラがウララとライブ後の話に花を咲かせていた。そこでトレーナーはメイセイに今後のウララの出走予定を聞かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メイセイ「あの、ウララさんのトレーナーさん。ウララさんの次の出走予定を聞いてもいいですか?私……南部杯に出走予定なのですが、もう一度ウララさんと走りたいんです!よろしいですか?」

 

佐竹「暫くは重賞レースが続くから走れないと思うけど……南部杯には出走予定だけど、ウララはどうだ?」

 

ウララ「ウララもメイちゃんと走りたーい!絶対強くなって次こそメイちゃんをボコボコだよ!」

 

メイセイ「ふふっ、私もそれまでトレーニングを積んできます。いいレースにしましょう!」

 

ウララ「やったー!またメイちゃんと走れるー!」

 

再びレースが決まり、二人はお互いを高め合いメイセイのトレーナーも加わり、四人でメイケイの祝勝会を開く事にした。食堂で盛大に祝い、ウララがニンジンジュースをこぼしてメイセイに拭いてもらっている姿を微笑ましくトレーナーは眺めていた。祝勝会もお開きになり、四人は解散してトレーナーは今日の成績表を生徒会とたづなさんの下に届ける事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐竹「失礼します、ルナさんいます?」

 

ルドルフ「おっ、トレーナー君どうしたんだ?」

 

佐竹「今日のウララの成績表を……あの、この方はどちら様ですか?」

 

トレーナーの目に映ったのは、黒鹿毛の髪に頭の真ん中に白い流星で穏やかな顔をした知らない女性がルドルフに対面するように生徒会室のソファーの向かいに座っていた。

 

ルドルフ「あぁ、彼女はニホンピロウイナー。私と同じ、皇帝の名で呼ばれている」

 

ニホンピロウイナー、マイルの皇帝と呼ばれ最優秀スプリンターに三年連続受賞している。二年連続という表記は他にもいるが、三年連続というのはこのウマだけである。そしてウイナーは長い期間競争生活を送っており、短距離は消耗が激しく……保って一年と言われるぐらいなのだがウイナーは三年以上も第一線で活躍し続けた。歳を取るごとにバ格がデカくなり年々強くなったとも言われている。

 

ウイナー「やめてよ!アタシ、そんな立派なもんじゃないから」

 

ルドルフ「だが、讃えられるのは悪い気分ではないはずだ。現に成績を見れば一目瞭然だろう?」

 

ウイナー「そうだけど……それよりトレーナーさんよろしく!ニホンピロウイナーだよ!」

 

佐竹「よ、よろしくお願いします」

 

佐竹(ち、近い……距離感おかしくない!?そういえばウイナーは人懐っこくて人間大好きみたいなエピソードがあったような……)

 

ルドルフ「ウイナー……少々トレーナー君との距離が近いと思うのだが離れてもらえるか?」ハイライトオフ

 

ウイナー「お〜怖……でも、いいじゃん!ルドルフの彼氏じゃないでしょ?」ギュ

 

ルドルフ「こ、これからそうなるかも知れないだろう?///」

 

佐竹「お、俺ッ!成績表置いていくんでッ!それじゃ!」バタン

 

ウイナー「あ〜あ〜ルドルフが怖い顔するから逃げちゃったじゃん」

 

ルドルフ「決して私だけのせいだけではないと思うのだが……それより『海外視察』はどうだった、やはり難しいか?」

 

ウイナー「どこもレベルが違うね。どのウマ娘も連戦連勝……格の違いを見せつけられたよ」

 

ルドルフ「そうか……私もこの目で確かめたかったのだが、如何せん業務に追われて行く事は出来なかった。シリウスシンボリも言っていたがやはり海外は難しいか……ウイナー、帰国後早々にこのような事を言うのは心苦しいのだがまた他のウマ娘に指導してやってはくれないか?これからも君の力が必要なんだ……頼む」

 

ウイナー「お安い御用だよ。アタシも引退して走らないし、困ってる娘がいたら教えてね!すぐ飛んで行くからッ!」

 

ルドルフ「あぁ、すまない」

 

二人は海外にも目は向けているものの、まだまだ海外の壁は高く険しいもので中々勝利数を稼ぐ事が出来ない。彼女たちの挑戦が続く中、トレーナーはたづなさんにも書類を届けに行き夕方少し空いた時間に何をしようか考えているとオグリが倒れていた。トレーナーは直ぐ様倒れていた理由を聞いたのだが、唯エネルギー切れで倒れていたとの事。急いで厨房を借りて少し多めでガーリックライスを作って振る舞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オグリ「すまない、トレーナー……。最近、トレーナーのご飯を今以上に求めてしまっている。満たされはするのだが、感覚がドンドン短くなっていってるような気がするんだ」

 

佐竹「本当に難儀な体だなぁ……俺の料理は変な薬でも入ってるのか?それ以上深刻になったらどうするんだ?」

 

オグリ「そうなったら、トレーナーを襲いかねないな……私もどうなるかわからない」

 

佐竹「大丈夫か、オグリ。病院行くか?」

 

オグリ「いやッ!トレーナーの料理を食べれば直るッ!!」

 

佐竹「それは唯々悪化するだけなのでは?……」

 

話ながらオグリは食べ続け、頬を膨らませながら幸せそうな顔をトレーナーは眺めていた。そんなオグリを見てトレーナーは自分の料理でここまで美味しく食べてもらえる事に喜びを感じ、口元に付いていたご飯粒を取った。

 

オグリ「んっ///ありがとう。トレーナーも食べるか?私が言うのも何だが……」

 

佐竹「せっかく作ったし、食べるか」

 

二人で残りを食べたのだが殆どオグリが完食してしまい少ししか食べられなかったが、喜んでくれただけいいか、と考えいたがトレーナーは買い物に行くのを忘れていた。急いで駅前の方に向かい食材を買う事にした。歩いている途中、女性が倒れ込みヒールのかかと部分が壊れて足首を捻ったらしくどうする事も出来ない状況であった為、トレーナーは助ける事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐竹「あの……大丈夫ですか?よければタクシー呼んできますけど」

 

女「あ、すいません。助かります」

 

佐竹「肩貸しますので捕まってください」

 

トレーナーはタクシー乗り場まで運び女性をベンチに座らせた。

 

佐竹「足、大丈夫ですか?大分腫れてますけど」

 

女「痛いですけど運んで頂いたので大分楽です。それに予定があるにも関わらず……ありがとうございます」

 

佐竹「いえいえ、大した事無いですよ」

 

女「あ、あの!よろしければ電話番号交換しませんか?お礼に伺いたいので」

 

佐竹「いいですよ、えっと……俺の番号は……」

 

するとそこに、見知ったウマ娘が近づいてきた。

 

テイオー「ねぇ……トレーナー。何やってるの?」ハイライトオフ

 

佐竹「テ、テイオー!?何でここに……」

 

女「お知り合いですか?」

 

そしてテイオーは瞬時にトレーナーの腕に絡みつき、女性にずっと威嚇し続けた。

 

テイオー「トレーナーに何か用?」ギュ

 

佐竹「ちょっと痛いんですが……」

 

女「先程、この方に助けて頂いたのでそのお礼がしたいので連絡先の交換を……」」

 

テイオー「ダメ、トレーナーはボク達のトレーニングで手一杯だからお礼は必要ないよ。それじゃあ、行くよトレーナー」

 

佐竹「あ、ちょっと!?……すいません、後は気を付けて帰ってくださいね」

 

女「あっ……」

 

女性は何か言いかけたが聞く事は出来ず、二人はその場を離れ街を歩いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐竹「何であんな事するんだよぉ……テイオー。唯お礼してくれるって言ってたのに」

 

テイオー「ダメだよトレーナー。ああ言うのは甘い言葉で誘った後で詐欺紛いな事をするに決まってるんだから気を付けてよ~」

 

テイオー(仮に本当に好きだったら困るからね……)

 

佐竹「ん?てか、テイオー……そもそも何でここにいるんだ?今更聞くけど」

 

テイオー「ボクがジャージ着てれば分かると思うけど……自主練でここまでランニングしてたら、トレーナーが女の人と話してたから寄ったんだよ」

 

佐竹「そろそろ帰宅時間だろ?大丈夫か?」」

 

テイオー「トレーナーの用事が済んだら帰るよ」

 

佐竹「まぁ、少し時間あるし断る理由もないからいいか」

 

テイオー「わーい!じゃあ行こうトレーナー!ボク、買いたい服あったんだよね~♪」

 

佐竹(俺の買い物に付き合ってくれるんじゃないんだぁ)

 

話ながら向かったのは大型デパートに着いて、トレーナーの買い物を済ませ今度はテイオーの服選びに付き合う事にした。

 

テイオー「トレーナーどう?似合う?」

 

かざして見せたのはハイネックの暖かそうなニットの白で少し大きめ。笑顔で見せてくるその姿にトレーナーは普通に可愛いと思った……似合うか似合わないか云々より唯可愛いと思った。そして下は、ストレートのデニムで合わせトレーナーは思った、可愛い奴は何着ても似合う。トレーナーは似合っていると伝え、テイオーもその服に決めた。するとテイオーはこんな提案をしてきた。

 

テイオー「ねぇ、トレーナー!今度はトレーナーの好きな服選んでみてよ。トレーナーがどんな服が好きか知りたいし」

 

佐竹「いいけど、お金大丈夫なのか?」

 

テイオー「ふふん!トレーナーよりもお金は持ってるつもりだよ。ボクって人気者だからグッズがたくさん売れてるんだよね~」

 

佐竹「マジか……俺でもそれなりに貰ってるのに……取り敢えず選ぶか」

 

トレーナーはある程度目を通し、いいなぁと思った服を手に取り眺めていた。一番トレーナーの目に留まったのが、ベージュのボーダーニットで少しゆったりした感じの大きめの服を選んだ。ボトムスは何がいいか店員さんに聞いてみたところ、スキニーパンツやタイトスカートで合わせるのが無難だと言われたが基本的に合えば何でもいいとの事。トレーナーはこれに決めレジに持って行こうとした時、冬なのに何故かホットパンツが置いてありトレーナーは疑問に思い凝視してしまった。頭の中でトレーナーはこれをテイオーが穿いても似合うんだろうなぁ、と考えているとそこにテイオーがニヤニヤしながら近づいてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

テイオー「ねぇ、トレーナー♪それ穿いて欲しいの?それ結構際どいよ……エッチ///」ニヤニヤ

 

佐竹「そ、そういうつもりで見てたわけじゃなくて!?///」

 

テイオー「寒いけどトレーナーが喜ぶんなら……ボク穿いてもいいよ?///」

 

佐竹「似合うと思うが邪な事は考えてないからッ!」タッタッ

 

テイオー「あっ、トレーナー……別にいいのに」

 

トレーナーは直ぐに選んだ服をレジに通し買い物を済ませ、学園にゆっくり戻った。

 

テイオー「ありがと♪トレーナー、買い物に付き合ってくれて。お陰でトレーナーの好みの服も分かった事だし、ニシシ♪」

 

佐竹「ホットパンツの件は忘れてくれ……思いの外、長く居すぎたな。早く帰んないとフジさんに怒られるぞ」

 

テイオー「うん!じゃあ、トレセンまで競争だよー!レッツゴー!」

 

佐竹「分かって言ってるだろう!?荷物、全部俺に持たせるつもりか!?」

 

二人はふざけながら学園に向かい門限ギリギリでセーフではあったがフジさんから厳重注意言われ、結果怒られる形になった。トレーナーはそんな怒られるテイオーを眺めながら、自分の寮に戻り次の日を迎えた。いつものようにトレーナー室で作業をしていると途中からタキオンが入室し、暫く居座り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐竹「タキオン……トレーニングに行かなくていいのか?お前のトレーナー待ってるんじゃないのか?」

 

タキオン「ん~?心配する事はないさ。今頃カフェテリアで寛いでいる頃だろう、あの人も自由人だからね」

 

佐竹「そ、そうか……お互いがいいならいいけど」

 

タキオン「う~ん♪いい香りだ。やはり、朝の紅茶は目が覚めるなぁ。トレーナー君は紅茶が発揮する効果を知っているかい?」

 

佐竹(長いやつだ……)

 

タキオン「先ず、言わずもがなカテキンだね。これはポリフェノールの一種で、お茶の特有の苦み、渋み成分のもとになっている物質。更に抗菌作用で活性酸素の働きを抑えられる、それで免疫力が付く訳だ」

 

タキオン「まだまだあるぞ?紅茶の種類でアールグレイがあるだろう?あれにはアロマでも使われている『ベルガモット』は柑橘系の香りに似ていてね、それがストレスを緩和させる効果があるんだ。それに高血圧予防、糖尿病予防があってだねぇ……」

 

佐竹「勘弁してくれ……何で聞いてもない紅茶の効能を聞かなきゃいけないんだ」

 

タキオン「この説明はあくまで砂糖を入れなかった場合だ。その点は私は砂糖が入ってないと飲めない」

 

佐竹「ダメじゃねえか!?……はぁ、もう疲れたから帰ってくれ」

 

タキオン「つれないなぁ、今日は少し君にためになる話を持って来たんだがねぇ……」

 

佐竹「何だその話って」

 

タキオン「私の友人で怪我で思うようにレースが出来なくなってしまったんだ……彼女はそれまで連勝続きでね……誰もが彼女の今後のレースに期待していたんだ。その矢先、右前脚のトウ骨遠位端部分に痛みがあったらしくてね……診断の結果、骨折しているのが判明してね。その当時のファン以上に彼女は落ち込んでいたよ、私は何も応える事が出来なかった……本当、自分が情けないよ」

 

佐竹「今その娘は大丈夫なのか?」

 

タキオン「苦しんでいるよ……思うように以前の走りが出来てないからね。質問なんだが、トレーナー君。私達は何故、ここまで怪我で悩まされていると思う?」

 

佐竹「持って生まれ体質、練習の過剰な追込み……だと思うんだが」

 

タキオン「概ね合っている……だが私はこう考えてる。『自分の限界』に耐えられないんだ」

 

佐竹「自分の限界?」

 

タキオン「あまりに強いウマ娘は自分が思っている以上のポテンシャルを秘めている事がある。それに加えて私達は、それに耐えられる程の脚部を持ち合わせていないんだ。それでも稀なケースで耐えられる事はあるが、私が述べた前者が殆どだ。だからトレーナー君、くれぐれも彼女達の事を注意深く見て欲しい。どんな些細な事でも」

 

佐竹「わ、わかった……」

 

いつも見せるタキオンの表情とは打って変わって真剣な顔にトレーナーは竦んだ。真面目に話す事はあるのだが今のタキオンには、何か鬼気迫るのを感じた。

 

タキオン「さて、用も済んだし研究に戻るとするよ。ではね、トレーナー君」

 

トレーナーはタキオンに言われた言葉を心の中に刻み込むように繰り返した。せめて自分の関わっているウマ娘は絶対に苦しませないと誓った。そして関係ない話であるが、忘れた頃に問題が舞い込んでくるものでルドルフとシービーがトレーナー室に入ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルドルフ「トレーナー君、何時ぞやの温泉旅行は覚えているか?そろそろ期限が近いぞ」

 

シービー「明日休みだと思うから三人で行くよ、支度はちゃんとしててね?それとも手伝ってあげようか?」

 

佐竹「いや、俺明日予定が……」

 

ルドルフ「いいからッ!」

シービー「いいからッ!」

 

佐竹「はい……」

 

トレーナーの予定など知った事かと言わんばかりの怒号に縮こまってしまったトレーナー。温泉は田舎ではあるが、都会からでも足を運んで来る程の人気で施設も充実している老舗だそうで、聞くだけでワクワクするのだが果たして普通に楽しむことは出来きるのか不安なトレーナー。正直この二人が一緒に居る時は見るものの、三人で絡む事があまりない故にどうなるか分からない。

 

 

 

 

 

 

 




アブクマポーロも強かったですよね。
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