馬の感情が読める厩務員が転生した件   作:泰然

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ビターグラッセとリトルココン逆輸入で芝。


45話 三人で温泉旅行 スカーレット一族の祖

目的の温泉旅行当日、トレーナーは新幹線での移動とはいえ寒くならないよう防寒着対策をしてルドルフとシービーを学園の校門前で待ち合わせをした。待ち合わせまで三十分ほど余裕があるが、トレーナーが来た数分後に二人共揃って来た。

 

ルドルフ「早いなトレーナー君。私達も早く来たつもりだったのだが」

 

シービー「トレーナーが来るまで楽しみに待とうと思ったのに……」

 

二人の服装はお互いモッズコートに中はニットで下はスラックスでトレーナーより数段大人に見えた。トレーナーはガチガチにジャンパーで厚着をして、オシャレなど全く意識などしていない。

 

佐竹「寒い中、待たせたくなかったんで……取り敢えず行きましょう」

 

ルドルフ「聞いたかシービー……トレーナー君があんな気遣いを……」

シービー「誰にでもあんな感じだから……はしゃいでたアタシ達、恥ずかしいかも……」

 

三人で話しながら都内の駅に向かい切符を購入し、新幹線に乗り込み一時間ほどで着くらしい。座席は三人席でトレーナーは真ん中、挟まれる形で息苦しかった。そして二人からどっちのお菓子を食べるかで争いが始まり、結果トレーナーがまとめて食べる羽目になり気持ち悪くなりトイレに行くと、以前保健室で会った黒い彼女だった。

 

 

 

 

 

 

佐竹「あの、以前保健室で会った……」

 

?「うん?……あぁ!前に女の子を看病してたトレーナーかな?こんな所で会うなんて偶然だね。それより……大丈夫?」

 

佐竹「ちょっと具合悪くてトイレに……」

 

?「ほら、大丈夫?ハンカチ貸してあげるよ」

 

トレーナーが治まるまで優しく彼女は寄り添ってくれ、間違ってお母さんと呼んでしまったが笑って許してくれた。トレーナーがお礼を言うと直ぐ様立ち去ってしまった。手元に残されたハンカチを見たトレーナーは、また会った時に返そうと思った。そして席に戻り、二人に黒髪のウマ娘の事を話した。学園に出入りしているのであればどっちか知っていると思ったのだが……。

 

ルドルフ「黒髪のウマ娘?他にも大勢いる中で探すのは難しいなぁ……」

 

シービー「もう少し特徴は無いの?」

 

佐竹「う~ん……スぺとかカフェに似てると思うんですけど」

 

ルドルフ「トレーナー君、彼女と会った日にちは覚えているか?」

 

佐竹「十月あたりだったような気がしますけど……」

 

ルドルフ「確かそのあたりに理事長室で対談している姿を見たような……」

 

シービー「よく覚えてるね……でも、今その人この中にいるんだよね?見に行こうよ」

 

ルドルフ「やめておけシービー。他のお客様の迷惑になる、トレセン学園の生徒としても、ましてや見本であらねばならない私達がその様な行為は看過できない」

 

シービー「はぁ……わかった。学園にも来てるみたいだし、いつか会えるでしょ」

 

謎のウマ娘への議論は終了し、そうこうする内に目的の駅に着き次にバスに乗り換えをして車窓の景色が自然に囲まれるようになり、そこでやっと旅館に到着である。旅行券での宿泊になるのだが本来ここは、あまりに有名で予約が取れない程である。早速入ると若女将らしき人に出迎えられた。

 

 

 

 

 

 

若女将「遠路遥々ようこそ御出で下さいました、私が当旅館の女将にございます。今日は、殿方と……えぇと、そちらの御二人は……どのような御関係で?」

 

ルドルフ「夫です」

シービー「恋人です」

 

佐竹「適当言うなッ!……あの、部屋に案内してもらっていいですか?」

 

若女将「すいません、余計な詮索をいたしました。チケットをご使用との事なので、その一部屋に御案内致します。どうぞ、こちらになります」

 

案内されたのは一階の部屋で少し大きめ、大人の雰囲気漂う豪華な感じであった。冬に来た事もあって窓から真っ白な雪景色が一面に広がり、もう一つの特徴は部屋の中にも温泉が完備され露天風呂まである。だから、その場で起床後に大浴場に行かなくても直ぐ温泉に入れる利点もある。そして温泉にも種類がたくさんあり、それも楽しむ事も出来るがもちろん値段によって差異はある。旅行券は一番高い値段で設定されている為、十万前後の値段らしい、トレーナーは旅行券でよかったと心底思った。三人荷物を置き、早速温泉に入ろうとしたがお腹も空いていた事もあって一旦空腹を満たす事にした。一般的に懐石料理が部屋に運ばれてくるのだが、今回はバイキングレストランにした。二人がウマ娘である為、沢山食べられる方がいいと判断して選び早速足を運んだ。種類は和・洋・中、様々な料理が綺麗に並べられている。高級旅館だけあって擦れ違うお客さんが整然とし、皆どこかの貴族に見えてトレーナーは少し緊張してしまっていた。トレーナーは食器を手に取るのだが、落としてしまい遠くまで転がってしまった。そしてそのお皿はとあるウマ娘に拾われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐竹「すいません、手が滑ってしまって……」

 

?「いえいえ、それよりここは初めてですか?…………もしかして、あなたダスカのトレーナーさんでしょうか?」

 

佐竹「えっ?何で俺の事を……」

 

リボン「少し妹に話を伺っていたもので。申し遅れました、私スカーレットリボンと申します。どうぞお見知りおき下さい」

 

佐竹「えぇぇぇッ!?リボンッ!?」

 

スカーレットリボン、『スカーレット一族』の一人。スカーレットインクの起点で始まり、リボンの全姉のスカーレットブルー、全妹にローズ、ブーケのスカーレット四姉妹になる。他で言えば、ローズの娘のレディも名前が挙がるがリボン自身、活躍する事は出来なかったが良血であるのは間違いない為、正真正銘のお嬢様である。

 

リボン「そ、そこまで驚かれると、少々私恥ずかしくなりますね///それを言うならトレーナーさんも我が家で話題になっていますよ。あの娘をあそこまで手懐けるのは苦労したのではないでしょうか?」

 

佐竹「意志が強い娘なので、最初の頃はトレーニング終了後にも自主トレをしていたのでそれを止めるのが大変でしたね……今はどんなトレーニングでも熟せるようになりました。でも、体力が有り余っているのかそれが終わっても追加のトレーニングメニューを要求してくるので困ってますけど……」

 

リボン「かわいいですね。それがあっても、ちゃんと手綱を握れているのはトレーナーさんの賜物なのでしょうね、そう言えば今日はどのような御予定でいらしたのですか?

 

佐竹「俺達は、学園の旅行券が当たったのでこうして来たんです」

 

リボン「俺達という事は……他の方もいらっしゃるのでしょうか?」

 

佐竹「はい、ルドルフとシービーと一緒に来ました。良かったらリボンさんも一緒にどうですか?」

 

リボン「まぁお二人と、ですが私は静養でこの場に赴いただけです。逸楽している所に水を差すのも無粋ですので。それに私も人を待たせているので、ではゆっくり楽しんでください」

 

そう言い残し、その場を去った。トレーナーは食事を取り、再び二人の下に戻った後リボンさんの話をした。その話でルドルフからこんな事を聞かれた。

 

 

 

 

 

 

ルドルフ「ほぅ、リボンと会ったのか。他の姉妹とは会った事はあるか?トレーナー君」

 

佐竹「ブーケさんとリボンさんだけですね、今のところは」

 

シービー「その四姉妹はいい娘達なんだけど……お母さんのインクさんがねぇ……」

 

ルドルフ「今は力が弱まったとしても、恐らくトレーナー君の腕は無くなると思う」

 

佐竹「えっ……何それ恐い」

 

シービー「怒らせればの話だから、普段はニコニコしていい人なんだけど指図されるのが嫌いな人だから食事中にインクさんの旦那さんがちょっと注意したら、旦那さんの服引き千切っちゃったんだよねぇ……」

 

佐竹「えぇ……怪獣じゃん」

 

話も盛り上がり、食事も済ませそのまま部屋に戻り次は各々好きに入浴を楽しむ事にした。トレーナーは何種類かある源泉で濁りが強い温泉を選択し、数時間浸かり肌が数段艶々になった。そして部屋に戻り一番最初にトレーナーが着いて、座って待っていた。数十分すると二人が戻って来た。入った瞬間、シャンプーの匂いが部屋中に広がり旅館の浴衣を着ている事も相まってトレーナーはまともに見れなかった。その姿に気付いて、二人はトレーナーを弄り倒した。話の中でどの髪型が好きかで話題が盛り上がった。

 

 

 

 

 

 

ルドルフ「私は短髪で自然な形の髪形が好みだな。トレーナー君は何でも似合うと思うが」

 

シービー「アタシは七三分けとかオールバックがいいかなぁ。オールバックとか簡単だからトレーナーやってみてもいい?」

 

佐竹「いいけど……」

 

早速ワックスを使ってやってみた……。

 

ルドルフ「…………」

シービー「…………」

 

佐竹「どう?」

 

ルドルフ「似合わない……」

シービー「キャラじゃない……」

 

佐竹「辛辣……」

 

シービー「気を取り直して、トレーナーの性癖に刺さる髪型は?」

 

佐竹「言い方気になるけど、俺は身近な人で言えばフラッシュのボブヘアーかな」

 

ルドルフ「ッ!?そ、それはどうして好きなんだ?……」

 

佐竹「どうしてと言われても自分の好みだから、好きとしか言いようが……」

 

シービー「ねぇ、ルドルフ。夜二人で……行こうよ。そうしたらトレーナーも、もっとアタシ達の事……」ヒソヒソ

ルドルフ「そうだな、空いてる場所を探して見つけるしかないな」ヒソヒソ

 

佐竹「ん?お前ら、何コソコソしてるんだ?」

 

ルドルフ「いや、何でもないよ。トレーナー君、今日のカラオケバーは明日に持ち越す。私達は用事を思い出してね、トレーナー君は早めに寝ておいてくれ」

 

シービー「おやすみ、トレーナー」

 

二人はそう言い残し、部屋を出た。トレーナーは直ぐ寝るのも勿体ないと思い、お土産コーナーに足を運んだ。お土産にはよくある、剣や竜を模ったストラップやキーホルダーがたくさんあった。トレーナーは食品コーナーを見ていると栗色の髪が特徴のウマ娘がご当地商品に、頭を悩ませていた。

 

 

 

 

 

 

 

?「う~ん、どうしようかしら……刻みニンニクのふりかけと生姜のふりかけか、う~ん……」

 

佐竹「あの~どっちも買った方がいいと思いますけど……合わなかったらやめればいいと思いますし」

 

?「そうですね……そうします、ダスカのトレーナーさん」

 

佐竹「えっ!?何で?!……もしかして、リボンさんが居るって事は……」

 

インク「なら、私の事はご存じかもしれませんね。スカーレットインク、四姉妹の母です」

 

最初見た時、思ったよりも若かったので旅行で来た普通のウマ娘だと思った。

 

佐竹「は、初めまして。ダイワスカーレットのトレーナーをしてます、佐竹です。リボンさんと一緒だったんですね」

 

インク「あの娘の気分転換で連れてきたの。私が単純に温泉入りたかっただけなのよね~」

 

佐竹「そ、そうなんですねぇ……」

 

インクさんの事情を知り、立ち話をしていると旅館の男性客が入って来て、恐らく食品コーナーに用があるらしくインクさんに一言。

 

男「おばさん、そこ退いてくれない?買いたいものがあんだけど」

 

佐竹「おばッ!?」

 

トレーナーから見たら、若奥様にしか見えないが男性客はそうではなかったらしい。少なくともトレーナーは年上好きなので付与されている節はある、そしたら明らかにインクさんの表情が怒りを帯びていた。先程、ルドルフから噂は聞いていたが普通に怒らせたらヤバいやつだと思った。そして笑った表情のまま、男性に近づき始めた。

 

インク「今……何と仰いましたか?聞こえなかったので、私の耳元で喋って下さる?」

 

男「えっ!?な、何だこの人……おい、お前ッ!何とかしろ!!」

 

佐竹「いや~……謝った方がいいと思いますけど」

 

インク「聞こえなかったのですか?もう一度、お願いします……」

 

男「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

インク「失礼な方ですね、私を見て逃げるなんて……はぁ、まぁ私もいい歳だものね」

 

佐竹「少なくとも俺はそう見えませんが……」

 

インク「あら♪嬉しいわ~。……トレーナーさんはご結婚を決めた相手はいらっしゃるのかしら?」

 

佐竹「いえ、まだ誰もいませんし……ましてや彼女すらまだなので」

 

インク「それじゃあ、ダスカはどうかしら?私もブーケの話を聞く限りあの娘、あなたの事好きみたいですし」

 

佐竹「まさか~そんな訳ないじゃないですか、俺よく怒られてますし」

 

インク「まぁ、そういう事にしておきましょう。トレーナーさん、暇を頂けるのであればいつかスカーレット家の御屋敷にご招待します、勿論ダスカも一緒に。では、また」

 

佐竹「はい、その際は伺います…………優しそうな人だったけど、やっぱ怖ぇ……」

 

少し時間が経ち、トレーナーはもう一度温泉に入り直し一時間ほど浸かった。そして温泉から上がり、フルーツ牛乳を飲み干し部屋へと戻ったがまだ二人は戻って来ていなかった。心配ではあったが二人共ウマ娘だし、痴漢に遭ったとしても返り討ちだろう、ルドルフもいる事も考えれば。トレーナーは用意されている布団を敷き、眠りに就いた。トレーナーが夢現のままでいると、物音に気付いた。二人が帰って来たのだろうと思い、トレーナーは再び目を瞑った。次の日になり、目を開けると二人の寝ていたであろう布団があった。だが、そこには二人の姿は無かった。トレーナーは何処に行ったのだろうと思ったが、微かにシャワーの音がした。朝風呂なのだろうと思い、トレーナーは安心し布団を畳んでお茶を飲みながら待った。二人がお風呂から上がり、部屋に戻ってくるとトレーナーは二人の姿に驚いた、髪が短くなっていたのだ。それに昨日、トレーナーがボブが好みと発言した事によりフラッシュの髪形にそっくりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐竹「夜切りに行ったんですか?!有言実行が過ぎる……」

 

ルドルフ「それよりどうだ?トレーナー君。似合っているだろうか///……」

 

シービー「いつも同じ髪型だったから新鮮でしょ?」

 

佐竹「似合ってるけど……俺はいつもの髪型の方がかわいいですけど……」

 

ルドルフ「えっ……」ガーン

シービー「えっ……」ガーン

 

佐竹「今のもめっちゃ可愛いですからッ!そんな落ち込まないで下さい」

 

ルドルフ「よかった……」ホッ

シービー「よかった……」ホッ

 

シービー「ねぇ!ご飯食べたら、ゲームコーナー行こうよ!古いアーケードゲームが沢山あるみたいだよ」

 

佐竹「おっ、いいね。朝食食べたら行こう」

 

バイキングで朝食を済ませ、早速ゲームコーナーに行く事にした。

 

 

 

 

 

 

 

佐竹「いっぱいあるなぁ、どれからやろう」

 

ルドルフ「トレーナー君!私のぬいぐるみがあるぞ。あれを取ってくれないか?」

 

佐竹「ルナさん欲しいんですか、自分の?」

 

ルドルフ「いや、トレーナー君が持っていれば、夜の寂しさを埋められると思ったのだが」

 

佐竹「寂しくはないですけど俺の寮、殺風景だし取ってみますか……」

 

シービー「頑張れー」

 

早速チャレンジするのだが、ゲームセンターにもほとんど行かないトレーナーは果たして取れるのか不安だった。案の定何回も繰り返す事になり、数十回試しやっとの思いで取れたがお札が二枚ほど飛んでいった。ぬいぐるみであるものの、本人に似せて目元がキリッとしている。それでもぬいぐるみと言うのもあり、愛らしさが溢れ出ていてトレーナーは自然とぬいぐるみを優しく抱いた。それを見ていたルドルフは、少し不服そうな目でこちらを眺めていた。

 

ルドルフ「トレーナー君……私も抱いてもいいんだぞ?ぬいぐるみより抱き心地はいいと思うが///……」

 

佐竹「えぇ……先と言ってる事違うじゃないです……」

 

ルドルフ(口が裂けてもぬいぐるみに嫉妬したなどと言える訳がない……)

 

佐竹(かわいい……)

 

佐竹「え、えっと……今度は何しようかなぁ」

 

シービー「トレーナー!格闘ゲームやろうよ。特訓の成果見せてあげる!」

 

佐竹「一回も勝てた事がないシービーが特訓したところで無駄ですよ」」

 

ゲームが始まり序盤はトレーナーが有利だったが、偶然が重なり後半は追い詰められ始めて負けた。シービーの実力と言うより奇跡が続いたとしか言いようがなかった。

 

シービー「やったー!初めてトレーナーに勝ったー!」

 

佐竹「俺が……負けた?あり得ねぇ……」

 

ルドルフ「気を落とすな、トレーナー君。偶々なのだからノーカウントではないか?」

 

佐竹「でも、負けは負けなので……」

 

トレーナーが項垂れているとシービーはプリクラを発見し、三人で撮る事にした。三人で仲良く撮った後はそれぞれ二人ずつ好きなポーズで撮る事にして先ずは、ルドルフとトレーナーになった。ルドルフはトレーナーにこんな提案をしてきた。

 

ルドルフ「トレーナー君、私の髪を両手で触りながら微笑んでいる姿で撮って欲しい///……」

 

佐竹「えっ?いいですけど…………こうですか?」

 

ルドルフ「あぁ///そのままで……」

 

トレーナーの身長は170センチでルドルフは165センチ、そこまで身長差がある訳では無いのでルドルフの息がトレーナーの首元に常にかかる状況。トレーナーは恥ずかしさのあまり早く抜け出したいと思ったが抜け出せなかった、今のルドルフの短くなったボブヘアーに夢中になり手を放す事が出来なかった。何だかんだ言ってトレーナーの性癖に刺さり過ぎて理性が壊れそうになっていた。そんなトレーナーを見てルドルフは声を掛けた。

 

ルドルフ「トレーナー君///どうしたんだ、息が荒いぞ?」

 

佐竹「はぁ……はぁ……ッ!」

 

カシャッと音が鳴り音声が流れ、プリクラが終了した。あのまま音声が流れなかったら何をしていたか自分でもわからなかった。これがあともう一回続くと考えたらと思うと、汗が止まらなかった。そしてシービーの番が来て、要求はお姫様抱っこらしい。デートをしていたカップルを目撃して自分もやってもらいたい、との事で選択したらしい。トレーナーは案外恥ずかしさはないものだと思ったが、実際やってみると心臓が痛いほど恥ずかしかった。シービーは両腕をトレーナーの首に回して、キスが出来る程近い距離まで詰めてきた。シービーは悪戯っぽく笑いながら見つめてきた。

 

シービー「どう、お姫様抱っこする気分は?」

 

佐竹「普通に恥ずかしい///……」

 

シービー「あははっ、かわいいね!トレーナー」

 

これほど近いとまつ毛の長さ、瞳の色彩までくっきり分かる。瞳の色はまるでナイルブルーのような、くすみがかった青緑。そして端正な顔立ちにこのボブヘアーで、トレーナーは引き込まれていきシービーにドンドン近づいていった。

 

シービー「えっ///ト、トレーナー!?ち、近いって///!ちょっと!?」

 

シービーが暴れた事によりトレーナーの口がシービーの鼻に触れてしまった。シービーの鼻にキスしたような形になり、シービーの顔は真っ赤になった。そのまま中から出て行き、トレーナーも正気を取り戻しゆっくり出てきた。そしてガコンッという音が鳴り写真はちゃんと撮られており、ルドルフはプリクラを手に取った。そのプリクラには鼻にキスをしている姿がバッチリ写し出されていた。ルドルフは鬼の形相でトレーナーを睨んだ。

 

ルドルフ「トレーナー君……君は……」ハイライトオフ

 

佐竹「こ、これは……何と言うか……」

 

ルドルフ「もう一度取り直さないか?じっくり、時間をかけて……」ハイライトオフ

 

佐竹「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そして二人は延々と色んなポーズを撮り続け、ルドルフはホクホク顔で自分たちの部屋に戻って行った。一方シービーは恥ずかしさを忘れる為に水風呂と温泉を交互に繰り返し、何とか忘れようとしてある程度時間が経ち、仏の顔になりながら部屋に戻った。時間が過ぎ夕食の時間になり、またバイキングに足を運んだ。夕食も食べ終わり、約束していたカラオケバーに三人は向かった。お客さんは自分達の三人だけでバーテンダーが笑顔で出迎えてくれた。部屋の雰囲気は照明は暗めで、ソファーは円形に並べられムーディーな感じの印象だった。そしてトレーナーは前の過ちを犯さない為に、予め酒は飲まずソフトドリンクを注文した。二人は早速カラオケで歌いだし、持ち歌でもある『winning the soul』を選曲し熱唱した。トレーナーは二人の歌声を聞いて数時間経つが全く飽きず聞いていられた。いい時間になりトレーナーはカラオケバーを出ようとするのだが、シービーに袖を掴まれ止められてしまった。理由を聞くとまだここに居たい、と我儘を言ってきた為無理矢理連れて行こうとするが……。

 

 

 

 

 

 

 

シービー「やだやだー!ここにいたいー……」ポワ~

 

佐竹「シービー、ちょっとおかしくないですか?」

 

シービー「おかしくない~。ねぇ、トレーナーまだ一緒に居ようよ~」

 

佐竹「部屋に行っても一緒ですから大丈夫ですよ?……ルナさん、何でこうなったんですか?」

 

ルドルフ「それが、シービーがお酒の匂いを嗅ぎたいと申し出てな。言っても聞かなかったのでな、マスターがご厚意で開けてくれたのだがこのような事に……」

 

シービー「トレーナー、抱っこしてよ~抱っこ~」

 

ルドルフ「トレーナーくぅん?……」ハイライトオフ

 

佐竹「まだやってませんからッ!?そんな殺す目で睨まないで下さいよッ!!」

 

シービー「隙ありっ♪……えへへ、暖かぁい///」

 

佐竹「歌ってる時、すげぇ格好良かったのに、酒って怖ぇ……」

 

ルドルフ「ほら!シービー。トレーナー君が困っているだろう?離れろ」

 

シービー「やだやだやだッ!アタシの湯たんぽだもんッ!!」

 

全く言う事を聞かないシービーは挙句の果てにとんでもない事をしでかす。

 

シービー「あむっ♪」

 

何とトレーナーの首筋を甘噛みし始めた。それをルドルフが剥がそうとするのだが、シービーの尋常じゃない力でトレーナーの体をホールドしている為、中々離れない。腕が食い込んでトレーナーは痛みに耐えるのに必死だった。

 

佐竹「痛い痛いッ!早く何とかしてくださいッ!」

 

ルドルフ「やってはいるのだがッ、無理だッ……」

 

シービー「んふふ~♪」

 

暫くホールドされた状況が続いたが、力尽きてしまったのかシービーは寝てしまった。そこでやっと、トレーナーは解放され会計を済ませ三人はカラオケバーを出た。部屋に戻りシービーを布団に寝かせ、同じくして二人も静かに寝る事にした。そしてトレーナーが寝入りそうになった時、布団の中で何かがモゾモゾ動いていた。トレーナーが捲るとそこにはルドルフが潜り込んでいた。何故布団に入って来たか問い詰めた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルドルフ「そ、それは……シービーが羨ましくてな。お酒の力を借りていたとはいえ、私もッ!く、首筋にキスしたいッ///どうだろうか?!トレーナー君……」

 

佐竹「恥ずかしいですよ、普通に……」

 

ルドルフ「だがトレーナー君、私は知っているぞ?プリクラの時、君は何かを我慢していたと思うのだが……あれ程息を荒くしていた姿。あれは私に欲情していたのではないか///……違うか?」

 

佐竹「うっ///そ、それは……でも、首筋は無理なんですッ!」

 

ルドルフ「ならばどのような行為がいいと言うんだッ!?トレーナー君の許容できる範囲でいい……私も嫉妬でどうにかなりそうなんだ///」

 

佐竹「う~……抱き締めるだけなら大丈夫です」

 

ルドルフ「本当か?!では早速…………あぁ、暖かい///トレーナー君の抱き枕……欲しいなぁ」

 

ルドルフ(あぁ、『壊して私だけの物』にしたい。だが、トレーナー君を傷付ける訳にはいかない……赤ちゃんを扱うようにせねば)

 

佐竹(この人、心の中でこんな事考えてんのッ?!恐過ぎでしょ……)

 

トレーナーはその一言を聞いて身動き一つとれなかった。そして朝を迎え、トレーナーは正直眠れず目がギンギンに開いた状態であったが、ルドルフの方は何故か悟りを開いたような顔をしていた、何故かは本当にわからないが。シービーも目覚め、昨日の夜の事は何も覚えてはいなかったのは幸いではあるが暫くの間、トレーナーはシービーの顔を見る事が出来なかった。最後の一泊は何も起こらず、三人仲良く温泉を楽しみ周辺の観光施設に足を運びその日は終了。三人は身支度を済ませ、バスで駅まで乗り新幹線で学園へ帰って行った。楽しみも束の間でウララのトレーニング期間でメイセイオペラに追い付かなければならない。そしてそれを明けたらタイキの海外遠征も視野に入れなくてはならない。タイキがどこまで海外に通用するか楽しみでもあるトレーナーであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




気付いたんですがスカーレットインクとノーザンテーストの間の子供、6頭いるんですけど、4頭は牝馬で四姉妹、2頭は牡馬。これ、ウマ娘の世界だと六姉妹になるんかなぁ。
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