内容は忘れてるので、先に謝ります。
タキオンの転送装置のお陰で、二つの世界を行き来出来るようになって数か月。
トレーナーは休日を満喫、しているのだが。
その情報をどこで手に入れたのか、テイオーが暫く家に遊びに来ている。暑い夏の日に。
テイオー
「トレ~ナ~……アイス~」
佐竹
「自分で取ってきなさい。そんなにだらしないと、ルドルフに怒られるぞ?」
テイオー
「だって~……暑くて何もしたくないんだも~ん。それに、会長は学園で忙しそうだからトレーナーの家に遊びに来てるんだよ?」
佐竹
「だからって、転送装置まで使って会いに来なくてもいいだろ?」
テイオー
「もう……トレーナーは冷たいな~。ボクがわざわざ逢いに来たのに……」
ソファで寝転びながらテレビを眺めるテイオー。
薄着で寝返りをうつ為、トレーナーはその度に目線が天井に向いてしまう。それに気付いたテイオーは、その目配せを見逃さなかった。
テイオー
「んふ~♪ トレーナー、どこ見てるのさ~?」
佐竹
「天井の埃だが……?」
テイオー
「ボクがランニングシャツ一枚とホットパンツだから、興奮してるんじゃないの~? やらしい~♪」
佐竹
「大人を揶揄うな」
テイオー
「ボクだって大人だよ、三年もレースに出てるんだから」
佐竹
「お前は中学から高校に上がっただけだろ? まだ曖昧な時期だから、大人じゃない」
テイオー
「トレーナーがそこまで言うならいいもん! ボクの胸が大きくなっても、トレーナーには絶対揉ませてあげない!!」
佐竹
「はいはい……」
トレーナーは軽くいなしながら、口論するだけだと思って冷凍庫からアイスを取ってくる。
すると、テイオーはテレビを眺めながら大声を上げる。
テイオー
「ねぇ、トレーナー! 遊園地行きたい!」
佐竹
「えぇ……こんな真夏に?」
テイオー
「何で~? いいじゃんか~……こっちのアトラクション、面白そうなんだもん。夏限定のアトラクションで水鉄砲で撃ちたーい!」
佐竹
「まぁ、向こうとは全く違うからな。新鮮味があっていいかもな」
テイオー
「行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい――」
佐竹
「分かった分かった……。いつ行きたいんだ?」
テイオー
「今日! 今行きたい!」
佐竹
「今日!? 当日券売り切れてるかもしれないぞ? 一応ネットで調べるか。まだ朝だから、売り切れてるとかは無いだろうけど」
テイオー
「ねぇねぇ、トレーナー。このユニバーサルスタジオジャパンって、何処にあるの?」
佐竹
「大阪だな。東京からだと、お昼前には着くかな」
テイオー
「じゃあ、早速行こうよ!」
佐竹
「そのままで行くのか?」
テイオー
「いいよ。現地で服は買えばいいし♪」
佐竹
「最初はコンビニでチケット購入してから、駅に向かおう」
テイオー
「やったー! デートだー!」
佐竹
「あっ、アイス溶けてる……」
テイオーは拳を高く上げて、体全体で喜びを表現していた。早速車に乗り込み、近くのコンビニでチケットを購入する。
トレーナーはテイオーに、何か欲しい物は無いか尋ねる。
佐竹
「飲み物とか欲しいか?」
テイオー
「ハチミー!」
佐竹
「この世界には無いの。スポーツドリンクでいいな?」
テイオー
「えぇー……無いの? じゃあ、それでいいや……」
テイオーはハチミ―が無い事に不服なようで、助手席で足をバタつかせながら唇を尖がらせる。
チケット購入を済ませ、車内に戻るとテイオーはいきなり手をトレーナーの頬に押し当てる。
佐竹
「……何してるんだ?」
テイオー
「ボクの手から良い匂いしない? さっき、自分の首擦ったら偶然分かったんだよね~♪」
佐竹
「まぁ……良い匂いだけど。あまりこういうのは、他人にはやるなよ……?」
テイオー
「何言ってるのさ、トレーナーにしかやる訳ないじゃん。飲み物ありがと♪」
佐竹
「はぁ〜……」
ワザとやってるのかと思う程、テイオーは隙だらけな発言をする。トレーナーは頭を抱えながら車に乗り込み、目的の駅に向かう。
そうこうしている内に駅前に着き、近場のパーキングに車を止めて新幹線のチケットを購入する。
駅構内を歩いている最中、テイオーは終始トレーナーの腕に絡ませる。しがみついたまま、テイオーはスキップしながらずっと笑顔のまま。
佐竹
「そんなに嬉しいのか?」
テイオー
「当たり前だよ! 見た事ないアトラクションだし、雰囲気もボクのいた世界と違うし。何より、トレーナーと一緒だしね♪」
佐竹
「そうですか……///」
テイオー
「トレーナー照れてるの〜? ん〜♪」
朝からずっとテイオーに誂われるトレーナーは、不機嫌になる。
トレーナーは少し歩く速度が上がり、テイオーとの歩調が次第に合わなくなる。そしてトレーナーは、新幹線のチケットをそそくさと買う。
テイオー
「ねぇ、トレーナー……怒ってる?」
佐竹
「……怒ってない」
テイオー
「怒ってるじゃん。ねぇ、言い過ぎたのは謝るから許してよ……」
佐竹
「……」
テイオー
「ねぇ、お願いトレーナー……」
佐竹
「はぁ……俺も大人気なかった。ごめん……」
テイオー
「ホント? んふ〜♪ ありがと、トレーナー」
仲直りした二人は、乗車する新幹線に向かう。
その際、テイオーはトレーナーの手を引いて小走りになる。その途中、良い匂いに釣られて真横を向くと駅弁コーナーがある。
テイオー
「ねえねえ、トレーナー! 駅弁あるよ?」
佐竹
「少し小腹が空いたし、何か食べるか」
テイオー
「ボクはこのチキン弁当で決まり〜♪」
佐竹
「俺はヒレカツサンドにするか」
テイオー
「それ美味しそうだから、ボクにも少し頂戴?」
佐竹
「代わりにテイオーのも、少し分けてくれよ?」
テイオー
「え〜? どうしようかな〜?」
佐竹
「じゃあ、あげない」
テイオー
「あっ、ウソウソ!? ボクのもあげるからぁ……」
そんなおふざけをしながら、お弁当を購入して乗車する。
二人スペースの座席に座り、テイオーが窓際に座る。
テイオー
「この感じ、すっごくワクワクするね!」
佐竹
「テイオーだって色んなレース場に行くだろ? そんな新鮮味あるか?」
テイオー
「そうだけど……トレーナーと行くから楽しいんだよ?」
佐竹
「それは光栄です」
テイオー
「何さ~、その澄ました顔……。トレーナーはボクと居ても楽しくないの?」
佐竹
「そんな事は無いけど……面と向かって言ったら、恥ずかしいだろ?」
テイオー
「ボクとトレーナーの仲でしょ? 何、気遣ってるのさ。それより、お弁当食べよ! ボク、もうお腹すいちゃったよ」
佐竹
「動き出してもないのに、もう食べるのか?」
二人は早々にお弁当を開け、談笑しながらお互いのを食べさせ合う。
新幹線が動き始め、トレーナーは面白いと思ってとある写真集を広げる。それは、実馬トウカイテイオーの写真集だ。
テイオー
「トレーナー、これ何の写真?」
佐竹
「俺が初めて買ったトウカイテイオーの写真集」
テイオー
「トレーナーから聞いてたけど、全然違う生き物だね。耳と尻尾は似てるけど……」
佐竹
「そうだな。どうだ? 自分の顔を見て」
テイオー
「う~ん……わかんないけど、カッコいい?」
佐竹
「そうだろ? だから、写真集が売れたり色んなグッズが売れたんだ。今の時代でも、人気も高いしな」
テイオー
「へぇ~……ボクってこの世界でも人気なんだね」
佐竹
「ただ、俺達からカッコよく見えても同じ馬にはモテなかったんだよ」
テイオー
「えぇ!? 何で?! だって、これボクでしょ!?」
佐竹
「そうだけど……馬から見た好みは違うんじゃないか? 美醜観念とかさ」
テイオー
「ボクじゃないけど、なんか複雑……。でも、トレーナーが好きならいいや」
佐竹
「何だそれ」
テイオー
「この子はまだいるの?」
佐竹
「二十五歳で亡くなった。それでも随分、長生きだったな」
テイオー
「えぇっ!? ボク、そんな早く死んじゃうの?!」
佐竹
「動物の寿命が短いだけだから、今のテイオーは関係ないと思うぞ。人間で言うと七十歳は越えてると思うけど」
テイオー
「よかった~……トレーナーと一緒に居る時間が減らなくて」
佐竹
「全く別の生き物だから、心配するな」
そんな会話を繰り広げて数時間、いよいよ大阪に到着する。
空調の利いた室内にいた為、咽返る暑さが二人に纏わり付いてくる。
テイオー
「うえ~……。暑いぃ……」
佐竹
「東京より暑いかもな。また電車で移動だから、急いで乗り込むぞ」
テイオー
「えぇ……また電車~?」
佐竹
「仕方ないだろ……あと二回は乗り換えるんだから。ここから歩いたら、二時間以上かかるぞ?」
テイオー
「ボク、走って行けるけど?」
佐竹
「ランニングシャツ一枚で行ったら、汗だくで透けるぞ」
テイオー
「エッチ……♡」
佐竹
「ほら行くぞ」
テイオー
「何で無視するのさ~!」
邪な気持ちが湧いたトレーナーは、なるべくテイオーを見ずに無心を心掛ける。駅構内を歩き、次の目的地に向かう。
早速電車に乗り込み、人の波を掻き分ける。
混んでいる為、開閉扉の近くの吊革に摑まる。テイオーはトレーナーの服にしがみ付き、転ばないように体を寄せる。
テイオー
「狭いよ、トレーナー……」
佐竹
「東京も同じだろ、我慢だ」
テイオー
「えぇ……。あっ……♪」
テイオーは何かを思い出したようにトレーナーの胴に手を回し、大きく尻尾を振る。
佐竹
「そこまでくっつく必要ないだろ……。てか、尻尾はしまえっ」
テイオー
「揺れで倒れるかもしんないじゃん♪ それに、耳と尻尾はコスプレにしか思われないから平気平気♪」
トレーナーの胸元で頭をスリスリ擦るテイオー。
その度にテイオーの耳がトレーナーの顎を掠める為、痒い。薄着なのも相まって、トレーナーは何とか鋼の意志で耐えた。
そのパターンが乗り換える度に行われる為、トレーナーは電車の天井を見てやり過ごしながら、やっとユニバーサル・スタジオ・ジャパンに着いた。
テイオー
「着いたー!」
佐竹
「入場前なのに、人多いな……」
ゲートを潜る大勢の人だかり、その途中には地球儀が回りながら二人を歓迎している。
先程までは日本に居たはずなのに、一歩足を踏み入れると異国の都市に変わる。何もかもが珍しく見え、その場で立ち止まって写真を撮るテイオー。
テイオー
「すごーい! さっきまでと大違いだよ!!」
佐竹
「俺も始めて来たけど、これは凄いな……」
そして二人は入場券を係員に手渡し、中へと入っていく。地面も建物も日本の造りと違い、本当に海外に来たように錯覚する。
居ても立っても居られないテイオーは、トレーナーの手を引いて早速お店を回る。
テイオー
「ねえ、トレーナー! 先ずはボクの服、買いに行こうよ!」
佐竹
「そんな引っ張るなって!?」
最初に入ったのは、グッズ関係のお店。様々なキャラクターがプリントされた洋服、クッションやキーホルダーが沢山ある。
テイオー
「トレーナー、この服! 可愛くない?」
佐竹
「フード付きのティシャツだな、ゲームキャラがモチーフの。それにしたらどうだ?」
テイオー
「じゃあ、これにする♪」
佐竹
「ただこれ……キッズ用って――」
トレーナーが呼び掛けようとしたが、その一着を手にレジへと駆け込むテイオー。
気にせずその場で着ると、意外とすんなり袖が入る。子供用でも、少し大きめに作られていた為、テイオーでも着ることが出来た。
テイオー
「どう? トレーナー、似合う?」
佐竹
「赤も普通に似合うな。少しヘソ見えてるけど……」
テイオー
「暑いから丁度いいじゃん♪ それよりボク、あっちに行きたい!」
佐竹
「あっちって、どっちだよ……」
テイオーに促されるまま、ショップやレストランを通り過ぎてどんどん奥に進んで行く。
辿り着いた場所は、ゲームのステージを再現したアトラクション。様々なキャラが入り乱れる中を、クリアしながら進んで行くアトラクション。
テイオー
「入場する前に、これ買わないとダメ?」
佐竹
「パンフレットだと、次のステージに進まないって書いてあるな。そのバンド二つ買うか」
テイオー
「じゃあ、ボクはこの赤いエム!」
佐竹
「俺は緑のエル」
購入した二人はバンドを提示し、中に入る。
進んで行くと、大きな土管が目に入る。
テイオー
「わーい♪ トンネルだー」
佐竹
「声、結構響くな。何か床に泥付いてるし……」
テイオー
「出口だよ、トレーナー!」
佐竹
「おぉ……すごいな、これ」
テイオー
「何かいっぱい動いてるー!」
出口には色んなキャラクターが二人を出迎え、お客さんがブロックを叩いてコインを手に入れている。
テイオー
「この黄色いの何?」
佐竹
「それを叩いてコインが貰えるらしい」
テイオー
「ホントだ! 面白ーい!」
佐竹
「無邪気で可愛い……」
その後は様々なアトラクションを回り、暗いステージに入っていく。
テイオー
「何か不思議な場所……。キラキラ光って、綺麗……」
洞窟のような異空間に入っていくと、爆弾を模したキャラが爆発した。
テイオー
「うわっ!? 何か爆発した!?」
佐竹
「びっくりし過ぎだって」
テイオー
「ボク達はそう言う生き物なの! この反応が正常なのに、トレーナーはちっとも驚かないね……つまんない」
佐竹
「そう言うのに鈍感なんだよ、死んだことにも気づかないだろ」
テイオー
「――っ。だったら、ボクが守ってあげる! ボクの後ろに抱き着いていいから!」
佐竹
「あすなろ抱きになるだろ……」
テイオー
「いいからっ!」
佐竹
「はいはい……」
トレーナーは覆い被さるようにテイオーの体に抱き着き、腕に触れると彼女が少し汗ばんでいる事に気付く。
触るのを躊躇したが、離れようとするトレーナーを引っ張って再度体を引き寄せる。
テイオー
「何で離れようとするのさ……」
佐竹
「いやぁ……誰かに見られたら困るだろ」
テイオー
「何言ってるのさ、ここに来てるのボクだけだよ。転送装置だって、無断でそんなに使えないよ」
佐竹
「それもあるんだがな、普通に淫行で捕まんないかなぁと……」
テイオー
「許嫁設定にすればいいじゃん」
佐竹
「その場は切り抜けられるけど、世間から痛い目で見られるけどな」
テイオー
「トレーナーは良い訳ばっかり! そんなことはいいから、先に進もうよ」
強引に押し切られたトレーナーは、仕方なく抱き着きながらテイオーと一緒に進む。トレーナーは内心、歩きづらいのとどこまで触れていいか考えながら歩幅を合わせる。
アトラクションを進行すると、また爆弾が爆発する演出が訪れる。
テイオー
「ぎゃっ!?」
佐竹
「おっ!?」
テイオーは爆発に驚き、トレーナーは彼女が後退る反動に驚愕し、更に体が密着する。
テイオー
「ご、ごめん……トレーナー……///」
佐竹
「あ、あぁ……///」
お互い謝り、暫く二人は顔が見れなかった。
その中で、テイオーは顔を赤らめながらトレーナーの腕を自分の胸元に持ってくる。
テイオー
「お化け屋敷でもないのに、ドキドキするね♪」
佐竹
「それは……確かに」
テイオー
「もう出口だよ、お腹空いたから何処かで食べよ」
佐竹
「お昼も過ぎたから、お店もそこまで混んでないだろ」
コロコロ感情が変わるテイオーに振り回されながら、トレーナーはここの施設から近いレストランを探す。
そして近場に、ここのコラボ飲食店を見付けて店内に入る。お昼はとうに過ぎても、人はごった返している。
テイオー
「何処も人でいっぱいだー」
佐竹
「出入り口のテーブル席が丁度空いたな、そこに座ろう」
テイオー
「何食べようかなー♪」
佐竹
「頼むから、普段と同じ量で食べるなよ……。ただでさえ、ここの料金高いんだから」
テイオー
「えぇ~……。こんな美味しそうな匂いなのに、全部頼んじゃダメなの?」
佐竹
「流石に食費で数十万飛んでいくのは……やりたくないな」
テイオー
「じゃあ全種類、一つずつは?」
佐竹
「しょうがないな……」
テイオー
「やったー! トレーナー大好き♪ よっと……」
佐竹
「調子いいな……。ん……?」
二人はテーブルに腰掛けるが、テイオーはトレーナーの隣に座る。しかも、近い。
佐竹
「食べづらいだろ……こんなに近いと」
テイオー
「いいじゃんか別に~」
佐竹
「考えても無駄か……。じゃあ、俺はこのハンバーガーにするか」
テイオー
「ボクはトレーナーのハンバーガーの違う種類と、スパゲッティとパイ生地のグラタンと変わったティラミスと――」
佐竹
「本当に容赦ないな……」
テイオー
「頼んでいいって言ったのトレーナーで――。あっ、カイチョーだ! おーい! カイチョ――」
佐竹
「バカ、伏せろっ」
テイオー
「うわっ!?」
何故か、こっちにルドルフが来ている。
それに加えて、シリウスにクリスエスも何故かこの遊園地に来ている。
ルドルフ
「やあ、トレーナー君。この場で逢うとは、出逢いとは摩訶不思議なものだね」
佐竹
「や、やぁ……ルドルフ。それに、シリウスにクリエスも……」
テイオー
「何するのさ、トレーナー!」
佐竹
「ルドルフに見つかったら、俺の身が危ないんだよ!!」
シリウス
「会長様のお気に入りが、こんな賑やかなパークに一人でどうしたんだ? それとも、誰かとデートでもしてるのか?」
ルドルフ
「――!?」
佐竹
「い、いやぁ……。俺、ここの年間パス持ってるから……よく来るんだよ。あはは……。それより、三人はどうしてここに居るんだ?」
クリスエス
「タキオンの計らいと、理事長に頼まれて――社会勉強をしに来た」
佐竹
「社会勉強?」
ルドルフ
「詳細に言えば、トレセン学園で催しに関して学べるのではないかと思ってね。今回はシンボリの面々で、調査を頼まれたんだよ」
シリウス
「同じ東京で調べるより、他県に赴いた方が発見もあるだろ? それで大阪に来た」
佐竹
「なるほど」
ルドルフ
「それよりも、トレーナー君。……本当に一人なんだね?」
佐竹
「ひ、一人だけど……」
ルドルフ
「その言い澱み、加えてその脂汗。君は何か隠していないか? 本当は彼女と……なんて言ったりしないだろうね?」
佐竹
「……」
ルドルフ
「もし彼女であるならば、私も含めてテイオーも同様に悲しむだろうな……」
テイオー
「カイチョー! ボク、ここにいるよー!」
ルドルフ
「ん?」
ルドルフは聞こえた方向に目線を動かし、テーブルの下を覗き込む。
ルドルフ
「テイオー? 何故、隠れているんだ?」
テイオー
「だってー、トレーナーに隠れろって言われてさー……」
佐竹
「……」
ルドルフ
「私にバレて、何か都合でも悪いのかな……トレーナー君?」
佐竹
「いえ……決してそんな事は」
ルドルフ
「まぁ、テイオーなら何も問題は無いだろう。それより、この計画を提案したのはどちらだ?」
佐竹
「それは――」
テイオー
「はいはーい! ボクー!」
ルドルフ
「テイオー……。以前も言ったが、この世界にはウマ娘は居ない。耳と尻尾に関して、細心の注意を払って行動するべきだ」
テイオー
「えぇ……カイチョーだって、何も隠さないで制服で来てるのにー?」
ルドルフ
「私達はいいんだ。コスプレと思われれば、害はない」
佐竹
(テイオーと同じ事言ってる)
シリウス
「それはそうと、せっかく一緒なんだ。全員で廻るのも悪くないんじゃないか?」
クリスエス
「私達が居ては――トレーナーとテイオーの、邪魔では無いのか?」
ルドルフ
「……掘り下げるが、トレーナー君とテイオーは何しにここへ来たんだ?」
テイオー
「デートだよ!!」
佐竹
「……」
ルドルフ
「トレーナー君、困った時に天井を見る癖を辞めた方がいい。それは君の悪い癖だぞ。それにだなトレーナー君、テイオーを誘う前に先ずは私に話を通すのが礼儀じゃないか?」
佐竹
「何故……?」
ルドルフ
「テイオーが迷わず、安全なルートで目的地に向かえるように、先に私とデートするのが定石だろ!!」
佐竹
「誘っても忙しいんじゃないの? テイオーも言ってたし……」
ルドルフ
「書類仕事など、物の三秒で終わらせる」
シリウス
「おい、ジェスチャーでゴミ箱に投げる動作を取るな。はぁ……悪かったな二人共、後は両者で楽しんでくれ。ほら、行くぞ! 会長様」
クリスエス
「邪魔者は――退散すべし」
ルドルフ
「待て!? 今からでも……今からでも、トレーナー君と食事の食べさせ合いと水のイベントで濡れた衣服の着替え合いを――!!」
シリウス
「ねえよっ! そんなのっ!」
ルドルフは二人に両腕を掴まれたまま、出口へと消えていった。静かになった空間から、料理が運び込まれてお腹が鳴る。
佐竹
「取り敢えず、食べるか」
テイオー
「うん!」
食事が次々に運び込まれ、テイオーの皿がテーブルに乗りきらない。それでもテイオーは、ペロリと料理を平らげて周りの人に驚かれていた。
食事を終えて、お店を後にして少し周りを散策していると夏の期間中を開催されている、ウォーターアトラクションが始まっている。
テイオー
「ねえ、トレーナー! 水鉄砲で打ち合ってるよ、早く行こうよ!」
佐竹
「その恰好でするのか!?」
このアトラクションは特にルールが無く、エリア内に居る水鉄砲を所有している相手に水を掛けるだけ。
貸し出されている水鉄砲を二人は手に取り、様々な相手に水を掛ける。
テイオー
「あははっ♪」
佐竹
「ふふっ……」
テイオー
「うりゃー!」
佐竹
「冷たっ!? 仕返しだっ!」
テイオー
「うひゃあ!?」
佐竹
「あ、やべっ……」
トレーナーも調子に乗って、水をテイオーに過剰にかけた結果、先程買った服の生地が薄かったのか体のシルエットが分かる程に浮かび上がる。
咄嗟にトレーナーがテイオーを隠し、そのアトラクションから退出する事に。
テイオー
「……///」
佐竹
「……」
服が暑さで乾くまで、フードエリアの屋外テーブルで休んでいる。トレーナーは申し訳なさに少し気まずさを感じ、ドリンクを買いに行こうとする。
佐竹
「喉乾いたろ? 何か飲み物――」
テイオー
「こ、ここに居てよ……恥ずかしい///」
佐竹
「そ、そうか……」
数分その状態が続き、動く事の出来ない二人。
そんな様子を、ルドルフ達はこっそり覗き見ている。
ルドルフ
「何故あんなに湿っぽい雰囲気なんだ……」
シリウス
「テイオーも年頃だろ。好きな相手に不意に見られるのは、流石に恥ずかしいだろ?」
クリスエス
「……私達は――この行動を、いつまで続けるんだ?」
ルドルフ
「クリスエス、トレーナー君が変な気を起こさないか監視するのが、我々の務めだ」
クリスエス
「社会勉強という一貫は、どこに消えた?」
シリウス
「そう言うなクリスエス、今から面白くなりそうなんだ。テイオーの恋路がどうなるか、見てみたいだろ?」
ルドルフ
「ふっ、テイオーもまだ子供だ。そんなマセタ事は出来ないさ」
シリウス
「……油断してると、足下すくわれるぞ」
三人は監視しながら様子を窺い、トレーナーとテイオーは未だに動かない。
テイオー
「……」
佐竹
「……このまま暑い中に居ても熱中症になるから、やっぱり飲み物――」
テイオー
「ねぇ、トレーナー。ボクのこと好き?」
佐竹
「それはどっちの意味で?」
突然のことに意味が分からず、取り敢えず聞き返すトレーナー。
その物陰から、ルドルフは暴れ出す。
ルドルフ
「テイオー! 正気かぁぁ!!」
シリウス
「抑えろルドルフ!? クリスエスも手伝え!!」
クリスエス
「ふんっ!」
ルドルフ
「うっ……」
シリウス
「手刀で気絶させたのか……これで静かになったな」
何とか鎮静化したルドルフを尻目に、二人の方向に向き直る。
そしてゆっくり、テイオーは口を開いて応える。
テイオー
「もちろん、ラブの方で」
佐竹
「急にどうしたんだ?」
テイオー
「トレーナーには、恥ずかしい所もいっぱい見られたし……いいかなって」
佐竹
「今までのは違うのか……」
テイオー
「だって、こんなに好きって言っても……いっつもトレーナーははぐらかすして軽くあしらうじゃんか! ボクのこと嫌いなら、遊びに付き合わなきゃいいじゃん!!」
佐竹
「お、落ち着けって……」
テイオー
「いつも思わせ振りな事ばっかりして、生殺しにあってるボクの身にもなってよ!! 家にまで行って、こんなにアピールしてるのに全然靡かないし……。ボクが十代だから? そんなに年齢って大事? いつまでこの関係続けるの! 応えてよ、トレーナー!!」
佐竹
「……悪かった。いつか言おうとは考えてたが、そこまで思い詰めてたのか」
テイオー
「何さ……考えてたことって」
佐竹
「お前が来年、十八になった頃に結婚前提で付き合うかどうか、ずっと考えてた」
テイオー
「え……?」
佐竹
「ずっと俺も我慢してた……。テイオーの誘惑に、いつまで耐えられるか」
テイオー
「ちょ、ちょっと待ってトレーナー……/// ずっと前からトレーナーは、ボクのこと好きだったの?」
佐竹
「大好きだが?」
テイオー
「――っ///」
佐竹
「だからそんなに、焦る必要はない。いつかはそう言う関係になるからな」
テイオー
「じゃ、じゃあさ……今からでも、恋人の予行練習しようよ///」
佐竹
「俺が捕まる……」
テイオー
「ダイジョブだって♪ パパとママにオッケイ貰えば。一年位早くても、罰は当たらないよ。……トレーナー、ボクのこと幸せにしてよね♡ ニシシ♪」
二人は夕暮れに向かって、他のアトラクションを目指して腕を組みながら歩き出す。
そんな二人を陰ながら微笑ましく眺めるシリウスとクリスエス。
シリウス
「やるじゃねえか、トレーナー。これで丸く収まった……って、ルドルフ!? お前起きてたのか?!」
ルドルフ
「テイオーに先を越された……しかも、お互い両想いだったのか……」
シリウス
「失恋は誰にでもあるさ。さぁ、私らもパァッと遊ぼうぜ」
クリスエス
「めでたし――めでたし」
どのウマ娘とイチャイチャしたい?
-
タイキシャトル
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ハルウララ
-
ダイワスカーレット
-
ミスターシービー
-
シンボリルドルフ
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オグリキャップ
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サイレンススズカ
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ゴールドシップ
-
トウカイテイオー
-
ライスシャワー
-
ナリタタイシン
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スペシャルウィーク
-
エイシンフラッシュ