最新作です。
似たような話あったらご指摘下さい…。
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突然だが1つ俺の問いに答えてくれないだろうか。
あなたは高校生でいつもひとりぼっち。だが出会うとしつこく絡んでくる後輩がいるとする。
後輩は異性限定。それも生徒会長だとする。
その後輩はとてつもなく言動があざとく、いつもあなたをからかって反応を楽しんでいる。
さてこの時あなたは仕返しをしようと思いますか?
答えは否…なんて解答する人がいるのだろうか。絶対にいないと断言できる。
俺は仕返しがしたい。やられっぱなしは癪に障る。
といっても異性の後輩に暴力で仕返しなんて出来やしないし、そんな過剰に仕返す必要もない。
あいつは俺の反応を見て楽しんでたんだ。ならそのフィールドで仕返してやろうじゃないか。
まず最初は何をしてみようか。なんか楽しみになってきたな。
覚悟しとけよ一色いろは───。
☆☆☆
一色と校内で出会う頻度は高くない。元々マンモス高の為に運に頼るしかないのだ。
狙ってエンカウントしようものならそれはストーカーと呼ばれる。
彼女は生徒会長で俺はぼっちを生業とする男子高校生。
ただ、俺が所属する部活動を介せば彼女と出会う事は多々ある。
「うーす」
今日も今日とて俺はその部活動に参加する。名前は「奉仕部」と呼ぶ。
この名前の由来などは知る由もないが、ただまあなんとなく部活内容に寄っているので特に気にする必要もない。
部員は俺を含め3人。学校によればそれは同好会とか呼ばれたりするような規模。
だが部の雰囲気なら全国でも上位に食い込むレベルだろう。知らんけど…。
部員の紹介をしておくか。
俺が今座っている場所から見て左手に見えるスマホを片手に机に並べられたお菓子を貪っている女生徒。
彼女の名前は由比ヶ浜結衣。
俺と同じクラスだがぼっちでカースト最下位の俺とは裏腹に、クラスの中心に位置している所謂、イケイケ夕張メロンだ。うん…色んな意味でね。
なぜそんな彼女と同じ部に所属しているのか今までの経緯を説明してしまうとめちゃくちゃめんどくさいので知りたい方は是非Wikipediaにて。
そしてその由比ヶ浜の奥に座する黒髪ロングの女生徒。彼女の名は雪ノ下雪乃。
奉仕部の部長。放課後はいつも紅茶を淹れてくれる。まあ良いところのお嬢様である。
所作も一々綺麗だが、そんな彼女は非常に毒舌。
過去に様々な毒舌ミサイルを喰らった人間は山程いるとのこと。ちなみに俺もその1人。
そんな雪ノ下は頭脳明晰で運動神経も良い。が、毒舌が相まってコミュニケーション能力が高いとは言い難いレベルだ…人のこと言えないけど。
ここらで大まかな紹介は辞めておこう。
「あら。貴方いつ来たの?空気が汚染されてやっと気付いたわ」
数分ほど置いて雪ノ下雪乃に話しかけられた。
ミサイル発射ですよ。何発も喰らってるわ。間違いなくそこら辺の花火大会より多いわ。
「敢えて比企谷菌って言ってないの?それなら毒舌も腕を上げてるな。防御しようがない」
雪ノ下とのこのやりとりも慣れたもんだ。漫才をやっている気分というか。
彼女もどうやら俺の返しにお気に召したようで、自分の淹れた紅茶を喉に通す。
とここで珍しく部室のドアが鳴る。
「お邪魔しまーす」
昨晩、脳内会議で熟考した敵。一色いろはがその姿を現した。
俺以外の2人に挨拶をすると教室後ろに積んである無数の椅子のうち1つを取って俺と由比ヶ浜の間に座る。
一色の容姿は亜麻色セミロングとくりっとした大きな瞳が特徴の美少女?。制服を少し着崩しており、クリーム色のカーディガンの袖が少し余っている。
よく口調や所作で、あからさまに可愛らしさをアピ-ルしてくる小悪魔。
そう!俺はこの小悪魔を壊してやりたい。あざとくない一色を見てみたいだけの単なる好奇心。そして少しばかりの仕返し。
昨晩と多少の気持ちの変化があったがそれは置いといて、なるべく2人きりの状況だとやりやすい。
彼女ら2人がいる状態でコイツに仕掛けると変な気がしてならない。
「先輩?どうされました?」
首をちょこんと傾げて上目遣いで問いかける一色。
あざとさ全開だが、声のトーンからしてそのような感情はないと予想。
「いや少し考え事をしていた」
「考え事って…もしかして私たち3人にこの状況でどうやって襲おうか考えてたって事ですか…。すいません。流石に引いたので距離取ります。ごめんなさい」
え?まじのドン引きされてるやん…。
ありきたりななんの変哲もない解答をしたつもりだったんだが…生憎外したようだ。
「一色さん彼に何を言っても無駄よ。この男常習犯だから」
おいおい俺に味方は居ないのかよ…。由比ヶ浜まですっごい目で見られるし、冗談でもキツイぞ。
というか常習犯て。前科あんのかよ。確かに何言っても無駄だな。
「あっ!そういえば今日先輩貸してくれませんか?」
さっきまでの話が無かったかのように一色が雪ノ下に両手を合わせてお願いする。
というか俺はモノじゃないぞ。れっきとした日本国民だ。奴隷みたいな扱いは受けてない。いや昔…。
「生徒会かしら?…そう。ならいくらでも使うといいわ」
泣きべそかいてたら一色に腕を掴まれて、気づいたら廊下に出てた。
「ほらっ!先輩行きますよ!」
なんか今日は元気がいいな。さっきの上目遣いといいすっげえかわ…。
いや待て待て。
趣旨が変わってしまってる…そうだ!今2人きりだしここらで1発かましてやってもいいのではなかろうか。
いやけど焦りすぎるのもよくないか。ただそんなこと言ったらいつまで経っても仕返し出来ないしな。
よし行こう。
「いろは。少し自販機に寄っていいか?」
「!?!?」
………反応ないな。鳩が豆鉄砲を食ったような顔してるけど。
「おーい。あれ?」
なんだろうこの達成感。知らないフリしてるけどめっちゃ達成感ある。
てか反応…可愛いすぎ。
「せ、先輩!今なんて言いました?」
「いや自販機寄りたいから確認取っただけだけど」
長居してたら俺の目的がバレる。ここは先に行ってしまおう。
「ちょ、まってくださいよ〜」
初手で分かった。あざとくない一色は可愛い。
少し妹の小町に重なることがある。既視感という名も持ち合わせつつの新鮮さ。
くら寿司なら1番売れるだろうな。
☆☆☆
なんとか話題を逸らして生徒会室に辿り着いた。
自販機で一色に奢ったりはしなかった。なぜなら俺が下の名前で呼んだことが幻聴ではなかったんだと思わせてしまうから。
一色の中であれは幻聴に留まっている。下手にアクションを起こす必要はない。
それに奢りなんか俺の柄じゃないし、変な目で見られる…自販機に。
生徒会室に人の影はなく俺と一色のみ。手伝いなのに現役生徒会役員は居ないのか。
何かしらの意図があるのかと考察するが手元の情報では最適解にたどり着くことができないので考えるの辞める。
「これとこれを先輩にはお願いします。終わったらこっちの方も。あとそれと…」
かなり多いな。普通に罰ゲームだろこれ。
「今日中には終わらんだろうな」
そうですねー。なんて一色は呑気に言うが、生徒会長は大変なんだと同情したりする。
一色が生徒会長になった理由はほぼ俺のせいだし。可愛い後輩の為に手伝ってやらんことでもない。
「手伝って欲しいことがあったらいつでも言ってくれ」
考えてた事が普通に口に出たと気づいた。
「………は、はい」
…えっ?なんか間違えた?もしかしてナチュラル攻撃になってしまったか。
一色の顔を確認したいが反応を伺って楽しんでいるのバレてしまう。
あぁ…ヤバい。手元にある書類の情報が全然入らなくなってきた。集中しよう。
めちゃくちゃ気になるな。
いやいや待て待て。仮にここで一色が攻撃を受けていたとしてもいつも通りの俺を演じればいい…はず。
「せ、先輩」
「ん?なんだ?」
顔が赤い。ナチュラルヒットしただろこれ。というか一色の上目遣いマジやばい。
「えぇ、いやぁその……今日」
「ん?どうした?」
畳み掛けてみるか。ベタではあるが一色の体温測ろうとおでこに手を当てて測る。
これでいこう。
「熱でもあんのか?」
「あっ…うぅ…あ、りがとぅ…ご…ます」
……かわいい。後半聞こえなかったが俯き顔が非常に…。なんか仕返しすぎてる気がするが、まぁいいか。
ということで一旦インターバルを挟む必要があるので仕事に戻ります。
横目で一色を見てみるがもう立ち直ったみたいで手元の資料に頭を悩ませていた。
生徒会の仕事ってやっぱ大変なんだな。
忌まわしき文化祭も最初から最後まで大変だったが、生徒会の仕事はまた別の意味で大変だ。
ん?これは…。
「文化祭のアンケートか…」
ちょうど。文化祭準備の光景を頭に浮かべながら資料を1枚1枚捲っていると文化祭のアンケートが現れた。どうやら随分前の資料が残っているようだ。
「あ、それ。もう使わないんで捨てちゃってください」
ん。と淡白な返事をして後で捨てる用に机の隅に数枚のアンケート置く。
資料整理を終え、一色に指示されたように部屋の角に居座る80㎝ほどある大きめのゴミ箱に古い資料を捨てる。
ふと思ったことだが、案外この部屋は綺麗だ。ゴミ箱をずらして隅を見てみるがカビなどはなく、もちろん壁にシミなどなんて俺の目に映ることはなかった。
この教室っていつ掃除してるんだ?
なんとなく疑問に思った事を一色に聞いてみた。
「私が暇な時にやってますー」
可愛い柄のシャーペンを拙いながらに手の上で踊らしながら一色は答えた。
「こうみえて結構掃除とか料理とか得意なんですよ?」
へぇー。と口では答えたものの俺の中では一色の好感度は爆上がりした。
だって家事が得意な女子って最高だよね。
「えっもしかして私の手料理食べてみたいとか変な妄想してないですよね?」
うーん。今日は最後にこれで締めておくか。
「いや普通食べたいだろ。女子の手料理なんて男からしたら憧れの逸品だからな」
ぷいっと俺とは逆方向へ顔を逸らす。一色の表情は見えないが赤い耳をみてなんとなく想像できた。
「じゃ、じゃあ私が明日。先輩にお弁当作るって言ったら…食べてくれますか?」
グハッ!なんだこの上目遣い…。可愛すぎるぞ流石に。
「そ、それはもちろん頂くぞ」
なんなんだこの雰囲気。いや間違いなく俺のせいなんだが。めちゃくちゃ恥ずかしいぞ。
「ふふっ。なら明日私がお弁当作ってきますね。昼休みになったらここに来てください」
嬉しそうにまた書類仕事に取り掛かる一色。俺もやっとこの空気感が終わった気がして安堵する。
ふぅー。なかなか気を張る仕事だった…。時給は最低でも1200円ほどで平塚先生にお願いしておこう…。
ではまた明日。