気まぐれな吹雪   作:音子雀

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58、おバカな言い争い

場所はスペイン。

 

ここでの罪人の捕獲を終えたフィリミオと骸は、国内にあるとあるホテルの一室にいた。

 

そして、

 

「次はフランスでしょ!」

 

「いいえ、ポルトガルです!」

 

アホらしく言い争いをしていた。

 

次の目的地をフランスにするかポルトガルにするかで争っているのだ。

 

実におバカである。

 

この際どっちでも同じように思えるが、本人たちにとってはそう言うこともないらしい。

 

なんでも、人数を優先して動くか、距離を優先して動くか、と言う話らしい。

 

今までの流れとしては、捕獲人数が多い順に国を回り続けてきた。

 

しかし今回のポジションとして、それがどうもうまく行きそうにないのだ。

 

人数順で言うならば、フランスからポルトガルなのだが、その次に控える国がドイツと言うことを考えると、ポルトガルに行ってからフランスに行く方が距離的には楽なのだ。

 

フィリミオとしては今まで通りの流れで動きたいが、骸としては移動ルートだって重視したいところ。

 

だからこそこうして、約1時間ほど2人でぎゃんすかと言い争いを続けているわけで。

 

「このままじゃ全く埒が明かないね」

 

「奇遇ですね。僕も同じことを考えていましたよ」

 

「それなら話が早い。文句無しの一発勝負で決着をつけようじゃん」

 

ふっと、部屋が静まり返る。

 

そしてそれは、水道の蛇口から水滴が落ちたのと同時だった。

 

「じゃんけんぽん! あいこでしょ! あいこでしょ!」

 

勝負と言うのは、まさかのじゃんけんのことだった。

 

しかもとてつもなくうざったいほどにあいこが続く。

 

あいこが出るほど仲がいいとはよく聞くが、20回も続けているこの2人は正直に言って本当にうざい。

 

結局、決着がついたのはあいこが50回を超えた時だった。

 

「ふふ……うふふ……ふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……」

 

「クフフ……クフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ…………」

 

「あははははははははははははははははははっっ!!」

 

「クハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!

すみませんでしたっ」

 

「そうそう。わかればいいんだよ堕ナッポー(・・・・)さん」

 

「クフッ!?」

 

結論から言えば、フィリミオが勝利を収めた。

 

恨みたっぷり皮肉たっぷりの声で一言放つと、恨みたっぷりに足で骸を小突き続ける。

 

まぁ、それ以前にフィリミオが発してしまった禁句のおかげですでに完全撃沈しているのだが。

 

一人いじけ嘆く骸をよそに、フィリミオはさっさと布団に潜り込んで寝てしまうのであった。

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