気まぐれな吹雪   作:音子雀

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3ヶ月ぶりのお久しぶりです!

ギャグとシリアスの書き分けができません(´・ω・`)


77、これが本当の神頼み

「ねぇお願い要、あなたの中に私はいるの!?」

 

祈るように、すがるように絞り出された彩加の言葉。

 

それを聞いた要は拳を強く握り唇を噛み締めていた。

 

「オレの中にお前がいるか、だと? ふざけるな! お前は今まで何を見てきたんだ! このチョーカーだって銀に渡されてから一度も外したことなんかねえ! お前とあったあの日も、今も! それでよく忘れられたみたいな言葉吐けるな!」

 

要の怒号が部屋に響く。

 

彩加は、ハッと息を呑んだ。

 

怒る要の胸元、不良気質のある要のボタンの開けられたワイシャツの向こう、そこに紛れもない親友の証があった。

 

どうして見えていなかったんだろう。

 

どうして気づかなかったんだろう。

 

自分に問いかけて、即座に否定した。

 

見ようとしていなかっただけだ。

 

気づこうとしていなかっただけだ。

 

忘れられているかもしれない、そんな自分の妄想に取り付かれていたから。

 

「わ、私、私……っ」

 

ごめんなさい。

 

信じてあげられなくてごめんなさい。

 

そう伝えたいのに言葉は出なくて、代わりに涙だけが溢れ出た。

 

泣き崩れる彩加を、要はそっと抱き寄せた。

 

「いいんだ。お前が生きていてくれた。それだけで、オレにはそれだけで充分なんだ……。お前のいない世界が、どれだけ辛かったか……っ」

 

「要っ……」

 

泣いた。

 

涙が枯れるのではないかというほどに。

 

今まで溜まっていたものすべてを洗い流すように。

 

「ようお前ら! 久しぶりだな!」

 

が、必ず一人くらいは雰囲気を読めないKYと言うものがいるわけで。

 

「元気にしてたか! ……って、あれ? 2人とも? な、なんか殺気やばk」

 

「「土に還りやがれ駄神ィィィィ」」

 

「ギャァァァァァァア!!!!」

 

 

 

 

 

†‡†‡†‡†‡†‡

 

 

 

 

 

「それで、何の用なのかなァ」

 

「早くゲロッちゃはないと二度と喋れなくなっちゃうよォ?」

 

鬼の形相の2人の前にはいつもの2倍のたんこぶをつけて土下座をする銀の姿。

 

相変わらず神の威厳もない。

 

「実はさ、これからのことについて話に来たんだ」

 

「これからのこと?」

 

「もうすぐやって来る、アレだ」

 

その言葉に、彩加の表情が変わった。

 

待ち望んでいたものを待っていた、無邪気な表情。

 

銀は大きく頷いた。

 

「リング争奪戦だ」

 

 

 

 

 

†‡†‡†‡†‡†‡

 

 

 

 

 

「リング争奪戦ですって!?」

 

「ひゅ〜♪」

 

驚きを隠せないやちると明らかに楽しむフィアッカ。

 

そんな2人に説明をするのは漣志だ。

 

「そうなんス! 2人には綱吉側の守護者として参加してほしいんス!」

 

「まあ、元からそのつもりでしたが、なぜあなたが直々に?」

 

「よく分からないっス。僕だってセンパイに説明しろって言われただけっスし」

 

実のところ、銀は漣志には簡単な説明しか設けていなかった。

 

やちる、フィアッカの2人に綱吉側の守護者として参加しなくてはいけないということと、そこでやるべきこと。

 

なぜ、どうして、ということは一切伝えていない。

 

「センパイは言ってたっス。リング争奪戦に参加し、相手の守護者の力を消滅、または殺害しなくてはいけない。そしてそれは2人じゃないといけない」

 

「また大胆な要求だね」

 

「そうっスね」

 

「ちょっと質問いいでしょうか」

 

そこで手をあげてたのはやちる。

 

彼女にとって気になることが一つあった。

 

「ヴァリアー側の守護者とは誰なのですか?」

 

もし自分の相手が霜月要だとしたら。

 

そう思うと居ても立っても居られないのだ。

 

「分からないっス」

 

「なんですって?」

 

「ほ、本当に知らないんス! ヴァリアー側の守護者はセンパイが準備するとしか知らないんスから!」

 

分からなくちゃあ意味がない。

 

やちるは無意識のうちに舌打ちをしていた。

 

それを聞いた漣志は完全に震え上がっていた。

 

「へぇ、珍しくやちるがやる気だね♪」

 

そしてフィアッカも、それを楽しそうに見ていた。

 

 

 

 

 

†‡†‡†‡†‡†‡

 

 

 

 

 

「……で、リング争奪戦ってなんだ?」

 

話を全て終えたとき、要がポツリと漏らした。

 

「「え?」」

 

銀も彩加も素っ頓狂な声を出してしまった。

 

全く予想もしていなかった言葉が要の口から出たのだ、無理もないが。

 

だがそれくらい異常な言葉だった。

 

「お前……覚えてないのか?」

 

「覚えてるって何をだよ」

 

「原作を覚えてないのか!?」

 

半ば叫ぶように言うと、要は訝しげな表情を浮かべた。

 

「だから、何のことだよ」

 

銀は知らなかった。

 

要が自ら望んで原作の知識を捨ててしまったことを。

 

知識そのものが初めからなかったことにされたことを。

 

(これも、チョーカーの力だっていうのかよ……)

 

いつからか知識に固執しなくなっていたのは知っていた。

 

固執するなら骸を助けるなんてことはしないはずだから、そんなことはわかっていた。

 

「リング争奪戦ってのは、沢田綱吉側の守護者とヴァリアー側の守護者がお互いボンゴレリングを賭ける戦いだ」

 

「ボンゴレリング?」

 

「代々ボンゴレボスとその守護者達に継承されてきたリングのこと。ボスは自分が10代目になる為にツナを潰しにいく。その守護者が私たちヴァリアー幹部なの」

 

「それ、オレも巻き込まれるパターン?」

 

「うん」

 

彩加が頷くや否や、一瞬でorzの体勢になってしまった。

 

「帰りたい……」

 

「ま、まあどうせそのうち日本に行くからさ、その時ね?」

 

なんとか慰めようにもすでにさめざめと泣いている要であった。

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