坂田銀時の姉弟子になって鬼兵隊でドタバタする話 作:アルトリア・ブラック
勢いがあるのは最初だけかもしれませんが、阿伏兎とオバロの方は続きを書いているのですが、投稿する気力がなくて…ごめんなさい
「楽しかった」
「ただ遊びに行っただけでござるか」
万斉の言葉に久坂は頷く
「せっかく地球に戻ってきたし、弟弟子の顔を見ようかなと」
「…敵対関係でござろう」
その言葉に「まぁそうだけどね」と言って歩いていると、船の上に高杉がいるのが見え、足を止める
「ちょっとコンビニ行ってくる」
「何が欲しいんでござるか、拙僧が買ってくる」
そう言って久坂を羽交い締めにして船に連行する
「あ〜…晋助、怒るとめんどくさいんだよ〜」
「怒られるような事をするのが悪いんでござろう」
「ごもっともな意見だね」
「……ながっ」
高杉に二時間説教された久坂はそう呟き、館内を歩く
「長いも何も警護も付けずにどこ行くかも言わないで船から飛び降りたのが悪いんスよ」
また子の言葉に久坂は「だって、面白くないから」と言う
「久坂先輩、例の件で話したいことがあるんすけど良いですか?」
「んーいいよ」
「煙管って見た目に反して吸いやすいんだね」
「なんだ唐突に」
話し合いが終わった後、高杉と共に船の窓際で煙管を吸っていた。
「煙草にしようかと思ったけど、こっちにして良かった」
「…………」
↑久坂を煙管に変えさせた本人
「こう、煙草でも良かったけど、晋助が珍しくあんな止めてきたから驚いたけど」
「……煙草にしたら手前はライターで火傷するし、マッチ使わせたら勢いよく擦って発火させるだろ、手前にはそれで十分だ」
ライターを使うと何故か物凄い勢いで火がつき、火傷と髪が焼けるという大惨事になるし、マッチにすると勢いよく擦った所為で、火がついたまま折れてマッチが吹き飛ぶのだ。
火加減が下手くそすぎる姉弟子にため息をつく
「マッチ擦るの楽しかったけどなぁ」
「…ガキか」
二人は煙草をふかしながら外を眺めていると…
「晋助、今度の春雨と協力する話なんだけど、武市は反対してたけど、このまま押し通すの?」
「ああ、危険だからなんて言って避けてたら進まねぇだろうよ」
「ふーん。まぁ、春雨なんて危険でしかないけど、晋助がそう言うならいっか」
「…随分軽いな…お前、鬼兵隊副総督だろ」
「いやぁ〜生来、そういう難しいこと考えるの苦手なんだわ、私」
(…どっかの天パと同じこと言ってやがる…)
ー紅桜篇ー
「うわぁ、禍々しっ」
久坂は万斉と共に戦艦内にある紅桜を見てそう呟く
「まぁ、妖刀でござるからな」
万斉は興味なさげに呟く
「まぁ、こんなごっついとしても使える人間によって性能が違うんじゃ宝の持ち腐れだけど」
気怠げにガラスを軽く叩きながら歩く
「似蔵は保っている方でござろう」
紅桜を使用して白夜叉こと銀時を倒したと先程話に聞いたが、紅桜じゃ銀時は倒せないと知っているので
「まぁ、身体はまだ大丈夫そうだけど、その内、というか今日で峠は越えそうだけど」
二人は別の船に乗り、これから向かう春雨のいる地点に向けて出発する。
(…ヤクザみたいだなぁ、この天人達)
なんとか春雨と共闘することになったのだが、行った矢先から手を出してきた天人たちをフルボッコにして積み重ねていた。
その上に座って煙管を吸っていると…
「…った側から…」
万斉がプルプルと震えていた。
「どうしたの?」
「言ったそばから喧嘩買ってどうするでござるか!」
ムキー!と怒ってくる万斉。
「いやいや、私、先に手を出されるまで待ったからね?先に手を出したのはあっちが先だからね、正当防衛で刀がすっ飛んで行っただけだよ」
「『手を出されるまで待った』がおかしい!!逃げればよかったでござろう!?」
「万斉〜口調崩れてるよ」
「誰の、所為だと!」
「このまま鬼兵隊の戦艦に連れて行って宇宙のゴミとして廃棄処分しようか」
「…綺麗に、でござるよ」
「うん」
そう言って動き出す久坂と万斉を見ている人影に気づかず
春雨の艦隊と共に地球に戻ってくると、ちょうど、似蔵達と戦っているであろう銀時達が見えた。
避難してくる鬼兵隊の生存者達
高杉は隣までやってくると
「派手にやってやがるな、アイツら」
桂と銀時二人で天人達を倒して行っているのを見ていると、銀時と桂が剣先を向けてくる。
「高杉ィ!!」「久坂ァ!!」
二人の声が聞こえてくる
「次会った時は仲間も関係ねぇ!全力で!テメェらをぶっ倒す!」
「せいぜい街でバッタリ会わねえよう気をつけるんだな!!」
そう言って二人が飛び降りるのを見届ける。
船が飛び立ち、宇宙に行くと久坂は一人、部屋にいた。
松陽先生から貰った本を眺めてめくる。
『美和子は授業を真面目に聞いているフリをするのは如何なものかと思いますよ』
銀時と二人で説教されるのを思い出す。
『はい、ごめんなさい。今日の晩御飯を何にするか悩んでました!』
『そんな清々しいぐらいの元気な声で言われてもしょうがないとはなりませんからね?』
『ッチ』
『舌打ちはいけません』
軽い拳骨で地面にめり込む
『姉弟仲良く埋まってますねぇ』
『……いや埋めたの先生だからね?』
銀時のツッコミに松陽先生は笑う
『よっこらしょ』
そう言って地面から抜け出す
『晩御飯作ってきます。先生は何が良いですか?』
『そうですねぇ、今あるもので良いですよ?』
『俺!ケン●ッキー…ブベラッ!?』
拳骨されて銀時が目を回す
『銀時は補習ですよ、根本を理解していないので叩き込んであげます』
『なんで、久坂は免除なんだよ!!』
『美和子は根本をきちんと理解していますから良いんですよ』
ぎゃいのぎゃいの騒ぐ銀時の声をよそに久坂は台所に急ぐ
そこには小太郎と晋助がいて、料理の準備を始める。
小太郎の手つきを褒めると照れ、晋助はふてくされるのが見れて楽しかった。
『銀時、美和子。みんなの事を頼みますよ、約束です』
そう言って先生は奈落に連れて行かれた。
(…晋助が一番危なっかしい子だから着いてきたけど…これはこれで正しかったのかなぁ…)
そう思いながら本をテーブルの上に置く
あの日、先生の首を切ってしまった日から、みんなバラバラになってしまった。
先に抜けていた坂本にも声をかけられたが、弟弟子達が心配だからと丁重に断った。
晋助達も心配だったが、何より心配だったのは銀時で、先を知っているとしても不安でたまらなかった。
着いて行こうと思った矢先、銀時は何も言わずに消えてしまった。
小太郎に女性の一人旅は危険だと言われ、安全が確保されるまで共に活動しようと言われた。
小太郎の案に乗っても良かったのだが、首を振り、高杉と共に行くことにした。
茨の道だとしても、先に光なんてないとしても
「久坂様、総督が至急来て欲しいとのことです」
部下の声が聞こえてきて「はーい」と頷き、部屋を出る