リュウノスケェ!!に殺されたショタの姉に転生しました。   作:シーボーギウム

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直死の魔眼特化の転生者書きてえなぁ

そんな雑な感情から見切り発車した駄作です。

※9/15
見切り発車の影響で話の展開が変わりました。とは言え、最後のセリフが変わっただけですのでそこだけ読めば問題ありません。


第四次聖杯戦争編
Prologue 1


 その日も、私が過ごす日常は普通なものの筈だった。だが存外、日常というものは脆いらしい。

 

「嫌゛だァ!だずげッ!お゛ねぇ゛ぢゃっ!!あぎっ!!あがァ゛ァァ゛!!?!?」

 

 おぞましい足が、グチャグチャと弟を挽く光景。強過ぎる血の臭いに吐き気がする。

 

「恐怖という物には鮮度があります」

 

 ずくんと頭が痛む。同時に視界に走りはじめた、赤黒く脈動する無数の線が酷く鬱陶しい。

 あぁ、知っている。この光景を私は識っている。記憶がある、いや記憶を思い出した。今この時点を以って、本当なら泣き叫び、絶望する筈だった一介の小娘だった筈の私、"蓮葉識姫(はすばしき)"は、一般から、通常から、普通から、平凡から、日常から逸脱した。

 

(そうだ、感情には鮮度がある)

 

 それは恐怖に限らない。喜び、哀しみ、怒り、楽しみ。それらにも鮮度がある。私が今抱くこの感情にもだ。哀しみというには鋭過ぎ、怒りというには冷た過ぎる感情。この感情も、時間が経てば冷めてしまう。

 

(何か武器を………)

 

 鞄を下ろし、その中から筆箱を取りだし、更にその中から普通の15cm定規を取り出した。鋭さは要らない。それはこの感情が補ってくれる。力は要らない。それは()()()が証明してくれる。未だ喚く二体の害獣にゆるりと歩み寄っていく。扉の先、真っ暗な部屋の中で佇む獣共を睨み付けた。瞬間、獣共が、その身体に走る線にそってズタズタになる光景を幻視した。

 

直死

 

 駆け抜ける。呆然とする小さい方の獣のその頭部に向けて、その頭部に走る血のような線に向けて定規を振るう。獣の頭部が、ズルリとズレる。コレはもうどうでもいい。()()()()()。ならばもう一体の獣を殺さなければならない。

 振り返るよりも早く迫る死の予感。倒れるように身体を揺り動かし、無数に迫る触手が作り出す殺人領域の、極僅かな安全圏に身を滑り込ませる。

 

 再び、獣を見る。

 

 深く深く、その身に走る「死」を注視する。線が増えていく。線が太くなる。獣を注視すればするほどに、その密度が濃くなっていく。そして、線が獣の全身を覆うその寸前────

 

「キエェェェアアアァァァアア!!!?!?!?」

 

 特大の奇声。頭を抱え、全身をガクガクと震わせている。顔面は冷や汗で覆われ、元々イカれていたその眼は、遂に焦点すら合わなくなっていた。

 

(あぁ、そういうことか)

 

 ()()()()。これは、忘れてはならない。無くしてはならない。でなければ破滅するのは私だ。例えこの後直ぐに死ぬとしても、これを忘れる事は許されない。それが私に課せられた絶対命令だからだ。

 刹那の時間に、記録を終了する。定規をその首に向けて振るう。刃が肉を通っていく。数センチ程通ったところで、獣が叫び声を上げた。

 

「この小娘がァァアアア!!!!」

 

 振り抜く。何の重みもなく、定規は首を切断した。転がり落ちる首が、転がりながら粒子となって消えていく。

 

「………………」

 

 なんの感情も抱けぬままに、ただただ呆然とする。ふと、頬を何かが伝う。それを人差し指で拭えば、そこについているのは真っ赤な液体だった。自身の周囲に散乱するそれと同じ、赤い、赤い液体。()を殺した直後だというのに、命を奪ったことへの不快感はあっても、湧き上がる罪悪感は皆無。コレは別に、獣が相手だったからでは無い。この、経った数分の内に繰り広げられた地獄の中で、私の精神には致命的な欠陥が生まれていた。

 世間において、今私の足元で転がるこの獣は殺人鬼とされるのだろう。だがそれは違う。コレは獣だ。ただ欲求に従い喰らい、殺す。本当の殺人鬼は、ただ定めた相手を、殺すと決めた相手を、なんの感慨を抱くことも無く殺し尽くす怪物のことだ。

 

 (普通の少女)は、(殺人鬼)に成った。

 

 もう後戻りは出来ない。これから、私は何十人何百人と人を殺すだろう。それでも、家族が生きていたのなら、道を違えることは無かっただろう。

 でもその家族は今日獣によって死んだ。ならばもう、未練も無い。

 

 急速に冷めゆく感情に、()()に、再び熱を灯す。次にそれを向けるのは、自分自身。

 

 定規を首に当てる。目を瞑る。そして────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待ち下さい」

 

 この日、私の運命(fate)は大きく変わった。

 




プロローグなので短い。


蓮葉識姫
元一般人。現逸般人。実はかなりランクの低い魔眼持ちだった。その性能は0.何秒先の未来を視るというもの。本人は気付いておらず、先読み能力が他の人間より高い程度に思っていた。
弟が挽肉にされるというあまりにも強い「死」「殺人」を想起させる光景を見たショックで前世の記憶を取り戻した。
結果、両儀式の「織」の喪失、遠野志貴の二度の臨死体験とは比べ物にならない「本物の死の記憶」を獲得し、魔眼がそのまま直死の魔眼に変質した。
魔眼が別の魔眼に変質するとかあるんかそれ?とも思ったが、直死の魔眼は「究極の未来視」では?という言及もあるので多分いける。
根本的に転生者の魂とかいうトンデモないもんを受け入れられているボディなので、普通に使う分には直死の魔眼による負荷は皆無。肉体としても高スペックで、普通の人間の範疇は出ないが鍛えればオリンピック選手並の身体能力が手に入る。
それどころか「本物の死」を知っているので死の線を見たままでも普通に暮らせる。
これまた「本物の死」を知っている影響で「死の予感」なるものを感じ取れる。結果、馬鹿げた回避技能があり、サーヴァント相手でも最初の数発は避けられる。それ以降は普通に見切られて死ぬ。

「対象を死の線で覆う」
ジルドレェを発狂させた謎技能。当然直死の魔眼が絡むが、どういうものかは今はまだ秘密。これ使うと血涙流すがぶっちゃけ出力調整すればほぼノーダメ。よっぽど乱発するか出力爆上げしなければポンポン使える。

起源は隠す気も無いがとりあえず伏せときます。


???
識姫に声をかけた謎の人物。
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