リュウノスケェ!!に殺されたショタの姉に転生しました。   作:シーボーギウム

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お ま た(殺生院)

すいません、ガチ難産でした。あと今後ちょっと展開考えるのに必死で感想返す余裕がありません。多分ポロリする。
もちろん全部読ませて貰ってますがね。いつもありがとうございます。

次からは頑張って週一くらいには収めようと思うので許して……許して………



10.聖杯問答

「おぉい!!騎士王!!わざわざ出向いてやったぞぉ!!」

 

 突如ライダーに拉致られ、何事かと思えば彼は私達をアインツベルン城まで連行した。酒樽の時点で聖杯問答だろうとは思っていたが説明無しにいきなりはやめて欲しい。

 

「桜、これ付けておいて」

 

 投影した手袋を桜に渡す。まだ令呪を見られる訳にはいかない。

 

「ありがとう、ございます………」

「!」

 

 そう言う桜に、思わずキャスターと目を見合わせた。相変わらずその瞳に光は無く、表情にもほとんど変わりはない。だが僅かに柔らかな雰囲気を纏っていた。少しでも良い影響を与えられている、と考えていいのだろうか。

 

「ライダー、貴様何をしに来た?」

 

 と、そんな間にセイバーとアイリスフィールが現れた。見た所流れにそう違いは無い。しかしライダーとの会話の終わり際にセイバーが私とキャスターに目を向けた。

 

「彼女達は………?」

「余の連れだ。安心せい、ここで手出しするような無粋な輩ではない」

 

 どうやら参加は強制らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いささか珍妙な形だが、これがこの国の由緒正しき酒器だそうだ」

「違くね………?」

 

 柄杓の中のワインをセイバーへ手渡しながらそう言うライダーに思わずそう呟く。そして、同時に二人の英雄の視線がこちらに向けられたのを見て失敗を悟った。

 

「違うんか?」

「………それそもそもワインだからこの国でも普通にグラスに注ぐと思う」

「この国でも、てぇことはもしやこれはこの国縁の酒という訳では無いのか!?」

 

 かぁー!しまったァ!と額に手を当てるライダー。聖杯から現代の知識を与えられているとはいえ、やはり酒の知識までは与えられていないのだろう。ワインは確か16世紀とかそこらで生まれた品だ。対してイスカンダルが生きた時代は紀元前300年。まぁ知らなくて当然だろう。

 

「ぬぅ、仕方あるまい。娘、この酒を飲むに相応しい酒器を作れるか?3つ程頼む!」

「3つ……?どういうことだライダー」

 

 

「戯れはそこまでにしておけ、雑種」

 

 適当にワイングラスを3つ投影する。それに疑問を顕にしたセイバーの言葉の直後、金色の粒子と共にアーチャー、ギルガメッシュが現れた。背後のキャスターが身体を強ばらせるのを感じる。とっさにグラスを捨てて身構えた。流石にこの場で暴れ出すことはないと思いたいが、私という不確定要素がある以上、それは確約出来ない。

 

(オレ)にわざわざ足を運ばせた非礼、どう………」

「あん?どうしたアーチャー?」

 

 言葉の途中で、アーチャーの目が私へ向けられた。ほぼ無意識に警戒する。王特攻のあるシェヘラザードでも、あの英雄王に勝ち目があるとは思えない。神経を張り巡らせ、その動向を伺う。しかし、攻撃が飛んでくることは無かった。

 

「ククク、フハハハハハハハ!!!ライダー貴様!征服王を名乗り聖杯(宝物)を手にせんとしながらこれを見逃しておったのか!!?」

 

 アーチャーの嘲りの混じった、心底可笑しいといった笑い声に呆気に取られる。何事かと困惑する私達を他所に、アーチャーは相当上機嫌なのか自ら私の方へ歩み寄ってきた。顎に手を添えられ、顔を持ち上げられる。

 

「まぁ是非もあるまいか。持ち主すら本質に気付いておらぬ始末だ」

「何、を………」

()()()()

 

 ニタニタと笑みを浮かべながらそう言う英雄王。直死の魔眼は、確かに虹の階級足り得る魔眼だろう。だがそんなもの、かの英雄王からすればさほど価値のあるものだとは思えない。

 

「この眼は、()()()()ものだ。()()()()()ものじゃない………貴方が価値を見出すようなものだとは思えない」

 

 直死の魔眼は現代ですら存在し得るものの範疇に収まっている。確かに稀少なものだが、こんなもの、英霊の持つ宝具、特に神代の英霊が持つ宝具という、現代ではどう足掻いても存在し得ないものに比べれば無価値と言って相違ない。

 

「戯け、その程度の代物では無いわ。まぁいい。ところで………貴様、(オレ)の真名に察しがついているな?」

「っ!」

「フハハ!雑種の割には弁えているではないか。良い、興が乗った」

 

 空中から現れる黄金の波紋。そこから現れたのは一つの小さな瓶だった。

 

「これは………」

「ただの治療薬だ。知らぬままに潰されてはつまらぬ」

「?」

「いずれその眼を(オレ)に献上しに来るがいい。代わりに我が宝物の中から、貴様が望む物の一つや二つはくれてやる」

「おいおいなんだアーチャー!随分とその娘に甘いではないか!なんだ、もしや惚れたか!?」

「ハッ!(オレ)が雑種に惚れるだと!?この程度では足元にも及びつかぬ程の美女を抱いた(オレ)が?有り得ぬわ!」

 

 状況を理解出来ないままに英雄王はライダー達の下へ戻っていく。そうして私の知る通りの流れの後に、聖杯問答が始まった。

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 

「よりにもよって酒盛りとはな……」

 

 丁度三人の王による聖杯問答が開始された刻、遠坂時臣は自室で己のサーヴァントの動向に頭を抱えていた。だがそれは想定していた事でもあった。諦めに近いため息をこぼす時臣。そんな彼に、言峰綺礼が通信用の魔道具越しに問いを投げた。

 

『キャスターのマスターは如何致しましょうか?』

「………」

 

 現在、その酒盛りの場にはキャスターとそのマスター、そして桜がいる。綺礼の報告からして桜が暗示にかけられている状態と判断した彼は、初めは彼女のことを捨て置いた。だがその直後彼のサーヴァントが言い放った真名を看破されているという言葉によって、彼は否応なしに彼女へ思考の矛先を向けざるを得なくなった。

 

「………綺礼、アサシンにキャスターのマスターの殺害を命じるのはどうだろうか」

「………考えを詳しくお聞きしても?」

「もちろん」

 

 彼曰く、キャスターのマスターがアーチャーの真名を本当に知っているにしろ知らないにしろ、生かしておくメリットはキャスターの脅威を鑑みても皆無。ならばキャスターが傍におらず、隙を晒している今のうちに殺すべきではないか、ということだ。

 

「万が一暗殺に失敗したのなら、そのままライダーのマスターを狙ってライダーに神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)を超える切り札があるかどうかを探らせれば良い」

「なるほど、異存ありません。全てのアサシンを現地に集結させるのにおそらく10分ばかりかかると思われますが………」

「良し、号令を発したまえ」

 

 頬杖をつき、彼は行く末を見届ける準備に入った。

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 

 基本的には、やはり私の知る流れと変わらなかった。違った点は途中から英雄王直々にキャスターに酒を注ぐよう命令が下ったこと。内心めっちゃ嫌がっていたが逆らえば殺されかねないし嫌そうな態度を見せても殺されかねないので、見た目上は快諾したような素振りを見せていた。未だに若干震えているが。

 

「のうキャスター、そなたの意見も聞こうではないか」

「私ですか………?」

「そなたは王ではないが王に仕えた英霊。そうさな……そなたから見て、余達の中で理想の王に近いのは誰だ?」

 

 その会話に、それまでガン無視して桜に構っていた手を止めた。唐突に話を振られて困惑気味のキャスターだったが、三人から向けられる視線に逃れられないことを悟ったのか、一つため息をこぼしてから口を開いた。

 

「私が選ぶのなら………」

 

 そう言葉を区切り、彼女は視線をアーチャーに向けた。その様子にアーチャーは当然といった様子を見せ、ライダーは驚いたような、セイバーは納得のいかないような様子を見せた。私自身意外だったのだが、彼女の様子を見るに嘘というわけでは無いらしい。

 

「キャスター、貴様暴君の治世が理想などと言うつもりか?」

「私にとって理想の治世とはその国、時代に()()()()()()()()()()なのです」

 

 そう言い、キャスターはセイバーへ真っ直ぐに視線を向ける。

 

「実際に見たわけでもなく語るのは無礼な事は承知ですが、私が知る限り彼の王の国は豊かな国。民は強く、理外の脅威を除けば己の足で立ち上がり進むことができる者の集まり。故に暴君であることが許され、望まれすらした」

「馬鹿な!?暴君を望む民などいるわけがない!!」

「王よ、貴女は『暴君』の意味を履き違えています」

「なんだと!?」

 

 凄まじい剣幕のセイバーを前にして、しかしキャスターは怯まない。先程まで震えていたのが嘘のように堂々としている。

 

「強き民は、その強さが故に、己の導べ足り得る強き王を、()()()()()()()()()()()()()()()を求めるのです」

「……っ!だがッ!我がブリテンにそのような強さは無かった!!土地は痩せ、民は困窮し、敵は多かった!それでも尚我が治世は間違っていたと言うのか」

「はい」

「ッ!!」

 

 私はキャスターの姿に魅入っていた。死にたくない、そんなどこか俗物な願いを抱える彼女を、私は正直英霊らしくないと思っていた。だが今のその姿に、彼女も英霊足り得る存在なのだと理解した。

 

「王よ、貴女は希望を示し続けるべきだったのです。弱くとも、苦しくとも、危機に瀕していようとも、この王に付いて行けば間違いない。皆がそう思えるような強さを示し続けるべきだった」

 

「そうでなければ、その正しさは毒にしかなり得ない」

 

 絶句し項垂れるセイバー。過ぎた言葉をお許しください、そう一言告げてから、キャスターはその場から一歩、身を引いた。

 

 

 





識姫(聖杯問答は内容知ってるし聞かなくていっか)
征服王「(´・ω・`)」

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