リュウノスケェ!!に殺されたショタの姉に転生しました。   作:シーボーギウム

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感想評価ありがとうございます。

Q.ワインのガバについて
A.識姫本人の知識ガバってことにしておいて下さい()

因みに、一応アニメ見て漫画も見ましたが、ライダーが持ってった酒は間違いなくワインです。アニメだと色合いが明らかにワインの色でしたし、漫画だと酒屋の娘さんがタイガーに「あんたのとこに納品するはずだったワイン樽」的なことを言っていました。



11.軍勢

 キャスターが下がったところで、私は違和感を覚えた。原作なら、そろそろアサシンが乱入する頃合だ。しかし、実際には重い沈黙が場を支配するのみで状況に変化が無い。

 

(間違いなく私が影響しているのだろうけど………)

 

 言峰綺礼と遠坂時臣の暗躍がどんな形になっているのか、そこに"私"というイレギュラーが与える影響がどんなものかを知る術は無い。そうだ、今はまだ良い方だ。この聖杯問答が終われば、そこから先、この聖杯戦争の流れは私の知らない、全くの未知の領域に突入する。本来とはキャスター陣営が異なる現状、ランサーは槍を折ることは無く、遠坂時臣と間桐雁夜は対峙する可能性も低い。セイバーの宝具は知られず、ライダーの消耗も少なくなる。

 

(既に()()から大きく異なっていてもおかしくはな……っ!?)

 

 そこまで考えた時点で、私の全身に襲い来る()()()()。咄嗟に背後に向けて投影したサバイバルナイフを振り抜いた。おそらくは気配遮断のスキルによって隠密していたのであろうアサシンの身体に走る線をなぞれば、大量の血を吹き出しながら真っ二つになった浅黒い肌と髑髏の仮面を身につけた暗殺者が現れた。

 

「マスター!?」

 

 キャスターの声が響く。死の予感はまだ消えていない。桜を抱え上げつつ、足に強化の魔術を使ってその場から全力で飛び退いた。直後、私がいた場所を通り過ぎる黒いナイフ。髪が何房が切断された。

 そうして飛び退いた先、キャスター達のいた場所に退避した私に向けてアサシンはそのままナイフを投擲した。しかしそれはライダーによって阻まれ、彼は空を舞ったナイフを掴み、それをアサシンの脳天に向けて投げた。絶命し、黒い粒子となって消えゆくアサシン。

 それに呼応するかのように、私達の周囲に無数のアサシンが現れた。

 

「これは貴様の計らいか?金ピカ」

「戯け。(オレ)がこのような下らぬことをするものか」

「まぁ……そうさなぁ………」

 

 頭をガシガシとかきながら、ライダーは立ち上がり、その身に征服王としての装束を纏う。そんな落ち着き払った様子のライダーとは対称的に、ウェイバーやアイリスフィールは酷く動揺している。

 

「マスター!ご無事ですか!?」

「大丈夫、傷は負ってないから毒とかも問題ないと思う。桜、怪我は無い?」

「はい、大丈夫です……」

 

 青い顔をしたキャスターを宥めつつ桜の様子を見る。口では大丈夫だと言っているが、顔は青く、私を掴む手は震えている。アサシンの狙いが私だけだったことが不幸中の幸いだ。

 

「是非もあるまい。最後の問答としようではないか」

 

 ライダーは腕を組み、魔力を滾らせていく。彼の足下から砂が舞う。彼が持ち得るものの中で最強の宝具。王と臣下の絆でもって生み出される最強の領域。

 

「────そも、王とは孤高なるや否や?」

 

 嘲笑を返すアーチャー、孤高であるしかないと返すセイバー。そんな二人の答えを、征服王は豪笑をもって否定する。

 

「全くもって解っておらん!そんな貴様らにはやはり余が!今ここで!王たる者の姿を見せつけてやらねばなるまいて!!!」

 

 ズアと、砂が広がっていく。空が塗り潰されていく。莫大な魔力をもって空間が塗り替えられる。固有結界。魔術の秘奥。征服王の究極。彼が王たる所以。

 目の前に広がるのは無限の荒野。そこに投げ出された私の心臓は、ドクドクと早鐘を打っていた。

 

「これはかつて我が軍勢が駆け抜けた大地。余と苦楽を共にした勇者達が等しく心に焼き付けた景色だ」

 

 ザッと、足音が鳴る。無数の軍勢、数千、数万にも及ぶ者共によって形作られる心象風景。

 

「見よ!我が無双の軍勢をォ!!」

 

 死してなお彼をこそ王であるとし、未来永劫、いつ如何なる時も王の号令に応える英霊達。彼はそこにある絆こそを何よりの至宝であると、それこそが我が王道であると断言する。

 

「イスカンダルたる余が誇る最強宝具!」

 

「『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』なり!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 固有結界が閉じられ、元のアインツベルン城に戻った後、その場は特筆変わったことも無くお開きとなった。

 そうした、帰り。彼の戦車の上にて。

 

「なあ娘、お前さんに余の軍勢はどう見えた?」

 

 唐突なそんな問い。私は即答しなかった。

 正直に言えば、圧倒された。この聖杯戦争のサーヴァントについて、私はほとんど知っていると思っていた。その全てを知っている訳では無いし、それで全てだと自惚れるつもりも無かった。だがあの光景を見て、私は知ったつもりでいただけだと気付かされた。

 

「………凄かった」

「ぬははははは!!そうかそうか!!」

 

 満足そうに笑い、彼は真っ直ぐに前を見たまま語り出した。

 

「よいか娘。そなたが何故、我が軍勢に惹かれるのかを考えろ。そこにそなたが気付くべきものがある」

「………」

「そう不安そうな顔をするでないわ。気付いておらんだけで、()()()()()()()()()()()。心配するな、そう時間はかからんだろうよ」

 

 そう言って私の頭をガシガシと撫でる。その晩、それ以上ライダーが何かを語ることは無かった。





こっから流れが大きく変わっていきます。次のイベント、原作だと大海魔召喚なので。

感想評価よろしくお願いします。
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