リュウノスケェ!!に殺されたショタの姉に転生しました。 作:シーボーギウム
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ここから第五次聖杯戦争です。
Prologue
とあるビルの目の前。ここ数年でずっと探していたある人物が所有するビルだ。ようやく見つけ出したのは良いが、どうやら手遅れだったようだ。
「やはり、さっさと召喚するべきだったのでは?」
「まぁ、知らんサーヴァント呼ばれるよりは遥かにマシだから」
「………それもそうですね。どの道何かあった時対処するのは私ですし、イレギュラーはなるべく削るのが好ましい」
「そういうこ、とっ!!」
刀を振る。線をなぞる。ビル全体に掛けられていた結界が崩壊するのを目の当たりにしつつ、私は左手にキャリコを創り出し、瑪瑙は両手に三本ずつ黒鍵を手にする。
「部下は?」
「無力化」
「
「殺害」
「犠牲者は?」
「救出」
「
「
「了解」
「それじゃあお互いに……」
「「健闘を祈
最終確認の後、私達は駆け出した。
────────────
「何だ!?何があった!?」
けたたましい警報音が工房に鳴り響く。アトラム・ガリアスタはそれに取り乱し、慌てて背後に控える部下に警報の要因を確認するよう命令を下した。結果、判明したのは侵入者の存在。結界が、そして仕掛けた幾つもの対侵入者用トラップが、その尽くが破壊され、侵入者は一切歩調を緩めることなく、今アトラムとキャスターのいる工房へと突き進んでくる。
「一体何も……の……」
あらゆる対策が無意味に潰されていくことに焦燥を覚え、彼は部下から監視カメラの映像を写す端末を奪い取る。そしてそこに写る女の姿を確認して、言葉を失った。彼は端末を取り落とし、まるで何かから逃れるように後退る。
「マスター……?」
その様に疑問を覚え、キャスターが訳を聞くよりも先に、工房の扉が砕け散り、その向こうから2人の女が現れた。
「ヒュー♪いいね、しっかりクズだ」
「手心不要で良いですね。罪悪感を覚えなくて済みます」
ジーンズにワイシャツというラフな格好に合わない呪いと言うべき程に強力な魔術が掛けられた眼帯を右眼につけた女と、デザインこそ同じだが魔力を隠す程度の眼帯を左眼につけたメイド服の女。各々が武器を手にしていることから敵だと判断したキャスターは飛び上がり、魔術を起動する。
「マスター、ここは私が」
「………な、ぜだ」
「?」
キャスターの言葉は、アトラムに届いていなかった。最早、彼に彼女の言葉を気にかける余裕は無かった。普段の薄ら笑いすら消滅し、怯えと、恐怖にその内を支配されている。それを何とか振り払おうとしてか、彼は悲鳴の様な声を上げる。
「
「双貌塔イゼルマ以来だな。アトラム・ガリアスタ」
言いながら、識姫は刀の鋒をアトラムへ向ける。
瞬間、アトラムはかつて触媒の獲得の為訪れた双貌塔イゼルマでの識姫との邂逅を思い出した。持ち合わせるありとあらゆる魔術、戦術、技術、その全てを行使し、その尽くを、今正に彼へ向けられた刀によって
「わた、私を、殺すのか!?」
「そうだね」
「何故だ!?私が何をした!?何故私の命を狙う!?」
「説明面倒だから言わなーい、というか────」
────これから殺す奴に、教える必要無いよね?
「ひっ!」
およそ、感情というものが宿っていない淡々とした言い草に彼は小さな悲鳴を上げた。
そして、静寂が訪れる。時計すらない為か、極わずかな呼吸の音が各々の耳に届いていた。識姫は刀を、瑪瑙は黒鍵と銃を、キャスターは魔術陣をそれぞれの標的に向ける。そして、
初めに動いたのは、識姫だった。
「
常時の三倍の速度で、識姫はアトラムの身体に走る線を辿らんと駆け出す。その識姫を見逃すことなく、キャスターは魔術陣の照準を向ける。六つの砲身。それは、例えサーヴァントであってもまともに喰らえば一撃だけで致命傷になり得る超火力の魔力砲。だがそんなものを易々と撃たせる訳が無い。
空へ浮かぶキャスターへ向けて、無数の刃が弾丸の如く襲い来る。その刃の名は黒鍵。対霊体には凄まじい威力を誇る聖堂教会の礼装だ。サーヴァントと言えどキャスターは戦士では無い。その身体に直撃してしまえば軽傷では済まない。
「ちっ!小賢しい!」
苛立ちを顕に、キャスターは防御魔術を発動して刃を受ける。だがそれを待っていたと言わんばかりに瑪瑙は銃口をキャスターへ向けた。放たれるは起源弾。その効果は、
「っ!?」
その効果にいち早く勘づいたキャスターは防御魔術を解き、回避の体勢に入る。しかしその隙に、瑪瑙は残りの弾丸をキャスターの周囲に浮かぶ
「直死」
「なっ!?」
魔力砲は
「じゃあなアトラム・ガリアスタ」
それを、識姫はまるで何の障害も無いかのように
「さってと………」
血払いの後、納刀しながら識姫はキャスターへ視線を向けた。
「少し、お話したいから降りてきてくんない?」
識姫の視線に瑪瑙も武器を納める。敵前でありながら武器から手を離し、それどころか一切の敵意、殺意を見せないその様にキャスターは一先ず話を聞こうかと地面へ降り立った。
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