リュウノスケェ!!に殺されたショタの姉に転生しました。   作:シーボーギウム

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????????(BGM:The X Files)

か、感想評価ありがとうございますぅ…………(萎縮)




3.交渉

 

 

 

(どうする、どうするどうするどうする!?)

 

 どうにかマッケンジー夫妻を外出させた後、青年、ウェイバー・ベルベットは目の前に座る少女から片時も意識を外さないよう心掛けながら、現状の打開策を考えていた。

 正体不明の方法による、彼の潜伏地の特定。それを成したのが目の前の少女、あるいはその背後で霊体化しているキャスターだ。その警戒度は、既に師であるケイネス・エルメロイ・アーチボルトのそれを容易く超えている。

 

「落ち着け坊主」

「うわぁ!?」

 

 スパーン、いや、ドゴォ!という音と共に後頭部をはたかれる。その額を盛大に机に叩き付けられた彼は跳ねるようにして己のサーヴァントを睨みつけた。

 

「何すんだよ!?」

「殺気一つ向けてきておらん娘相手にそこまで怯えてどうする。むしろ坊主は有利な状況であろうが」

 

 言われて初めて、ウェイバーは気が付いた。相手側はサーヴァントの姿すら知れておらず、その手札は未知数、だが彼のサーヴァントであるライダーは実体化している状況だ。その上相手はキャスター。本来陣地を構え、待ちの戦いをするのがセオリー。それを破りここに来ているという事は、その優位性を捨てている。

 その事実にいくらか余裕を取り戻したウェイバーは、息を整え、聖杯戦争に参加したマスターとして目の前の少女に相対した。

 

「お前は、何者だ………?」

「蓮葉識姫。聖杯戦争に巻き込まれた元一般人」

「…………」

 

 ウェイバーは耐えた。本来なら、というか日本に来る前の彼ならすぐ様「そんな訳ないだろ!?」と叫んでいたところだろう。それ位には、目の前の少女は落ち着き過ぎている。普通目の前にサーヴァントがいれば否応なく、少なからず意識が向くだろう。何せウェイバーでさえ少女の背後、霊体化したキャスターに眼が行きそうになるのをどうにか避けているのだ。

 しかし件の少女、識姫はウェイバーにもライダーにも注意を払うこと無く、隣に座る幼女に目を向けている。

 

「………まぁいい。それを信じるとして、お前はなんでここに来たんだ?」

「同盟を提案しに。あぁ、かの征服王相手なら()()()()()()()()、と言った方が良いですか?」

「ほう?貴様、聖杯を余に譲ると言うのだな?」

「えぇ、その通りです」

「待て待て待て待て!!」

 

 あまりにも突拍子の無い話に割って入る。仮に元一般人というのが事実だとして、サーヴァントを召喚している以上最低限の知識はサーヴァントから伝えられるはずだ。要するに、聖杯が万能の願望器であることを知らないはずが無い。本当に一般人だったとしても、そう易々と諦めてしまえるとは、彼には思えなかった。

 

「それに、例えお前自身が聖杯を放棄したとして、お前のサーヴァントが納得しないだろ!」

「してなきゃこんな話しないよ」

「なっ………!」

「私達の目的は、初めから勝ち抜くことには向けられていない」

「なら何だって言うんだよ………」

 

 ウェイバーからすれば、適当に投げかけた問い。だが、その時はじめて、一度も合うことのなかった視線が、真っ直ぐと彼の瞳に向けられた。

 

()()()()()()

「っ!」

 

 ただそれだけ、だと言うのに、そこに込められた思いの深さにウェイバーは言葉を失った。それどころか、彼の隣のライダーですらほう、とため息をもらしている。

 

「面白い。ただ生きるだけを目的とする、一見つまらん願いだが、そなたのそれは凡百のそれとは重みが違うな」

「まぁ、そんな話は後でいくらでもできるから、さっさと本題入りますね」

 

 言葉と共に、識姫は懐から古びた本を取り出しつつ口を開いた。

 

「とりあえず、私達が提案するメリットは3つ。キャスターの真名の開示、私自身が持ち合わせる能力の開示、そして間桐邸から強奪した魔術関連資料の譲渡」

「…………はぁ!?」

 

 またも、ウェイバーは驚愕の声を上げた。間桐、その名は冬木の聖杯戦争に参加する以上知っていた。今は没落したと言われているが、そこに眠る魔術関連資料の持つ価値は計り知れないだろう。

 

「さっきから騒がしいぞ坊主。そう騒ぐことでもなかろうて」

「お前なぁ!魔術師一族のこれまでの研究が一部でも分かるんだぞ!?」

 

 本来、魔術師は他の一族の研究を知る事は出来ない。それは魔術師にとって人生の全てをさらけ出すのと同義だからだ。いくら既に没落した魔術師の家系とはいえ、その研究を知る事によって得られるメリットは計り知れない。

 

「て、待て!間桐の当主はどうなったんだ!?」

「殺した。次代はまともに魔術も修めてなかったから見逃したよ。今頃どこぞの国にでも飛んでるんじゃない?」

 

 一応は間桐鶴野は当主だったが、所詮は間桐臓硯の傀儡。説明も面倒だった識姫はそこを端折った。

 

「まぁ、詳しくは同盟を受けてくれたら話すよ。じゃあ次。私達が貴方達に求めるもの」

「………」

「その1、残り二騎になるまで私と桜、キャスターに危害を加えないこと。これはもちろん私達からも危害を加えないことを前提とする。その2、私と桜に魔術を教えること。そして最後に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 再三にわたる意図の分からない要求にウェイバーは大声を上げようとして、止まった。彼の真隣、そこにいる征服王の圧が急激に高まったからだ。

 

「すまんなぁ、少し聞き違えたやもしれん。もう一度言ってくれるか?」

「場合によっては聖杯を諦めて下さい」

 

 ブォンッ!と風が吹き荒れる。いつの間にかライダーは装備を身にまとい、大きな手に握られた分厚い刃を識姫の首筋に突きつけていた。

 

「余に、聖杯を諦めろと?」

「………そう、です」

 

 あまりの圧に、マスターであるウェイバーすら何も出来ない空間。しかし、識姫は顔を青ざめさせ、肩を震わせながらも、かの征服王から目を逸らすことなく答えた。答えきった。それどころか、彼女は言葉を続け始めた。

 

「詳、しくは、同盟を受けた場合の返礼としてだから言えません。でも、あの聖杯は貴方に相応しくない事だけは、明確だ」

「余に相応しくないだと?」

「はい。貴方が聖杯に、ではなく、聖杯が貴方に、です」

 

 言い聞かせるように、万が一にも間違わない様にと識姫は言葉を紡いだ。

 

「どういうことだ」

「同盟を受けて下さるなら、仔細語らせて頂きます」

「…………」

 

 しばらくの沈黙。その後、剣を収めた征服王は良かろう、と言った。彼としては受けてもいい、ということだろう。となれば残るはウェイバーだけ。識姫はウェイバーに目を向け、言葉無く問いかけた。

 

「………わかった。でもこのままじゃただの口約束だ。何か裏切らないという証拠が欲しい」

「難しいこと言うね………」

 

 魔術的に強制力を持たせる、というならセオリーは自己強制証明(セルフギアス・スクロール)だろう。だが識姫は魔術が使えず、魔術刻印も無い。とはいえ書面に残したところでそんなものは聖杯戦争では意味を持たないだろう。

 

「………とりあえず明日、私達が同盟をしようと思った()()を持ってくる。それを見てくれれば、信用してくれると思う」

「………それは聖杯が余に相応しいものかどうかにも関わるのか?」

「えぇ、まぁ」

「そうか、ならば今すぐその()()とやらを取りに行くとしよう!!」

「「は?」」

 

 突然のライダーの発言に、識姫とウェイバーの呆けたような声が重なった。

 





感想評価よろしくお願いします。
とりあえず、結末までの大まかな流れとかは考えついているので、肉付けしていくだけなのでモチベが下がらなければ最後までいけると思います。
頑張りまぁす!!
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