終末王マーリンとブリテン異聞帯   作:ラビシアの人

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皆さんお久しぶりです。アヴァロン・ル・フェ・シノプシスを読んでから書き始めようと考えていましたが、1年もさぼる結果となってしまいました。


謁見

 

「どういうことなのよ」

 

 身体から大量のハートを散らしながら叫び散らかしている。私は、それを少しだけ笑いそうになりながら聞いていた。

 

「王は私であるはずよ。それなのにどうして別の人がなっているのかしら。それにどうして預言の子は呼んで、私を呼ばなかったのか説明してくださる」

「まあ落ち着けって。しかし、おかしなこともあるもんだ。俺はお前が王になると考えていたがそうはならなかった。エインセルの預言もあてにならなくなってきたのか?」

「でも、良かったでしょ。私のおかげで城内には入れたんだから感謝してよね」

 

胸を張り上げてマウントを全力で取りに行く預言の子の姿がそこにはあった。

というか私だった。

 

「でも、本当にどういうことなのでしょうか?真の王はマーリンと名乗りました。しかし、汎人類史のマーリンは男性であるはずです。ですが、あの声はどう考えても女性のものでした。異聞帯では違うのでしょうか?」

「いや、それは違うと思う。だって、私に魔術を教えてくれたマーリンは男性の声だったし、モルガン陛下もマーリンのことを男といっていたでしょう」

 

マーリンは男性である。それは、汎人類史も異聞帯も変わらない。

 

「マーリンは偽物ってことなのかな」

(オレ)がいうのもなんだが、そう考えるのは早計じゃないか?まあ、何にしても警戒を怠らない方がいい。まだ、そのマーリンとやらが味方とは限らない。仮に友好的だとしても喧嘩を売るやつがいるしな」

 

 「あたりまえでしょ!奪われたら奪い返すまでよ。それに、あの玉座をまかせるわけにはいかないわ。正々堂々殴りこんで取り返すわよ」

 

 それに追従するようにバゲコが言う。

 

「私としても王に相応しいか見極めなければならない。もし、ブリテンを救う気がないのなら敵対するのも仕方がない」

 

 ブリテンを救う。そんな言葉に、「既に死んでいるものを救うことはできない」というモルガン陛下の声がよぎる。だけどもし本当にブリテンを救うことが出来るのなら、私なんかよりもずっと救世主にふさわしい。私の代わりに救世主をやってほしいくらいだ。

 そうすればきっと…そんな淡い夢を抱いてしまうのは、私が弱いからなのでしょう。

 

「カルデアとしても神造兵装、ロンゴミニアドを譲ってもらえるかどうかも気になるところだよね。それに、大厄災という言葉にも引っかかるものがある。」

 

 そんな話をしていると玉座へと続く扉の前にたどり着いた。そして、扉がゆっくりと開かれる。そこには、ひとりの少女が玉座に腰かけているだけだった。白い髪にピンク色の目を持った少女は、真っ直ぐにこちらを見つめている。私の目よりもずっと綺麗で全てを見通しているような目はとても落ち着かない。だが、それとは別に少女がそこにいる。ただそれだけでだけで肩の力が抜けていく感覚がした。

 そして、直観的に言葉が出ていた。

 

 「グランドクソ女郎だと!」

 

 頭の中で、急に出てきた白い獣も続けるように罵倒した。

 

 

 

 

 出会い頭に罵倒されてしまった。まあ、それだけのことをしてきた自覚はあるから別に気にしないけど…うん気にしない、気にしない。それよりも

 

 「人類最後のマスター、妖精騎士ギャラハット、万能の天才、預言の子、妖精騎士ガヴェイン、女王マヴの娘、異星の神の使い、クー…こほん賢人グリムここまでのメンバーがそろうと壮観だね」

 「話は終わり?だったらその玉座すぐに返してもらうから覚悟しなさい」

 

やっぱり怒っているよね。でも、そうしないと詰むといっても納得しないだろう。ここは穏便に勝負をすましてさっさと本題に入ろう。

 

 「勝負をつけるならいいよ。チョコレートを作るのは実は得意だったりしてーー」

 「あなたとはバレンタイン・マヴマッチではなく、モルガンと同じように正々堂々と決着をつけるわ」

 

 そう簡単にはうまくいかないか。ちょっと楽しみにしていたのだけれど仕方ない。面倒なことは後に回しておこう。

 

 「じゃあ、ちょっとだけ待っていてくれるかな。僕は、カルデアと話さなければならない。それに、客人を待たせるのは悪いことだろう?」

 「…そうね。私のことは呼んでないものね。後で決着つけるから覚悟しなさい」

 

 すごい睨まれているけど、女王としての品位があるのか今は抑えてくれるみたいだ。やっぱり、普通の妖精とは違い自制が効く。だからこそ、この妖精國では生きづらい。

 

 「さてそれでは改めて自己紹介を、僕の名前はマーリン。物語を受け継ぎこの世界を少しだけ幸福に終わらせようとしているものだ。まあ、平行世界から異聞帯に対するカウンターみたいなものだと思ってほしい」

 「異聞帯に対するカウンターということは、君は私たちの味方ということかい?」

 

 万能の天才が声を上げる。

 

 「協力し合える関係といったところかな。僕にとって、この異聞帯はとても大切な場所でね。しかしそれはそれとして、汎人類史がなくなってしまってはとても困る。だから、カルデアとは手を組みたいと考えている」

 「君が言っていた大厄災のために手を組みたいということかな」

 「そうだね、それに大厄災の討伐はカルデアとしても未来を取り戻すためには必要なことだともいえる。あの大厄災は汎人類史をも滅ぼすだろう」

「人類史の崩落はまだ回避されていないということだね」

 

 崩落という表現はちょっと気になるけど、意味は伝わっているようで何より。

 

 「それで協力してくれるかな?」

 「いいともーといいたいところだけどこちらとしても条件がある」

 「…なにかな?僕にできる範囲なら喜んで条件をのむよ」

 「神造兵装ロンゴミニアドをカルデアに譲ってほしい」

 

神造兵装を譲ってほしいか。確かカルデアの目的に神造兵器の回収があったような気がする。カルデアの協力を得るためにもロンゴミニアドを渡す方がいい。だけど---

 

 「それは無理かな」

 

この流れで断られると思っていなかったのか目をぱちぱちとはためかせた。

 

「理由を聞いてもいいかな?」

 「そもそも神造兵装というのは持ち主がいないとその真価を発揮しない。よってロンゴミニアドでは、君たちの目的の役には立たない。だから、今は動かさず大厄災用に取っておくというのが合理的な判断だからかな。そこらあたりはグリムが知っているはずだけど、伝えていなかったのかな?」

 

 グリムに視線を向けると彼は気まずそうに顔をそらした。

 

 「聞かれなかっただけだ。余計な勘繰りはよしてくれ」

 「ふむ、まあそれはそれとして、ロンゴミニアドを切り札にするのもどうかと思うけどね。あれは星の表層を繋ぎとめる光の柱、外敵に対して使うには役割が違う。もっとふさわしい武器がこの世界にはあると僕は思うよ。異星の神に通じるかどうかは別問題だけど」

 「それで、他に何かあるかな?ないのならこのまま協力してほしいのだけど」

 「その前に聞きたいことがある」

 

  妖精騎士ガヴェインの声が響き渡る。あーそうかまだこの子がいたか、完全に忘れていた。この子と僕は相性が悪い。いや、相性が良い人の方が少ないのだけれど。

 

 「ブリテンを、妖精を救う気があるのか私は聞かなければならない」

 

 さて、どう答えようか。嘘を言っても預言の子に見抜かれるだけだし、正直に言うと間違いなく拗れる。でも、正直に言うしかないか。

 

 「僕はただ物語を終わらせる存在。救うことはできないし、救う気はない。ただ、少しだけ幸福の結末に変えようとしているだけ。君が考えている理想の王様に、僕はなることはできない。それとこれも言っておかなくちゃいけないね」

 「ストームボーダーに妖精を避難させるという計画。それは絶対に容認することはできない。カルデアのためにも、妖精たちのためにもね」

 

 その言葉を言った瞬間、殺気が飛んできた。こんなことになると分かっていても無理なものは無理だしね。それに、カルデアからの印象も悪くなっているし、このままだとまずいな。

 

 「ただ、僕としても妖精やブリテンを見捨てる気はないよ。そうだね、代わりと言っては何だが、妖精たちをストームボーダーの代わりに僕の世界に案内するというのはどうだろうか?そうすれば、500人と言わずもっと多くの妖精を救えると思うよ」

 

 僕がそう言うと今にも襲い掛かってきそうな動きが止まった。

 

 「そんなことが可能なのか」

 「平等で幸福な世界で良いのなら」

 

 予言の子の顔が一瞬歪んだ。本当に良い目をしている。

 

 「もし協力してくれるなら、案内してあげる。カルデアの人たちもそれでどうかな」

 「バーゲストがそれでいいのなら」

 

彼女は少し考えた後、それで多くの命が救われるのなら構わないと同意した。

 

 「よしこれで決まりだ。大厄災攻略のために協力し合おう」

 

 協力関係になることが出来た。後は…

 

 「話は終わった?じゃあ決着をつけましょうかマーリン」

 「勝負方法は、純粋な力の競い合いということでいいのかな」

 「ええそれで構わないわ」

 「それなら、1vs1ではなくマスターとサーヴァントの2vs2という形式に僕はしたいかな。これから、協力する人類最後のマスターの実力を確かめたいからね。今は時間が惜しい、効率的に物事を進めたい」

 「でも、マーリンは一人だよね。誰と組むの?」

 

 予言の子の何気ない一言に傷つきつつ、解決策を僕は伝えた。

 

 「僕がマスターになればいい。それだけの話だよ」

 

そう言うと僕は詠唱を開始した。それと同時にあたりに複雑な青い魔方陣が展開される。

 

 ―――告げる。

汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

星の導きに従い、終末の果てより応えよ。

誓いを此処に。

僕は常世総ての善を知る者、

僕は常世総ての悪を否定する者。

汝終焉の言霊を纏う七天、

エンディングの先を作り出せ、天秤の守り手よーーー

 

 この世界には人理がない。そのため英霊召喚などできるわけがない。そのはずだった。だが、僕は僕の世界を触媒することによってこれを可能にした。世界を超えた召喚のため完全ではない。だが、それで彼を呼ぶには十分だった。

 

 黒いシャドウサーヴァントが召喚される。その手には、双剣が握られていた。全身が黒く覆われていたが隠し切れない黄金のオーラはあるサーヴァントを想起させた。

 

「王様?」

 

 人類最後のマスターの口からそんな言葉が漏れた。

 

「さあ、女王マヴの娘と人類最後のマスターよ。この僕たちに挑んでくるといい」

 

 その言葉が合図となり、黄金の丸い円から武器が放出された。

 

 ―――終末王マーリンに向けて

 

 

 





誰もが平等な理想の世界(ワールドイコールフォーオール)
英霊召喚を可能にする宝具。カルデア召喚式に似ているが、円卓ではなく、平等な世界を触媒にしている。対象範囲は広いが同意がないと召喚されない。また、令呪自体がないため裏切り放題である。マーリンは、世界に嫌われているため確実に来てくれるサーヴァントは、人類最古の王様と施しの英雄ぐらいである。



 前回投稿してから、アヴァロン・ル・フェ・シノプシスが発売され、FGO2部7章が公開され、fakeのアニメ化が決定されたり、レディ・アヴァロンが妹になったりしました。

 中でも、FGO2部7章の平等な世界で誕生した理想の人たちであるディノスの話は終末王マーリンの物語のテーマと重なるところがあり、平等とは誰もが無価値であることで、正しいだけの世界ではなく間違いの選択できる世界こそ成長できる世界なのだという点を公式がジェネリック月姫で出してくるとは思ってもいませんでした。
 
 ネタ被りをしてしまったこの小説を続けていく事に悩んでいますが、皆さんの評価が高ければ続けてみようかなと考えています。

 最後に、終末王マーリンのFGO風マテリアルを公開したいと考えています。
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