終末王マーリンとブリテン異聞帯   作:ラビシアの人

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話の途中だが・・・

黄金の丸い波形から剣が槍が斧がありとあらゆる宝具の原型が僕に迫ってくる。それを僕は杖と幻術で捌きながら攻撃してくる元凶に話しかけた。

 

「ギルガメッシュ王、いい加減呼ぶたびに初手で僕を攻撃してくるのはやめて欲しいのだけれど。えっ、人理のないところで召喚するな、それとあの時のことまだ許していない?・・・でも来てくれるところにツンデレを感じーー」

 

  剣が頬を掠める。あぶない今の本気で殺しに来ていた。不完全な召喚だからか彼がしゃべることはない。だが、その身に秘めた冷たい感情と意思は僕を突き刺していた。

人類最後のマスターと女王マヴの娘は最初こそ呆気に取られていたがすぐに戦闘態勢に入った。

 

 女王マヴの娘が少し跳躍をした後、爆発的な衝撃波とともに接近してきた。ギルガメッシュ王は僕を攻撃しながら、涼しげな様子で双剣を使い受け流す。

 人類最後のマスターと女王マヴの娘を試すということには、協力してくれるらしい。

 今、シャドウサーヴァントとして召喚されている彼は、暴君でも賢王でもない。戦士としての側面が強く出ているギルガメッシュ王である。

 

 その為、肉弾戦では女王マヴの最高傑作を片手間で圧倒していた。

逆に圧倒されているのは、僕の方だ。味方から妨害を受けているとはいえ、僕の方が魔術師としてのスペックが高いのには変わらない。それでも、的確なサポートや細やかな指示をする姿は、マスターとしての差を感じさせた。能力で押し切ろうにも協力する気がないギルガメッシュ王とでは無理があった。

 

 このままでは負ける可能性がある。そう判断した僕は、味方の妨害を回避しながら、宝具を展開した。

 

 「終末の果て、誰もが望んだ世界。理想郷は君たちを歓迎しよう。

罪の数など関係ない。僕たちには幸福があるのだから。

『幸福に閉ざされた理想郷』(オーバー・フロー・ディストピア)

 

 瞬間辺りの風景が変化する。広がるのは一面の花畑。そして、遠くには飾り気のないただの城。身体が軽くなるのを感じる。そして、僕は続けて目の力を解放した。

 

 平行世界を見る目で、僕が行動する複数の未来を見る。そして、その行動を僕のいる世界に貼り付けた。僕の動きは今までと同じように攻撃をかわしながら、ギルガメッシュ王をサポートしているのには変わらない。なのに、いつの間にか詠唱された魔術が斬撃が牙を向いた。

 

 平行世界の運営。それは第二魔法に位置する魔法である。その魔法を僕は魔術に落とし込んだ。昔は、多くの魔法があった。しかし、人類の発展と共に魔法は魔術に取って変わられるようになった。それは、魔法使いを殺していることと変わらない。

 

 これは、魔法使いを殺した魔術。並行世界で行動した結果を僕自身の存在する世界で起こす魔術。

 

 不意打ちの攻撃は、世界の風景が変わっても動じず、彼と戦っていた女王マヴの娘に向かう。

 

 だが、人類最後のマスターの声掛けによって、女王マヴの娘は回避に成功した。しかし、無理に体勢を変えたせいか隙が生まれていた。ギルガメッシュ王がその隙を逃すわけがない。

 そう考えていたが、ギルガメッシュ王はそんな彼女を無視してあろうことか人類最後のマスターに武器を射出した。

 

 とっさに伏せたマスターに宝具の原型が襲い掛かる。だが、マスターに攻撃は当たることはなく、女王マヴの娘がかばう形で防がれた。

 

 「「ノクナレア!」」

 

人類最後のマスターと預言の子の声が重なる。彼女は、地面に倒れ伏した。致命傷には至ってはいない。

 だが、女王マヴの娘には戦闘を続行する力は残っていなかった。王様も戦闘を中断する。一面の花園も元の景色に戻っていった。勝負は決した。本当に、裁定者としての王様はドSである。人類最後のマスターに何かあったらいろいろと大変なことになるというのに、女王マヴの娘を試すためにマスターを狙った。

 

 僕は倒れ伏した彼女に近づいた。

 

 「これで僕たちの勝ち。僕がこの玉座を受け継ぐ。勝手なことだということは分かっている。それでも、僕はこの選択をした。でも、僕には王として至らない点が多くある」

 

 王は人の心が分からない。

 

 夢魔でもある僕にとって人の感情を完全に理解することは不可能なことだ。

 

 「だけど君はすでに僕より優れている点がある。だから君は君らしくあってほしい。それはきっと、勝利よりも友人を選択した君にしか出来ないことだから」

 

 

 あの時、庇わなければギルガメッシュ王の攻撃した隙を逆について倒すことが出来た。マスターは伏せていたし、回避できていた可能性は高く、当たっていてもかすり傷程度だったかもしれない。だが、そうはならなかった。無意識に庇いに行く、それは人の心がある証拠だ。

 

 手を差し伸べる。その手を彼女はしばらく見つめた後、払いのけながら立ち上がった。

 

 「まだ、諦めていないから。でもひとまずは納得してあげる。今は、まだ貴方の方が優れているみたいだから」

 

 その姿はまさしく諦めず、前を向く王そのものだった。その姿を僕はまぶしいものを見る目で見つめる。

 

 「君は良い王になるよ。世界有数のキングメーカーの才を持つ僕が保障する」

 

 その言葉を、複雑な顔で彼女は受け止めた。ひとまずはすべての案件は片付いたと言っていいだろう。

 

 「これで一見落着ってところかな。それにしても流石は人類最後のマスターだね。実力、覚悟共に申し分ない。ただ、力の使い方を間違えないように。でも、今は協力する仲間として頼も・・・」

 

 そんなフラグを立てたからだろうか、僕の目の視界の端に高速で接近する物体を捉える。予想よりも対処が早い。この交流が終わってからでも何とかカバーできる範囲のはずだったんだけど。

 

「すまない。話の途中だがアルビオンだ!!」

 

 このブリテンにおいて最強の妖精騎士が天井をぶち破って降臨した。

 




『幸福に閉ざされた理想郷』(オーバー・フロー・ディストピア)
ランク:A 種別:対人宝具
レンジ:1~100 最大補足:???
終末王マーリンが作り上げた世界を周囲に再現する宝具。
自分自身へのバフが主な効果である。

 第二魔法・並行世界の運営
マーリンがやっていることは、どこぞのNOUMINと似た多重次元屈折現象のようなものである。剣技だけでそこに至るあのNOUMINは変態でち。

「話の途中だがワイバーンだ!」
全サーヴァントが言ってみたいセリフ第二位。たぶん一位は、有名なあのセリフ。
きのこならどこかでこのネタをアルビオンと絡めてくるかなとか考えていました。


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