主人公とたしぎの口調が被って面倒くせェので、いつかどちらかがラッパーキャラになると思います(嘘)
あ、あとヘタクソですが表紙描いといたんであらすじに載っけときます。よかったら見てくださいね〜!
まぁ、イメージ崩れるのイヤな人は閲覧注意だけどネ☆
「海軍第153支部所属、モンキー・D・マイン一等兵ですッ!
本日は長年コノミ諸島を根城として悪虐の限りを尽くしたアーロン海賊団、そしてその非道を黙認してきた海軍第16支部のネズミ大佐及びその旗下の者たちを護送して参りました!!!」
「……そうか、ご苦労さん」
……なるほど、流石に雰囲気が違うな。
ローグタウンに到着し、諸々の手続きを済ませた私が召喚されたのはこの町を取り仕切る海軍、そのトップ。
海軍本部大佐〝白猟のスモーカー〟。
ローグタウンに赴任して以来1人の海賊も取り逃したことがないという、
「しかし、こりゃあお手柄だな。大したもんだ。
「いえ……私1人で成したことではありませんから」
「名字はモンキー・Dと言ったよな? つーことはお前さん、あのジイさんの血縁か」
「ガープのことでしたら、お察しの通り私の祖父に当たります」
「そうか、なら納得かもなァ。〝英雄〟ガープの孫娘……この海からようやっとまともな海兵が頭角を現したっつーことか」
彼はおじいちゃんと面識があるのか。本部の海兵だもんね。考えてみれば当然だ。
「海軍は万年人手不足で猫の手も借りてェぐらいに忙しい。優秀な人材はすぐに階級を上げて戦力の足しにさせてもらう。
正式な手続きはまた後からになるが、便宜上今日からお前は軍曹として扱わせてもらう。
いいか? 軍曹は軍曹でも〝本部〟の軍曹扱いだ。大出世だ、喜んで公務に励めよ」
「はッ!! 謹んで拝命いたします!!!」
本部の軍曹……つまり、支部なら准尉扱いか。地位が手に入るならそれに越したことはない。
使えるものはなんだって使わせてもらう。
早速で申し訳ないけど、本題に入らせていただこうか。
「実は、ある海賊について話があるんです」
「……ある海賊?」
「はい。名はモンキー・D・ルフィ。私の兄です」
「ンだと?」
スモーカー大佐から、瞬時に剣呑な威圧感が吹き荒れる。
私の短い言葉だけでも、事の重大さがわかったからだろう。
「てめェさっきガープの孫だと言ったな? つまりてめェの言う海賊ルフィもまたガープの孫ってことになる」
「はい。〝英雄ガープ〟の孫が海軍と敵対する海賊になる……これが世間に知れ渡れば、よくない影響が起こりかねない」
「なるほど、確かにそいつァまずいな。若い芽は若いうちに摘んどくモンだ。
わかった。至急、包囲網の手配をしておいてやる」
「ありがとうございます。そして不躾ながら、もう一つスモーカー大佐にお願いがあるんです」
「お願いィ? なんだそいつァ」
この要求が彼に呑まれるかはわからない。
けれどダメで元々、言うだけ言ってみるか。
「兄は……生け捕りのみでお願いしたいのです」
「
「無茶を言っているのは承知の上です。
ですが、兄は海賊であれど悪人ではないんです! アーロン一味の逮捕ができたのも、兄とその仲間たちのおかげです。
兄はまだなんの悪事もしていない! まだ取り返しがつくんです!
私は兄を故郷に連れ帰るために海兵になりました! だから……お願いします、スモーカー大佐!」
「……」
地面に手と足をついて懇願する。
これで断られでもしたら、その時は脅してでも言うことを聞かせる……!
「悪いがそいつは呑めねェな」
「っ……!」
「生け捕りに気を遣いすぎると部下に要らねェ被害が出る可能性が増える。
おれァこれでもこの町を取り仕切る大佐だ。責任ってもんがある。
そいつは看過できねェよ。上からの指令ならともかく、単なるてめェの私情だってんなら尚更だ」
じゃあ、やはり力づくしかないのか……。
腰に佩いた
「ただし! おれァ何も〝徹底的な正義〟を掲げてるわけじゃねェ。
おれはおれのやり方で勝手にやらせてもらうが、てめェが勝手にやる分にはどうでもいい。
死なせたくねェんなら、精々てめェ自身でケリをつけやがれ」
「え……」
ということは、私がおにぃの相手をする分には命の補償がされるってことか。
そっか……それは、よかった。元からおにぃの相手は私がするつもりだったし、万々歳だ。
「わかりました、必ず捕まえます! 私の手で!」
「あァ……勝手にしろ。武器の補充がしてェんなら曹長のたしぎを探せ。聞かなくてもマシンガンみたいに答えやがるからよ」
「はい! ありがとうございます!」
よし、さらに気合いが入ったぞ! 念入りに準備をしてこよう……!
私はスモーカー大佐の言う通りに、たしぎ曹長を探しに部屋を飛び出していった。
「ったく。上官に躊躇いなく抜剣しようなんざ……とんでもねェじゃじゃ馬を引き入れちまったもんだなァ。こりゃ」
☆★☆★☆
「すごい! あの新世界で活動していた経歴もあるアーロンを量産型の剣一本で討伐するなんて……相当な腕前をお持ちなんですね! あっ、それでしたら実は近くに良い武器屋があるんですよ、紹介しますね! 質の良い剣や刃物も売っていますし、手入れの腕も一級品! 私も今から店内を見て回ろうと思ってるんです、よろしければ一緒にみてまわりませんか!? こんな話をできる女性の海兵は今まであまりいませんでしたし……同僚と一緒に剣を見て回ることに憧れていたんです!」
「は、はァ。なるほど……」
お、押しが強すぎる。
これが本部の海兵か……さすがだ……! 手持ちの愛刀も見せてもらったが、一目で業物とわかる澄み切った刃だった。
こういうところでも支部とのレベルの違いが伺える。
「あっ、でもお金とかは大丈夫ですか? 店主のいっぽんマツさんは腕は大変素晴らしいんですが、少々お金にがめつい所があるので……」
「資金面については大丈夫です。たんまりとお給料を頂いたので」
随分昔のことのように思えるが、バギー海賊団とアルビダと交戦し大打撃を与えたこと、アーロン一味の捕縛、海軍第16支部の海賊との癒着摘発など、自分で言うのはいささか恥ずかしいが、入隊数日とは思えない功績を挙げたため、臨時収入がとんでもないことになっているのだ。
おかげで資金に糸目をつけずに買い物ができる。
私の剣も度重なる修羅場の連続によってかなり損傷が激しい。本職直々に手入れもしてくれるのは素直にありがたいことだった。
仕込んでいた暗器の類いも漂流した際に全部流れてしまったし、今ここで十分な量を確保しておきたい。
「ここです!」
「わ……すごい雰囲気ある! 私こういう武器屋さんって初めて入るんですよ」
「そうなんですか!? じゃあ色々と案内させてください!」
店内には剣だけではなく、槍や薙刀、斧に銃なども飾られていた。
銃か……良さげなものがそこそこ置いてあるなぁ。ナイフとかも良い。
でも私って結構暗器は使い捨てにするタイプだし、質より量だ。安いものをいっぱい買っておこう。
私たちは一旦武器の物色を辞め、店主さんにいくつかの暗器を購入する旨と、私の
「毎度あり! そんで手入れする剣はそいつでいいのかい、嬢ちゃん」
「はい、よろしくお願いします」
「どれどれ。ほォ、こいつは……」
店主さんは鞘から剣を抜き、じっくりと検分してから言った。
「なまくらだな」
「まあ、はい。支給された量産型の剣なので」
「わざわざ磨く必要あんのかねェ……。あんた金には余裕があンだろ? うちで新しく良い刀でも買ってったらどうだ」
「あっ、それなら私が目利きしましょうか? こう見えても刀剣類に関しての知識には自信がありますから!」
「うーん……」
新しい剣か……そういえば考えたことなかった。
なんでだろう? ナイフとか拳銃とかは使い捨てにするのに抵抗は無かったんだけどなぁ。
「この剣、随分と使い込まれてんな。数日海でも流されたか?」
「あ、はい。海賊団と交戦した後、結構流されたっぽいです」
「いや冗談だったんだが……」
店主さんからひょいっと渡した剣をもらい、数度振るう。
そして今度は、店内に飾ってある良さげな剣を取り上げ、これもまた数回振るって感じを確認する。
むむむ……よし、決めた。
「店主さん、やっぱりこれでいいです。この量産型の
「……本当にいいのかい? なまくらはすぐダメになる。
刃毀れもひでェし、耐久性もイマイチなもんで怪力の剣士と打ち合えばヘシ折れかねん。それに似たような実力の奴が戦えば武器の性能がモノを言うぞ。
これは親切で言ってんだぜ? おれァ金にはがめついが、嬢ちゃんは色々と買ってくれたかんな。死んじまったら寝覚めがわりィんだ」
「はい。全て承知で決めました」
剣の腹を指でなぞりながら私はそう言った。
「漂流した後、アーロンたちとの戦いで私が唯一使えた武器がこの剣なんです。
なんというか、この剣だけは武器ではなく、自分の身体の一部のように思えてしまって……」
そう、私が戦えたのはこの剣があったからこそだと思う。
私にとって、これはもはや手足のようなものになっているのだ。
「なんとなくですが、これを手放すと、私が弱くなってしまうような気がする。だからいいんです。私はこれで戦い抜こうと決めました」
「……命を落とすかもしれねェぞ?」
「大丈夫ですよ」
ゴトリ、とカウンターに剣を置いて告げる。
「兄を捕まえるまで、私は絶対に死にませんから」
依頼を終え、私とたしぎ曹長は店を出た。
既に日は傾き始め、夕陽がローグタウンの街並みをオレンジ色に染め上げている。
「マインさん、私感服しました。
そうですよね……どんな刀にも作り手が居て、心正しき使い手を待っている」
「……えっと?」
「マインさん、あなたのように剣を大事にする人が正義の味方の海軍でいてくれて、本当によかったです」
たしぎさんははにかんでそう言った。
私にはあんまりピンとくるような思想ではなかったけれど。
彼女も変わった人なのだろう。
「今日、あなたの剣に対する心持ちを見て、私も今一度自分の夢をはっきりと再認識することができました」
「夢、ですか?」
「はい。私は世界中の悪党たちの手に渡った剣を集めることが夢なんです。
今まで漠然と全ての〝名刀〟を集めることがゴールだと思ってましたけど、それで終わりじゃないんです。
私は命尽きるまで、悪党を倒してその剣を正義の名の下に、正しく剣を愛してくれる人の手元に剣が渡るように、海兵としての務めを果たそうと思います!」
でも、自ら定めた大きな目標に邁進しようと気炎を燃やす姿はとても眩しい。
彼女は私なんかとは比べるのも烏滸がましいほど立派な海兵だ。
「応援してます、たしぎ曹長! その夢、いつかきっと叶いますよ!」
「そ、そうですか? えへへ、この夢を語るといつも笑われてしまうんですけど……うん、なんだかやる気がもりもり湧いてきました!
マインさん、これからもお互い、夢に向かって頑張りましょうね!」
「はい!!」
女性の海兵とこんなに仲良くなれるなんて、思っても見なかった。
でも、お互い目指す場所は違えど前向きに任務に励める人ができてよかったなぁ。
私もやる気が湧いてきた。
おにぃがこの町にやって来るまで、まだ少し余裕はある。
今から帰って特訓だ。
よっし! 目標、打倒おにぃだ! やってやらァー!!