怪魔討伐部隊:獄卒 作:ガチムチ花火
「で、出たッ! 怪魔が出たぞーッ!」
「ひぃぃッ」
───怪魔。それは裏世界と呼ばれる、現世とは異なる次元から現れ、人間を襲い喰らう化物共の総称である。
「グケケケケッ、腐る程いるじゃねぇか。
突如商店街に現れた人型悪魔のような風貌を持つ怪魔は、鋭い歯をギラつかせながら不気味な笑みを浮かべ、舐め回すように周囲を見回した。
それまで喧騒で賑わっていた商店街は一転して絶叫に染まり、呑気に買い物を楽しんでいた人々は喰われてたまるかと脇目も降らずに一目散に逃げ出していく。
そんな中、幼い少女が逃げ惑う集団から弾き出され転倒、孤立してしまった。
当然、そのような絶好の獲物を怪魔は見逃すはずもなく、恐怖で立ち上がれない少女にゆっくりと歩み寄る。
「ひっ、は、離してぇッ」
「グケッ、こりゃあ随分と活きがいい。かなり小ぶりではあるが……まあいいか」
怪魔は少女の衣服を鉤爪で摘み上げると、血走った眼でジロジロと品定めするかのように少女を見つめた。
「久しぶりの人間だぁ、よぉ〜く味わわなきゃあなぁ」
「や、やだぁ……ぱぱーッ! ままーッ!」
少女の叫びも虚しく、怪魔は彼女を一飲みにせんとバキボキと顎を鳴らし大口を開ける。
「それじゃ、いただきま───」
「死ね」
「ぼぴ」
怪魔が少女を喰らおうとした刹那、その頭上から降るように現れた軍服を纏った女性が振り下ろした金砕棒によって、怪魔の頭が上半身にめり込んだ。
断末魔を上げることすら許されずに叩き潰された怪魔の頭は、最早その原型を留めていなかった。
「へっ?」
唐突な出来事に、少女にも何が起きたのか分からず一瞬理解が遅れた。
怪魔の身体が一瞬硬直する。直後、スプリンクラーの如く赤黒い体液をぶち撒け、ふらふらと体を揺らすとその場に倒れ伏し、やがてヘドロのように朽ちていった。
「怪魔の沈黙確認……君、怪我はない?」
「ひッ!?」
澄んだ声。屈んで少女に視線を合わせる女性の顔は、それで微笑んでいるとでも言いたいのか、整った顔立ちながらもまるで
下手なホラーより怖い、まだ年端のいかない少女にとっては刺激が強すぎる。
「びゃあぁぁあぁぁ」
「あっ」
少女は堪らず泣き叫びながらその場を走り去っていった。
「……はぁ」
がっくりと俯いて軽くため息を吐いた後、立ち上がった女性の後ろ姿にはどことなく哀愁が漂っていた。
彼女の名は"鬼頭 マキ"、怪魔を駆除する獄卒である。
深夜テンションで書き殴った拙作
反省はしてる、後悔はしてない
まだ設定は固めてない