今頃AC系ってシリアスだよねーって思いました。だからなんだって話ですよね。
首輪付きはずっと部屋にこもっていましたが、水浴びや食事などで覇風に会いにいったりしています。
セレンがホワイト・グリントに搭乗して、首輪付きは自身に宛てがわれた部屋に閉じ籠もる事、5日が過ぎる。
覇風は、その5日で『とある研究』を急速で進めて、見事完成させてしまった。だが、まだまだいたるところにバグなどが残っている可能性があるため、完全な完成とは程遠い。
『覇風、保護したい一族がいる。構わんな?』
まだ未来と悟っていた『とある研究』を5日で完成(笑)させた覇風は、余韻に浸っていると突如にセレンから通信が届いたため、ビクリと体を震わせる。
「唐突だな、セレン・・・・・・。まぁかまわんが、どの程度の規模だ。種族も頼む」
5日前にセレンの行動は読めていると、暗に言ってた素振りは見せずに、極めておかしな態度は取らぬ様にセレンに聞き返す覇風。
『規模は二十強。種族は『蟻蜘蛛族』だそうだ。マザー外部の周辺に領土と塀や柵を作って欲しい。内部にもだ。中々離れているため、戻るのに時間がかかるかもしれん。その間によろしく頼むぞ』
覇風はセレンのセリフである『内部にも』と言う単語の所で、口を歪ませて嗤う。この通信は、音声のみなので丁度狂気的笑みを浮かべる覇風の顔はセレンに見えていなかった。
「ああ了解だ。・・・・・・しかし、解せんな。お前にとっても人助けと言う物は、自らが動く程の大事なのか?」
口を三日月に歪ませて嗤いながら、覇風はセレンに皮肉を込めた言葉を投げかける。それに対して、セレンは『もう話すことはない』とでも言いたげな感じで通信をアウトさせる。
覇風はそんなセレンに『可愛いところもあるじゃないか』と嬉しさ半分、その他半分の気持ちで狂気的な笑みとは違う微笑みを珍しく浮かべる。
「クハハッ! 犬の次は、蜘蛛と来たか。 この発見は、今後の計画に多修正を入れる必要性が出てくる。さて、面白くなってきたな・・・・・・っ!」
ズボンのポケットに両手を入れて、今後の『計画』とやらの密度を高めるために頭の中を思考に埋めながら、覇風はマザー外部へと移動を開始した。
◇◇◇◇
セレンから連絡を受けて、『スピリット・オブ・マザーウィル』と思われる上半身の外側へと足を進めて、自身が思うような柵を敷き詰めた四角形の領土を覇風が用意した。さらに、その領土の位置は不自然な場所に設置されていて『スピリット・オブ・マザーウィル』がこの建物だと仮定すると、丁度三対六翼の翼の部分に当たるかもしれない。
『蟻蜘蛛族』のためだけにマザー外部と内部に領土、部屋を用意した覇風はまたもや『とある研究部屋』に戻ってナニカの準備をし始めていた。
覇風が危ない準備を始めて、一週間の月日が経った。首輪付きはさすがに、これまでの流れた日々で大分心が休まると、首輪付き自身から覇風へと赴いた。
「やっと戻ってきたか、首輪付き。・・・現在のミッションは、今のところ無い。だが、もうすこし経つとセレンが帰ってくる。ついでに違う種族も連れてくるそうだ、お前も私とこい。それまで休んでいるか、自分の愛機をながめていろ」
マザー内部の管制室で椅子に腰を掛けている覇風が、後ろの自動ドアを開かれて現れた首輪付きを首だけ動かし、目を向けて話しかける。
首輪付きは、この一週間で何かをされたかのような表情をしていた。その表情は目の下に黒すぎる隈をつけて頬は痩せこけって、げっそりしている。目も虚ろでどこを見ているかわからない。
覇風の言葉を聞いて首輪付きは「コクン」と顔を下にさげる。そして部屋から出ようとした所で覇風に待ったを掛けられた。
「ふむ・・・、首輪付き。お前の耳と尻尾はずいぶんと綺麗だな。触らせてみろ」
椅子から立ち上がり、首輪付きへと近づいていく。首輪付きは『耳、尻尾、綺麗』と言う単語に反応して、虚ろだった目に生気が蘇えり、今まで垂れていた耳と尻尾を少しだけ揺らす。
後ろを向いた状態だったので、首輪付きはそのまま尻尾と耳を掴まれる。いや、強引でも鷲掴みでもなく、優しい手つきで首輪付きの尻尾を、耳を労るように擦る覇風。
覇風は、尻尾と耳に触る度『もふもふ』という擬音語が出そうな感触に驚きつつ、前にいた世界ではこのような生物は存在しないと思い込んでいたため、物珍しく目を細めながら暫くの間、ずっともふもふっていた。
首輪付きは覇風による愛撫を責め立てられ、時折『はぅっ・・・』や『わぅんっ』とげっそりしている頬を薄めの朱色に染めて喘いでいた。
「お前は私の宝物だ。ゆっくり休んで、元気な所を見せてくれ」
数分間、後ろ方向に向いている首輪付きの耳と尻尾を覇風が撫でまわしていると、頭部の頂部についている白色の犬耳に顔を近づけて優しく、全身のちからが抜けるような甘い言の葉を吐かれた首輪付きは『も、もふぅぅぅぅ・・・っ!』と泣き声のような、うめき声のような曖昧な声を上げると、立ったまま眠りについてしまった。
経ったままねてしまった首輪付きをよろめかさせないように、後ろから抱き抱えて姿勢を整える覇風。
「想定の範囲内だが・・・・・・、これは危険だったな。もうすこし扱いを改善しなければらなんようだ。あれのために・・・・・・」
そういった後、首輪付きをお姫様抱っこではなくて無造作に肩に担ぐと管制室から出て、首輪付きの部屋へと移動する。
◇◇◇◇
首輪付きを自身の部屋に置いてあるベットへ放り投げて、管制室へと戻り本を読んでいた覇風はセレンから連絡を受けて約五時間後、到着すると言う報告を言われた覇風は、首輪付きを起こしてマザー外部の不自然な四角形の領土へと向かう。
「そろそろ到着する頃合いだが・・・・・・」
首輪付きを連れて外部に出てきた覇風は、上空を見上げてセレンが来るのを待つ。尚、首輪付きはこの数週間に渡ってまたく取れなかった疲れを取ることに成功した様で隈などが大分回復されていた。
数分後、遠くから緑色の粒子を発して、こちらに向かってきているホワイト・グリントを覇風が目視する。コジマ粒子を用いている覇風印のジェネレーターとメインブースターを使用しているのにも関わらず、本来の速度よりも遅くブースターを噴かせてやってきていた。しかもホワイト・グリントの真下には、黒色の箱みたない巨大の人事用輸送鉄骨が吊り下げられてあり、横には窓が複数ついていた。
ホワイト・グリントは覇風と首輪付きに近づくに連れて、徐々に速度を落とし、数メートル離れた位置に着くとゆっくり降下する。
『遅くなったな、ただいま』
青いカメラアイを光らせて、コジマ粒子をまき散らしている青年にセレンは声を掛ける。
「おかえり。『かわいい』セレン?」
ニヤけたすまし顔で、覇風よりすさまじく大きいホワイト・グリントを見上げて話す。心なしか、ホワイト・グリントの腕がプルプルと震えているようにも見える。ついでに首輪付きも覇風の後ろでおかえりの言葉をセレンに言っていた。
『まだ根に持つか・・・・・・。後で覚えてろよ』
腕を震わせて、苛立ちの籠もった機械音混じりの声音でセレンが返すと、覇風は両手を上げて『おぉ、怖い怖い』と嘆息した。
こんな慣れ合いをしたセレンと覇風。その後には、セレンが連れてきた蟻蜘蛛族と邂逅するために黒い箱の人事用輸送鉄骨へと視線を向かせる。
『もう出てきても大丈夫だ』
ホワイト・グリントに搭乗しているセレンが黒い箱へと声を投げかけると、ドアっぽい扉が付いてある所が機械音と煙を上げて横に開かれる。
ドアが開かれて数秒後、中にいる『蟻蜘蛛族』の一人がゆっくりと出てきた。
その姿は、黄色の巨大な下半身だけの蜘蛛に人間の上半身をくっつけた様な容姿だった。しかも上半身には服もなにも身につけておらず、胸はギリギリに髪の毛で隠されている程度である。
一番最初に出てきたエロい蟻蜘蛛族は、覇風をひと目見るとその顔を驚きの面持ちに変えて早足で駆けてくる。さらには、黒い箱からゾロゾロと蟻蜘蛛族が出てきてグラマラスでエロい蟻蜘蛛族へと続いていく。ちなみに、蟻蜘蛛族のほとんどが女性で男性と思われる胸がない者は2人しかいなかった。
覇風は前の世界含めて、人間と人間に似た者しか見ていないので蟻蜘蛛族はかなり新鮮に見えて『新しい・・・惹かれるな』と誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いた。
「お招きに頂いて、有難うございます。天様」
先頭にいるグラマラスでエロい蟻蜘蛛族は、下半身が蜘蛛の六本足を閉じて上半身の人間の体を下へと倒す。蟻蜘蛛族で言う服従のポーズである。
後ろにつづいている蟻蜘蛛族も、グラマラスでエロい蟻蜘蛛族に同じく服従のポーズをして同じ言葉を覇風へと丁寧に話す。
「顔を上げろ。詳しい話はマザー管制室でするとして、お前の名はなんと言う」
不遜な態度で服従のポーズをするグラマラスエロの蟻蜘蛛族に、覇気が滞った声音で対応する覇風。
「はい。わたくしは
服従のポーズから人間の体だけの部分を起き上がらせて、ふんわりとした微笑みを向けて口を動かすアラーネア。
「ふむ、アラーネアか。・・・・・・まずは、マザー管制室へ行く。首輪付きとアラーネアはついて来い。セレンは他のシュピンネの誘導及び説明やその他諸々を頼む。それが終わり次第、セレンもこちらにこい」
セレンは覇風の言葉に肯定の一言を残して、アラーネア以外のシュピンネに領土について等を説明し始める。首輪付きは声ではなくて頷いて覇風の後ろへと回りいつでも歩ける態勢を作る。アラーネアは大きな声で『はいっ!』と返事をし、六本の足を機嫌良く動かして覇風の後に続いていった。
◇◇◇◇
「さて、アラーネアだったか。ここまでの経緯を説明しろ。そのあとで、お前達の今後を決める」
マザー内部の管制室へと到着した覇風と首輪付き、アラーネア。
アラーネアは、覇風の言葉に若干暗い雰囲気を出したが、気を取り直して覇風と目を合わせながらポツポツと話し始める。
「・・・はい。わたくしたちは――――――――――」
アラーネアが話し始めてから数十分。覇風と首輪付きは特に反応することもなく、淡々と聞いていた。が、真っ当な人間がこの話を聞くと大概は『つらい経験』などと涙を流しながら言うだろうが、生憎覇風は真っ当な感情を持ち合わせていないし、持つつもりもないだろう。首輪付きに至っては、それ自体が意味不明の単語なので心のなかで終始ハテナマークを浮かべていた。
「なるほど。醜魔族・・・人間がそんなことをしてきたのか」
腕を組んで考えるような仕草をする覇風。だが、考えていることはアラーネアや終始には全く関係無いことを考えていた。首輪付きは未だにハテナマークを浮かべている。
「そうなのです・・・・・・。あのイカレクソ醜魔族野郎がっ! わたくしは、わたくし達は何もしていないのに!! 我が一族を殺すのに飽きたらず、土地も、木もっ! クソが! クソがクソがクソがっ!!!!!」
手で頭を掻きむしり、怒りのボルテージメーターが吹っ切れた壊れた機械のように、回りに被害を与えず怒り狂うアラーネア。その実態はかなりの器用な六本足に腕であった。
覇風は、怒りに怒っているアラーネアが静まるまで只々待つことにした。首輪付きは、なぜいきなり怒りだしたのかがわからず覇風の後ろで怯えていた。
「クソがクソがクソが―――あ。も、申し訳ありませんっ。わたくしったら天様の前で粗相を・・・・・・」
我を忘れて暴れていたが視線が覇風へ向くと急に大人しくなり、口元を手で覆って『おほほ・・・』と顔を赤面させながら呟く。
「・・・・・・、まぁいい。それで、お前は人間に復讐がしたいのか? それとも、ただ黙って人間の愚行を見ていたいのか?」
コジマ粒子を回りにまき散らしながら、アラーネアからみるとものすごく神秘的な姿を見せながら、神妙に問いを掛ける覇風。その表情はかんり真面目なものである。
「復讐ができるのならば、したいです・・・。ですが、わたくし達は復讐できる力などは持っていません。天様の使いに見つけてもらわなければ、我が一族は滅びの一途をたどっていことでしょう」
覇風の神々しい姿に酔いしれながら、気持ちは沈んでいたがアラーネアははっきりと述べる。
「復讐する気持ちがあるならば、私に従え。土地も木も食料も力も、すべてお前たちに与えてやる」
口端を釣り上げて、不敵に笑みながら手を差し伸べて、復讐のポーズを撮り続けるアラーネアへと告げる。
アラーネアはその言葉を聞いた瞬間、体を勢い良く上げて覇風を見る。その目はトロンとしていて涙を目尻に貯めている。
「あ、ああ天様ぁぁぁっ!」
アラーネアの涙腺は崩壊しながらも、手を差し伸べる覇風の手を取って盛大に泣き腫らす。
「アラーネア。お前は、私の手を取った。これによりすべてをお前たちに与える。感謝するんだな」
覇風は、手を握って泣いているアラーネアを見下ろして威厳のある声で慈悲のある言葉を賜ってやる。
「さて。すべてを与えるといったが、その用意はすでにしてある。あとはお前に力を授けることだ。シュピンネ全員に力をやってもいいんだが、まずはお前で復讐を実践してみせろ」
手を握っているアラーネアを引っ張って管制室から出る。その際、首輪付きにもついて来いと言って、『とある研究部屋』と胸を昂らかせて足を進める。
覇風の後ろ姿は、誰が見ても『変態』ではなく『狂ってる』としか言い様がない雰囲気を出していた。
魔物娘はいいですよね。可愛いです、美しいです。もし、フロム脳と融合したら・・・・・・ハッハハッ!ァハハッ!ハハハァッヒャハァハァ!
単語:蟻蜘蛛族はアラーネアの一族です。シュピンネともいいます。
天様は犬侍族で言う神様、精霊神様に値する言葉です。
天様の使いはホワイト・グリント、もといセレンの事です。
次回でフロム脳を拗らせた兵器が登場します。