AC好きは、異世界でナニを為す   作:ヴェルクマイスター

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守れる力だと? はっ。所詮、言葉遊びではないか。


二十二話

 ラミアの一族達に保護を確約と言う、覇風とセレンの計画を確認させた覇風達は、守る力が欲しいと懇願したラミア族のシャミアに、さっそく『守れる力』を与えようとマザー内部へ案内しようとした。その時ダークエルフの二人、フランシスカとユージンが有り体で、よくある事を言った。

 

 

「シャミアに力を与えるなら、自分達にも力をください」

 

 

 これを聞いた覇風は、すこし思案顔を見せながらも『どうしようか』と考えた。

 フランシスカとユージンと言う名を持っているので、もしかすると、と思い出ぢて『力』を決定させる。

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

「どれ程の物か・・・、期待が収まらないな」

 

 

 マザー内部のとある一室にて、シャミアは『守れる』力を体に埋め込まれている最中に、マジックミラー越しで覇風は子供の様なはしゃいだ声を上げた。

 後ろには、与えてくれる力を待つフランシスカとユージン。さらに首輪付きまでもが居て、その風景を眺めいていた。一方、エヴァンジェはと言うと、ラミアの一族に自身の力、並びにAMIDAを自慢していて、次のような言葉をラミアの一族に向かって何度も言っていた。

 

「これが、見事なAMIDAですことよっ! すばらしいでしょう? わたくしと天様の御子なんですからね!」

 

 まぁ、ともかく。エヴァンジェは、只々自分の力に酔いしれているだけであった。

 視点を戻すと既にシャミアへの力の付与は終わっていて、病院にあるベットのような所で寝転がっていた。

 それを見た覇風は、何度か頷くとマジックミラーの場所からシャミアの所へと入る。そして、目の前まで近づくとおもむろに取り出した錠剤を右手に持ち、左手はシャミアの口へと持っていく。

 左手で口を強制的に開けた覇風は、錠剤を口の中に突っ込んで喉元へと移動させる。喉元に置いたあとは、これまたどこからともなく取り出した水で胃の中へと流し込んだ。

 錠剤のせいなのか、シャミアは一度、体を大きく痙攣させると目を閉じていた瞼を開けた。

 

 

「あ゛うっ。・・・・・・? 精霊神様? えっ、あれ?」

 

 

 驚くまで白いベットで目を覚ましていたシャミアは、意外な事実を目の当たりにする。

 今まで、目を瞑っていたいた人生を歩んでいたはずなのに、現在では見えるのだ。そう、視えることなのだ。

 

 

「な、なんで・・・。目が・・・・・・目が視えるっ!?」

 

 

 ベットから飛び上がり、周囲を見渡すシャミア。普段は、落ち着いた雰囲気を出す人物なのに、と不思議に思ったフランシスカとユージンは同じくマジックミラーの場所からシャミアのところへと移動を開始した。そしてそれに付いていく首輪付き。

 

 

「はは、あははっ。見て! フランシスカ! ユージンっ! 目が見えるっ! すごい、見えることってこんなにすごいんだっ!!」

 

 

 『見える』と言う単語に反応したダークエルフの二人と首輪付きは、シャミアの『目』を見る。

 そして、『目』を見た瞬間、フランシスカとユージン、首輪付きは『え゛っ』と気持ち悪いような怖いような曖昧な慄きをしてから、顔を反らし一歩下がった。

 何故この様な行動するかというと、シャミアの『目』が原因である。普通は、瞼の後ろに瞳―――所謂目が有るはずなのに、シャミアの『目』には瞳すら無く、異様な光景であった。まず、本来の瞳がある所に緑色をした射出口らしき物があり、その回りにはグレー色の何かと黄色の何かがある。詰まるところ、ソルディオス砲であった。名付けて『Eye of Soldios』

 しかもソルディオス砲である目は、お互いに違う方向を向きながら規則的にかなりの速度でギョロギョロしていた。

 

 

「アハハハハハハハっ! すごい! 精霊神様、ありがとうございますっ! アハハハハッ!」

 

 Eye of Soldiosをギョロギョロさせながら、高笑いを上げて覇風にお礼を言うシャミア。そして下半身が蛇の足を蛇行させてどこかへ行ってしまう。

 フランシスカとユージン、首輪付きは、その場から一歩も動けずに唖然としながらシャミアと視線を合わせずにいた。

 

 

「本題を言っていないのだが、・・・・・・まぁ後でいい。次はお前たちだ。ダークエルフ。ついて来い」

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 ダークエルフ達二人を、首輪付きにAMSを導入した部屋へと案内する覇風。まずAMS適性を測り、適性が概ねあると判断されたフランシスカとユージンは、一人ずつAMS導入装置へと入れ込まれた。

 無事にAMSを導入できた二人はさっそく外へと出て、覇風から『創造』したAC4のBFF社製のヘリックスⅠとヘリックスⅡを出して搭乗させる。

 しかし結果は、覇風にとって面白くない物で、大いに覇風を不機嫌にさせてしまったようだ。それもそうだろう。フランシスカとユージンは、始めてACに乗るのだから。

 覇風は考えた。それはもう、すごすぎるくらいに考えた。

 結論は、フランシスカとユージンを一緒の機体に乗せて性能上昇を図った。だが、これも面白くなく、またもや覇風を不機嫌にさせた。

 もう一度、覇風は考える。数分間、真面目に頭を効率よく動かしているともう一つの結論が浮上して、ダークエルフの二人を呼び戻し、マザー内部へと入っていった。

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

「起きろ」

 

 

 マザー内部のシャミアを変貌させた部屋にて、覇風はベットで寝ている一人のダークエルフ(・・・・・・・・・)に声を掛ける。

 

 

「ん・・・っ」

 

 

 声を掛けられた一人のダークエルフは、思い瞼を上げて眠たそうに周囲を見回した。

 そして絶句する。自身に起きた異常な問題について。

 

 

「えっ・・・? あたし(ぼく)が一つになってるっ!?」

 

 

 そう、ダークエルフのフランシスカとユージンは一人のダークエルフとして体同士を融合、いや合体させられたのだ。

 その姿は、半分がフランシスカの体で片方がユージンの体だ。ものすごくアンバランスで気持ち悪い容姿をしている。

 しきりに自身の腕や体、足などを見まくって、こわばっている表情を恐怖や異端を見る面持ちに変えていく。

 

 

「え・・・え、なな、なんで・・・・・・。そんな・・・。ああああ、ああぁああああ。アアァアアアアアアアアアアア!?」

 

 

 甲高い絶叫を上げて、涙を流す。ものの数秒で気絶し、ベットへと見を投げる。

 

 

「ふむ、そんなに喜んでくれるか。ここまでやったんだ。そうでなくては困る」

 

 

 明らかに受け入れられない現実として認識していたフランシスカとユージンなのだが、覇風には嬉しすぎると判断されてしまったようである。なんとも自分勝手なやつだ。が、それでこそ覇風という者。こればかりは仕方がない。




~重要~
単語:Eye of Soldios 前提に『CMS』と言う補助システムを体の中に埋め込まなければいけない。効果は、常にソルディオスである目が規則的に素早く動き回っているため、前方180度すべてが鮮明に目視できる。もちろん、ソルディオスなのでソルディオス砲が放てる。が、威力が大幅に縮小されていて、縦に並んでいる人間を二十名貫通出来る程度に下がっている。目からビームならぬ、目からソルディオスである。

単語: CMS 本来の読み方は『Concrete Manipulate System』と言う。これは『Allegory Manipulate System』の相対となるシステム。AMSとは違い、適性が無くとも導入できるため、粗製であってもそれなりへと昇進ができる可能性がある。だが、必ずしもAMSを導入しているリンクスに勝てないと言うわけではない。

単語: シャミア ラミア=蛇。蛇と言えば石化の目。と言うコンセプトから生み出されたキャラクター。ある意味で石化してしまう目を持ってしまった哀れな人物。本当に色々な意味で哀れである。

単語: フランシスカ 双子と言えば合体しか無いでしょ。と言うコンセプトで生み出されたキャラクター。双子で妹のユージンと言うダークエルフを持つ。

単語: ユージン 双子と言えば合体しか無いでしょ。と言うコンセプトから生み出されたキャラクター。双子で姉のフランシスカというダークエルフを持つ。
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