AC好きは、異世界でナニを為す   作:ヴェルクマイスター

24 / 34
前話捕捉: Eye of Soldios 前提の「CMS」とは別に、稼働させるための動力源が体内に埋め込む必要がある。もはや、生物としてのカテゴライズに当てはめることが出来ない。
>前方180度すべてが鮮明に目視出来る。
これは「Eye of Soldios」の機能が認識した必要以上の、生きるためには不必要と捉えられる情報を「CMS」を通じて脳へ強制的に送り込むことで成り立つ。送られてくる情報を処理できない脳でも、「CMS」が強引に処理してしまうので脳細胞が修復不可能なまでに死滅する。この兵器を使用する者は、非常に短命。


第二十三話

 

 

『あんな物を作って喜ぶかっ! この変態がっ!!!』

 

 

 ラミアの一族であるシャミアとダークエルフのフランシスカとユージンに『守れる力』を与えた数日後、比較的多種族と交友関係が多かったラミアの一族の長と覇風がマザー内部のとある一室で会合していた最中に、セレンがいつも以上に声音を張って上記に書かれた三名の兵器化について罵る。

 

 

「・・・セレン。今は話し合いをしている。要件なら後で言ってくれ」

 

 

 前回、セレンに言われた時はノリよくネタ的な発言を残していた覇風であるが、おちゃらけた様子は皆無で、鬱陶しそうな声帯をなびかせる。そして、覇風と話し合っていたラミアの一族の長は、突然聞こえたセレンの声にびっくり仰天して頭を抱えている。

 

 

『・・・・・・わかった。必ず開けておけよ』

 

 

 一度舌打ちをしてから、強制的に予定を入れてこの場を去ったセレン。セリフ自体はネタを思わせるが、雰囲気や声を強さを考慮すると、案外真面目に捉えられるかもしれない。

 

 

「さて、些細なイレギュラーが入ってしまった。話を続けよう。・・・して、お前が言う良い立地があるとの事は、海辺か」

 

 

 セレンが居なくなると同時に、ラミアの一族の長へと話を再開させる覇風。この会合は、少々時間を伴う重大な話し合いなのかもしれない。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 時間は過ぎて、覇風とラミアの一族の長との会合が終わった数時間後に映る。

 

 

「そう言う事だ。今は仮設の的しかいないため、お前の脳が『敵』と判断できていない。『守れる力』とやらを体感したいのならば、もう少し待つ事だ」

 

 

 マザー外部にて、蟻蜘蛛族とラミアの一族から少し離れた小型兵器実験場で、覇風から『Eye of Soldios』の使い方を学んでいる、目をギョロギョロさせるシャミア。本来は口頭で伝えて、すぐさま強襲実践へと移行しようとしていた計画だったが、シャミアが臨んだ『力』とは『守るため』の勘違いした物なので、その計画自体を断念した。このように悪役みたいな、外道な覇風にも意外な『優しい』一面があったりする。

 

 

「ちょっとふ・・・。いえ、なんでもありませんっ」

 

 

 『ちょっと不便』。こう述べようとしたシャミアは、目の前に『守れる力』を与えてくれた神様が居ることに気が付いて、慌てて何事もなかったかのような口振りをする。

 

 

「便利な『力』など、本来の『力』ではない。その概念を履き違えるな。・・・まぁ、言っても無駄だと思うがな」

 

 

 『力』と言う概念そのものを間違って考察しているギョロ目のシャミアに対して、覇風は『力』の本質を違えるな。と珍しく真面目で怒った口調で強く言った。

 

 

「も、申し訳ありませんっ!」

 

 

 最も上位に位置する精霊神が、自身のせいで気分を害してしまった、と内心で恐れ慄くシャミア。

 シャミアはその場でとぐろを巻き、ものすごい勢いで謝罪の言葉を連呼しまくる。それに対して覇風は、別段木にもしない表情していた。『貴様たちには理解できない』、まさしく相手を見下している証拠だ。

 その後は、ギョロ目のシャミアが『Eye of Soldios』の使用方法を簡単に理解できるまで講義は続いた。

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 シャミアの次は、フランシスカとユージンに視点が映る。

 

 

「お前の強みは『二人分の思考制御』だ。これがリンクスにとって、大きなアドバンテージとなる」

 

 

 左右非対称で気持ちの悪い容姿をしたフランシスカとユージン、と言う一人のダークエルフは生気のない目、所謂レイプ目を覇風に向けて無表情を貫いていた。

 

 

「・・・はい」

 

 

 ためになる覇風の説明をレイプ目同様、生気のない返事で返して、聞いているのか聞いていないのかわからない。

 

 

「そのため、お前が搭乗するネクストは特殊仕様だ。謂わば、特別でもある。・・・・・・おい、聞いているのか」

 

 

 まるで、すべてがどうでもいいとでも言いたげな無表情にしびれを切らしたのか、覇風は呂後を強めに発してその真意を確かめる。

 

 

「・・・はい」

 

 

 フランシスカとユージンである、左右非対称でキモイ容姿をしたダークエルフの投げやりな返答に、覇風は激怒する。

 同じ言葉を言った瞬間に、左手でフランシスカとユージンの首を掴み、両足が届かなくなるまで上へと上げると、鋭い眼光を向ける。

 

 

「いいか、これは貴様が望んだ『力』。自らで受け入れないとは、どういう了見だ」

 

 

 滅多な事で怒らない覇風なのだが、怒るにしても些かやり過ぎな気もする。たしかに『力』を望んで、希望とは違った物かも知れないが。いや、さすがに体を半々で結合されるとは普通思わないので、覇風が悪いと思う。まぁ、覇風なので仕方ないことだ。

 

 

「う゛ぅっ、あ・・・。も゛うじわげ、あり゛まぜん・・・・・・っ!!」

 

 

 首を掴まれて、宙吊り状態のフランシスカとユージンは、首を〆られて喋り辛いのか、それとも覇風が言ったように自身が望んだはずの力に対する戒めなのか、どちらのせいか理解不能だが、涙を流し許しを乞う。




次か、次の次くらいにほのぼの系の日常を書こうかと思っているヴェルクマイスターです。
言うのが遅くなりましたが、セレンについて確定事項を言います。覇風によるヒト化等は行いません。残念ですが、AIのまま実体がない状態で逝きます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。