更新は周に二、三回を目標としています。言うのが遅くなりました。
覇風の体が純『コジマ粒子』に造り変わった日から数日後、遥か遠くに離れた場所でよく二次創作系小説にありがちな典型的すぎる―――所謂テンプレな出来事が起きていた。
「さて、そろそろいいですか? オリスタン王国第一王位継承者『エリューロン姫』」
馬車が横転していて、国旗と思われるマークを鎧と盾に刺繍されている兵士が数十人、そこいらに転がり、回りにはドス黒い血の溜まりができている状況の中、数人の部下と観られる軽装をした人に囲まれて馬の上に乗りながら飄々と話しかけるフードを被った怪しい男。
『エリューロン姫』と呼ばれた少女は、豪華だが派手ではないドレスを着ており、そのドレスは土と血で汚れていた。怪しいローブの男から声を掛けられ、『ビクッ』と顔を強張らせる。
「・・・・・貴方は、どこの者ですか」
鈴の様に透き通った声音だが、その声帯には紛れもない恐怖心が混ざっており、必死に強がっている。と言う事がわかる。実際、武器をもった大男達に囲まれて何者かわからない人間と事を構えれば、だれでも怖くはなるだろう。ましてや、それが子供なのだ。
「おっと、これは失礼致しました。このわたくし、反体制武装勢力『アドリア』に所属している幹部。ペントといいます。・・・・・まぁ、覚えなくてもいいですが、以後よろしくおねがいしますね、『エリューロン姫』?」
人をバカにした様に語りかけるローブ男。回りの軽装をした部下たちは、その言葉に下衆じみた笑い声を高々に掲げる。
キモイ笑い声を聞いた『エリューロン姫』と呼ばれる少女は、小さく悲鳴を上げた。
「怖がる必要はありませんよ。わたくし達は、貴女に興味ないですから。名前にだけ、幾分興味ありますがね」
若干矛盾している事を申すが、それは『エリューロン姫』と呼ばれる少女にとって、些細な事だった。
『エリューロン姫』は、『もういやだ』『お家に帰りたい』等と目に大粒の涙をためて小さくのたわまるが、それも『ペント』達にとって、些細な事だった。
「くひひっ。何、すぐにお家でもウィーカーのお国にでも帰れますよ。・・・・・事が終わればの話ですがね」
ローブ男がそう喋ると、右腕を上に上げ、何かのサインを出す。
すると、ローブ男の部下達が『エリューロン姫』を拘束して、数人がかりで担いだ。
―――――――・・・・・ォォォォ!
突如、ナニカの『音』が聞こえてくる。
ローブ男と部下達は、その『音』に気が付き、『音』がする方向へと首を向ける。
―――――――・・・ォォォォォォ!
『音』が大きくなるにつれて、ローブ男は腰についている剣を手に掛ける。部下達も、担いでいる者以外、続々と手に武器を持ってナニカに備えを打つ。
―――――――ゴォォォォォォォォォォォっ!
『アドリア』を名乗る者達がそれぞれの得物を取った数秒後、『白い閃光』が上空を通り過ぎていった。これは比喩にあらず。音が聞こえて、何かが接近しつつあると感じていると、白く巨大な物が残像と言う現象を残して上空から出てきて、そのまま上空に消えていった。
さらに、『白い閃光』が通ったことによって、風圧がローブ男、馬、『エリューロン姫』、部下達に襲いかかった。ローブ男は馬から投げ出されて地表へゴロゴロとぶっ飛ばされ、馬は横転し、部下は吹き飛ばされて木に体をぶつける者や、ローブ男と同じくゴロゴロと転がる者がいた。『エリューロン姫』は担ぎ上げられていた男が飛ばされたせいか、風圧にもよる攻撃で地上から2mの高さから落ちて、くぐもった声を漏らした。
◇◇◇◇
「一体、何だったのですかねぇ」
『白い閃光』が通り過ぎた数秒後、ローブ男は部下達、『エリューロン姫』の無事の安否を確かめてから、独り言の様にごちる。
部下達はその独り言に反応して、『わかりません』の一点張りであった。
「・・・・・まぁ、今回の作戦はうまくいきましたので、些細なイレギュラーはこの際どうとでもいいです」
部下たちの声を受けて、ローブ男が呟く。
そして次の瞬間、『アドリア』を名乗る男たちにとって悪夢の様な出来事が起こる。
――――――・・・・・ァッ!
また『音』が聞こえる。
ローブ男達は、先の出来事を即座に思い出したのか、その手に素早く武器を取る者、衝撃に備えるものが太多いた。。
――――――・・・ヒァッ!
『音』は、段々と近づいて来る。
『エリューロン姫』以外の者達が武器を、衝撃に構えて『音』が来るのを待つ。
――――――ドヒャア!
『音』を置き去りにして、ナニカが現れる。
そのナニカの姿は、10m級の全長に白を基調とした美しい翼の様な物を背中に持つ人型の外見。
白色をメインにもつ人型のナニカは、ローブ男達から20m程の上空で静かに佇んでいる。
「古代ゴーレム・・・・・?」
部下たちと『エリューロン姫』が驚愕の表情を露わにしている中、驚きを顔に貼り付けて、自問自答をするようにローブ男は嘯く。
『貴様。いま、このホワイト・グリントを「ゴーレム」と言ったか?』
ローブ男の小さな声が聞こえたのか、人型のナニカ―――ホワイト・グリントは青いカメラアイをそちらに向けて、威圧感たっぷりでノイズが少々走った声で問いをなげかける。
ホワイト・グリントが喋った事に、さらに驚いたのか、一部の者は飛び上がったり、武器を落とす者、マクドナルドのCMである子供の発狂した声を上げるもの、再度武器を力強く握る者、反応はそれぞれだった。
そして、ローブ男の言った言葉が『エリューロン姫』の耳に届いて、目の前の恐怖心からか、色々とおかしい思考をしだす。
「んー! んー!」
口を拘束されているおかげで、何も発言することができない『エリューロン姫』。その悲鳴にも似た叫びは、ホワイト・グリントの通常ブーストの音でかき消され、誰の耳にも入らなかった。
『ホワイト・グリントの良さをわからないとは・・・・・。哀れであり、愚かでもある。よって、生きる価値はないに等しい』
『ザーザー』と不気味な音と声が混じり、その言葉にはより一層恐怖心が煽られる。
遠回しに『殺す』と言われた部下たちは、逃げる者、隠れる者、何かを唱える者、そして武器を掲げるものがいた。
ローブ男は眉を顰めて、馬から降りてから手を上にあげてある言葉を発しようとした。
『マッハで蜂の巣にしてやろう』
ローブ男の行動を遮って、発光してからどこからとも無くホワイト・グリントの両手に現れた、長方形に取ってが付いたようなものを出現させる。
そして、すばやく長方形のナニカの照準を男達に向けて、引き金を弾く。
―――――――ダンッ!
長方形のナニカから発射された物が、ローブ男と『エリューロン姫』以外の部下達に当たる。
発射された物が部下たちに当たると、部下たちの体は比喩なしに木っ端微塵にされ、血も残さずこの世から去った。さらに、部下たちが居た所には、大きなクレーターが作られている。
一秒にも満たない時間で、この様な神業を見せられたローブ男は、部下たちの死には気づかず、フードで覆った顔を恐怖に染め上げた。
残された二人以外を殺した所で、もう片方の手で持っている長方形のナニカをローブ男に向けるホワイト・グリント。
「ちょ、まじですかっ!。夢なら覚め―――――」
『足掻くな。運命を受け入れろ』
恐怖心で心の中をいっぱいにしたローブ男は、逃亡を図ろうとした所で、ホワイト・グリントによりあるセリフを遮られて、生涯の命を失った。ちなみに、ローブ男も体を木っ端微塵にされ、その後にはクレーターしか残っていなかった。
『パッチ、ザ・グッドラックか・・・・・。なかなか面白いやつだが、このホワイト・グリントを侮辱した罪は重い。』
ホワイト・グリントが不気味な音と共に、声を発して、その場を去ろうと機体を回転させる。
「ま、待ってくださいっ!!!」
突如下から、声が聞こえた。
その姿は、血と土で汚れたドレスを着ており、口には拘束された痕と、ヨダレがベタベタに光っていた。
ホワイト・グリントはその声に反応して、機体を半回転させて青い複数の目を少女に向ける。
「お待ちくださいっ! ホワイト・グリント様!!」
手と足が縄により結ばれて上手く立てないのか、何度か転びながら立ち上がろうとする『エリューロン姫』。
『ホワイト・グリント様』と聞いて、ホワイト・グリントは機嫌を良くしたのか、『エリューロン姫』の元へと静かに降り立つ。
正直に言って、WGを表現するのは難しかったです。ですので、かなり違和感を感じている方も多いでしょう。ごめんなさい。
ただ作者が始めてWGを見た時『ナニあの翼、かっけー』って思ったので、胴体の部分のOB使うときに開くあの部分を『翼』と表現しました。
単語:ウィーカー 意味 精神的弱者や物理的弱者、所謂根性なしの人。又は、人々。俗称で使われていて、最大級に相手を罵倒する言葉。
上記の単語は、今作の世界観のみで適応されますので、英語のWEAKERとは違います。