多種族国家「フロム」が着々と高度成長している中、この世界に存在する大国の国王達が一つの場所に集結して、未来に影響を及ぼす新興国について話し合いが行われようとしていた。
「よく集まってくれた。時の教会の民を代表として心晴れやかに、神の思し召を持って、盛大に歓迎するぞ」
高級な作りをした長円の机に、それぞれ違う色をした椅子がある。机の上には、各々の国名が書かれた木の板と発光している魔法陣込の紙がおいてあった。
今、発言をした人物は、136文字を小さく業詰めにした木の板の横に、時の教会と書かれたプラカードがある、この部屋唯一の有人であった。
「よく言う。・・・御託を述べるのならば、我は帰るぞ」
時の教会の王、特徴的な髭が目立つ男のゆったりとした発言を、覇気のある声で多少の合間を開けて断ち切る。
ディカイオシューネ帝国と記された木の板と一緒に置かれている魔法陣が描かれた紙からの非難に対して、時の教会の王は一瞬だけ眉を顰める。
「ふん、恩寵無き罪人を数多に召喚している者が。慎みを持つのだな。そう思わんか、オリスタン王国三代目国王クローロンよ」
一秒にも満たない時間で、器用に笑みへと面持ちを戻した時の教会の王。しかし、その表情には裏を匂わせる物があった。
オリスタン王国の三代目国王クローロンと呼ばれた紙は、時の教会の王に賛同すべく、声を上げる。
「同意だな。彼方の異界から強制的に、何も知らず連れて来られる身にもなってみろ。力が伴っていても、不安や恐怖が拭えるというわけではない。ましてや、それが魔族との戦争だとなおさらだ」
「我ら人族にとって、平和を乱すのはいつだって魔族だ。・・・元を断つ。これが必然であり、重要な事なのだ」
クローロンの言葉に間を開けず、静かな怒気を孕めた声音で返す。ディカイオシューネ帝国の王が言う言葉には、断固とした決意の様なものが見えて取れる。
「俺から言えば、平和を乱しているのはお前だ。関わりがない異界の人を連れて、なぜ戦争をする? 語源が違くとも、確かに分かり合えるはずだ。時間はかかるが、より親密になれるかもしれないんだぞ」
オリスタン王国の王とディカイオシューネ帝国の王による、平和の意の語り合いは数十分間も続き、壮絶な罵り合いに変わった。
両国における一方的な主張は、お互いの確執を助長する物となり、蟠りを確かにしる。
そして、自らの在り方が本来なのだ。と子供のような言い争いに、待ったを掛けた中立的国リンコバルト。
リンコバルトのおかげで、オリスタン王国とディカイオシューネ帝国の両方は口を塞ぎ、主要の国々が集まるこの会議の本題へと移る。
「ウォホンっ。・・・さて、例の案件だ。『多種族国家フロム』と名乗る国についでだが。まず、我ら時の教会が遣わした使者は戻っていない。・・・・・・時のご加護を受けれない魔族にやられたのか、道中の魔物に襲われたのか」
非常に心苦しいと言いたげな表情をする時の教会代表。それに対して、ディカイオシューネ帝国の王は『国家名しかわからん。と素直に言えんのか』と内心で愚痴を飛ばし、呆れていた。
「俺の所もなしだな。唯一解るのは、人語が話せる飛行型古代ゴーレムの存在。もしかすると
クローロンの発言に出席している誰しもが、『四眼魔族』のワードにて心の中でクエスチョンマークを浮かべる。
覇風が立ち上げた多種族国家「フロム」に対しての会議は、まだまだ終わる気配はない。
戦闘パート・・・入るかなぁ。
~単語~
ディカイオシューネ帝国: 世界トップクラスの大国。魔族と呼ぶ卑劣な者を戦争で負かす事を目的としている。勇者召喚と言う大規模魔法を歴史的に行使し続ける国で、兵力もトップクラス。目指す到達点の違いから、オリスタン王国とは仲が悪い。
リンコバルト中立国: 数多に存在する国に置いて、中立関係を保ち商業が発展してる国。