――――ガシン、ガシン。
多種族国家「フロム」から幾分離れた所に存在する洞窟にて、ロボットの足音のようなサウンドエフェクトが響き渡る。
「言っとくけどなぁ。感っつーのは、実力が伴ってる物なんだよ」
覇風が模倣し、この世界で創りだしたネクストACとは違い、角張っていて重々しくガッチリとした一つのロボットが、他の三機へと通信を試みている。
「煩いよ、ヘッグ。僕達の実力は高いじゃないか。比べる対象が少ないだけで」
ヘッグと呼ばれた男は、いかにも口悪そうに鼻を鳴らして、悪態を付く。
これを聞いていた残りの二機は、苦笑いを浮かべて、事の顛末を見守った。まぁ、それぞれはコックピットに搭乗しているため、表情は伺えないのであるが。
◇◇◇◇
重々しい音を数多く鳴らしながら、洞窟内部を歩行進行している四機のロボット。
時には状況報告をしたり、愚痴を言ったりなど行っていたが、遂に最深部へと到達してしまっていた。
「・・・・・・本当に何もないな」
アルファベットの「R」と「L」が混ざり合ったエンブレムを左肩へと付けているロボットが、感嘆するように独り言を言う。
「だから言っただろぉ。ここは何もねぇってな。・・・ッハ。これがてめぇのか―――」
「っ! 魔力反応!?」
ケチ付けてきた人物にヘッグがモノ申そうとした時、レイレナード社の紋章が模られたエンブレムを左肩に付けているロボットから、焦りの声が上がった。
それと同時に、レイレナード社製のロボット、いやACが居るフロアは地鳴りを起こした。
『認証プログラム起動。・・・複数対象をアーマード・コアと断定。全制御システム解除します。ようこそ、ノナグラムのトラウマへ」
小さな地鳴りが鳴っている中、声に似たような音が響き、レイレナード社のAC達の耳に入ってくる。
その後、前面がゴツゴツした岩の壁であったのにも関わらず、徐々に透けていくような感じで、洞窟本来の姿を見せる。
「お、おい。何なんだよ、これ」
いつでも戦闘が起こって良い様に四機のACは、両腕の原始的な武装を構えていたが、予想外すぎる出来事に呆然としてしまう。
両背の武装だけは違うのだが、それは後で語ろう。
「・・・・・・だから言ったんだ。僕の感は、ここにナニカあるって!」
ヘッグがケチを付けた人物は喜びにあふれた声を上げながら、『ボヒー』と言うブースト音と共に、開かれた研究所の扉を潜り抜ける。
いきなりの行動に驚きつつも、他のAC達は後を追うように、特徴的なブースト音を噴かせながら扉を潜った。
この世界に存在しないはずのアーマード・コアが、何故、変哲もない洞窟によって知られているのか。
この事実は覇風を大いに揺さぶる事柄なのだが、それが伝達されるのは、もっと後のことである。
次に戦闘シーン入ります。