俺はNTR展開絶対見逃さないマン……孤高の男…… 作:NTRスレイヤー
俺は幼馴染み敗北フラグも見逃さないマン……孤高の男……。
幼馴染みは距離が近い。
距離が近いがゆえに、恋愛感情には発展し辛い。
なるほどなぁーっ、完璧な理論だなぁーっ、それがフラグな時点で、俺には匂っちまうわけだがなーっ!
……そういうわけだ。
今日はその辺りを考慮しつつ、校内を見回ることにするぜ……。
くくく、調べはついてんだぜ?
この世界が同人誌みたいなハプニングが起きまくる世界だ、ってのはな……。
それじゃあ俺も、せいぜい好きにさせて貰うとするさ……くくく。
俺はNTR展開絶対見逃さないマン……孤高の男……。
匂うなぁ、匂い立つなぁ……。濃厚なNTRフラグの匂いだ。
どこだ、どこに居やがる……?
……見付けたぜぇ、そこに居たのかNTRフラグ……会いたかったぜぇ……くくく……。
茂みからカメラを構えて、誰かの写真を撮ろうとしているそいつの首を絞め落とし、そのカメラを回収する。
……なるほどなぁ、既に現場は押さえてやがったか……くくく、こいつは俺が有効活用してやるぜぇ……?
そこにあった写真は……まぁ、なんというか。
ちょっと口に出すのが憚られるやつだったわけだが。……思い人の机で、そういうことするのはどうかと思うぜ……?
まぁ、朝っぱらに匂ってた幼馴染み敗北フラグまで回収するとは、思わなかったがなぁ……?
俺は幼馴染み敗北フラグもNTRフラグも見逃さないマン……孤高の男……。
一時期の幼馴染みの異様なまでの敗北率は、一体なんだったんだろうなぁ……?
まぁ、俺は幼馴染みが勝とうが負けようが、別に構わねぇわけだが。
……とは言え、鼻に付くのは確かな話。くくく……まぁ、有効活用してやるさ。
写真をネタに呼び出した相手は……相手は……今時珍しいツンデレ娘、だと……?
お、落ち着け俺は敗北フラグを見逃さないマン……孤高の男……。正直どうすりゃいいんだ感が凄まじく高まって来やがったが、どうにだってして見せるさ……。
気丈な瞳でこちらを睨んでくる少女。……くくく、気の強い女は嫌いじゃねぇぜ……?
今回向かうのは放送室だ、防音が効いてやがるから
くくく、そうだぜ、ここでお前はあられもない姿を晒すんだ……。
さぁ、マイクに向かって、その声をみんなに聞かせてやりな……。
……くくく、うまくできたじゃねぇか。
じゃあこっちは準備をするかな……安心しろ、
俺は幼馴染み敗北フラグも見逃さないマン……孤高の男……。
衆人環視の中での告白……だなんて、プライドの高いお前に取っては、屈辱以外の何物でもなかっただろうなぁ……?
くくく……お前のプライドをずたぼろのボロ雑巾のようにしてやるのは、中々楽しかったぜ……?
何度も泣き声を上げて、許してくれと叫んだが……まぁ、俺にそんな悲鳴は通用するわけもない。
それに、お前は不純異性交遊を望んでいたようだが……俺の目の黒い内はそんなことはさせねぇぜ、くくく……、昂る体の火照りを、せいぜい悟られないようにするんだな……。
それと彼氏君よ、その女はとんだ淫乱だぜ、せいぜい手綱を捕まえて置くんだな……。
……たまに机が濡れてる?
お、俺は知らねぇなぁ……?苛められてるんじゃねぇのかお前さん。
くくく……滑稽だなぁ、ええ……?
…………あとでしっかりしつけとくか………。
俺はNTR展開絶対見逃さないマン……孤高の男……。
どうして諦めると言う言葉を知らねぇんだろうな、こういう輩は……。
最初に目を付けていたのは自分だ?それを横取りしやがって?
………くくく、なるほどなぁ。笑っちまうぜ……まさか俺が、単なるおっさんだと思われているとはな……。
俺はずっと、俺が何なのかを示しているんだぜ……?
俺はNTR展開絶対見逃さないマン……孤高の男……。そう、お前が先に目星を付けていたのだとするのなら。
俺はそれを横から
くくく……そうさ、初めからお前は俺の獲物……哀れな寝取られ側だった、ってことさ……。
じゃあまぁ、せいぜいブタ箱の中で、お前が手に入れられなかったモノを、指でも咥えながら見てるんだな、くくく……。
幼馴染みの彼が、私から疎遠になってしまったのは。
……思えば、素直になれない私の意地っ張りなところが、原因の一つだったのでしょう。
……好きという、たった一言を伝えるというだけの事に、どれほどの躊躇いと葛藤があったことか。
その癖、彼が他の女の子と話していると、胸が苦しくて苦しくて、張り裂けそうに切なくて。
……その、机で……致してしまったりしたことも、あったわけなのですが。
それが良くないことである、というのは。……深く考えずともわかることであって。
強面の教師である先生から、その現場を収めた写真を見せられた時。
私の胸に訪れた恐怖と、羞恥と、憤怒は……とても言葉で言い表せるようなものではなく。
彼を睨み返しながら、同時に、『ああ、終わってしまった』と、どうしようもない後悔に、身を沈めていたのです。
そうして連れてこられたのは、放送室。
音を扱う場所である以上、ある程度防音が効いているこの場所で、私は───。
微かに震える私の肩に、先生の手が置かれて。……生唾を呑み込んだ私は……。
「よし、アイツを呼べ」
「…………はい?」
次に彼が告げた言葉に、思わず間抜けな顔を晒しながら、彼の方に振り返ってしまったのです。
そして、そこにあったのは。
心底不思議そうに、こちらを見つめ返す先生の顔だったのでした。
そこからはまぁ、なんというか。
ジェットコースターに乗った気分というか、はたまた無理やり乗せられた気分と言うか……。
よもや全校放送で彼を校庭に呼び出す、なんて事をするはめになるとは思いませんでした……。
指定時刻は放課後、その間に少しでも成功率を上げるぞ、なんて言葉と共に、隣のクラスの女子生徒さんが「待ってました!」とばかりに放送室に入って来ましたし。
それから、薄く化粧をしてもらって、「案山子だと思え」なんて言葉と共に、彼女の彼氏さんがなんとも言えない表情で立っているのを前に、延々と告白の練習をさせられて。
……その、この工程に関しては私の意気地のなさ云々より、傍らの女子生徒から立ち上る、あからさまな不機嫌オーラの方が恐ろしかったわけなのですが……。
先生が言うには、恐怖がお前の殻を破らせる……との事でしたので、ちゃんと考えた上での指示だったということは確かのようですが。
……でも怖いものは怖いので、次回があればこういうのはやめてくださいませ……。
あと、教師が告白のお膳立てをするのはいいのか、とも尋ねたのですが。
これまた不思議そうな顔で、「不純じゃなきゃいいんだよ、
……なんだか凄く釘を刺されたような気がするのですが、気のせい……ですわよね?え?気のせいじゃない?……むぅ。
それから、放課後までひぃひぃ言いながら、先生の言う特訓を行って。
訪れた放課後、訪れた校庭、訪れた──彼。
真っ白になった頭と、つい口から飛び出しそうになる悪態を、どうにか堪えて。
……いえ、特訓時の彼女の『これで失敗したらお前許さないからな……!?』という無言の圧を思い出したからでは、決して、決してなくてですね?
まぁ、いろいろなモノを動員して。……周囲に散逸する他者の視線も全て無視をして。
己の胸の裡を──思いの丈を、自分にできる限りの全力で投げ付けて。
そうして──見事に、彼に了承の言葉を言わせる事ができた時、私はここから始められるのだと、変われるのだと、歓喜に包まれたのです。
……まぁ、ちょっと歓喜に包まれ過ぎて、ちょっとやらかしてしまうのですが。
で、でも長年の片想いが報われたのですから、それは仕方のないことだと思いませんか?……思わない?隙になってるから自重しろ?そんなぁ。
……こほんこほん。
まぁ、先生の言う通り、隙になっていたのは確かなので、今後は気を付けて行きたいと思います、はい……。
せめて学校ではやってくれるなよ?
……前々から思っていたのですが、先生は甘いのか厳しいのか、よくわかりませんわね?
え、かなり甘い?不純じゃなければ認めてるのだから、幾らでも甘酸っぱいモノを重ねていけ?
……な、なるほど。
だから今度、みんなで遊びに行こう、俺が車を出すから……なんて言葉が出てくるわけですわね、勉強になります……。
こっちの事はいいから次を話せ?
んもう、照れ屋さんなんですから……。
えっと、隙がうんぬん、でしたわね?
……はい、反省しております。ああいう行為は見付からないように……そもそもするな?そんな殺生な!?
やっと彼と心を一つにできたと言うのに、火照る体を慰めることも容易にはできないなんて!なんて世の中なのですか!
……はい?そういうのが『どうじんしのう』?何を仰っていらっしゃるのです先生?
まぁ、次回があれば気を付けますので、そこは置いといて。
……先生が最初に見せてくれた写真。
それを撮った人物が、また私の恥態を収めていた──というその事態により、天上のような心地からまさに叩き落とされた私。
震える私の肩に写真部の部長が手を置き、促されたのは放送部までの道。
私に歓喜を与えてくれたその道が、まさに今穢されている──その事が辛く、悲しく、恐ろしく……。
涙を堪え、放送室の扉を開けて──。
「よく来たな、よく俺の前にその面を出せたな。──では死ね」
中に居た先生の言葉と共に、彼の渾身のストレートが部長を捉え。
……そうして、私は自由を手に入れたのでした。
「部活の備品だったみたいだから、壊すまではしなかったんだが……甘かったか。弁償代もアイツ持ちにしておこう」
そう仰いながら、先生がカメラを粉々に砕いた姿は、一生忘れることはないでしょう。
……まぁ、そのあと例の彼女の彼氏さんと私の彼が、「こんなやつはこうだ、このっ、このっ!」と言いながら、部長さんに必要以上に制裁を加えていたのには……ちょっと、引きましたが。
でもまぁ、そういうことをされる謂れはキチンとあるわけですから、止めたりはしませんでしたけど。
それにしても……。
なんというか、蛇の道は蛇という言葉を思い出すような、先生の行動は……。
彼の過去を、うっすらと想起せざるを得ない、というのは。
……おそらく、余計なお節介なのでしょうね、と。
柄にもなく、私はそう思うのでした。
「くくく……NTR物だけかと思ったら、そもそもこの世界の人間がちょっと