一般の何処にでもいるような大学生のお話である。
1話 楠崎龍照
大学生になって3年目の夏休みに入る前の期末試験最終日の帰りに、私はN駅の近くにあるNBと若者たちから呼称されているエリアに足を踏み入れた。
12時に終わり、時間が有り余っている私は、リラックスをしたいと思い、中古ゲームショップやトレーディングカードを取り扱っている店等が立ち並ぶ場所。
このエリアに立ち寄ったのだ。
カードゲームが好きな私にとっては天国のような場所だ。
セミの合唱と車の走る音、同胞たちの声が混ざる中、私はイヤホンを耳にさして音楽を聴きながら、駅の近くにあるカードショップに足を踏み入れる。
「さて、私が探してあるカードはあるだろうか……」
私はスマホの電源を入れてメモ帳を確認する。
そこには、私が欲しいカードのリストが表示された。
電車に乗っている間、デッキ必要なカードを調べてメモしたのだ。
「えーと、ヴァルキュルスの影霊衣、トリシューラの影霊衣……ブリューナクの影霊衣……」
私はショーケースに入ってあるカードを眺めながら、自分のほしいカードを探した。
そして、私はメモ帳アプリを起動し、そのカードの値段を記録する。
ОRを称されるこのエリアは大小様々なカードショップがたくさんある。
一番値段の安い店でほしいカードを買って、出費を1円でも安く済ませたい戦法である。
30分間、ОRを巡り巡った結果、何とか2000円ほどで出費を抑えることに成功した。
用が済んだ私は、N駅から電車に持って自宅へと帰った。
「たでーま」
自宅についた私は、真っ先にリビングへと向かい手洗いをしに行く。
「おかえりー!」
と母が言う。
私は手を洗いながら「ふぃー」と一息入れながら「テスト終わったー。9月まで休みや」とやり遂げたような口調で言う。
母は「テストどうやった?」といつものように私に聞いてくる。
「まぁ、普通やな。去年と変わらん」
私の大学の学部のテストの大半がノートやレジュメが持ち込み可となっている。
それゆえ、基本的に授業を確り受けてふざけた解答をしなければ、大体は受かる。
「まー、こっから夏休みよ。やっとやぁぁぁぁ……」
私は背伸びをしながら自室へと戻る。
そして、自室へと戻った私は高校生の頃に妹から頂いた長財布に入れていた買ったカードを取り出す。
そして、透明スリーブからカードを抜いて、黒いザラザラしたスリーブに入れ直した。
そしてそれをデッキに組み込んで、少しだけ微笑んだ。
「よし、影霊衣デッキ完成!!」
私は高らかにそういった。
遊戯王というカードゲームは前のルール変更により、私は一時的に遊戯王をやめていた。
しかし、最近になってもう一度再開した。
それで、デッキを作り直しているのだ。
私はスマホからLINEのアプリを取り出して中学からの友人たちのグループ(3人)に、こう書き込む。
『影霊衣デッキ完成』
すると少ししてから、友人たちが『おー』や『おめでとう』という返事が返ってきた。
私は『いえーい』と返答し、スマホをベッドに置いてリビングへ向かう。
「今日の飯なに?」
と母に聞く。
母は、少し考えてから「昨日の残りでいいんじゃない?」と言ったので、私は「りょーかい」と言った。
別に私は食べれたら問題ないので、ぶっちゃけなんでもよかった。
時刻は3時ちょっと過ぎたところ、私は再び自室へと戻り、ベッドに置かれてあるスマホを手に取ってとあるゲームアプリを起動する。
対魔忍RPGというゲームだ。
詳細は言わない。
言えるわけがない。
そのゲームのイベントを10分ほど周回し、それを終えるとメモ張に書いてある自作の小説を書き始める。
タイトル名は「闇英雄」。
邪悪に支配された人々が様々な次元や世界を行き来して自由に楽しむ物語だ。
中学2年生から書いてる小説。
今まで様々な小説(らしきもの)を書いているが、今も書き続けているのは、この闇英雄だけだ。
「今日か明日には書き終えたいな」
私は、独り言を呟きながら文字を打っていく。
筆がなった……。というより腕がなった結果30分以上小説を打ち続け、何とか物語1話分が完成した。
達成感に浸っていると、私はあることが脳裏を過る。
「あ、やばい、卒業論文やらんとあかんやん!!」
そう私はいま大学4回生。
来年卒業するのだ。
その卒業の為に卒業論文という訳のわからないことをしなければならない。
マジでこれ誰が考えたんだよと、私は肩を下す。
正直言ってこれほどやりたくない物などそうそうないだろう。
そして、私はあることが頭に浮かぶ。
卒業論文の提出は来年の1月の中旬、今は7月中旬。
まだやる必要はないのでは?
とささやいてくる。
まぁそれもそうだ。
私はベッドに寝転がり、再び対魔忍RPGを起動していまやっているイベントを完遂しにかかった。
何時間やっただろうか。
気づけば外は薄暗くなっており、母の飯と呼ぶ声が聞こえる。
私は、アプリを閉じてリビングへと急ぎ足で向かう。
「腹減ったー。飯―」
そういいながら、テーブルの椅子に腰かける。今日の飯は昨日の残りのキャベツの煮つけにシャケ、豆腐、サラダ+αでみそ汁とご飯となっている。
「いただきます」
私は手と手を合わせていただきますをして箸を持った。
「はーい、頂いちゃってください!」
母の声に反応しつつ、私は出された飯を完食する。
味の方は言うまでもない。
普通においしい。
まぁ、私は大体出された飯は美味しいと言って完食する舌を持っているので、私の味に関する感想はあまりあてにできない。
何でもかんでも美味しい美味しい言いながら全部食べるので。
「ごっつぉーさん!」
手と手を合わせてそういった私は、ショッキを台所に置いて自室へと戻る。
そして、タンスから風呂上りの部屋着を取り出し、シャワーを浴びに風呂場へと向かった。
シャワーで1日の汚れを落とした私は、バスタオルで全身を拭き、自分の部屋に戻った。
時刻は8時。
私はPCを起動し、とあるオンラインゲームを始めた。
「さて、やるか……」
現在、行われているイベントを周回するため、ここから0時までオンラインゲームにのめり込んだ。
「ふぅー……。もう12時か……。そろそろ寝るとするか……」
私はオンラインゲームを閉じてPCをシャットダウンした。
そのまま、わたしは部屋着から寝間着に着替えてベッドに潜りこむ。
「明日から夏休み……。さてさて、何をしようかな……」
私はワクワクしながら、眠りにつく。
いつもの夏休みを堪能していたら、友人からメールが来た。
バーベキューしようというお誘いだ。