探偵ストレイドッグス 作:凜々
そういった話が終わり疲れ始めたのを感じた時与謝野さんが休ませろとその場はお開きとなった。
自分も気が張っていたらしくすぐに医務室のベットで眠りについた。
次の日は昨日の今日ということで与謝野さん、ともう一人医療の権化で副社長である森鴎外先生が来て軽い問診をしただけだった。(超大物がDMOの副社長だったことに驚愕したが良い人そうだった)。与謝野先生には森先生は腹の中真っ黒だからと教えられたが。まさか目の前でいう者だからこちらが汗ダラダラだった。当の本人は笑っていたが。関係が良好なんだろうとうかがえた。
そのさらに次の日から、いろんな人が自己紹介もかねて医務室に見舞い(?)僕からしたらコントをしに来ているのではないかとも思うのだが、おそらくすでに知っているだろうに皆優しいと思う。
ただ、中にはなぜか体を宙に浮かせながらやってきたり先が鋭い蝕手ぽいのを出させてみたりかなり個性の強い人たちだったけど。
そして、毎日やってくる人も中にはいる。
「翼は毎日来てるけど仕事の方はしなくていいのかい?」
『してるよ・・・・でも毎日見舞いに来たって戻ってからすればいいし・・・・・』
僕は彼のことを翼と呼び始めた。何より同い年だったし、向こうからも翼と呼んでくれといわれたのでじゃあ吾郎で構わないとお互い名前で呼んでくれている。
『それに・・・・・』
?
『となり、工事の音でうるさい。』
「・・・・・?あぁ、そういえば太宰さん言ってたっけ?僕の部屋、翼の隣になるって」
『・・・うん。つまり高確率で太宰さんも近くに来るってこと』
そういい、思いっきり翼はため息を吐いた。その姿に苦笑いをしていた。他にも国木田さんや中也さんからは黙って肩をたたかれたし、相当振り回された人たちなのだろう。
「・・・・・・・で、翼は今何してるの?」
光っているコマンド文字で何かを調べているらしい。
これが異能力の力だ。俺たちはペルソナ覚醒者は異世界でしか力が出せなかったが、現実にはタイプの違う異能力者が全体の4割を占めるらしい。
話には聞いていたが、あの時は獅童のことで頭がいっぱいだったからそれどころではなかったし途中から怪盗団の話で持ち切りだったからすっかり忘れていた。
翼は数多くいる異能力者の中でもたくさんの種類を持つ多重能力者らしい。(といっても1つの異能から)なり立っているとのことだったが。
「おや、もう始めているね・・・・・」
そこに入ってきたのは太宰さんと・・・・・・
「そこにいる彼が話していた人物ですか・・・・・」
眼鏡をかけたいかにもお役所仕事という感じの人物だ。警察関係者だろうか。思えばここに警察関係者が来たことは一度もなかった。認知上僕がやったと思っていないからなのかも知れないが。
「紹介しよう。彼は坂口安吾。警察独立組織、異能特務課所属だ。」
異能特務課といえば警察の中でも独立したい位置におり、しかし、どの部署よりも地位が上の部署である。公安の人と話したときもそう話していたし、冴さんの話に出ることもあった。
「よろしくお願いします。」
話を聞いてみればどんな人かと思いましたが、なかなか礼儀正しい人じゃないですか。
あなたとは大違いだ。
いきなり太宰さんにそう話した坂口さん。
仲があまり良くないのだろうか。
『昔からああだよ。あの二人』
”昔”というのは前世という者らしい。ここに所属している異能力者、無能力者も何人かがこの世界に転生をしているらしい。
一応翼から前世がある人の名簿を渡された。僕自身のしでかしたことを知っている人たちらしい。そして、前世でもっとたくさんの人を殺してきた人たちがおおぜいいた。現在まだ12歳という泉鏡花ちゃんも35人殺したというのだから、僕が事件を起こしたことも嫌味を言う人は1人もいなかった。
「そうそう、彼に来てもらったのはね・・・・・」
どうやら坂口さんが所属する、異能特務課に記憶を封じる能力者が所属しているらしい。今はただの明智吾郎ということにはなっているけど、いつ何かの拍子で思いだすかもしれない。現にDMOのメンバーは異能力無効化の太宰を除き、どっかで見たような感じがする。と違和感を覚えたそうだ。
だったら、ただの明智吾郎もいないことにしてしまえとのことである。つまりは、知り合いが誰もいない状態になるということらしい。
「これはDMOと君を守る手段でもある。」
すでにその能力者には了承はとってるからあとは君の了解だけだ。
その能力は対象は全員に対するのだろうか?
そう思ったらつい口に出していた。
「祖の能力って選んだ対象者を除くことってできますか。」
「あぁ・・・・それはできるが」
「なるほど・・・・・翼」
『今出してる・・・・・・』
ほどなくして、一枚の紙を自分に差し出してきた。
そこには【心の怪盗団】だったメンバーと明智と縁があり少なくとも明智が実行犯だということを知っているであろう人々の顔写真。そこには冴さんやルブランのマスターの写真もある。
『吾郎、確認して。ここにある人以外でも自分の名前を憶えておいてほしい人がいるなら教えてすぐに最新版を作る』
そういいきった翼は頼もしかった。
その一覧を改めて確認する。
一通り眺めてそれを坂口さんに渡す。
「これで、お願いします。」
横から見ていた太宰さんが「これ、君がいた高校の人いないけどいいの?仲良かった友達とかは?」
「いえ、元々探偵王子と呼ばれていた時から腫物を扱うようにされてきましたからそれは大丈夫です。あと一つ、さっきのところに獅童正義も付け加えてもらえませんか?」
「いいのかい。君が長年苦しんで生きた相手なんだろう?」
「それも含めて、ここで自分の人生を歩んでいきたいです。それに彼が自分のこと覚えてなくて急に息子などいないといいだしたらそれこそ違和感だらけじゃないですか。それに・・・・・自分だけ覚えてるのに相手が・・・・長年恨んできた相手が何も覚えていなかったら悔しいじゃないですか」
晴れ晴れとした雰囲気でそういいきった。
獅童と坂口はメモを取り、
『獅童もいれて更新しとく?』
「いや、獅童の名前も顔も有名だからな。それに場所だってわかる。メモで十分だ。」
「じゃあ祖のメンバー以外を頼む」
「分かりましたよ。伝えておきます。」
そういい坂口さんと太宰さんはすぐに出ていった。
『さて、少し邪魔が入っちゃったかな』
調べ物を再開する翼。いったい何を・・・・
『吾郎が廃人化させた人たちの回復、誰が現在は精神崩壊で入院しているのか調べてる』
「っできるのか!?」
思わず喰い気味できいてしまった。自分がここで生きると決めてから起こしたことに対して何の償いもしなくていいのかとおもって。
『吾郎なら、心のどこかで思っていたんじゃないかな?このままの状態でいいのかと。だから、吾郎の償いを手伝うことにした。スッキリした状態で社員になってほしいからね』
そういう翼の言葉に柄にもなく涙があふれそうになった。
『よし、これでオケー。都内だけだよね。』
「あぁ、さすがにその後転院して県外に行かれてたらどうしようもないけど」
『・・・・・ちなみに精神崩壊させた相手の顔とか覚えてるよね。』
「もちろん!」
『なら、ここからは吾郎の出番だ!今、都内の精神科病棟のある患者を調べた。一人ずつ顔写真出すからターゲットが出たら教えて。』
ちなみに都内全部だから相当な人数がいる。覚悟して。
そういわれた明智だが、もちろん自分ができることがそれくらいならどんなに過酷な道でも構わないと決意を固めた。
果てのない罪との向き合いが始まった。
人数や顔は把握していたけれども精神障害で入院してる人数の多さに絶望しかけるも周りの励ましや他のDMOのメンバーが自分の任務の合間に手伝ってくれたこともあって徐々に判断することができた。
被害者だと判明すればあとは翼の出番らしい。
『∞魔法(シンクロノイズ)』
「今のは∞魔法の一つ<シンクロノイズ>対象者の心に直接語り掛ける能力だ」
『死んでいないのならば、心のどこかに本人がいておびえている状態。だから直接怯えを取り除く』
「一応今日は一人、今谷崎がその人がいる病室を見張ってる。失敗はしないけど念のため」
そういいお開きになった。
そして次の日、
「谷崎から連絡あった。無事目覚めたらしい。今検査したりカウンセリングを受けたりしているらしいが、特に後遺症などはないそうだ。」
国木田さんからの報告に僕は安堵した。
『安心するのはまだ早い。たった一人だからね・・・・さっさと全員終わらせよう』
「おぅ・・・って言ったけど。能力使うのって結構疲れるんだろう?焦らなくていいから」
自分が言うのもなんだけど。そう付け加えて。
『心配してくれてるの?ありがとう。でも大丈夫。』
そんなやり取りを見ていた太宰はうんうんと頷いて
「二人は言いコンビになりそうだね!!」
「「??」」
「おい、まさか・・・・」
国木田は嫌な予感がした。
「よし、これが解決した暁には翼を教育係に任命しよう。」
もちろん私たちも協力するさ。
「おい、それって翼だけに負担かからねぇか?」
俺たちのサポートもしてんだぞ。
「そうだね・・・・だから、翼に頼まないでいい情報は自分で見つけよう!!」
「「「「「 お前が言うな!! 」」」」」
即座に突っ込まれていた。
「おい、無理しなくていいんだぞ?」
『大丈夫・・・・吾郎と協力するの楽しそうだし、そもそも俺の部屋の隣に吾郎の隣に部屋を作ったのだってこのためなんだろうし』
あぁ・・・と国木田も遠い目をする。
そういえばその指示出していたのって太宰だったか・・・・
つまりは確信犯だった。
『まぁ・・・てことでこれからもよろしく!!』
「おぉう、なんだかよく分からなかったけど」
『てことで残りの作業も終わらせよう。』
こうして、仕分け作業と廃人化の回復をすべて終わらせたのが10日間。
ようやくすべて終わったのだった。
東都では連日精神暴走事件及び廃人化になっていた人々が次々に回復していたのだった。急な回復だったため湊では様々な憶測が飛び交っている。怪盗団が何かしたのではないかということもテレビでは放送されていた。それでも、家族が涙を流し喜んでいる映像も写っていた。明智もその映像を見ながら颯爽だれがやったとか関係なくほんとによかったと思った。
「終わったんだな・・・・・」
『あぁ、これで一連の事件は解決だ!!』
「あぁ・・・・自分だけじゃこんな笑顔見れなかった。本当にありがとうございました!!」
僕は全員に頭をさげた。この人たちに出会っていなかったら今の自分はいないし、人を信じることもできなかっただろう。
「頭は下げなくていいんだよ。明智君が心の底から助けたいと思ったからこそ実現したんだ。それに・・・・私たちは仲間だろう・・・・ですよね福沢さん」
「・・・・・明智吾郎をDMO社員と認める。これから精進したまえ」
「・・・・・・・・へ?」
「あー昔武装探偵社時代の名残なんだ。たまに新しく入るメンバーにこのように入社試験をするの」
「DMO社は探偵社だ。まあ私はスカウトしたからあれだけれど元々君はこの事件の実行犯。どうするのかで二分してな、昔と同じように試験をしようということになった。といっても特にこちらで何をさせようともせずに自分でやりたいことを見つけてさらに翼がッ自ら協力したこと、莫大なあの資料を読む力根気良さ。さすがは腐っても探偵だね。ちなみに合格にしようといったの乱歩さんだから。この社一番の探偵である乱歩さん自ら認めたんだ。これが何よりの決め手だ。おめでとう」
そういって他のみんなは出ていって部屋には医務室には僕と乱歩さんの2人。
「あ、あの・・・・・」
なんて声をかければいいのか、迷っているとき乱歩さんのほうから声をかけてきた。
「俺は探偵であることを何よりも誇りに思ってる。だから、真実を知ったとき正直にいって探偵失格だし探偵と名乗る資格はないと思ったよ。」
それはそうだろう。少ししかここにはいないけどほかの人たちから乱歩さんがどれだけすごいのか聞かされてきた。
「でも、必死に情報をもとに探している姿は調査をしている時の俺に似ていた。だから、こういう覚悟をもってできるんだと思ったら手をさし伸ばしたくなったよ。これから、僕をがっかりさせないでよね」
最後におめでとうと言って医務室を出て行った。
今まで認められない存在なんだと思ってきた自分、だけどこんなにも認められることがうれしいことなんだとこの時の僕は初めて知った。
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次の日から医務室生活を卒業して自分の部屋に移動することになった。3か月の衰えはまだ回復しきっていないけど何とか歩けるようにはなってきた。
そして、初めて会議にも呼ばれるようになり改めてこの組織が何なのかを詳しく知った。
膨大すぎてなっていったらいいのか・・・・・
まあ依頼は猫などのペット探し(Fクラス)などから犯罪組織摘発(Sクラス)まで幅広いということだった。入社して間もなくまだ、リハビリ途中の自分はリハビリを続けながら翼の情報収集のサポートや事務作業をしながらいろいろな業務を経験することになるだろうとのことだった。
これから、どんなことが待っているのか楽しみで仕方がない。
会議室で入社に際しての話が終わった後、自室に案内された。
そこは正直言って1LDKどころではないくらい広々とした部屋となっていた。
あたりをきょろきょろと見渡す。ベットに洗面所、シャワー室、しっかりカーテンもついている。
それだけではなく一面に物を入れられる本棚が壁一面にどっしりと立っていた。さすがに今はなんも入っていないが。それから暗証番号式金庫もついている。
「ここが今日から仕事場兼自室ということになる」
太宰さんが正面に歩いていく。そこには広々とした作業デスクその上にはパソコンが置かれている。あまり詳しくはない僕から見てもかなりの高性能だと分かった。
「それとパソコンを開くとログイン画面になる。そして、これがIDとPASSだから忘れないでね」
IDとパスワードをもらった。
試しにさっそくログインさせてもらう。
おそらくこれがホームページなのだろう。それと・・・・
「掲示板?」
『うん、依頼掲示板。ここに一般の人が依頼を書き込んで来ることになっている。』
そこには依頼内容が書かれていた。
「ちなみに一般の方とはネットを通してやり取りをする。例えばどの依頼にするのかは我々が判断をする。そして各々で受注したものがほんとに大丈夫なのか。罠じゃないのか、本人の探偵レベル的に大丈夫なのかを最終判断するのが翼だ。そこでOKとの判断下ればいよいよ調査開始となる」
『このシステムも自分が作った。一応そういった怪しいものは事前に弾き飛ばされるように設定してるけど念には念を入れて。』
「・・・・翼って何者?」
「ただのDMO社員」
「ただの人なら多重能力者じゃないし。IQ400も持ってないでしょ」」
『それならここの人たちみんな規格外。』
「ま、それは言えてるね。」
頭の回転が違うと思ったがそれなら納得だ。佐倉双葉よりもすごいのではないかと思った。
「話続けると一般人用掲示板の横のメニューを開くとこちらは重要任務用の通達事項となる
主に全員でかからなけれあならないような事件が発生した時用の連絡などが書かれている。こちらには直接事件概要は書かれてなく会議室で直接概要は説明されることになっている。」
『とりあえずこの二点は頭に入れておいて、あとDMO用のチャットなんかもあるから部屋に直接行ったりもせず自室からDMO社員と直接連絡取り合うこともできるから此方の活用よろしく』
「あと、明智君のこれからのことなんだけど・・・・・・」
太宰さんからは坂口さんから能力発動完了したことと、2年間ほど確認のため雲隠れしてほしいとのことだった。太宰さんも昔マフィアから武装探偵社に入るために同じことをしたそうだ。
「まぁ、すでに認知上探偵王子という存在は消えていたしさらに能力を上書きした感じだから年のためって言うぐらいだけどね」
あ、別に一歩も外に出てはいけないというわけではないよ。探偵になるうえで土地勘を調べるのも大事だしね。一人というわけにはいかないかもしれないけど。
そういう者なのかもしれない。2年というのが長いのかわからないけどそのぐらいならと了承した。
『話が決まったところでPCの使い方を教える』
パソコンの使い方、リハビリ、車の免許取得、翼から指定された依頼をこなす日々を過ごしていくことになる
さらに、あることがきっかけで異能力として再びペルソナが覚醒したのだった。