探偵ストレイドッグス   作:凜々

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第16話 再開篇③


ウィーン自動ドアが開き中に入る。

 

「おかえり、吾郎君。」

「只今帰りました。翼もありがとう。」

『たいしたことない。みんな無事でよかった。』

 

 

明智が戻るとそこには総指揮官の太宰、古代書(アーカイブ)で他の戦況確認作業中の翼、そして乱歩や、与謝野の姿もあった。

 

「9人乗りの車で行っといてよかっただろ?」

 

「はい、乱歩さん。」

 

次々と言葉を交わす明智の姿を見て、信頼されているんだな、認められているんだなと複雑な思いと、獅童のことがありよかったなという思いが交差される。

 

「あ・・・・・・・・・」

 

明智が何とも言えない顔をこちらに向けてきた。

 

「あそこの部屋を使って今思っていることを伝えおいで?君たちも思うことはあるだろう?」

 

「でもまだ事件は終わっては・・・・・・・」

 

「君は無傷で彼らを守り通し、ここまで連れてきたそれだけでかなりの功績を上げた、あとは任せてくれて大丈夫だよ・・・・・・」

 

それとも・・・・・先輩たちのこと信じられない?

 

「いえ、そんなことは・・・・・わかりました。1つ部屋借ります」

やがて観念したのか彼らを連れて、部屋に入った。

 

「やれやれ、明智も言わなきゃいけないこといっぱいありそうだったのに。ホント頑固」

『太宰さん・・・・・あんだけ、任せろ的なことを言っといて逃げられたら面目充てられないから』

「あぁ、分かってるよ。もうすでに終盤戦だ。私もそろそろ、出ようかな。東側の状況は」

『もうすでに、全化け物倒し終えてその異能結晶持ってた男たちも全員確保済みだよ。吾郎の車を追いかけていた男たちも途中で特務課に確保されたよ』

「なるほど・・・・・じゃあまた中也に手伝ってもらおうかな?敦君には異能を解除して、谷崎君たちと合流を。他の方角を担当している人たちもその方角の敵が前線滅終えたら各々撤収に、そして私は・・・・・」

 

最後の首謀者のもとに・・・・

 

太宰は出ていった。

 

「・・・・・・・まぁ、もう終わりそうだし。与謝野、部屋から出てきた明智達のために冷やしタオル用意しといて」

 

「はいはい。」

 

 

_____________________________________________

 

一方で、一つの部屋に入った明智達は終始なにから話せばいいのかわからなかったので沈黙していたが、明智が口火を切った。

 

2年前のこと、ほんとはどう思っていたのか、自分自身のこと、双葉や春への謝罪の言葉どれも重いものだけど今の明智の本心を知ったことでそれぞれがぽつりとあの年のことを話思いの竹をぶつけた。明智も真摯に受け止めた冴はおもむろに明智を抱きしめた。

 

「!?」

 

「お姉ちゃん?・・・・・」

 

「ぶじでよかった・・・・・」

 

「!!」

 

冴は泣いていた。そのことに全員が驚いた。特に妹である真は。

元々は冴を元気づけるために企画した横浜旅行だった。結果としては絶体絶命に陥ったけどある意味最高のプレゼントが待っていたとも言えた。

 

これには全員が涙を浮かべた。

 

雨宮からは片方だけの手袋が渡された。

 

「!!っこれって・・・・・・」

 

「ようやく・・・・・・約束が果たせた・・・・・」

 

2年前にメメントスでの約束がようやく果たされたのだった。

 

「最後になったけど獅童を改心してくれてありがとう・・・・約束守ってくれてありがとう・・・・・・」

 

今言葉に全員で頷き肩をたたきあい。号泣し、ようやく和解した瞬間だった。

 

 

 

少し落ち着いてきたころ合いを見計らって。モルガナが明智に尋ねた?

 

「ところで、獅童パレスでお前の反応自体が消えた。消えれば死を意味するんだが何があったんだ」

「僕はそこで殺されたと確かに思ったんだ・・・・・だけど」

 

みんなにあの後何があったのかを告げる。ここ横浜の湘南海岸で衰弱した状態で打ち揚げられた僕を太宰さんと国木田さんが見つけ、ここDMOに運んでくれたこと3か月間目を覚まさなかったこと。僕の認知が太宰さんの異能だけは聞かなくて探偵王子ということを覚えており僕のことを調べるように指示していたこと、翼の異能でいろいろ調べられるたこと。

 

「だから、彼ら共通点がある人までは僕が何をしてきたのか、パレスのこと、認知科学のこと、全て知っているよ。」

 

「なんと・・・・」

 

ついでにDMOのことについても説明する。太宰さんはなぜか制限なしでしゃべっていいといわれた。

異能力者が多数入社している総合探偵事務所ということを。

 

「異能については・・・・・さっき車から見たわ。」

「太宰さんってあの茶色のトレンチ来ていた奴のことだろ?奴の異能って何なんだ?」

「あぁ、異能無効化」

「無効化・・・・・」

「つまり、異能力が全く聞かないっていうこと。」

「それってチートじゃねーか!!」

「まぁ弱点もあるけどそれは話さないでおく」

 

まぁはなしても問題はないだろうけど。

 

「たぶん太宰さんが言うにはパレスの存在自体が異能力として認識されたんじゃないかって」

「そうか・・・明智は一度パレスで反応がなくなった。つまりはその時点で大衆から認知されなくなった。だけど太宰ってやつはその無効化の力で認知という異能力(?)を打ち消したから明智のことを探偵王子と認識できたってわけだな。」

 

「たぶんそうだと思う」

 

あと、これも一応はなさなければ。

 

「だけど、認知されなくなったってのも完璧じゃなかったみたい。これは普段から勘が鋭い探偵社員だからかもしれないけど幹部がみな俺をみて、どっかで見たことあると思っていたらしい。」

 

「へ!?それって。思いだす可能性もあるってこと!?」

「おいおい、それってまずくねぇか?」

「折角、安全に暮らせるかもしれないのに」

「思いだされたら台無しだな。」

 

思い込みがかなりある大衆。すぐに手の平を返すところをいやというほど見てきたメンバーが不安そうな顔をしてきた。

 

「ありがとう心配してくれて。でも大丈夫だから」

 

そう僕は言いその後の話をした、異能特務課の中に記憶封印できる異能力者がいること。それで話し合いの末東京だけでなく全国に異能での記憶封印に踏み切ることにしたこと。

 

「以前の僕の姿は、存在すらしていないんだ」

「いいのかよそれで・・・・学校の奴らだっていんだろ?」

「いいよそれで、みんな僕のこと探偵王子としか見てなかったから仲良かった奴いなかったから」

 

それに・・・・

 

「ホントは全員・・・・君たちのことも対象に入っていたんだ。」

 

 

その言葉に息を呑む

 

つまりはその異能がかけられたら最後明智のことをすっかり忘れてしまうということだった。

 

「パレスでお宝を盗めば改心するというというある意味洗脳みたいなことをワガハイ達もしてきたが、現実世界でそんな洗脳みたいなことができるのか?」

 

異能は恐ろしいな。

 

「でも、実際は私たちはあなたのこと覚えているわ」

「僕がお願いしたんだ。僕自身、覚えてほしかった。実際に他より縁があったあなた達と獅童には・・・」

 

「っ!!獅童は覚えているの!?」

「あぁ、自白で息子のことを証言した、それなのに息子がいないなんて言いはじめたら証言が食い違って混乱するだろ?それに意趣返しさ、一生後悔しろって」

 

「そっちが本音だろ?」

「あ、バレバレかな。とにかく、力の使い方を一歩間違えると大変になる。それこそ、現実で証拠もなく精神暴走を起こせる人がいるかもしれない。」

 

ごくり・・・・

 

「それは覚えていてほしい」

 

「あ、それから?あのペルソナってロビンフットとロキだよな。なんで現実世界で出せるようになったのか」

 

「うん、実は俺もよく分からない。」

 

そうなのだ。ナイトウォーカーは何故出てきたのかもよく分からないが本人によれば意志の強さだというのだ。

元々、ロビンフットとロキ、2つのペルソナを所持していたが、どちらも俺自身の性分だから、それを認めたことで1つに融合されたのではないかということだった。

 

「でもさ、それってなんだかうらやましいよ。」

 

もう私たちは出せないんだしさ、っと杏がさみしそうに言う。

 

「明智は俺を特別だといっていたよな。だけどやっぱり明智も特別だよ。」

 

 

雨宮はそういった。

 

「これからはあなたはここで生きていくのよね?」

「はい、大学には行かず探偵の心得を1から鍛えていくつもりです。起こした事件を語っていくのではなく誰かに起こされた事件を解決して依頼者にホントの笑顔を届けるために・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「そういえばお前が起こした精神暴走事件や廃人化の件だけど」

 

「そういや・・・・・4か月後くらいに徐々に回復していって今ではその事件の被害者は全員目が覚めたってニュースでやってた!!」

 

「大宅さんも嬉しそうだったな。」

 

「あぁ、相棒のカメラマンが戻ってきたんだから」

 

「でも、あれも心の怪盗団がしたんじゃないかって言って好感度上がっていたよな」

「何もしていないのにな」

「正直キモイ」

「複雑よね・・・・」

 

怪盗団たちの正直な気持ちに苦笑いだ。

 

 

その様子を見ていた雨宮が不意に口を開く。

 

「なぁ・・・・・その廃人化の解決に導いたのも明智だろう?」

 

「!!」

 

「「「「「  え?  」」」」」

 

「どうしてそう思ったんだ・・・・・・?」

 

「明智は自分でしたことをそのままにしておいたままのうのうと生きていくという選択をしないタイプなんじゃないかって。それに言ってたじゃないか。異能力者には、使い方を間違えば現実で洗脳状態にすることができる能力もあるって・・・・・」

 

「あ!それって」

「使い方を間違えば、意味を変えれば正しく使えば助けることができるということだと思ったんだ。」

 

「そうだよ・・・・・もとはといえば自分が犯した罪だ大衆から自分が消えたって罪が消えるわけじゃない、どうしようかというときに翼が東京都全病院の精神病棟入院患者のリストを調べ上げてくれた。そこからはどいつをターゲットにしたのか思いだせって」

 

そっからはまだ目が覚めて間がなかったけど医務室で書類との格闘の日々だったかな

 

そう締めくくる。

 

「そうか・・・・助けるために頑張ったんだな」

「それなら、翼や他のDMO幹部たちに言ってほしい。他の人たちの力がなければ成し遂げられなかったんだから」

 

そこからはたわいもない話をした。ジェイルの事件のこと、新しい怪盗団がメンバーが増えたこと、今の生活など、気づけば1時間が経とうとしていた。みんなに声をかけ部屋を出た。

 

 

 

 

____________________________________________

 

真サイド

 

明智君を先頭に部屋を出ると先ほどとは変わって、初めて見る(ここの社員なんだろうか?)顔もいた。

 

「太宰さん、部屋を貸していただきありがとうございました。」

 

「いえいえ、随分すっきりしているじゃないか。よっぽど有意義に話してができたようで何よりだよ」

なんだか目が赤いようだけれど。

 

ニコニコなのか太宰さんが明智君をからかう明智君は恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていた。

 

「やれやれ、そこまでにしてやりな。太宰。」

 

乱歩さんに言われた通り冷やしタオル用意しておいて正解だったねぇときれいな女の人から、タオルを渡された明智君は照れながらも受け取っていた。

 

なんだか微笑ましくなってその光景を見つめていたらいつの間にか女の人は私たちのそばにも来ていて「ほら」と冷やしタオルを渡していった。どうやら私たちもないたのばれていたみたい。みんなして、照れくさそうにタオルを受け取った。

 

そこからは、明智君が所属するDMO社主要メンバーの自己紹介が始まった。

 

太宰さん、国木田さん、江戸川さん、広瀬さん、中島君、谷崎さん、与謝野さん、宮沢君、泉さん、中原さん、芥川さん、尾崎さん、樋口さん、芥川さんの部下黒蜥蜴のみなさんそして、事務員としてアルバイトをしている谷崎ナオミさん。他にもいるみたい

 

 

あの事件は私たちが、部屋で話し合いをしているうちに首謀者も確保し、片付けて全員撤収してきたのだそうだ。どうしてあの場にいたのか後で、警察が事情聴取したいといっているらしい。

 

そのことにみんなが嫌な顔をした。明智君は逆に気まずそうな顔をしていたが。

 

「あぁ、君たちは警察、特に公安に嫌な思い出があるんだっけか・・・・・まぁ、今回は公安じゃなくて異能特務課なんだけど。」

 

その名前はさっき明智君からも名前が出てきていた。確か、記憶封印をできる異能力者がいるんだったか。

 

「今回は、異能力者が相手だったからね。異能特務課なんだ。特に、君たちぐらいしか話を少しでも聞いてた人がいないからね。頼むよ」

 

恩人たちにそういわれてしまえば頷くしかなかった。

 

それから、翼に少し言われたことがある。

 

『それと、君たち公安を、警察組織を誤解しすぎだと思う。』

 

何を言われたのかわからなかった。雨宮君を暴行したのも事実だし、自白剤を打ったのものも事実だから

 

他のメンバーもそうおもったから元々短期だった竜二が声を荒げた

 

「実際うちのリーダーは被害受けてんだよ!!どこが誤解なんだよ!!」

「だから、公安だから全員がそうだと、警察組織だから全員がそうだと決めつけないでほしいといっている。公安の部署だけでも一筋縄じゃ行かない。警察もどこ派閥とか内部分裂している。人間だから思うことは人それぞれだからね。公安だって自分の正義があってしっかり仕事をこなしている人たちだって大勢いる国を守るために。あと、これは君たちも知らないかもしれないけど半年前まで公安の監視されていたのは知っている?」

 

 

それは知っていただから、余計に公安は嫌いなのだ。だが、それ以降はなぜか監視が解かれていたのだ。

 

「ちなみに、その監視を解いてくれたのも公安の人だから。」

 

 

「!?」

 

「その人は別の組織を担当している公安の人だけど、あるとき何もなさそうな高校生を監視している別チームの公安を発見したみたいだった。不審に思ったその人は何故雨宮君が監視されているのかを徹底的に調べ上げ、獅童による免罪の件なども含め君に非はないと判断し、代わりに彼らに指示を出している上層部の汚職などの証拠を引っ提げ直属上司を介して一斉粛清を行っている。君たちは公安に助けられたんだよ。」

 

そのこと無表情のままを告げられ何も言えなくなった。

 

 

ふぁー。疲れた。変な空気になったし少し休むよ。

 

 

「行ってらっしゃい!!」

 

太宰さんが返すが、私たちは見送ることしかできなかった。

 

「まぁ、翼が悪かったね」

「いえ、思いは人それぞれだからな」

 

惣治郎さんが言う。

 

「翼は4年前のある出来事で少し公安を気にかけている部分があるんだ。」

 

それで、聞いた話は衝撃だった。

 

公安警察は死と隣り合わせの潜入捜査を主な仕事としてしていること、4年前公安からのスパイだとばれた時、当時もう一人が安心して仕事を全うできるように自害しようとしたこと。しかもそれが公安内部に組織の内通者がおりそこからばれてしまったこと。

 

 

「・・・・・・そ、それで。」

 

「あぁ、そのときたまたま追っていた組織の物がこれまたFBIから潜入していたスパイだったこと。もう一人その公安からのスパイが階段を駆け上がっていた時自害しそうになったその人の持っている拳銃を狙撃で弾き飛ばした経緯がある。」

 

因みに、そのばれ方を調べた翼が、匿名で内通者を密告と証拠品を通知し、かかわった者たちを一斉に粛清されている。

 

「だからこそ公安の汚さも、命に代えてでも国を守ろうとする正義、どちらとも知っている翼だからこそ言える言葉なんだ」

 

「君たちは、恨みや嫌ったって別にいいんだ。そのぐらいのことをされたんだから。だけど、全ての警察官のことは恨まないでやってほしい」

 

 

「ちなみに、その組織はどうなったんですか」

 

「雨宮君、残念だけどそれについてだけは言えないよ。あまりに大きすぎる組織で危険も第一だ。パレスに行ける力が今あったとしたってそういうやつらにはパレスなんかない。パレスやメメントスは欲望があるからこそ場所があるだけど奴らは殺し屋だ。ボスの指示に忠実に殺すだけ、裏切り者は全て罰せよ。それが彼らだ。そんな欲望がない奴らにパレスは作られない」

 

 

そんな組織があると知った、私たちは恐怖で震えあがりそうになった。

 

「まぁ何が言いたいかというと、そういう組織に潜入している奴らはたとえ殺したくなくても命じられれば殺さなくちゃいけない、殺すという命令に背けばこちらが殺される。こちらがころされれば結果的に世界的に滅亡の道が見えてくる。そのぐらい大きなな組織で精神を削りながら戦っている奴らもいる。だから雨宮君にひどいことした奴らとそういう人を一緒にはしないでほしい。」

 

100を守るために1を削るそこは同じなのかもしれないけどね。

 

 

「・・・・・・・僕たちにも何かできることはないんでしょうか・・・・」

 

「蓮!?」

「雨宮君!!」

 

「思ったんだ。確かに俺に暴行してきた奴らは嫌いだし、会いたくないと思った。だけどそういう大きな世界をしって、何か個人的にできることはないのかって。ペルソナがいなくたって何か貢献できないのかって。」

 

「確かにそうだわ。私は検事として公安の横暴さを知って絶望し弁護士になった。でもそんな中公安でも自分の正義を掲げている人たちのことも知った。嫌うだけじゃなく私たちだけで何かできることはないかと思ったわ。」

 

「それに・・・・・」

 

明智君にDMO社のことを隠さずすべて話させたのもこういう風になるからと思ったからじゃないのですか

 

「いやー鋭い。」

 

太宰さんはそういいながら頭を掻いた。

 

「君たちには【特別調査員】になってもらおうと思う」

 

特別調査員?

 

「人海戦術的な聞き込み調査なども必要になってくるときなどに連絡し、聞き込みをしてもらいたい。あとは、もし日常生活で何かに困っている人がいればここのDMO社のことを教えてほしい」

 

まだまだ知名度は欲しくてね

 

「これは、アルバイトだ。人に紹介すれば紹介料。情報を提供したら情報提供料を支払おう。といっても不定期だ。」

毎回君たちに情報送るわけじゃないから・・・・

 

でいいですよね?場所が場所なら直接こちらの依頼も手伝ってもらうことになるかもしれない

 

「そうなれば依頼料の半分が君たちのバイト代になる」

 

悪くない話だと思うんだけど・・・・・

 

 

 

お姉ちゃんと惣治郎さん以外のメンバーで話し合い全会一致となった。やはり、何か手伝いとかしたい。

 

 

その覚悟を伝え【心の怪盗団】から【DMO特別調査隊】へとなる決心をしたのだった。

まあ何人かはアルバイト代にひかれた面もあるみたいだけど。

 

「そういえば今日はどうするのもしよかったらここに泊まる?」

「あ、でも荷物どうしよう」

 

荷物はホテルに置いたままだ。

そのことを伝えるとホテルの名前を聞かれた、どうやら、以前ホテルの従業員から依頼があって解決してから懇意にしていたホテルだったようで引き取りに行ってもらうことになった。

 

その間自由に見学してもいいということだったので、明智君に案内してもらった。

 

探偵事務所というだけでなく大きな図書館やトレーニングジム、男女別ジャグジー付き風呂、医務室、食堂などなどほんとに会社なのかと思うほどいろいろな施設があり充実していてうらやましかったわ。

 

あと、明智君の部屋にも案内してもらったわ。まだまだ、シンプルだけど中央に置かれていたパソコンでは、今まで解決した依頼を見せてもらった。

 

「猫探し、ストーカー退治、落とし物探し、迷子相談・・・・・なぁこれって探偵というかなんでもや?」

 

「ハハハッやっぱそう思うよね?でもこれも依頼のうち。こういった小さいことから徐々に信頼信用につながっていくからってみんな言ってるから。」

 

そう話す明智君はなんだか嬉しそうだった。

 

そして、隣は徳広瀬君の部屋だそうで、先ほど無表情だけどどこか不機嫌そうに戻ってしまったこともありかなり気まずいが明智君がそのまま部屋にノックもせずに入ってしまったため慌てて入るは目になってしまった。

 

そこは情報収集のスペシャリストという徳島君らしい部屋で、双葉がかなりテンション上がってた。

先ほどの件はすでにそこまでは気にしてなく真実を言っただけとのこと。それと【特別調査隊】の件はすでに連絡が言ったらしく。スマホ用のDMO依頼掲示板アプリケーションを人数分作ってくれるそうだ

 

 

まだそわそわしているが人見知りが発動している双葉に広瀬君が声をかけてくれて二人でITパソコン談義を始めてしまった。一瞬で広瀬君に懐いてしまった双葉に惣治郎さんは唖然としている。

 

それから、広瀬君がまれに見る多重能力者という者で、廃人化解決の最大功労者らしい。それを聞いて一同お礼を言った。

 

 

 

そして・・・・・・

 

 

 

_____________________________________________

 

 

<まもなく、電車が発車いたします。>

 

 

ガヤガヤガヤ

 

 

いろいろあった横浜旅行が終わろうとしている。

 

3日目はDMOのメンバーが気を利かせたのか明智君に横浜案内の依頼を社長自らしていた。私たちとしても明智君のことをもっと知る機会だし、DMOの粋な計らいだと思った。

 

 

そして、何事もなく楽しいひとときを過ごし17時の電車でこれから東京に帰ろうとしていた。

 

 

帰る前に広瀬君が約束通り、【特別調査隊】のメンバーだけアプリをインストールしてくれた。もしも仕事の連絡を取るときはこのアプリか明智君から連絡が来ることになった。明智君も新しく携帯を変えたということで、連絡先を教えあった。

ホントの仲間になれた瞬間だった。

 

「お姉ちゃん楽しかった?」

 

「えぇ・・・・もちろんよ」

 

そういったお姉ちゃんは満面の笑顔だった。

 

 

 

____________________________________________

 

新宿に到着しそれぞれが、岐路につく。

 

雨宮は自分のアパートに到着後、チャットを起動する。

 

「ん?三島達に連絡するのか?」

「あぁ・・・・早いほうが良いと思って」

「だな、だけど話が話だ、直接会って話した方がいいと思うぞ」

「わかってる。」

 

 

DMO社で特別調査員になることが決まった時、もう少し仲間が欲しいと太宰さんに進言した。他にも自分たちが怪盗団だったことを知っている人たちのことだ。

我ながら図々しかったとは思う。そうなればその者たちの記憶封印異能を解除しなければならないからだ。

だけど、三島の情報は侮れなかったし、吉田議員は地道な努力のおかげで今や好感度ナンバーワン議員に上り詰めた。他の議員からの信頼も厚い。何かしら大物の情報が入るかもしれない。

一二三さんはアマチュアから将棋をやり直し今はかなり戦績もよく、さらに年下の面倒見もいいため慕われているみたいだ。何か言えないことも一二三さんには相談するかもしれない。

大宅さんはジャーナリストだ。相棒が回復したことでかなり落ち着き真実を追い求めているみたい。今後もよろしくといっていたし何か情報が手にはいるかもしれない。

武井妙さんは現在も四軒茶屋で診療所をしている。さらに実験していた新薬が好評で学会に行くこともしばしばあるという。本人はめんどくさそうにしていたが医療者からの情報が聞けるかもしれない。

岩井さんはミリタリーショップを現在も経営している。裏関係の情報が入手しやすそうだ。

 

太宰さんは真剣に話を聞き了承してくれた。

 

他にも学生コミュニティをゲームを通じて持つようになった織田君は封印解除はしないが調査隊のことは教えてもいいということを受けた。

 

 

そのことを話す条件に提示されたことは明智はある事件を追っている最中にミスを犯してしまい落ち込んでいたところ、そこに居合わせた探偵社員がここで一から修業しないかと勧めてDMOに入社するようになった。と説明をしてほしいといわれた。

 

ある意味嘘はついていない。すぐに全員了承した。

 

まだ時間はある。チャットで了承が取れた人から会いに行ってみよう。

 

 

結果からすると全員から了承の言葉をいただいた。

 

三島なんかは「怪盗団に情報渡したときみたいでわくわくするね!」なんていわれたが、立場としては真逆なんだけどと思う。

 

岩井さんは探偵なんかに協力するとわなと渋い表情だったが。

 

大宅さんはさすがジャーナリストでDMOのことも知っていた。相棒の廃人化を回復させたりした功労者だというと即答でOK出してくれた。

 

ということで協力者が増えたといっても過言ではない。

 

 

DMOが許可してくれたと思う(異能を解除するのは異能特務課らしいが)。

 

もちろんDMO直々の協力者達ではないからアルバイトということにはならないらしいが、僕たち特別調査団(通称:ガーディアンズ)の結成だ。

 

さぁて、今日はもう寝よう。

 

次の日さっそく、四軒茶屋からの依頼だということで、猫探しの依頼を手伝わされた。

明智からの連絡だったが、楽しようとしてませんかねぇ・・・・・・

 

同様に渋谷や新宿周辺の依頼をたまに手伝わされるようになったメンバーたちだった。

 




伊達航の救済ダイジェスト

・張り込み終わりのワタルブラザーズと任務終わりの中原中也が道端でばったり
                  ↓
・話し込みをしてるとワタルブラザーズの後ろから車が突っ込んでくる。
                  ↓
・いち早く気づいた中也が重力で強引に車を止める
                  ↓
・幸いけが人はなし、すぐさま運転手に話を聞きにワタルブラザーズが動く



以上で救済達成です。

この後しばらくたって伊達とナタリーの結婚式が行われる。

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