ワンフォーオール…?知らない子ですね   作:悲しいなぁ@silvie

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そうだ!ヒーローになろう!
個性…?知らない子ですね


この世界は不平等だ。

…いやまぁ、どんな世界だろうが産まれながらにその後の人生が決定するのはそうなんだけどさ。

それにしたってだという話で…

例えばそりゃあ大金持ちの子供に産まれるのとそこらの平凡な家庭に産まれるのでどっちが幸せか?なんてのはわからんし訊きもしないが、どっちの子供の方がその後の選択肢が多いかなんてのは自明だと思う。

そりゃあお金があれば幸せなんて言わんけど…お金があれば選択肢は増えるのだ。

幸せは買えないが家庭教師やら教材は買えるし、いざって時にあって困るもんじゃない。

…なんの話してたっけ?ああそうそう、そんな感じで世の理不尽さ不平等さを嘆いてみたりしていたが…別に達観して厭世的になってるって訳でもないんだよ?

そもそもこちとらまだベイビーよ。

ほんの数ヶ月前にオギャーと泣いて出てきたばっかで未だに首も座ってないんだから。

…いや、わかるよ?皆の言いたい事はよーくわかる。

ベイビーがこんなに流暢に考えるなとか、まだ世を嘆くには早すぎるとかだろ?

確かに俺だってみんなの立場ならおんなじ事考えるよ?でも、ちげーんだなこれが!

俺は確かに、確かに高校生だった!…けど気付いたらオギャッてたって訳よ。

…いや、別に頭はおかしくないよ?厨二でもないし邪気眼でもねぇからな?

これはアレよアレ!憑依って奴。

…輪廻転生?いや多分違ぇよ。

死んだ記憶はねぇし、そもそも俺の知る限り()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()

ベイビーは暇だからさ、寝てるかテレビ観てるかだかんね…ニュースとかの時にキャッキャッ笑うと優しいパピーとマミーはニュース観せてくれんのよ。

まぁ、驚いたね。

超能力が個性って呼ばれて一般的にありふれてんだもん。

ちなみにパピーは火ぃ吹くし、マミーは物を引き寄せたりできるらしいぜ?

そんなびっくり超人で溢れた社会…もちろん皆が皆いい人ばっかじゃないから治安は腐ってる。

もーバリバリに犯罪起きててヤベーらしいっすよ?

警察も頑張ってるけど厳しいみたい、例えば身体を鉄みてーに固くできる奴に拳銃持って凄んでも意味ねーだろ?そー言う事。

最近は民間の超能力者が自警団作って対応してるって話もあるし…どーなんのかね?

でも、これだけは思ったね。

身体鍛えようって、俺も死にたかないしさ。

 

 


お久しぶりですね。

こっちは元気してますよ。

やーっと4歳…長かった!!

ミルク卒業して、オムツを卒業して、パピーとマミーに言いたいこと言えるようになって…こんなに嬉しいことってないですよ。

自分の足で歩けるってホント幸せなんやなって…

あっ、あと最近友達出来たんすよ。

近所の如何にもガキ大将って感じの…

 

「おーい!イズクー遊びに来てやったぞー!!」

 

ああ、丁度来たみたいっすね。

はいはい、今行きますよっと。

 

「おせーぞイズク!今日は裏山まで秘密基地探しに行くって昨日言ったろーが!!」

 

このツンツン頭の金髪ボーイが爆豪勝己、通称かっちんです。

てか、別に昨日一緒に行くとすら言ってないのによくもまぁこんなに高圧的な態度とれるな。

まぁ?こちとら中身は高校生なんで?こんな子供にとやかく言われたくらいじゃ腹も立たないけどね。

 

「悪い悪い、今行くからんな怒んなってかっちん。」

 

ああ、ちなみにイズクってのは俺の名前ね。

緑谷出久…パピーとマミーが一生懸命考えてくれた世界で一番かっちょ良い名前ですよ!

 

「だーれがかっちんだぁー!!」

 

オメーだよ、本当に直ぐカッチン来んだから…カルシウム取りな?

でも子供ってこんなもんか?感情表現豊かなのは素晴らしい…いや、こんな負の方面にだけ特化してもしょうがなくない?

全く、こんなちっちゃい時からそんなに眉間にシワ寄せてっと将来悪人面になっても知らねぇよ?

 

「ほらほら、早く来ねーと置いてくぞかっちん。」

 

「なっ!俺の前歩いてんじゃねぇ!!」

 

はいはい、わかったわかった。

ここは歳上の俺が3歩後ろを歩く大和撫子ムーブしますよっと。

うーむ、しかしかっちんはなまじ本人が優秀なので周りから少し浮いてしまっている感がありますね…

会ってからそこまで経ってない俺を態々家にまで迎えに来る辺り、本人も意識してるのか無意識か…

 

「おー、かっちゃん!いずく!」

 

「遅かったじゃん、待ちくたびれたぜ。」

 

ふと思ったんですけど、こんなチビッ子共を一人で遊びに行かせるとか親は恐れを知らないのか?

最近は自警団がヒーローとか言って持て囃されてるけど所詮はそこらの一般人ですからね?

まぁ、オールマイトとか言うマジモンのヒーローも居るみたいですけど…アレ結構不味いと思うんすよねぇ。

たしかに、彼の登場以降犯罪件数が低下していってるとかニュースで聞きますけどそれってただ単に今までみたいにおおっぴらに暴れなくなったってだけで裏でおんなじ事してるだろうと思うんすけど…

そもそも、一人で出来る事なんか限られてる上にオールマイトは公表こそしてないけど多分増強系の個性なんだから詐欺やらの知能犯には手が出せないし…殴って解決する事件の方が全体から見れば少数派だよ。

災害救助ならあのパワーは大助かりなんでそっちを優先して、今みたいに一人の人間に広告塔を任せるんじゃなくて速く法改正なり進めて警官の個性使用を認めるなり、機動隊の対個性用の装備を充実させるなりして国家権力の威光を快復させる方が急務だと思うんですけどねぇ…

あぁ、いや別にオールマイトのアンチって訳じゃないけどね?ただ単に彼も人間なんだから何時かは死ぬ訳だしそもそも一人の人間に平和の象徴だのなんだのって色々背負わせ過ぎでしょって話よ。

抑圧は解放を生むし、制圧は暗躍の第一歩…一人の超人による平和はどのみち長続きはしなそうなので一時の平和に胡座をかかずにしっかりとこの間に様々な対策をたてて欲しい所ですね。

 

「出久ってデクって読めるんだぜ!!」

 

「かっちゃんすげー字読めるの!?」

 

「すげーけどイズクな?次デクって呼んだら張っ倒すかんな。」

 

「あ゛ぁ?んだとデクゥ!」

 

んもう、ほんと血の気多いなかっちんは…大人になったら二人で献血行こうな?最近は異形系個性の影響やらで兎に角血が足りねぇって聞くしな。

こらこら、襟を掴むんじゃないよマミーが買ってくれたおニューのシャツが伸びるだろうが。

 

「イデデデデッ!!はっ、離せよ!」

 

子供の身体だからな…ほんと直ぐ脱臼するとか聞くしあんまひねり過ぎないように気ぃつけねぇと、かっちんの手首に変な癖ついたら光己さんと勝さんに顔向け出来ねぇしな。

ゆっくりゆっくり、足払いだと頭打って危ないかな?よし膝裏を踏みながら腕をひねり上げて…

 

「てめぇ、デク!誰の上に乗ってんだぁ!!」

 

「まーたデクって言って…駄目って言うのが聴こえんのかね?」

 

「うぎぃ!痛ぇって言ってんだろ!!てかお前も俺をかっちんって呼んでんだろ!?」

 

腕極められててよくそんな強気に出れるな…逆に尊敬するわその尊大さ。

 

「俺のは愛称だよ、かっちんと仲良くなろーと思って言ってる。だから本当にかっちんが嫌だったらやめるぜ?

けど、かっちんの言ってたのって意味わかって言ってたろ?」

 

賢いからなかっちん…4歳で木偶って言葉知ってるのヤバくない?俺は北斗○拳で覚えました。

 

「…チッ、わかったよ…その、悪かったな

 

「いーよ、でも人の名前はあんまし弄っちゃダメだぜ?

親御さんが一生懸命考えた最高の贈り物なんだ、馬鹿にしたりしたら…自分の価値が下がっちまう。」

 

「自分の…価値?」

 

「おう、かっちんはオールマイトみてぇなヒーローになんだろ?」

 

「…ああ!あんな風にどんなにピンチでも、どんな事件でも最後には笑って解決しちまう様な…そんなオールマイト(ヒーロー)に俺は成るんだ!!」

 

「うん…ならかっちん、オールマイトは人の悪口言って笑うかい?」

 

「あ゛ぁ!?んな訳っ!…んな訳ねぇ…だろ…」

 

かっちんの目が見開かれる…うん、やっぱり賢い子だ。

周りはこの子が小器用で自信に溢れてるから付いていく…例えこの子が間違いを犯してもそれを間違いだと思わずに付いていってしまう…

そして、大人達も活発で人の中心に居るこの子に目をかけない…一人で居る子を気にかけてしまってこの子にしっかりと向き合えない。

光己さんや勝さんはかっちんを良く見てるけど…四六時中は見れない。

だから、せめて俺ぐらいは叱ってやらんとな。

なにせ…俺はかっちんよりお兄ちゃんだからな。

 

「わかったみてーで何より!ごめんな皆、付き合わせちまって。」

 

「おっ、おう…もう良いのか?かっちゃんも。」

 

「腕とか痛くねぇの?」

 

「おう…悪かったな。それと…イズク、ありがとな…」

 

うんうん、しっかりお礼も言えて…別にお礼言う場面でもないような気がするけど良いこと良いこと!

んで、この日はその後川で水切りやったり川に落ちそうになったかっちんをファイト一発したりして二人と別れ、かっちんと日暮れの帰り道を急いでいた。

 

「急げイズク!急がねぇと日が沈んじまう!」

 

…これ、日が沈んだら親御さんが心配するからって殊勝な考えじゃなくて多分今日は日が沈むまでに帰ってくるとか言って出てきたから怒られねぇように急いでるだけだよなぁ。

 

「急ぐのは良いけど、あんま走んなよかっちん。」

 

俺らまだちっちぇから前重心だしな、走ると転けるぜ?

 

「んな事言ってられるかよ!…っ!!」

 

前を走ってたかっちんが急ブレーキをしたかと思うといつもの悪い笑みが浮かぶ。

んー、多分場所的に…そこの路地裏通って近道とか考えてそうだよなぁ。

もう日暮れだし薄暗い路地裏なんか通らんでも…でもなぁ、遅くなるとかっちんの親御さんは勿論、俺のパピーとマミーも心配するよなぁ。

んーーー、まぁ俺も居るし気を付けて行きゃあ良いだろ。

 

この時、そんな適当にしてしまったこの判断を俺は一生後悔する事になる。

 

肉、肉見せて…小さい肉

 

 

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