ワンフォーオール…?知らない子ですね   作:悲しいなぁ@silvie

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Qなぜ本編を進めないのですか?
A治崎戦ではやりたい事が多すぎて纏まらないので少し時間を下さい。
Qいつになったら雄英に入るんですか?
Aいつになったら雄英に入るんですか…?

なお、今回はマジで本編に関係ないので読み飛ばして下さっても問題ありません。
そして、今回は時系列その他諸々を完全に無視して書いてます。
細かい設定もプルスウルトラしたので知りません。


読まなくても良いやつ
〜if〜もしもあのキャラが女の子だったら


〜爆豪勝己の場合〜

ガヤガヤと騒がしい休み時間。誰がそうしたでもなしに自然と男女に別れ話し出す。

その中で丸いボールのようなものが複数付いたような髪型をした背の低い男子生徒が鼻息荒く語り出す。

 

「いい加減決めようぜ…ウチのクラスで誰が一番エロいかよ…」

 

目は血走り、瞳孔が開かれている。傍目から見てもコイツイッちゃってんなとなる事請け合いな表情で男子生徒は切り出した。

それに対し、金髪の少し遊んでいそうな風体の男子生徒が答える。

 

「エロいかって…ウチのクラスなら決まってんだろ、ヤオモモじゃん。」

 

ヤオモモ…八百万百。女子高生、それも一年生でありながら抜群のプロポーションを持ち、それでいて個性の関係上露出の多いコスチュームを身に纏う我等が副委員長である。

 

「確かに、出るところは出ている…というか出過ぎて零れ落ちそうだ。ヤオヨロッパイが零れ落ちないように支える仕事に就けるならオイラはもう終わってもいい。

だがな!ウチのクラスは全員粒揃い!八百万のヤオヨロッパイ以外にも!!芦戸の腰つき!!葉隠の浮かぶ下着!!麗日のうららかボディに蛙吹の意外おっぱい!!挙げればキリがねぇぜ。

だが!!オイラが今日お前らに叩きつけるのは、爆豪のダイナマイトボディだ!!

ヤオモモに引けを取らないワガママボディに男勝りな性格と口調、しかし!その一方で料理上手だったりっていうギャップ!!こういう奴が押し倒されたりすると急にしおらしくなって!!!」

 

少年の演説に熱が入るも、正面に座る赤髪を逆立てた少年が顔を引き攣らせながら言う。

 

「げ!…峰田、そろそろ止めといた方が…」

 

「ケッ!!んだよ切島!女子の目を気にするなんて漢らしくねぇなぁ!!」

 

「いや、漢らしいとかじゃ…あぁ。」

 

切島と呼ばれた少年の諦めたような声と共に峰田と呼ばれた少年の後ろに立つ一人の影。

そのあまりの威圧感から峰田はギギギと油の切れた機械のように首を回す。

 

「しおらしくなって…何だろう?

お兄さんにも聞かせてくれよ、峰田クン?」

 

人の顔から感情が抜け落ちるだけでなぜこんなにも恐怖心を煽るのだろう…峰田はそんな風に考えながら目の前の少年を見上げる。

 

「あーあ…そりゃ爆豪もカワイイけどよ、緑谷(アレ)が居るもんなぁ。」

 

金髪の少年は峰田に合掌すると呟くように言う。

目線の先の峰田少年は緑谷に引き摺られて行く。どこに行くのかは…知らぬ方が身の為だろう。

 

「YES爆豪NOタッチ…YES爆豪NOタッチ…YES爆豪NOタッチ…」

 

数分後、壊れたラジオのように繰り返し呟く峰田を見て男子生徒一堂、合掌するのであった。

 

「おい、帰んぞイズク。」

 

時は移ろい放課後。雄英の厳しくも充実した授業により疲弊した視界に一人の天使が舞い降りた。

肩口で切り揃えられた金髪に母親譲りのシミ一つ無い肌。整った目鼻立ちは少しつり気味でキツめの印象を与えるも…この美の前には些細な事であろう。

彼女こそは俺の幼なじみ、爆豪勝姫(ばくごうかつき)である。

あるのだが…

 

「…ヒメちゃん、また制服のボタン外して!

もう、ヒメちゃんは自分がカワイイ女の子って自覚あんのか!?

いいかいヒメちゃん、男は…特に男子高校生は性に塗れた獣なんだ。ヒメちゃんみたいなカワイイ女の子が隙なんて見せようものなら即座に襲い掛かって来るんだからね!!?」

 

「だぁぁぁ!!うっせーな、お前はアタシの母親かよ!!

てか、誰の為に外してると思ってんだ…どうせなら襲い掛かって来いや、このクソナード。

 

「ブツクサ文句言わない!!もう、光己さんにもよろしく言われてんだから…」

 

ヒメちゃんはいつも俺が注意すると真っ赤になって怒るが…俺は親御さんからよろしく頼まれてんだ。大事な一人娘を頼まれて…絶対に俺が守護(まも)らねば。

ヒメちゃんは目を離すとすぐ服のボタン外したり、腕組む時には胸が当たったりする。俺はヒメちゃんを守護(まも)る愛の戦士故に性欲などという低俗な欲求に流される事はないが…他の男は違う。普段は頼れる仲間達だが、ヒメちゃんを狙うのなら話は別だ…少なくとも俺より強く、料理が出来て、育児には強力的で家事の分担に不平不満を言わないような男でなければ。

昔からの付き合いだからな…ヒメちゃんは俺にとっても娘みたいなもんだ。だからこそ、寄り付く虫ケラは排除する。

 

「…なに考えこんでんだよ。アタシと帰る事より大事な事でもあんのかぁ!」bomb

 

「ん?まさか、ヒメちゃんより優先する事なんざこの世にねぇよ。いつも言ってんだろ?ヒメちゃんが笑ってくれるならこの世の何を於いても優先するって。」

 

…ん?でもマミーとか壊理ちゃんとかと被ったらどうすっかな…

いやまぁ、それ以外ならなにに於いても優先するし嘘じゃねぇよな…?

 

「てか、顔真っ赤だぞ!?大丈夫かヒメちゃん!」

 

「あ゛ー、クソナード…ちょっとツラ貸せ。」

 

「またそんな汚い言葉遣いして…なに?」

 

俯く彼女の顔を覗き込むように見る。

 

「なんでもするって言ったよな…なら、コレも入んだよな。」

 

スッと柔らかく熱を帯びたモノが唇に触れる。

コレって…ヒメちゃんの…

 

「え…!!!!??なっ!!なんで!?なにして…!??!!」

 

「うるせぇ、このクソナード…」

 

ギュッと俺の胸にしがみついてくるヒメちゃん。

耳まで真っ赤で制服越しにでも熱が伝わる程に熱い…

 

「あ、あのー…ヒメちゃん?えっと…コレはどういう…」

 

「…アタシじゃ嫌かよ?」

 

寂しそうな表情。俺はこの娘のコレに弱い。初めて出逢った時にも見た…誰にも理解されずにいた寂しがり屋の女の子。

だから…自然と口をついて出た。

 

「嫌じゃない!!嫌じゃないけど…」

 

「…嫌じゃねぇなら黙ってろ。」

 

「…フフ、了解。」

 

拝啓お母様、今日恥ずかしがり屋で寂しがり屋な…とってもカワイイ彼女が出来ました。

 

「勝姫…今頃上手くやってると良いけど…」

 

爆豪勝姫の母、爆豪光己は頬杖をつきながら娘の恋路を憂いていた。

 

「ハハハ、出久君は真面目だからね…光己さんのよろしくって言葉も額面通り受け取るような子だから、少し厳しいかもね。」

 

爆豪勝姫の父、爆豪勝は頬を掻きながら答える。

 

「んんー…まっ、私の娘だしいざとなれば押し倒してでも捕まえるでしょ!!」

 

「光己さんが言うと冗談に聞こえないね…」

 

「早く孫の顔が見たいわねー!」

 

 


〜轟燈矢の場合〜

放課後の喧騒を聴き流しながら鞄に荷物を詰め帰り支度を済ませる。…今日の夕飯は何にすっかなぁ。挽き肉が残ってるから使い切りてぇけど…壊理ちゃんも喜んでたしロールキャベツかなぁ。

と、ボケーっと考え事をしていると…

 

「出久、わりぃけど今日って時間有るか?」

 

と、声をかけられた。

 

「んー?どしたのショーちゃん。まさかまた炎司のバカがうざったいとかか!?」

 

あの馬鹿は本当にしょうがねぇなぁ!

 

「いや、別に親父は関係ねぇんだけど…いや、あるのか?

親父が今日早めに終わるから久しぶりに一緒に飯でもどうかと思ってな。」

 

…んー、別に炎司のツラなんて見たくも無ぇけど冷さんにこないだウチの庭で採れたプチトマトで作ったマリネを持ってくって言ったし…丁度良いか。

 

「オッケー、なら一旦家に寄ってから行くわ…何時ぐらいに行きゃいいかな?」

 

「わりぃな急で、時間は何時でも良い…と思う。」

 

「ん、なるだけ早目に向かうわ。」

 

んで、家に帰ってソッコーでロールキャベツ作ってマミーと壊理ちゃんに出掛けるって言って…今着いたところだ。

ノックしてもしもーし!

 

「緑谷か…よく来たな。」

 

「…なんで出迎えが炎司なんだよ、急激に帰りたくなってきたわ。」

 

「なっ!?キサマ!このNo.2ヒーローエンデヴァーを掴まえて何を言うか!」

 

「はいはい、凄い凄い、家では家事も出来ずに役にも立たないダメ親父振りが眩しいよ。」

 

「なっ!?…ぐっ、その代わりに一家の大黒柱としてしっかり稼いで…」

 

「そりゃ最低限のラインだろ?世の家庭ではどちらかか両方かが稼いでる…けど今は子育ても家庭も夫婦で持ちつ持たれつだぜ?

自分は稼いでるから…って胡座かいてるような奴が熟年離婚とかすんだよ。」

 

俺がそう言うと炎司は顔を青くして「じゅ、熟年離婚…」とうわ言のように呟く。

 

「あら、いらっしゃい緑谷君。」

 

「冷さん、お邪魔してます。」

 

「うおおぉぉ!!冷!俺が悪かったぁ!これからは俺も出来る事はなんでもする!!だから離婚などと言わないでくれぇ!」

 

奥から出てきた冷さんに泣きながら縋り付く炎司…見苦しいからやめてくんねぇかな。

 

「離婚…?なんの事かしら。」

 

ほら、冷さんも困ってんじゃねぇかよ。とっとと離れろ馬鹿が。

 

「俺は確かに今まで家事もせずにお前に任せきっていた…だが、これからは俺もぉ!だから離婚だけは!!」

 

「あらあら…私もアナタと離婚なんて嫌ですよ?顔を上げて下さい。

確かにアナタは家事が苦手であまりしないけれど、そんな事は互いに支えあって行けば良い事でしょう?私達は夫婦で、頼りになる子供達も居るんですから。」

 

…流石は冷さんだなぁ、ホント炎司には勿体ないぐらい出来た女性(ヒト)だぜ。

 

「…それと、緑谷君?あまりウチの主人をイジメないで下さいね?」

 

ギロリ、と凍り付くような冷たい視線が向けられる。

 

「…はーい。」

 

でも、やっぱ怖えなぁ。

 

「おっ、出久!久しぶりだな!」

 

「なっくんこそ!元気してた?」

 

轟邸にお邪魔すると轟夏雄、通称なっくんが居間で出迎えてくれる。

 

「高校の方はどうよ?上手くやってけそうか?」

 

「んー、まぁぼちぼちかな。なっくんこそ大学どうなのさ。」

  

「俺の方は結構良い感じだな。エンデヴァーの息子っつったら掴みはバッチリだからな!」

 

へぇ、炎司もちっとは役に立つんだなぁ…

さて、と…

 

「んじゃちっと台所借りるな。ちなみにだけど献立とか聞いてる?」

 

「いや、聞いてねぇなぁ。わりぃけど向こうで聞いてくれ。」

 

「あーい。」

 

もはや慣れ親しんしんだ廊下を歩き台所へ向かう。ここで飯作んのももう何回目かね…ん?

 

「あれ?ふーちゃんは?」

 

台所には轟冬美の姿はなく、代わりに轟燈華(とどろきとうか)ちゃんが両手に包丁を逆手に持って腰を低く落とし構えていた。

 

「…トーカちゃんは一体何をしようとしてるんだい?」

 

「あ!あれ~~!!?なんで出久君がこんなところにー、き、キグーだなー。」

 

…なに?台本読んでんの?だとしたら指摘した方が良いのかな…めちゃくちゃ声裏返ってるし棒読みになってるよって。

 

「あ、あー、もしかしてー、ここにおリョーリをしに来たのかなー!?」

 

やっぱどっかにカンペない?予め決められた文章を読んでるよね?

 

「…まぁ、台所だしそりゃ料理しにきてんだけどさ。」

 

「わ、ワーオ!ワタシーもオリョーリしに来てたんだー、よ、ヨカッターラ一緒に…しない?」

 

…なに?日本人の思い描く外人像?

だとしたらアプデしばらくしてないな?

 

「一緒にって…トーカちゃん料理出来たっけ?」

 

すると、トーカちゃんは俺の問い掛けに対して凄まじく洗練された動きで両手の包丁を振る。…いやスゲェけどソレってナイフ術じゃない?料理出来る?って問に完成されたCQC見せてどうしたいのさ…いやめちゃくちゃやり切った感出してるぅ…

 

「フフン、ざっとこんなもんだよ!」

  

トーカちゃんは胸を張りながらしたり顔で微笑んでいる。

…まぁ、トーカちゃんが満足したなら良いけどね?

 

「じゃあ…今日は何作ろっか?」

 

「ふぇあ!?な…ナニで創る…まっ、まだ子供とかは早いって!!?そ、そういうのはもっとこう…段階を踏んでって…」

 

「………??早く作れるメニュー…ってコト?なら中華かなぁ。

初めてでも失敗し難い…んー、炒め物系とかかぁ?」

 

「チュ、チューから!?ま、まぁ確かに段階踏んでって言ったのは私だけど…で、でも先にこ、コク…告白とかして欲しかったりとか…」

 

「中辛?…コク、麻婆か。んー、案外良いかもな。豆腐が崩れないように併せるのがちとムズいけど…見た目が崩れるぐらいで味の失敗はし難い…か。」

 

少年はこの日、授業の演習にてプレゼントマイクの一撃を受け鼓膜を破損していた。リカバリーガールの治療を受けたとは言え治りたての鼓膜は音を拾い難く、この無惨な勘違いコントを生んでいた。

人は女性等の高音よりも男性の話す低音の方が聞き取り易い傾向にある。事実、難聴の人間に話し掛ける時は出来るだけ低い声で話すと円滑に進む場合があるのだ。

少年がこの日マトモに喋った相手は轟焦凍、轟炎司、轟夏雄…全員が低い声を持つ男性であった。

故に、少年は疑問に思う事もなかった。違和を感じる機会がなかった。 

しかし、目の前の轟燈華は違った。高音でありながらかつ、照れ隠しや動揺でまくし立てるように話すソレは…今日の少年の鼓膜の限界を超えていた。

 

「おいおい…大丈夫か?さっきから燈華姉とんでもねぇ事言ってるぜ?」

 

「うぅ、おねーちゃんに緊張しないようにってちょっとお酒飲ませたのがいけなかったかも…」

 

少年と燈華を陰から見守る二人…轟夏雄と轟冬美は冷や汗を拭いながら祈る。

 

「でも、おねーちゃんの初恋なんだもん!叶って欲しいよね。

…それに、おねーちゃんちょっと、ちょーっとだけ抜けてるトコあるから…その点出久君なら安心だしね!」

 

「それはまぁ…でも、本当に燈華姉だけで良かったのかよ?やっぱ冬姉も一緒に作った方が…」

 

「ダメ!せっかく焦凍にも協力してもらったんだし…二人きりで作るのがいいの!…それに出久君が一緒に作るんだしちゃんと見てくれるでしょ。」

 

この選択が、悲劇を生むとは…この時はまだ誰も知らなかった。

 

「出来たぜー、配膳手伝ってくれるかぁ?」

 

「ん、手伝う。」

 

「よっしゃ、パパッと運んで喰おうぜ!」

 

「うんうん、育ち盛りの男子らしいねぇ…」

 

颯爽と名乗り出てくれたショーちゃんとなっくんに配膳を手伝って貰い準備が終わった。

 

「ふーちゃん、炎司と冷さん呼んできてくれる?」

 

「はーい!」

 

のそのそとまだ少し肩を落とした炎司とそれを気遣う冷さんがやってくる。

よし、なら手を合わせていただきますしよう。

 

「なっ!緑谷キサマァ!俺の分ならまだしもなぜテーブルの中央に炭が乗ってる!!」

 

あ゛あ゛ぁ?炭ぃ?なんのこったよ。

 

「酷いなァ…そんな名前で呼ばないでよ…

からあげって立派な料理名(なまえ)があるんだから…

見た目はこんななっちゃったけど…身内なら気付いてくれると思ったんだけどなぁ。」

 

と、トーカちゃんが瞳孔の開ききった目で喋る。

 

「!!??!!?とっ!燈華ァ!??………な、成程なぁ!からあげ…からあげか!!流石は燈華だな!この火力!この俺すらも超えて…」

 

「炎司ぃ、今すぐその小汚ぇ口閉じろぉ…加齢臭がここまで来てんだよ。」

 

「む、むぐぅ…」

 

「お前なぁ…実の娘が必死に作った料理を炭て…やっぱお前はクソ野郎だよ。

最近お前は家族と仲も良くなって勘違いしてるようだから教えてやるよ…なんで俺がお前にだけ強く当たってると思う?

炎司ぃ、どれだけ繕おうとも…過去は消えない!

ザ!!自業自得だぜ…だからお前の佐助は潰させてもらう。」

 

「嘘だ…俺はちゃんと家庭を、許されない嘘だ。」

 

「お前が冷さんにかけた苦労も、今さっきトーカちゃんに与えた心の傷も真実さ…許されない真実だ。だから祐介も潰させてもらう。」

 

炎司の顔が絶望に染まる…しかし、トーカちゃんを傷付けたコイツの罪は両金粉砕でしか償えない。

 

「出久…確かに過去は消えねぇ、けどそれなら今までのオヤジの頑張りだってそうだろ…?確かにオヤジはスキンシップがうぜぇ時もあるし、枕から変なニオイもするけど…それでも俺たちのオヤジとして頑張ってんだ。あんま悪く言わねぇでやってくれ。」

 

…いや、とても胸がうたれる良いセリフだけどトドメ刺してない?炎司真っ白になっちゃったよ?

 

 

 


「緑谷ぁ!呑んでるかぁ!?」

 

「未成年なんだから呑むわけねぇだろ…」

 

2時間後、宴もたけなわというやつだ。炎司は完璧に出来上がってるし…

 

「夏兄、燈華姉さんは…」

 

「焦凍か、あんま近付くなよ…アレはもう燈華姉じゃない、ただの大五郎だ…」

 

トーカちゃんは料理用の大五郎を抱きかかえて呑んでるし。

ったく…まぁ、アレの原因の一端はちゃんと見聞きしなかった俺にもあるし、愚痴ぐらい聞くか。

 

「ショーちゃん、なっくん、ふーちゃん…ここは任しといてくれ。そんかわり炎司のバカが向こうで寝てるから寝室まで引き摺ってってくんない?」

 

3人は少し迷った後炎司の方に向かう。…いや、俺から言っといてなんだけど酔った年頃の姉と性欲の塊と揶揄される男子高校生を二人きりにするかね。

 

「うぃ〜、なんらぁ?いじゅくもわらひがぶきよ〜っれいいにきたのかぁ〜!!」

 

「もう、言ってない言ってない。トーカちゃんその辺にしときな…ソレ料理とかお肌のパックとかに使う用の甲類焼酎だぜ?」

 

「うるひゃいなぁ!にゅふふ、いじゅくぅ…こっちに来いよぉ、こっちれわらひと踊ろーぜ!」

 

言いながらトーカちゃんは小脇に大五郎を抱えたままにフラフラと動く…ソレ踊ってんじゃなくて千鳥足なだけだろ。

 

「はいはい、踊る踊る…フォークダンスでもベリーダンスでも盆踊りでもなんでもござれだから今日は寝ときな。」

 

「うぶ〜!馬鹿にしれぇ!わらひは凄いんらぞぉ!?わらひはエンレバーの娘れ、凄い個性もあっれ…毎日がんばってんだぞー!」

 

「知ってるよ…トーカちゃんが凄い事なんて大昔から、会った時から知ってるっての。」

 

「にひひ…ほんろー?わらひ凄い?」

 

「はいはい、凄いですよ…俺みたいな小市民にはわからないぐらい凄いです。」

 

「むー!そんな事ない!!いじゅくは…出久は凄いんだ!!

私が家族から見捨てられたって腐ってた時に、ふらって来て…バババッて解決して…私がずっと悩んでたのがウソみたいに…

私!あの時、本当に嬉しかった!家族がまた一つになって…私が本当はどれだけ思われてたか知れて…

だから、だから…」

 

トーカちゃんはボロボロと涙を流しながら続ける。

 

「だからっ!!好きになっちゃうじゃんかぁ!!

私を助けてくれたヒーローは!出久なんだもん!

でも、私は冬みたいに料理も出来ないし!出久よりずっと歳上だし!一緒に居れる時間もないから…

でも、それでも…諦めらんない…諦めたくないよぉ…」

 

「…料理なら、俺が出来るだろ?んで、年上の女房は金の草鞋履いてでもーって言うじゃん?あとは…俺も会いに来るよ。」

 

「…へ?料理、会いに来る…?何言って…」

 

「好きになっちゃうはこっちのセリフなんだがなぁ…」

 

俺は頭を掻きながらトーカちゃん…轟燈華を見る。

 

「轟燈華さん!ずっと前から好きでした、俺と付き合って下さい!」

 

頭を下げ手を彼女の方へ突きだす。

 

「…夢かな…?私、遂に呑み過ぎて幻覚見てるかも…ねぇ出久君、私のほっぺつねって。」

 

そっと彼女の頬を触る。…柔らかっ!なんで女子ってこう柔らけーんだろう…男とは構成する分子から違うんだろうな…

 

「あ、あはは…本当だ。本当に?本当に言ってるの?これで明日の買い物付き合ってとかだったら私怒るからね?」

 

「もちろん、本気も本気…大マジだぜ。」

 

「私、私…重いよ?すぐ嫉妬とかするかもだし…」

 

「いいんじゃねぇの?女の子は重いぐらいがちょうど良いと古事記にも書いてる。」

 

「そ、それに…そんなかわいくないし…」

 

「何を言うか!トーカちゃん程の美人なんざ何処探したって見つかんねぇよ。正直いつもトーカちゃんと合うとき顔がニヤけてないかいつも不安だったんだぜ?」

 

「で、でも…私、私…」

 

俺はそっとトーカちゃんを抱き締める。

 

「それ以上、俺の好きな人の悪口なんて言わねぇでくんねぇかな?

俺はその人の悪いトコも知ってるけど…その万倍は良いトコ知ってんだ。」

 

トーカちゃんは俺の服を涙で濡らしながらしがみつく。

 

「それに…昔言ったろ?嬉しい時は、笑った方が楽しいぜ?」

 

「私…私、私は!緑谷出久が好き!!君のヒーローみたいなとことか!ちょっとキザなとことか!人に無茶するなって言っておいて自分は無茶苦茶して…でも、最後には皆を笑顔をにする…そんな君が大好き。」

 

「…ありがとう、俺も寂しがり屋で不器用で…でもめちゃくちゃ努力家で目指したところに一直線に向かって行く…そんな貴女が大好きです。」

 

トーカちゃんは俺が見た中で一番眩しく…艶やかに、少女のように、無垢に、妖艶に、笑った。

 

「ぐぅぅぅ!!緑谷ぁぁ。」

 

その光景をふすまのスキマから覗く轟夫妻。

 

「もう、アナタったら…少しは娘の恋が実ったのを祝えないの?」

 

「…昔、初めてアイツが家に来た時から…こうなるような気はしていた。アイツは俺以上に燈華を見て、俺以上に燈華の事に怒った。だから…アイツが燈華を連れて行くというなら、俺に止める資格はない。」

 

エンデヴァー…轟炎司はどこか寂しそうに語る。

 

「しかし!!ソレでも納得出来る訳ではない!!

なぜあんな奴に俺のカワイイ娘をやらねばならんのだ!!

緑谷出久!!キサマ!もし俺の娘を泣かせてみろ!その時は俺が焼き尽くしてくれるわ!!」

 

一転して燃え上がる炎司を見て冷はクスリと笑うと炎司の頭を撫でながら最愛の娘と恩人の少年を見る。

 

「その時は、二人でお尻でも蹴飛ばしてあげましょう。」

 

けれど、きっと…そんな機会は無いだろう。




tsってこんな感じでいいんすか?
わかりません。
誰か教えてくれ…

愛の戦士君ネタに需要って…

  • そんなものうちには…無いよ
  • こんなもん有れば有る程ええですからね
  • お得男(ヘドリアン)
  • そんな事よりAFOがヒロインになったぜ
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