ワンフォーオール…?知らない子ですね   作:悲しいなぁ@silvie

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修行パートの希望の方が多かったので始まります。


そうだ!カチコチに行こう!
死穢八斎會…?知らない子ですね


俺の朝は一時間のヘアセットから始まる。

こんな事を言うと天パだって親から貰った立派な個性だろ!とか知ったフウな口をきく馬鹿が現れるといけないので説明するが、お前達は頭がボッサボサの捻れうねったガキを見てどう思う?

天パなんだなぁとか、梅雨時期エグそう…とかなら良い。それぐらいなら俺だってもうちょいゆっくり寝てるさ…だが、だがもしもあのお宅の子ったらあんな身なりで…親は何してるのかしら。…なーんて思われてみろ、俺が一時間かければ無かった誹謗中傷がマミーに行くんだぞ!!?耐えらんねぇ!それだけは耐えられねぇよ!!

だから俺は一時間かけるし、なんならこの後スキンケアをたっぷり30分かけて行う。中学生の肌は地雷原だ、お手入れを怠れば…すぐにでもハードラック(ニキビ)とダンスっちまうだろうぜ。

だから、朝晩欠かさず化粧水で保湿するし洗顔もやり過ぎで肌荒れしないように最低限、夜は9時には寝て朝は5時に起きる。するとどうよ、見よ!この全国一万六千人の女子中高生が羨むツルモチ美肌を!!

うむ、我がお肌とヘアセットに一点の曇り無し…全てが正義だ。

スキンケアが終われば次はキッチンで朝食を作る。

うーん、昨日はテレビでやってた異形系個性を持つ子供とその親との感動物語をやってたからマミーは涙腺をバグらせてた…ふむ、なら朝は少し塩分を多目に取れるメニューにしようか。

味噌汁は確定として…卵が明後日までか、ならだし巻きと…こないだ買ったホッケも焼いて、トマトとサニーレタスで軽いサラダも付けて…そういやこないだ漬けたカブの柚子漬けを轟さん家に持ってったら冬美ちゃんと夏雄君がめちゃくちゃ気に入ってたって冷さんが言ってたっけ。

んー、このメニューならそんなに時間かかんねぇしついでに漬けとくか。なら…夏雄君もショーちゃんもまだまだ食べ盛りだし、燈矢も食うんだろうし…あんまし少ないと冬美ちゃんが遠慮するかもしれねぇから多目に漬けとくか。

炎司には…大根の葉っぱでもかじらせとけばいーだろ。

 

キッチンから食欲をそそる香りが漂うと共に、ジュウジュウと魚の油が落ちる音にブクブクと湯の沸く音とカッカッカッと小気味良い菜箸の音が響く。

キッチンは、少年にとっての城。決して侵してはならぬ領域であり、愛する家族の血肉となる料理を作る為の聖域であった。

時刻が7時を過ぎた頃、少年の母親が目をこすりながらリビングに顔を出す。

 

「うー、昨日の映画…お母さんあんなに泣いたの久しぶりよ!あーいうのを見るたびにお母さん出久がああだったら私はどうしてたんだろ!って考えて…やっぱりウチの子が一番だわ!!って思うのよ!」

 

「はいはい、わかったからさっさと顔洗ってきな母さん。目が真っ赤だぜ?」

 

はーいと可愛い声で応えるマミー…本当に美人だよなぁウチのマミーって。

いやまぁ身内の贔屓目もあるけどよぉ…それでもやっぱマミーって美しいよなぁ!控え目に言ってもミケランジェロの彫刻のよーによぉ~!!

 

さて、配膳も終わったし…新聞でも取りに行きますか。

…ん?んだコレ、手紙か…?宛名は…

親愛なる緑谷出久君へ

…誤配送だな、間違いねぇ。

さて、誤配送だろうが不愉快だし燃やしておこうか…チャッカマンがここら辺に…

 

おいおい、封も開けずに燃やそうとするなんて酷くないかい?

 

…宛名のとこが変化しやがった。呪いの手紙かぁ…近くの寺ってお祓いとかやってたっけなぁ…

 

この科学全盛の時代にオカルトかい?まぁ、オカルトってのは得てして科学的に証明出来ない事じゃなく今現在の科学では証明出来ない事だからいつかは本当に呪いだって科学的に証明出来るかもね!

 

俺はクソデカため息と共に手紙を握り潰す。

 

「母さん、ちょっと課題やるから上に行ってるよ。」

 

「あら…珍しいわね、出久が課題やってないなんて。」

 

「んー、ちょっと忘れててさ。んじゃ上に居るから!」

 

…鍵閉めてっと。流石に家の前で手紙とお喋りは出来んからな。

 

ほう、これが緑谷君の部屋か!興味深いね…部屋にはその人間の深層心理や感性が反映される。つまり、君の部屋を見ればそのレイアウト一つで君の心まで透けて見えるという訳さ!

 

「あんたそろそろ本当に通報すんぞ。」

 

嫌だろ、裏社会のドンが中学生…それも男子に付きまとって通報されたとか。

 

ハハハ!僕を通報するだって!?する気も無い事を言うもんじゃないぜ?僕が国家権力程度に止められると思うのかい?

 

燃やそう、それが世の中の為だ。

そう思い俺がチャッカマンに手を伸ばすと手紙はひとりでに封筒から出て開いた。

 

『僕が投影された!フフフ、一度やってみたくてね。…ん?意味が解らない?これは失敬、色んな事を知り過ぎると他人が何処まで知っているかが解らなくなってくるんだ…ちょうど、君のようにね。』

 

…ホログラムか?さっきの呪いの封筒と言い金持ちと悪者は無駄な所に金掛けたがるよな。

あと、俺は別に他人からどう見られるとかは気にするがそれはあくまでマミーに累が及ぶ範囲だけだぜ?俺個人が変な奴に思われるぐらいなら関係なく突っ切る派だ。

 

『うん!君ならそう言ってくれると信じてたよ!流石はかのNo.2ヒーローを殴った男だね。』

 

知ってんのかよ…まぁ、知っててもおかしくはねぇんだろうけど。一応あの件は炎司が情報規制したからマダオ金的事件は闇に葬られたんだが…

 

『おいおい、僕を舐めてもらっちゃ困るぜ?

君の事なら好きなミュージシャンから昨日の夕飯の()()()()()()なんだって知ってるよ。』

 

助けてーー!!おまわりさん!超弩級の変態にストーカーされてます!!今すぐ撃ち殺して下さい!

 

『ハハハ!僕がストーカーか!マキアが聞いたら怒りそうだね。

さて、おふざけはこれぐらいにして…本題に入ろう。』

 

変態は声音まで変えてこちらを見る。

 

『緑谷君、僕は心配なんだよ!来年、雄英を受けるんだろ?もちろん、君なら絶対受かるさ!ヒーローにだって当然なれるだろう、そんな事を心配してるんじゃない。君がヒーローになった後の事さ!ヴィランって奴らは狡猾だ。君の強さを疑う訳じゃあないが…心配する気持ちぐらいわかっておくれ。』

 

…こいつ、自分もそのヴィランってわかって言ってんのかな?てかむしろお前その親玉だろ?

 

『もちろん解ってるさ!ただ、巨悪やら災厄やら呼ばれてても所詮は僕も一個人…全てのヴィランを配下にしてる訳じゃないんだよ。恥ずかしながらね…』

 

マジで何言ってんだコイツ…頼むからそこらで転んで頭打ってくたばってくんねぇかな。

 

『だから、君にはもっと強くなって欲しいのさ!だってのに、君って奴はオールマイトからの申し出も毎回断って…彼はあれでも僕の知る中ではトップクラスの実力者なんだぜ?そんな彼からの申し出は断るし、No.2は殴るし…心臓が幾つあっても足りないよ!今この瞬間にも僕も知らぬヴィランが君を襲うかも知れない!いや、もしかしたら君の秘密を知った何らかの機関が君を捕まえに来るかも…

そんな事を考えると僕は夜も眠れない!だから僕からも提案しようって訳さ!』

 

…お前は一体どの立ち位置から喋ってるんだ?

そういう心配は可愛い女の子からされてぇんだけど…

 

『君の場合、技術や身体作りの訓練は不必要だろう。

常日頃から筋トレしてるのは知ってるし、戦闘技術だって申し分ない。…だから、後は実戦あるのみさ!

という訳で幾つか見繕って来たよ。コレとかオススメだよ、パイロキネシスの個性持ちのヴィランで…』

 

ホログラムの変態の前に7枚のパネル状のものが表示される。そのパネル一枚一枚に名前と個性、それとソイツが犯したであろう罪が書かれている。

要は、コイツらを倒せって訳か…ん?なんだコレ?

 

「おい、これは何だ?このパネルだけ二枚重なってないか?」

 

『重なる?そんな筈は…ッ!!

ふむ、どうやら不具合のようだね!いや、この年にもなると新しいモノってのは使い慣れなくてね…』

 

「くだらねえ嘘はいい…早く見せろ。」

 

『おいおい、手違いだって言ったろ?友達の言葉が信じれないのかい?』

 

「友達じゃねぇから見せろよ。」

 

『…全く、君って奴は一度決めるとテコでも動かないんだから!

勘違いの無いように言っておくけど本当にワザとじゃないぜ?マジにヤバい奴だから君には名前も教える気はなかったんだ…

コイツの名は治崎廻、死穢八斎會と言うヤクザの若頭…早い話がスジモノって訳さ。この個性全盛の時代にも残ってる事務所って訳でヤクザとしてはかなり異質で実力もある…だから間違っても挑もうなんて考えないでくれよ?』

 

「…確かに、それなら俺が挑む必要はねぇな…が、お前はその情報を隠した。

俺の事を深く知ってるとのたまうお前がだ…ならそれだけの筈がねぇ。今の情報を聞いたうえで俺が挑む可能性が出てくるだけの事をこいつはやってんだろ?」

 

『だーかーらー!!心配だったから隠しただけだよ!僕も自分の失敗を人に見せるような趣味は無いし、万が一にも君が挑むと言ったら危険だから隠しただけだよ!深読みし過ぎは良くないんじゃないかい?』

 

「ふーん…話す気はねぇ、と。なら良いぜ?今からいっちょ行ってきて見てくるぜ。テメェの目で見た方がよっぽど信用出来らぁよ。」

 

『おいおい!馬鹿な事を言うもんじゃないぜ?と言うか今日は平日だろ?学校はどうすんだよ中学生。』

 

「今日は創立記念日だ。場所もネットで引っ掛かったし日帰りぐらいなら問題無さそうな距離だな…」

 

『わかった!話す!話すから待ってくれよ!もう!君って奴は本当に!!

…今から話すのはあくまでも僕の仲間からの情報で真実とは限らないという事は頭に入れてくれよ?

その治崎って男はヴィラン名をオーバーホールと名乗り活動しているようなんだ。』

 

オーバーホール…分解か。そういう個性か?いや…今の社会を崩すとかそういう線もあるか。

 

「で?その活動ってのはなんだよ?まさかゴミ拾いやら縁日の出店って訳じゃねぇんだろ?」

 

『武器の密売さ…それも、とびっきり変わった武器のね。』

 

「武器ぃ?変わったってどう変わってんだよ。」

 

()()()()()()()()()さ。僕の手持ちの個性にだってそんな事は出来ない…恐らくは唯一無二の武器を奴は密売してるのさ。』

 

「個性を攻撃する…?どういう意味だソレ?んなトンチかましてねぇでもっと解りやすく言えねぇのかよ。」

 

『うーん、解りやすくと言ってもね?なら個性を使えなくする…とでも言おうかな。

その武器…まぁ、今確認出来てるのは弾丸だけだからその弾に当たると個性が使えなくなる…と言っても効果は短いもんだよ。個人差はあれど、大体2〜3日で元に戻る。』

 

「…個性が使えなく…攻撃…!個性因子が傷付けられてんのか!?」

 

『御明察!いや、緑谷君と喋ってるとストレスが無くて良いね!

そう、その弾を受けた人間を調べると個性因子が傷付けられていたのさ…

そこで僕は考えた。他人の個性…親から貰ったモノを傷付けるこの行いを君が見ればどう思うだろう…とね。

だから隠したのさ、わかって…』

 

「嘘だな。まだ言ってねぇ情報あるだろ?」

 

『…おいおい、僕はサンタさんじゃないんだぜ?そんな次から次へと出てくる訳』

 

「オメーも個性借りパクする個性じゃねぇーか!!

そんなお前が!個性を2〜3日使えなくする?君がどう思う?片腹どころか両腹痛ぇわ!!」

 

俺の言葉に変態は大袈裟にため息をつくと両手を挙げて降参のポーズをとりながら言う。

 

『…はぁ、コレを言うと絶対君が突っ込んで行くだろうから言いたく無かったんだよ。

その弾は…とある少女の身体から造られてる。

その少女の名は壊理、治崎の娘だそうだよ。』

 

へー…娘。治崎の娘ね…娘…

 

「野郎ぶっ殺してやるぅぁああああ!!!」

 

俺の一日はヤクザへのカチコミから始まる。

 

次回の候補

  • さすがにそろそろ雄英に入学しろ!
  • ヒロイン最大トーナメントッ!!
  • ホークス…?知らない子ですね
  • ボンドルドとAFOって似てない?
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