笑えよ!笑ってくれよぉ!(懇願)   作:ノイフェル

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とりあえず温めていたので、いつも通り投げてみる

スナック感覚でどうぞ(なお、味についてはお察しレベルである)


ウマ娘?うっそだろ。ほんと?ウマってくるわ

某県某所。とある出版社の会議室にて

 

 

 

何故だ、何故こんな事が

 

巡り合わせとでも言えば良いと!

 

粉バナナ

 

 

 

大変です!部長が白目剥いてますよ、皆さん!

 

 

 

その場は重苦しい空気に満ちていた

 

 

 

 

ここは〇〇出版

 

出版業界においては大手いや中堅?

いやいや、零細と言っても過言ではない会社である

 

 

 

この会社のモットーは『本で人を幸せにする』というものであり、堅苦しい経済小説などは一切手掛けない事である意味では有名(変わり者)であった

 

 

 

今回集まったのは、社長に副社長。常務に専務。部長に課長と、そして

 

 

 

やっちまったゼ☆

 

 

と歳を考えずにテヘペロをするアラフォーの男だった

 

 

 

 

 

あのねぇ、〇△君。そんな冗談を言っている場合なのかね?

 

 

専務はアラフォーの男に非難めいた視線と発言をした

 

というか、普通に非難しているのである訳だが

 

 

 

既に終わった事でしょう?

であれば、これに(・・・)どう対応するかが問題ではありませんか?

 

 

 

た、確かに

 

そうだが

 

だが、しかしだな

 

 

 

 

開き直りにも聞こえる彼の発言に対して他の者達も戸惑いつつも概ね賛成の様であった

 

 

 

 

 

 

本日の議題を語る前に『ウマ娘』というものについて、少しばかり説明させてもらいたい

 

 

 

ウマ娘とは名の示す通り『娘』であるからして、女性である

更に特徴的なのは耳と尻尾をあわせ持つ事にあろう。更に身体能力という一点においては成人男性のそれを遥かに凌駕する。例えそれが高校生の年頃のウマ娘だったとしても、だ

 

 

更によく食べる

 

運動量に比例するかの如く、とにかくよく食べるのだ。比喩ぬきで個人経営の食堂にウマ娘が4人も入り、満腹になるまで食べるとなると、その食堂には何も残らない程に

 

 

 

現在ではウマ娘達による競バが各地で開催される様になった為に世間の注目を集めている

 

 

 

とはいえ、この出版社は雑誌などを手掛けている訳ではないし、編集部としてもゴシップ誌などは手掛けるつもりなどない

 

 

にも関わらず、ウマ娘の紹介をする事に疑問を持たれると思われるが、キチンとした理由がある

 

 

 

 

しかしなぁ、俄かに信じられる話でもあるまい。かのシンボリルドルフ(世代最強と呼ばれる皇帝)からのファンレターなどとは

 

しかしですね、社長。間違いなく府中トレセン学園の住所から送られてきております。加えて、内容も明らかにあれ(・・)を読んでいるとしか

 

・・・流石に無理がないだろうか?かの皇帝とも呼ばれるウマ娘がアレ(・・)を読むなどと

 

うむむむ

 

 

 

場に再び沈黙が落ちる

 

 

 

 

 

 

ウマ娘 シンボリルドルフ

 

 

府中トレセン学園において、シンザンやミスターシービー、カブラヤオーにレイクスプリンターなどを始めとした第一世代(始まりの世代)と呼ばれるもの達がいた

 

トレセン学園の創設時から関わっていたシンザンとミスターシービー。この二人はまさに『双璧』と呼ぶに相応しい活躍を見せた

 

シンボリルドルフはその『双璧』と並び立つとも言われるほどの実力者である。それと共にトレセン学園においてナリタブライアンとエアグルーヴと二代目トレセン学園生徒会として、様々な新しい試みを行うべく奮闘している

 

ウマ娘によるレースでもその実力をいかんなく発揮し、次世代を代表するウマ娘としてメディアでも取り上げられる程だ

 

 

 

そんな多忙を極めるシンボリルドルフが無名とも言える、〇〇出版社にファンレターを送ってくるなどと果たして社内の誰が想像出来ようか?

いや出来まい(反語)

 

 

 

 

まして、この会社は同業者やある程度内情を知るもの達からは『蠱毒』だ『闇鍋』だの『コアな人向け(特殊性癖向け)』だのと言われている

 

一番浸透しているのは『出版業界の魔窟』と言うお世辞にも褒められない評価であった

 

 

 

 

というのも、此処から世に送り出される書物はお世辞にも一般向けとは言えない代物ばかりなのであるからして、仕方ない事でもあった

 

 

 

宇宙的恐怖(コズミックホラー)を題材とする自称、真理の追求者(狂信者)

人の性癖を歪めようとする自称伝道者(ヤベー奴)などが代表格ともなれば、此処のヤバさは押して知るべしだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にわかには信じられない話だなぁ。

 

と男は内心こぼす

 

 

 

彼は今回、シンボリルドルフからファンレターを貰った当事者であり、この出版社で何冊か本を出版させてもらっている

 

この会社のトップエース(最高レベルの変人達)に比べると彼はよほどに理性的であり、SAN値にも異常はない。

多分、おそらく、メイビー

 

 

 

彼の出している本については、『微妙』との評価が相応しいものが多く良くも悪くもパンチがない(没個性)との評価を受ける事が多かったりする(あくまでも社内での評価であり、世間の評価では決してない)

 

当然だが賞を取るなど夢のまた夢であり、彼の著書がメディアに取り上げられた事もあろう筈がない

 

 

 

なかったのだが、この件が外部に漏れたなら間違いなく騒ぎになる事は疑いのない事実

 

 

相手は下手なアイドルや政治家よりも人気と勢いのあるウマ娘。その中でもトップクラスの皇帝(シンボリルドルフ)なれば容易に想像もつこうというもの

 

 

それに対するは日の目を見ないどころか、アングラまっしぐらの方向性が迷子な物書きである

辛うじて小説家として(本職で)飯を食べて来れているが、知名度もない様なもの。当たり前だが、比較するのもバ鹿らしくなるだろう

 

 

 

 

何より問題とすべきは、仮に報道関係者(ハイエナども)にこれを嗅ぎ付けられた日には面倒ごと(無秩序な取材)が起きるだろう事

 

 

この会社は地元の住民と上手く関係を築いており、今まで問題かあったとしても大事には至らなかった

話題性という意味において、此処で出版する者たちはそこまでのモノを持ち得ないから

 

 

その代わり強烈すぎる個性(狂信者と伝道者など)が複数内在するという、一種の混沌とした空間(カオスワールド)

 

此処で頭を抱えているもの達は、そんな中で普通に泳ぎきれる連中なのだ。

これをマトモなどというならば、言語学者が青筋を立てて辞書で殴りつけてくる事請け合いである

 

 

 

 

 

閑話休題

 

 

そもそもシンボリルドルフがファンレターを送ってくる事になった本は既に自主回収を始めている

 

この件に関しては、社長と著者は可及的速やかに回収すべし(方法は問わないから、全力で最速で回収)との共通見解を持っている

 

のであるが、彼の著書の愛読者達は基本的に出版社に取り寄せ注文する猛者が多い。当然だが、受け取りも最速である

 

発送してから我にかえったとしても、色々と手遅れであった

 

 

通常の本ならば良い

がこの本だけは世に放ってはならないのだ

 

 

『人生を豊かにする本』

 

名前だけを見れば、問題ない様にも見えなくもない

本についてる帯にも『複雑な人間関係に悩む貴方に。〇△氏渾身の一冊』となんかそれらしく(・・・・・)書いてある

 

 

のだが、この本

実は著者と編集部が悪酔いしたときに書き切ったものであったりする。物書きとして、意識があまりないにも関わらず、曲がりなりにも本としての体裁を整えられた事を誇るべきなのかもしれない

 

 

 

物書きとしての力量的にはあったとしても、深酒のうえでの乱行となれば社会人としての誹りは免れない。それに折角自身の作品を見てくれている読者に対しても失礼であると彼は考えた

 

 

故にこそ、自主回収を自腹で行なう事としたのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、なんの因果か数少ない一般に流通させている物で、自主回収を免れた物がかのシンボリルドルフの手に渡ってしまった訳である

 

 

これには同僚の狂信者も邪神の加護とニッコリ。伝道者はこれもまた試練とニンマリ不可避

 

 

 

 

 

自主回収出来なかった本は僅か7冊

 

 

つまり、シンボリルドルフは発刊1,000冊の中で固定ファン(コアな読者)の予約注文を除く一般の流通分200冊。その中で自主回収を免れた7冊

 

確率にすれば200分の7をシンボリルドルフは引いた事になる

 

 

 

流石は皇帝と感嘆すべきか、それとも運が悪かったとでも言うべきか。その本を執筆しておきながら、当の本人(著者)は取り止めのない考えにふけっていた

 

 

 

 

言うまでもないが、普通に現実逃避である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この(黒歴史)が後に大きな流れを作る事になるなど、当事者たる出版社各位も物好きな読者(シンボリルドルフ)も元凶たる著者本人にすら想像できなかったのである

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時はウマ娘のレースが世間に漸く認知され始めた頃

トレセン学園が開校して4年目の事であった

 

 

 

 




という訳で、リア友から「書き直してみ?」と言われたのと、入院中暇だったので書いてみた謎文書を投稿してみる


全13話を予定しているので、よろしければお付き合いください
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