竜と龍の血を継ぎし者~英雄と狩人の証~  モンスターハンター×僕のヒーローアカデミア   作:アママサ二次創作

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第10話 USJ襲撃事件・2

『USJかよ!?』

 

 広大な敷地に、主に水難とか火事とかで鮮やかな色が散らばる光景は、そう、まさにあの―――

 

「USJってなんだ?」

「有名な遊園地。あんた休みの間に日本巡りしたほうが良いんじゃない?」

 

 もうその百竜の常識知らずには慣れたとばかりに耳郎が即答する。人間としての常識とかはちゃんと叩き込まれた百竜なのだが、今風の流行りなどにはかなり弱い。なにせそれを教えられる神王寺からして日本を離れて相当の期間が経っている。実際彼が日本を離れた頃には、USJは軽く廃れていたのだ。

 

『USJなのかよ!』

 

 呼人と彼に説明していた3人は、もう一人の授業担当のヒーロー『13号』の説明にクラスメイトが叫んだ言葉に、前を向き直す。

 

 スペースヒーロー『13号』。宇宙服のようなコスチューム、というよりヒーロースーツをまとっており、敵制圧ではなく災害救助において大活躍の、人気ヒーローだ。当然、そんなヒーローの登場に、緑谷初め数名のテンションはうなぎのぼりだ。

 

「13号、オールマイトは来てないのか?」 

「それが実は……(すでに制限時間ギリギリまで―――)」

 

 飛び込んできたその相澤と13号のヒソヒソ話に、呼人は慌てて耳を人間に戻す。今のは恐らく、聞かない方が良い類の話だ。今までは問題なかったが、こうなってくると耳を変化させておくのは考えものだ。

 

「……始めるぞ」

「それでは僕から、まずはお小言を1つ2つ……3つ……」

 

『増えるのか……』

 

 1つから始まって何故か増えていく小言の数に、クラスの皆が心の中でツッコミほのぼのとした空気が漂うが、続けて13号が話し始めたのは重たい話だった。

 

「知っている人もいると思いますが、僕の個性は文字通りの『ブラックホール』。吸い込んだものを塵にする個性です」

「その個性で、火や土砂を吸い込んで人を救ってるんですよね」

「はい。ですが――――」

 

 

 

 

「間違った使い方をすれば、簡単に『人を殺せる』個性です」

 

 

 

 

 その13号の言葉に、暖かかった空気が一瞬で凍る。

 

「皆さんの中にもそういう個性を持った人はいるでしょう。個性の出現以降社会は、そんな“個性の使用”を厳しく規制し、そのおかげで平和な社会が成り立っているようには見えます。ですが、一歩間違えれば安易に人を殺せる“強力な力”を一人ひとりが持っている事を覚えておいてください」

 

 体力テストでは、“個性”という力の強力さを。

 実戦演習では、それを人に向けることの危険性を。

 そしてここでは―――

 

「この授業では、これまでと切り替えて『人命救助』のためにどう個性を使えば良いかを学び、考えましょう。“個性”は、けして傷つけるためだけの力ではない。君たちの個性(それ)は、救うためにあるのだと、実感して帰ってくださいね」

 

「ハイッ!!」

「ステキー!!」

 

 13号から、例え命を奪える力であっても、救うための力であると教えられ、重たかった空気は盛り上がっていた。

 

 その直後。

 

「―――相澤先生、後ろ!」

 

 いつになく鋭い呼人の声に、皆が何事かとそちらに振り向く。

 頭部の順番が回ってきていたのは幸いだった。なぜなら、おかげでいち早く気づくことが出来たから。

 

 呼人の言葉に後ろを確認した相澤は、即座に指示を出す。

 

「全員! 一塊になれ! 13号、そっちは任せる!」

「っ! はい!」

 

 相澤に遅れて13号も気づき、生徒たちの前に出る。だが、クラスメイトの大半は何が起こっているのかと疑問に思いながらも呑気な様子だ。

 

「なんだあれ? また入試の時のはじめってるパターンか?」

「動くな!!! あれは―――《ヴィラン》だ!!」

 

 初めてゴーグルを装着した相澤の激しい言葉に、皆驚きながらも集団になる。

 

「なんでこんなとこにヴィランがいるんだよぉぉ!?」

「バカだろ!? ここは雄英のヒーロー科だぞ!?」

 

 生徒が騒ぎ出す中、相澤と13号はその原因に思い当たっていた。

 それは先日のマスコミ騒動。まさに呼人が言った通り、あの出来事はマスコミではなく、ヴィランという、敵が引き起こしていたのだ。

 

「あれ、オールマイトがいない……子供を殺せば……出てくるかな?」

 

 そう言ったのは、先頭に立っていた異質な男。顔含めて全身を手のひらが掴んでいる。ヴィランの、リーダー格だ。

 

「先生! 対侵入者センサーは!?」

「ありますが、反応していない!」

「センサーが反応しないってことは、向こうにそういう“個性(やつ)”がいるってことだ。学校全体ならあっちも気付いてくれるだろうが……どっちにしろ、馬鹿だが間抜けじゃねえぞ」

「きっちり用意して来やがったってか」

 

 八百万、轟、爆豪。クラストップの実力者達が事態を把握し確認しあう中、相澤がヒーロー《イレイザーヘッド》として動き始める。

 

「13号、避難を急がせろ。それと学校への連絡だ。上鳴も持ってるなら電話試せ」

「――っす!」

 

 相澤は、指示に2人が返答したのを確認すること無く下の広場、ヴィランの集まるそこへと飛び出そうとする。それに、ヒーローとしての彼を知っている緑谷が声をかけた。

 

「先生! イレイザーヘッドの個性を――!」

 

 あっさりとイレイザーヘッドの能力をばらそうとした緑谷の口を、百竜が慌てて塞ぐ。その百竜にクラスメイトが驚きの視線を向けるが、今はそれどころではない。

 

「ヒーローは一芸だけじゃ務まらん。早く避難しろ。13号!」

「わかってます!」

 

 13号の返事を受けながら相澤がヴィランに飛びかかっていき、13号は生徒を誘導し始める。前か後ろか。この場合は、生徒に道を示すために前に立つ必要があった。

 

「皆さん固まって!」

 

 指示に従いながら、呼人はトビカガチの尻尾を展開し、上下に振り始める。

 

「百竜?」

「……あの黒い靄は転移系だ。ならこっちまで敵が来る可能性がある」

「何ッ!?」

 

 だから、敵が送られてきても片っ端から蹴散らす準備をする。だが、来たのは呼人の予想からも外れた相手だった。

 

『させませんよ』

 

 突如として集団の前に現れたのは、黒い靄。まさかの転移させたご本人の登場だ。まさかそれがヴィランそのものだとは思っていなかった呼人は、動きが一瞬固まってしまう。

 

『我々は“敵連合”。そして我々が、このヒーローの巣窟に僭越ながら侵入いたしましたのは、平和の象徴―――』

 

 “オールマイト”に死んで頂く、ただその一念のためにございます。

 

 その言葉に、クラス全員の理解が追いつかなかった。

 平和の絶対的象徴。ヴィランの天敵。悪への抑止力。

 警戒が厳しくヒーローが多数いる場所に侵入したのは、その彼を殺害するため。

 そんな、“ありえない”状況に。

 

 一人理解を放棄してどうするべきかを模索していた呼人は、いつでも攻撃できる体勢を取る。相手が新手を靄から出してきた瞬間に攻撃する。

 

『本来ならば彼がここにいる筈なのですが……私の役目はこれですの――』

 

 靄のヴィランが言い切る前に、呼人は尾から『棘』をばらまく。ヴィランの行動は察知できないが、13号の攻撃用意を見て取っていた。

 

「13号!」

 

 ほとんどの棘が飛び抜ける中で、いくつかの棘が“何か”に直撃する。

 

『ナニッ!!』

 

(当たる何か……核があるのか!)

 

 モンスター達との戦闘訓練では相手にしない類の敵だが、すぐに考え始める。モンスター達も手伝ってくれる。

 

「お見事です!」

 

 急襲で動きの止まったヴィランに13号が攻撃をしかけようとするが、それよりも早く2つの影が飛び出した。

 

 切島と爆豪。ヴィランの隙を見て素早く反応したのだ。だが、今はそれが裏目に出る。

 

「2人ともどきなさい!」

 

 2人がその声に振り向くが、すでに遅い。

 

「全員、近くのやつを掴んで群れを作れ! 一人になるな!」

 

 殺し方のわからない敵を一か八か狙うより、クラスメイトを集団にして孤立させないようにする。あの敵が靄を広げたということは―――。

 2人が前に飛び出した瞬間、呼人はそう叫んでいた。

 

 呼人の声を聞いて、咄嗟に動いたものが数名。障子、緑谷、耳郎、多分葉隠。

 

 近くの人間の腕を掴み、引き寄せて離れないようにする。孤立している者がいないことを見て取った呼人は、唯一危険とさとってか後ろへと跳んでいたために孤立してしまった尾白と合流する。

 

『あぶないあぶない……やはりここは優秀な卵の集まる場所』

 

―――散らして、嬲り殺させていただきます。

 

 尾白が呼人の腕をつかんだ直後。男の言葉が終わると同時、黒い靄が、皆を飲み込んだ。

 

 

******

 

 

「わっ!」

「おっ、とと」

 

 地上2メートルほどの位置に放り出された呼人と尾白は、空中で体勢を整えて着地する。

 

「火災エリアか」

「なに、もしかして“俺達が”ワープされた?」

「そういうことだ」

 

 呼人が答えた直後、周囲からぞろぞろとヴィランが現れる。

 

「ほんとに来たぜ」

「ヒャッッホォウ!! 獲物だ―!!」

 

 2人が放り出されたのはヴィランの集団の真っ只中だった。

 

「尾白、しばらく保たせられるか? 倒さなくていい」

 

 背中を合わせた呼人の端的な問いかけに、尾白は特に疑問の声を上げずに静かに答える。

 

「! ……相手によほどの個性持ちがいなければいけるよ」

「大方火炎系統だろ。尻尾の耐熱性は?」

「結構高いよ」

「じゃあ少しの間1人で保たせておいてくれ。一暴れしてくる」

 

 呼人の依頼に、尾白は少しばかり不敵に返す。確かに呼人は入試では1位の実力者であるし実戦演習でも1人で2人相手に二度勝利した実力者だが、だからといって保たせることしか出来ないと見くびられるのは癪だった。

 

「俺の方に来た数が少なかったら、倒せるかやってみるよ」

「……無茶はするなよ。ナイフは使えるか?」

「俺は素手の方が良い」

「オーライ!」

 

 直後、背中合わせになっていた2人のうち尾白は比較的ヴィランの数が薄い方向へと飛び出していき、呼人はその場で変身を始める。四肢が赤黒い肉に包まれ、コスチュームがそれに溶け込むように消えていく。頭部も完全なオドガロンのそれではないが、人間のものではなくなり、わずかに前傾姿勢になる。体格も一回り大きくなっていた。

 そして、咆哮。

 

 ―――狂暴なる捕食者が牙を剥く。




B組に外国からの留学生いたと思うんですけど、ヒロアカ世界の海外交流ってどうなってるんでしょうね。欧州なんかならともかく、日本って島国で外国行くには船か飛行機しか無いわけじゃないですか。ていうか基本的に飛行機だと思うんですけど。でも個性の発現した世界って、危険物検査とか金属探知機とかそういうレベルじゃないですよね。個々人が生身で飛行機を落とそうと思ったら簡単に落とせてしまう世界で、飛行機に乗るのって実は凄い勇気がいることなんじゃないかっていう。


後A組が21人いることについてですが、誰を減らすのも……っていう理由で主人公加えて21人にしてますが、峰田とか口田とか、登場機会の都合上、あるいは純粋に作者がキャラ描写しきれない都合上いなくても良くね、って思いはじめてます。このあたりも意見もらえると嬉しいです。

小説内で登場したモンスターの形態変化とか生態について細かい説明が欲しいですか

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