竜と龍の血を継ぎし者~英雄と狩人の証~  モンスターハンター×僕のヒーローアカデミア   作:アママサ二次創作

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第50話 帰還

 翌日。一通りの事情聴取を終え、大量の惣菜パンと弁当の朝食を終えて更にしばらく待機していると、昨夜世話になった警官が仮眠室にやってきた。

 

「やっと雄英の教師に話が通ったよ。向こうも忙しいみたいで。取り敢えず電話に出て欲しいらしいから2人とも来てくれ」

 

 大人しくついていき、電話で会話している警官に案内してくれた人が合図をすると、一言二言交わしてから呼人と爆豪に受話器を差し出してくる。爆豪が不機嫌そうに目を逸しているので先に呼人が電話を受け取った。

 

「もしもし」

『百竜か』

「はい」

 

 通話の相手は相澤であった。今回の事件の事後報告などで彼がいた警察署に話が周り、報告中の彼とこうして連絡がつながっている状態にある。

 

『はあ……。よくやったとは言わない。お前の行動は立派な命令無視だ』

「わかってます」

『学生である以上、俺達の指示には従え』

「……」

『……ともあれ無事で良かった。爆豪はいるか』

「います。代わりますよ」

 

 そう言って呼人が爆豪を振り返ると、不機嫌そうながらも呼人の手から受話器を奪い取ると相澤と何か言葉を交わしている。爆豪の方からはほとんど頷くだけだが。

 そして再度呼人に受話器を突き出してくる。

 

『百竜。お前から預かっている映像は教師の間で共有させてもらう』

「わかりました。特に問題ないです」

『ああ。それと……ラグドールの救助も含めて、助かった』

「やりたくてやったことですので」

『……それを好き勝手されると困るんだ。迎えはじきに行くが、すぐにはいけないと思ってくれ。雄英の方も忙しくしている』

「わかりました」

『警察に代わってくれ』

 

 警察に受話機を渡すと、ここまで案内してくれた警官に連れられて再び仮眠室まで戻る。

 

「……百竜」

 

 部屋に戻って再び椅子に座り込んだ呼人の前に、不機嫌そうな表情で爆豪が立つ。

 

「てめえの秘密がなんだか知らねえし興味もねえ。てめえの個性もだ。てめえがどんな化け物になろうが、俺が勝つ」

「俺も、あれになるつもりは無いがそれでも負けるつもりは無いぞ。体育祭では俺が勝ったしな」

 

 そう煽るように返すと、爆豪の額にいつもの青筋がピキピキと走る。

 

「てめえ……いい度胸しとるな」

「まあな。けど、俺はお前がクラスで俺の次に強いとは思ってるぞ」

「次とかざけんな一番強えわ」

「ただ緑谷と轟が関わった時には冷静さを失う」

 

 ちらりと爆豪の表情を伺うが、早く先を言えお前の処遇はそれからだと言わんばかりの表情で呼人を睨んでいる。

 

「お前が強くあろうとしてるのは何のためだって話だ。競う相手がいないと最強を目指さないのか。俺は。競う相手がいようがいなかろうが。この世界で俺が最後の一人になろうが自分を鍛え続ける。俺とお前の差は、そこにあると思う。センスはお前の方が上だろうけどな」

 

 強さというものに求めるところ。志が高ければ、強くなれるなど盲信である。逆に嫉妬や劣等感が人を強くすることもある。だが少なくとも爆豪は、それで時々己を見失っている時があると、呼人はそう感じていた。

 

「……それがあのばかみてえな量の傷かよ」

「あれは……まああれもそうだな」

「てめえが個性を使おうとしやがらねえのはなんでだ。本気を出せばいつでも森を突っ走ったときぐらいのことが出来るんだろうが」

「俺の個性は、お前みたいな爆発とか、轟の氷と炎みたいな立ち回りを完全に変えてしまうものじゃなくて、例えば筋力の強化とか耐久力のアップとか、とにかく体に由来する部分が強い。だからこの体を動かす感覚があってなんぼで、その中で何が一番弱いかって言ったらこの人間の体だ。だからそれを満足に動かせるようになれば、後はイメージトレーニングをひたすらすればすむ。それに、変身した時の扱いは高校に入るまでにもうかなり習熟してるんだ」

「だからあんな器用に森の中突っ込んでったんか」

「カナダの森は楽しいぞ。でももっと楽しかったのはアマゾンだな。あそこの10倍はスリリングだ。あとな」

「あ?」

 

 本当に珍しく、憂うような表情になった呼人に、爆豪はいくらか険のとれた顔で聞き返す。

 

「個性を使うことに躊躇いは無いが、俺の個性は個性の域をはみ出している、というかこの世界にとってずるい気がしてる。だから高校の演習なんかで使いたくないし、ヒーローになってからも今の以上はほとんど使うつもりがない」

「ずりいってどういうことだ。てめえのも個性の1つだろうが」

 

 そう言われて、呼人はためらったものの自分の個性の来歴やその出力について少しだけ説明することにする。

 

「モンスターって言ってる時点でわかると思うが、明らかにこの世のものじゃないだろ? しかも俺のなれるモンスターの中には、地震、嵐、寒冷化、砂漠化、気温上昇、落雷―――天変地異を引き起こすようなモンスターも普通にいる。街中で使ったらヴィランの被害より確実に影響がある。積極的にぶっ壊したいわけでもないのにそんな力を使いたくはないし、使うべきでもない。そう考えてたら、高校にいる間は素の人間でいけるところまでは行こうと思うようになってた。それに、言い訳みたいだが人間は凄いんだ。俺がなれるモンスターに、個性無しで剣だけで立ち向かって仕留めるようなやつもいたりする。だから俺は個性を使わない人間としての性能を高めたいと思ってるし、それを信頼もしてる」

「……なげえ」

 

 珍しく、いつもの『モンスターに立ち向かった人間』の話に加えて自分の個性、『モンスター達』を人間の社会の中で使うことについて思うところを呼人は説明したが、爆豪にとっては長過ぎて聞く気が失せるものだったらしい。確かに長かったかもしれない。だが、続けて爆豪は言った。

 

「つかずりいってなんだ。俺だって個性ぶっ放したら街がぶっ壊れるわ。てめえが全部使わねえのは勝手だがんなくだらねえこと考えてんじゃねえよ」

 

 くしくも、呼人が体育祭の時に爆豪に言った『それぞれがそれぞれの個性にセーブを欠けて使うのは当たり前の話だ』という言葉を、そのまま返された形になる。それにポカンとした呼人だが、すぐに笑って答える。

 

「そうだな。悪い忘れてくれ」

 

 ああは言ったものの、実際呼人が言った言葉はどちらも心の中にあったものである。他人にはああ言いつつ、自分にはそれが当てはまらないとずっと考え続けてきた。だが、それは違うだろうと。違うのが当たり前の個性で、少しばかり影響力が強いぐらいでくだらないことを考えるなと爆豪は言った。

 それで行動が変わるというわけでもないが、考え方を変えたほうが良いのかもしれない。

 

「礼なんざ気色わりい。あとてめえは個性特異点ってもんを調べやがれ」

「なんだそれ」

「調べろつったろうが。てめえのくだらねえ悩みを解決してくれるわ」

 

 それは、まだ呼人の知らない個性に関する知識で。そして、呼人の未来を確定するものとなる。

 

 ヴィランの襲撃によってワープさせられるという目にはあったが、呼人は初めて爆豪と真剣に話し、そして爆豪は、自分以上に強さにストイックな人間の言葉を、その実力を含めて体感した。それが、不幸中の幸いとも言えるものであった。

 

 

******

 

 

「ヘイリスナー! アーユーオーケー!?」

「マイク静かに。秘密裏にって話、わかってる?」

「生徒の無事を祝うぐらいは良いだろ?」

 

 迎えのプレゼント・マイクとミッドナイトがやってきたのは、相澤と電話した翌日の夕刻であった。その間にも雄英から伝言が警察経由で来ており、雄英までの移動の概要の説明が伝えられた。それに従って今の爆豪と呼人の格好は、それぞれに異なる色のフードつきの薄手のパーカーにマスクとなっている。

 ヴィランの襲撃のターゲットとなった爆豪が、懐である雄英に戻るまでその姿を隠して移動するための変装である。それに合わせて、マイクとミッドナイトもコスチュームでなく私服を纏い、マイクに至っては髪型すら変えている。

 

「マイク先生、髪下ろしてサングラス外しただけで随分印象変わりますね。だいぶ地味に」

「おっと、それ以上はナンセンスだぜ? てか目立たねえようにしてんだからそうもなるって」

「2人とも、準備は良さそうね」

「……おう」

「じゃあ行くわよ」

 

 移動の手段は新幹線と電車の乗り換え。ヴィランにとっても、そして現在世間から注目を集めている雄英にとっては世間の目も避けなければならないものとなる。そのため雄英の車両も使うことが出来ず、またこの地域にいる有力な外部のヒーローは現在とある作戦の為に集められている。従って、公共交通機関を利用して移動することになった。

 

 駅について目的駅までの切符を買い、新幹線に乗り込む。所要時間はせいぜい一時間もない程度。その間身バレを防ぐ意味もあって誰も口を開くことはなかった。

 

 地元駅に到着し、ミッドナイトが爆豪を雄英まで引率していく。ターゲットとなっている爆豪は、直近の危険が去るまでは雄英敷地内に匿われることが決まっていた。そして一方の呼人とマイクであるが。

 

「どーするリスナー、クラスメイトの見舞いに行くか? つっても面会時間もギリギリだと思うが」

「誰が入院してるんですか?」

「A組だと、葉隠と耳郎と八百万、あと緑谷が入院してるぜ。よし、気になんなら見舞いに行こう!」

 

 自身もまだそういう情報を受け取っただけであり、雄英での会議漬けで外に出られていないマイクは、これをいい機会とばかりに呼人を連れて病院へと向かう。

 道すがら、自分が確かめた状況があっていたのか違和感を感じた呼人は、そのことをマイクに尋ねた。

 

「マイク先生、耳郎と葉隠は入院しないといけないほど負傷してましたか? 俺が確認した時には大丈夫のように思えましたが」

「ガスを吸っちまってな。2人はまだ意識が戻ってねえらしいぜ」

 

 その答えに呼人が黙り込むと、マイクはそっちにちらりと視線を向けた後、再び進行方向を見ながら話し出す。

 

「百竜、お前の個性のビデオは見せてもらったぜ。うまく使えば便利な個性だと思う。てか便利すぎて腹立つぐらいだけどな。それで耳郎と葉隠の体調も確認したんだろ?」

「生命力を感知出来るモンスターがいるので、それを使って。後は脈拍が少し速いのと呼吸が荒いのは確認しました。多少弱ってる感じはしましたけど入院するほどだとは感じませんでした」

「だろうな。けどよ、モンスターと違って人間ってのは弱えんだよ。特に毒とかガスってのは、後からどんどん弱ってく。出血とか怪我もそうだな。一概に体調なんてわからねえし、たとえ医療従事者でもぱっと見でわかるもんじゃねえ。そのあたりは、まだ勉強しねえとな。少なくとも毒ガスの症状とか勉強しときゃあ、何かしら出来たかもしれねえぜ」

「……毒ガスや薬物関係は勉強しておきます」

 

 呼人の個性、モンスター達の映像を見た後の教師たちの認識としては、まず人間としての常識とモンスターの常識を混同させないようにすること、特に救助訓練において怪我人の対応に気をつけさせることが重要であると考えられた。本人が気にしている感じはあったが、それでも染み付いたものというのは強い。特に小さい頃からそちらの常識にばかり触れていた呼人にとっては、そちらの方が大きいのだと、考えられているのだ。

 

「けどまあ、全員ちゃんと帰ってきてよかったぜ。勝手に突っ込んだのはいただけねえけど、よくやったな。入院してる3人も命に別状は無いらしいしよ」

「ありがとうございます」

 

 ここ数日はまったくと言っていいほど情報が入手できず。せいぜいが、負傷者が数名いるということぐらいしかニュースでも伝えられていなかった。だから命に別状のある人間がいないと聞いて、呼人はひとまず息をはく。

 

 しばらく雑談したり、モンスター達についての話をしながら歩いていると、やがて病院に到達する。と。病院の前で何やら揉め事が起きているのが聞こえる。そして、人を殴る鈍い音が響いた。それを聞いたマイクは、慌てて病院の正面まで走る。

 

「ヘイ! ワッタユードゥーイン!?」

 

 そこに5人の人間がいるのを見て思いっきり英語で問いかけたマイクに、呼人は『この人素で英語と日本語混ざるんだな』と呑気なことを考えていた。そりゃあ英語の教師にもなるだろう、と。プライベートでも割と騒がしかったりするマイクであった。

 

「っ! マイク先生! こんばんは!」

「はいこんばんは!」

 

 5人のうち1人である飯田がマイクに挨拶をする。他の4人はどことなく気まずげ、というか切島に至っては明らかに表情が強張ってる。

 

「なんか揉めてるみてえだけどどーしたのよ? 言い合ってるぐらいなら何も言わねえけどよ。誰か殴っただろ?」

「俺が、緑谷君を殴りました。言い合いをしてかっとなってしまい……」

 

 それを聞いたマイクは、頭をかきながら大きなため息をつく。

 

「委員長、どんなときでも手は出しちゃ駄目だぜ? 特にお前は、委員長だろ?」

「……はい」

 

 飯田とマイクが話している間、他の4人はそれを、というよりは飯田の方をじっと緊張した眼差しで見ていた。

 

「オーケー。これからはちゃんと話し合うこと。後今日はもう遅えからすぐ帰れよ」

「はい」

「あーでももうちょっとここにいてくれ」

 

 それで話しが終わったような空気が漂い、飯田以外の4人からは安心した空気が漂う。が、ここにいろという言葉に不安げな空気が漂った。自分たちの目的がばれて、マイクに時間稼ぎをされているのではないかと。

 

「あの、マイク先生、俺ら用事があるんすけど―――」

 

 そこでマイクのスマホの着信音がなり、それを見たマイクがニヤリと笑う。

 

「オーケー。後携帯持ってるやつは、クラスの奴らに爆豪と百竜が帰ってきたって教えてやってくれ。今は雄英で保護されてるってよ。一年のヒーロー科以外には他言無用だぜ?」

「え……?」

 

 虚をつかれた表情の5人、その間に、マイクが後ろにいた呼人に合図をするので呼人はフードを降ろし、マスクを外す。

 

「百竜!?」

「え、なんだよその驚き様は。もっと喜べよ」

 

 喜びよりも驚愕と、あるいは後悔するような表情を見せる4人にマイクも自慢するような表情から一点、困惑した様子を見せる。

 と、そこでようやく彼らが何故ここにいるのか、こうして揉めていたのかに気づき、マイクは表情を険しくした。

 

「まさか……お前ら自分たちで助けに行こうなんて思ってたんじゃねえよな?」

 

 ビクリと。肩が震えたのを見てマイクは改めて大きなため息をついた。

 

 

******

 

 

 病院の前では邪魔になるということで、場所を病院近くの公園に移し5人の事情聴取を行う。完全に蚊帳の外にされてしまった呼人はついていって良いものかと悩んだが、怒り心頭な様子のマイクに帰りますとも言えず黙って脇で話しを聞いておくことにした。

 

 普段のふざけた様子の欠片も無いマイクに、切島達も正直に自分たちのしようとしたこと、そして考えた事まで話す。

 

「はあ……。まあ後悔したとか何も出来なくて悔しかったとか、そういうのはお前らが勝手にすればいいと思うぜ?」

 

 話を聞き終えたマイクは、少し考えこんだあとに話し始めた。

 

「けどな、それでどういう影響があるかを考えろよ。雄英が叩かれるとか、まあ勘弁してほしいけどどうせ矢面に立つのはイレイザーだしそれはまあ良いわ」

 

 相澤に聞かれたら睨まれそうなことを平気で言うマイクだが、たしかにそれはその程度のことなのだ。

 

「仮に爆豪と百竜がまだ捕まってたとして、プロヒーローが動かねえと思うか? 動くに決まってんだろ。それも綿密な作戦立ててな。それを横から割って入ったお前らがぶっ壊すんだぜ? 下手しなくても状況は悪化する。相手はそこらのチンピラどころじゃないヴィランばっかだ。当然守らなきゃいけねえもんが2つから7つに増えりゃあヒーローの手も足りねえわ。普通に死人も出かねねえ」

「けど―――!」

「実際お前らは知らなかったろうがよ。あと二時間もすれば、爆豪と百竜が飛ばされたところと、別の場所にある拠点の3箇所、ヒーローが踏み込む作戦立ててるんだわ。そんときに市民を避難させたはずなのにお前らがいたり、人質にされてたらどうなると思うよ。無茶すんなとかそういう話じゃねえのよ、これは」

 

 古来軍隊では、命令の遵守というのが義務付けられている。それは組織として当然のことだとも言えるが、それでも軍隊のそれは、一般企業なんかのそれよりも遥かに厳しい。命令違反をすれば最悪銃殺もありえるほどのものだ。

 

 なぜか。

 

 簡単な話だ。組織の意思統一が出来ていないと、作戦において致命的な事故が起きかねないからだ。

 例えば。敵の基地を爆破する作戦を立て、実行したとする。当然スパイにもばれないように軍隊内でも情報の秘匿された作戦だ。

 そんな中、先走った兵士が勝手に基地に忍び込んで戦闘を開始したらどうなるか。

 

 その兵士たちの救助を行うにしろ、見捨てるにしろ確実に死人が出る。状況が好転しないのではない。確実に悪化する。

 

「お前らを巻き込まないように攻撃を控える、あるいは気づかずに巻き込んだ結果救助しなけりゃいけなくなる。どっちにしろろくなことにならねえわ。しかも実際行って侵入してみたらどうよ、助けに来たはずの相手はいませんでした~ってか? 見たとこ情報収集に長けたメンバーでもない見てえだしよ」

 

 淡々と、いつもは明るく優しいマイク先生が厳しい現実を突きつける。この場にいるのは、陽気なラジオのDJでも、雄英高校の教師マイク先生でもない。厳しい、ヒーローとしての現実を見てきた、プレゼント・マイクという一人のヒーローだった。

 

「百竜はともかく爆豪は狙われてんだよ。発見されたからって保護が完璧じゃねえのにほいほい『救助した』なんて発表できるかよ。もう一回狙われたら今度は街中で被害が出る。だからこうして俺達がいけるまでは存在を隠して俺らと警察と警備してくれてるヒーローだけの話にしてた。そんなことも考えなかっただろ? お前ら、そんな甘い認識じゃあヒーローにはなれねえぞ」

 

 マイクの言葉に、切島は唇を噛み、八百万はうつむく。毅然と前を向いているのは飯田と、相変わらず何を考えているかわからない無表情の轟だけだ。

 

「今日は家に帰って、俺の言ったことをよく考えやがれ。改めて言うが、爆豪は雄英で保護されてる。このことはヒーロー科以外に教えるのは禁止だ。もちろん親も。それとヴィランの拠点の制圧作戦はヒーロー科にも他言無用。わかったか」

「……うす」

「は、はい!」

「……わかりました」

「申し訳ありませんでした」

「自省します」

 

 全員が言葉を返すのを確認してからマイクは公園を出る。どうすべきかと判断に困った呼人は、ひとまずマイクについていくことにした。

 

「マイク先生、俺は帰って良いんですか? まだ病院の面会時間があるなら行きたいんですけど」

 

 そこでようやく呼人の存在を思い出したのか、マイクは罰の悪そうな表情をした。

 

「あー悪い、話聞いてる間に時間過ぎちまった……」

 

 それだけマイクも頭に血が昇っていたのだ。

 

「まあ、話が話だったんで……じゃあ俺も帰ってもいいですか?」

「送ってくぜ。確かこっからそんな遠くねえだろ?」

「まあそうですね」

 

 マイクに言われて、2人は夜の道を歩く。と、その途中でマイクがスマホを取り出した。

 

「そういや、そろそろ雄英の会見が始まるぜ。お前も、ヒーロー目指すなら見といた方が良い。これも、ヒーローの現実だ」

 

 そう言ってマイクは、スマホを操作した。




別のヒロアカ小説も2つほど投稿し始めてるので是非自分の作者ページを覗いてください!

小説内で登場したモンスターの形態変化とか生態について細かい説明が欲しいですか

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