竜と龍の血を継ぎし者~英雄と狩人の証~  モンスターハンター×僕のヒーローアカデミア   作:アママサ二次創作

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タイトル考えるの疲れた


第65話 やってみよう

 翌日。放課後また、呼人は演習場を訪れていた。ここを選んでいるのは、ここならある程度壊れても大丈夫で、かつ人がいないからだ。毎日練習すると思っていた文化祭へ向けての練習だが、毎日時間が設定されたのでその直前直後には自主練をする時間はあった。

 

 今日は先日に続いてオドガロン以外のモンスターの最大出力などを少しずつ確認していこうと考えている。といっても一日では終わらないのでしばらくやることにはなるのだろうが。それに一部モンスターは破壊力が大きすぎるためにここでは出来ないのだが、それはまたどこか辺境にでも行ってやればよいのだ。それに今であれば、どこか太平洋にでも島を隆起させてそこで暴れるということも出来る。

 

 まず1つ目に試すのは、鎧竜種の最大出力がどれぐらいの熱量を体内に秘めているのか、という点だ。通常の鎧竜ですら、溶岩などからはるか離れた場所でも数百度にもなる放熱を繰り返せるほどの熱量を誇っている。それの強化個体、というよりは可能性。鎧竜には長年の成長の末に黒鎧竜よりも更に高い蓄熱力と排熱能力を持つ特異な成長を遂げた辿異種という個体群も存在しているが、グラビとビモスが言うには今から呼人がなろうとしているそれはその個体よりも更に高い熱量を有するらしい。

 

(蓄熱能力、それに排熱能力を最大に……循環系も強化、外殻の発達、生命エネルギー……)

 

 変身する個体を想像し、そして変身するという意思を叩き込む。

 

 直後。呼人の姿が大柄な真っ黒な鎧竜に変身すると同時に、周囲の空気が揺らめき始める。蓄熱能力が高まった結果それが体表に伝播し、周囲に陽炎を立ち上らせ始めていた。

 

 鎧竜は古龍種などとは違ってマグマが完全に平気というわけではなく、あくまで体表の分厚い甲殻や体格の大きさによって内臓器官などにすぐには高熱が浸透しないために溶岩への潜行が可能になっているのであって、熱を貯めればその熱は当然ながら蓄熱器官だけでなく体の中心部に集まっている内臓以外の全ての体表、甲殻へと伝わっていく。それが今、周囲の空気を揺らめかせているのだ。

 

 そして呼人は軽く熱を放出してみるが、全くと言っていいほど体内の熱量が減少していない。辿異個体すら超えるほどの膨大な熱量に対して、通常の鎧竜の形状で為し得る排熱能力や周囲に配慮した、ここで言えばコンクリートが焼け付く程度の排熱では焼け石に水なのだ。

 

(なるほど、だから辿異個体はあんな構造の排熱器官を持ってるのか。取り敢えず一旦戻さないと……)

 

 通常の鎧竜や黒鎧竜は排熱を行う際、甲殻の隙間からガスを放出して排熱を行う。だが辿異種と区分される個体はそれだけではなく、背中の甲殻が発達変形して火山のような形状になっているのだ。更に尻尾や腹などにも排熱器官が発生している。つまり、正に歩く火山の如き排熱能力を有しているのである。そうまでしなければならないほどの熱量を、鎧竜の強力な個体は有している。

 

 高すぎる熱量に追いついていない排熱能力では、そのうち内臓まで焼けてしまう可能性が高い。というかもう既に頭とか色々と熱がこもっている感覚がある。

 

 一旦集中して熱量を減少させるとともに、それに少し遅らせて十分にマージンを取りながら蓄熱能力を低下。そうやって徐々に低下させていくことでようやく通常の鎧竜の熱量になり、そこから少し離れた呼人は元の人間の状態に戻る。戻ってみると、さっきの場所からは離れたはずなのに確かな暑さを感じた。

 

(これ、古龍種とはまた違った形でやばいものになってるな)

 

 古龍種というのは、他の生物が操ることの出来ない特殊なエネルギーを用いて、というか本人たちは半ば無意識ではあるがそれを利用して環境に干渉する。その正確な原理はモンスター達の世界ですら解明されておらず、こちらの世界に精神体という形でやってきた竜人たちやそれ以前の古代人達が研究を行ってある程度のメカニズムを解明したのだが、言ってみればある種魔法のようなエネルギーの使い方をしていたのだ。

 

 それに対して今呼人が変身した鎧竜は、純然たる熱エネルギーでもって、あるいは環境にすら作用するほどのエネルギー量を誇る。おそらくだが、あれが熱を適度に放出し続ければ街1つぐらいは冬を夏同然に越すことが出来るだろう。そう言うレベルのやばいものだ。

 

(他のも、取り敢えずやってみるか)

 

 次にやってみるのは、海竜である。海を基本的な住まいとするが肺呼吸を行い、地上での活動も可能な『大海の王者』。

 その中でも長い年月とともにその発電器官を爆発的に発達させた個体は冥海竜とも呼ばれ、通常は『発電→帯電』という行動を行う海竜種において常に帯電し続け、更に周囲に溢れ出した電気が蓄電器官である背中の外殻以外にも宿っている状態にもなるのだが、呼人が変身するのはそれではない。

 

 冥海竜と呼ばれる個体は、その発電器官が成長するという過程において長い年月とともに当然ながら体格も成長しており、その体格を支えきれない為に、水陸両用の海竜やむしろ陸上が得意な白海竜と呼ばれる個体とは違って完全に水中に生活域を移しているのだ。以前呼人が地上で変身してみた際も、確かに地上では体格故に動きづらさを感じた。

 

 だが。冥海竜と呼ばれる個体よりも更に巨大で、それなのに地上で活動するモンスターは存在する。動きは当然遅く大きくなってはいるものの、それでもその動きやすさは陸に打ち上げられた冥海竜よりはまともだし、中には体格差が倍以上あるモンスターと遜色ない動きをするモンスターもいる。

 

 ならば、地上で普通に活動できる冥海竜や、あるいは通常の海竜と変わらない大きさで爆発的な発電器官を備え、更に特異な発電器官である雷魂を備えた個体という可能性もあるはずだ。

 

 ちなみにこの『雷魂』という器官だが、竜人達の話によると、あくまで推察だが、高い確率で非常に面白い来歴を持つという。

 

 というのは、個性因子がエネルギーが物理的に見える側に現れた結果だと以前呼人が死穢八斎會のメンバーに説明したが、それと似て非なる現象が起きているのだと。

 

 詳しく説明すれば、もともと『雷魂』というのは海竜種の持つ器官ではないのだ。だが、冥海竜と呼ばれうる個体は、皆得てしてこの器官を持つ。それは、この器官が『後天的に獲得された』ものだからだ。

 

 海竜の物理的な発電能力はモンスターの中でも雷竜とならんでトップクラス、発電器官の規模で言えば雷竜を抑えてトップであると言える。

 ここで物理的な、と言っているのは、古龍種の発電能力が大きな部分を非物理的なエネルギーに依存しているからであり、純粋な電力量で言えば残念ながら海竜の操る電力は古龍種には及ばないからだ。ただ、通常のモンスターは古龍が操るエネルギーを自発的に操ることが出来ず、その中でこの発電能力は驚嘆に値すると言える。

 

 そしてそんな海竜の発電器官が更に成長したのが冥海竜。その発電能力は常軌を逸し、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()というのだ。そして、膨大な電気エネルギーが古龍などが利用する特殊なエネルギーの無垢な状態に接することで、物理の側へとそれを引きずり込む。

 

 つまり、冥海竜の持つ物理的な電気エネルギーが、非物理のエネルギーに干渉して物理側に持ってきてしまうのである。

 実際には完全な物理エネルギーではなく、そこにモンスター達の世界の根幹に流れていて全てに関わるエネルギーは少なからず介在しているのだが、それでも物理が非物理のエネルギーに干渉しているのは驚嘆に値する。個性で言えば、『放電能力を極めた上鳴が、常に莫大な電気を発電できる角を獲得する』というのと同じだからだ。

 

 そうした特徴を持つモンスターは、非常に稀有であるらしい。竜玉、宝玉などと言った、雷魂を作るエネルギーと近い関係にある『生命エネルギー』の塊を有するモンスターはいるが、それらが直接的になにかの器官として働くモンスターは少ない。

 

 ちなみに呼人は、冥海竜を再現できる都合上この雷魂は問題なく再現できる。なのでそちらは問題なく、むしろ冥海竜すら超えるほどの物理的発電器官、を作れるかどうか、が問題だ。

 

 まず再現を目指すのは、発電器官以外の甲殻、筋肉が極端に発達し、地上での活動にも何の問題もない巨大な海竜。冥海竜が黒く染まっているのはあくまでも長年その膨大な電気エネルギーと、それに物理の側へと引き出された元非物理のエネルギーにさらされているからで、別に再現するつもりが無ければ再現する必要はない。と、思っていたのだが。

 

(なるほど。体躯の最大サイズは年を経るごとに増加する。そしてそれだけの体躯に育ちうる個体は当然莫大な生命エネルギーにさらされているから、発電器官が発達している。従って冥海竜クラスの個体でこの色にならない個体はありえないのか)

 

 上手く変身することが出来ず、呼人は改めてイメージを練り直す。変身出来ないことは想定内。例えば巨大な体躯を動かすには強靭な心臓が必要なように、可能性と言っても生物としてどれだけアンバランスになることが出来ても満たしていなければならない条件はいくつも存在する。

 

 だからこそ、使いたい時に使えるように、こうして呼人は1つずつ確認を行っている。

 

 2度目の試行。

 

 今度は取り敢えず変身することが出来た。そして動き。体躯的にイメージするのは、赤龍や冥灯龍の動き。出来ることならあれ以上に、通常個体のようにアグレッシブに動きたいものだがさてさて。

 

 ちなみに、呼人が借りたのは演習場の端の方の空き地、というか駐車場をイメージしたエリア。そのため、多少動いて暴れても、すぐにならすことが出来るので壊す可能性があるならできればそちらでするようにと言われた。むろん威力を試すならば街を使ってもいいとも。このあたりの太っ腹さは、雄英故のものだ。

 

 海竜の動きにならい、突進、尻尾で前方を薙ぎ払い。そして前足を残しての下半身での体当たり。かなり自由に動かすことが出来るようになった。が、やはりモンスターというのは、人間の体と比べて不自由に感じてしまう。逆に体重から来る威力や身体構造故の突進能力は高いのだが。

 

 そうであるなら人間の状態でも使える個性の使い方、つまり3本目の腕を生やすとか、違う部位と入れ替える方を練習すれば良いと考えるだろうが、そちらはそちらで夜中などにひっそりと練習している。呼人が自室に寝具を運び込んでいないのにはそういう理由もあるのだ。

 それに、制御を高めることはいずれにしろ悪いようにはならない。そう考えての選択である。

 

 その後、通常の体格で雷魂や強力な発電器官を持つ個体に変身してみたが、こちらは発電器官が強力すぎて体が属性エネルギーに耐えかねているらしく、自傷したので少し強化した状態へと変化させた。

 

 ここで言う属性エネルギーとは、『古龍の操るエネルギー』や『物理的エネルギー』とはまた異なるもので、厳密に言えば『古龍の操るエネルギー』あるいは『生命エネルギー』などとも言われるエネルギーの亜種とも言えるものである。

 

 モンスター達の世界では、この個性の存在する世界よりもより身近に、というより多くのものに『個性の元になったり、古龍が操ったりしている』エネルギーが宿っていた。一方この個性社会においては、モンスター達の世界では自然や生物、物質などに散らばっていたエネルギーが、全て人間の個性という場所にだけ集まっているのだがそれは置いておいて。

 

 つまり、通常の炎や電気、水などにもエネルギーが宿っている。そしてそうしたものは、宿る対象によって少なからず変質したものとなる。だからモンスター達が宿すエネルギーを『生命エネルギー』と呼ぶし、水や火、電気などに由来するエネルギーを『属性エネルギー』と呼ぶのだ。まあ彼らの世界の学者達も正確な事はわからないまま推測で命名していただけなのだが、これが意外と当たっているのである。ただ、そもそもそちらの世界ではこのエネルギーが物理とはそもそも同時に存在しているものであったため、常識がそもそも全く違う世界、という認識が一番正しいようだ。

 

 そして説明は長くなったがこの属性エネルギー、しっかりと物理に干渉する。イメージとすれば、ただの火と属性エネルギー満タンの火を比較すると、物理的には同じ火でももたらす影響が全く違う。

 モンスターたちの世界の人間はこれを利用していた。そしてそれは物理に干渉するがゆえに、強力すぎるとただエネルギーがあることだけでモンスターが、というか物質が耐えられない、なんてことも起きうる。今呼人が変身した海竜が自分の秘める属性エネルギーによって自傷したのがいい例だ。

 

 もともとこの属性エネルギーは物理的なものとはあまり切り離せないが故に切り離して考える必要も無かったのだが、呼人が再現する段においてはその限りではなく、これに関しての考慮も必要となってくる。つくづく、世界をまるごと知るというのは重たいことである。夜中や授業中なども、モンスター達に彼らの生態などについてより詳しく聞いているために、最近の呼人の脳みそはフル稼働中だ。

 

 だが、同時に楽しいとも感じる。出来ることが増えるのはありがたいし、やはり嬉しい。それに、モンスター達の世界について知るのは、正直、こちらの世界で人間について知るのより楽しかったりするのだ。

 

(次は雷狼竜……火竜種は……)

『――――――』

『そうだな。あれはもうちょっと詰めないとそもそも種によって全く違うからな』

 

 モンスター達の力を引き出し、その可能性を自由に操る。それはもはや、災厄と呼ぶことすら軽く思える力なのではないだろうか。

 

 

******

 

 

 土曜日の午後。午前中に自主練を終えて寮に戻った呼人は、他のダンス班のメンバーと一緒にダンスの練習をしていた。正直、動きのお手本さえ見ることができればおそらく真似は出来る。だがそれを芦戸に言うと、それでは駄目なのだと怒られてしまった。

 

『楽しく! 思い切って! 思いを込めて踊らないと見てる人も自分も楽しくないでしょ!』

 

 そういうのが人に与える印象というのは計り知れないものらしい。なので呼人も、他のメンバーと一緒に基礎から練習を行っていた。

 

 と。練習中にふと視線を感じて後ろを振り返る。

 

「あれ、バレちゃった?」

 

 そう言って植木の陰から出てきたのは通形と、白い髪の可愛らしい少女。それに相澤とプレゼント・マイクであった。少女、エリは通形の後ろに隠れていたが、緑谷を見つけるとおずおずと出てくる。

 

「デクさん」

 

 そう声をかけるも、蛙吹や麗日、そして他のクラスメイトが集まってくると再び通形の影に隠れてしまう。まだ、彼女の中から人間に対する恐怖心は消えていない。

 

 通形は救助の際に最も近くで関わった人間でかつ現在は休学中であるため、こうして時間が出来るごとにエリとともに過ごすようにしている。相澤とマイクは、入院している病院からここまでの護衛要員として。

 ヒーローに敗北した死穢八斎會の人間だが、まだ幹部や若頭は捕まっていない、というよりヴィラン連合の手引によって逃げられている。そして死穢八斎會が作ろうとしていたものを考えると、再び狙ってくる可能性がある。というのがヒーローや警察の見解だが。

 

 死穢八斎會の組長を名乗る人物から、ナイトアイ事務所に手紙が届いていたのだ。

 

 内容としては。

 ・エリには今後死穢八斎會の人間は一切関わらないこと。

 ・もし組の意思を外れて手を出す組の人間が手を出した場合にはこちらで殺すこと。

 ・表の世界で育ててやってほしいこと。

 ・泣かせたら泣かせた人間を殺しに行くこと。

 

 などが記載されていたらしい。送り主も完全に不明であり、ヒーロー側はこれをどうとれば良いのか悩んでいるそうだ。

 

 これは、呼人には事後報告であったが死穢八斎會組長が神王寺に依頼をし、モーメントが運んだものである。治崎はまだその有効性などについて組長に反発したようだが、それでも己が既に失敗している上に大局的な理想には意味が無いと呼人に明らかにされている以上その反対には力がなかったと言う。

 

 そのため、取り敢えず護衛付きでの外出を認められていた。どちらにしろ病院にいるにしても狙われる危険はあるのだ。病院ではまた別のヒーローが2名体勢で護衛に入っているが、それを雄英が代わっただけである。

 

(まだ笑えるようにはならないか。まあそれに関しては、俺が出来ることは……アーニャと同じことができればまあ出来るかも知れないが、する意味は無いだろうな)

 

「よーしじゃあ少し休憩にしよー! ほら緑谷は行ってあげて!」

 

 呼人が少女を観察している間に通形が緑谷に声をかけており、彼が少女とともに学校内の探索に行くということで練習は一旦休憩時間となった。休憩時間は緑谷が要しそうな時間に合わせて30分となっている。

 

(30分じゃあ演習場に行くのももったいない……また教えてもらうか)

 

 空いた時間は強くなることに、と寮のロビーに腰掛けてモンスター達に関する知識を学ぼうとしていた呼人だが、『ティータイムだってば百竜! 寝るなー!』と芦戸に引きずられて寮の中へと連れられていく。

 

「寝ようとしてないぞ」

「じゃあ何してたの?」

「イメージトレーニング」

「ダンスの?」

「いや個性の」

 

 そう言うと、怒った表情の芦戸は腰に手を当てる。

 

「百竜!」

「はい」

「楽しむ時は楽しも? ずっと張り詰めてたら楽しく無くなっちゃうでしょ!」

「善処する」

「だからそれもー!」

 

 その後騒ぎを聞きつけた葉隠や、苦笑している尾白、障子からも似たような事を言われてしまう。熱心なのはお前の良いところだと思うが、もっと『今を』楽しもう、と。

 

 みんなで話して、お茶しておやつを食べて。そんな時間があっても良いのではないかと。

 

 そんな時間を、人は楽しいと呼ぶのだと。

 

 幼いエリが学んでいるようなことを、それなりに年上の呼人もまた同じタイミングで学んでいた。

 

 

******

 

 

 文化祭練習が始まって一週間ほど。放課後の練習もどんどん時間を増していって放課後の自主練なんて最大でも1時間ほどしか取れなくなってきた頃の事。

 時間ギリギリになって教室へと駆け込んだ呼人は、ちょうど良かったとばかりに砂藤に連行された。連れて行かれた先には、緑谷と芦戸、そして同じダンスチームの面々と、機材・小道具チームの切島がいる。

 

 そして芦戸から、用件が告げられる。

 

「お2人のどちらかには、クビになってもらいます」

 

 趣旨がはっきりとは理解できず改めて説明してもらうと、演出上の理由で途中で離脱する、つまり踊る時間を短くして演出班を手伝って欲しいということだった。

 

「あ、でも僕エリちゃんに踊るって言っちゃったよ……」

「じゃあ百竜だね!」

「別に良いが、どういう内容だ?」

「青山がフロア全体に行き渡るように動かしたいんだけど、吊り下げて動かせるような大掛かりな装置は無いし、人力で動かせる人間が欲しいんだって」

「ちょっと待て青山が行き渡るの状況がわからない」

 

 青山が行き渡る。文字にすると首を傾げたくなるものだが、青山は途中からその個性を生かしてミラーボールになるのである。ミラーボールになるってなんだ。

 

 つまりその際青山が高い位置に行くわけだが、その青山を体育館の上からぶら下げて移動させられる人員が必要になるということである。

 

「それ、移動する時に俺が立つのは天井の梁か?」

「そー! 体育館の上の方の棒がいっぱいある所!」

「耐荷重次第だな。後どれぐらいの速度で動かすか。それ次第じゃあ個性使うことになるし、個性を使えば体重も上がる」

「だって切島ー!」

「サンキュー百竜! んじゃあ青山と百竜と俺達で一回試しに行かねえとな!」

「わかった」

 

 取り敢えずロープが用意できていないので、データ上の耐荷重の確認と求める速度などを確認することになった。それに合わせて呼人の体重測定もである。

小説内で登場したモンスターの形態変化とか生態について細かい説明が欲しいですか

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