竜と龍の血を継ぎし者~英雄と狩人の証~  モンスターハンター×僕のヒーローアカデミア   作:アママサ二次創作

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呼人が最初の戦闘演習で本気を出していた場合のIFです。現在のメインストーリーにある『モンスターの力を極力利用しない』っていうスタイルを持ってない呼人です。

どうですかね? こういうのもありでしょうか。

フォルダ内で最初期に書いたのが残ってたので整えて出しました。


第5話IF (呼人が自重しない性格だった場合)

 体力テストの翌日。

 意外なことに、前日のガイダンスで言われたとおり通常の授業がすぐに始まった。数学に現代文に英語。至って普通の高校授業だ。

 

 ちなみに呼人は学問においては高校レベルは全て、一部学問においては大学レベルまで修めているので、全く苦労することはなかった。これは呼人の頭がよく回るというのもあるが、一瞬目を通すぐらいのスピードで読めば知識に飢えた龍連中が記憶し解釈し、脳内でのイメージで呼人に教えてくれるからである。脳内でのイメージ交換や活動は速度の束縛を受けないので、そこで学習すれば普通の何倍もの速度で学習が出来るのである。そういうスピードで思考をしていると呼人には疲労が早く貯まるのだが、それも訓練の一環である。

 

 昼食時には、席がすぐ近くの耳郎に驚かれながらも特大の弁当と、学食でのクックヒーローの美味な料理を2人前ほど安価で食べた。

 

 ここまでであれば、普通の学校生活。

 

 だが、ヒーロー科はここからが違う。午後からは、ヒーローになるための学びの時間。

 

「わーたーしーーーが!! 普通にドアから来た! HAHAHAH!」

 

 このカタカナではなくアルファベットが似合いそうな勢いで笑っているのが、午後の授業、“ヒーロー基礎学”の担当講師、オールマイトである。

 彼の登場にクラスメイトは大盛りあがり。呼人は彼の伝説を知らないのでそれについていくことはできないが、彼のことは神王寺から聞いていた。曰く

 

『野生の竜じゃあ、そうは彼には勝てないだろうな。古龍は知らん。あんな災害』

 

 野生の竜。それはオドガロンやトビカガチなど、モンスター達の世界でも強力な生物を指す。そんな竜達に、オールマイトはタイマンで、しかも素手で殴り勝つという。その力は、エネルギーの弱いこの世界では驚異的なものであるといえる。

 

「オールマイトだ! 本当に先生やってくれるんだ……!!」

「銀時代のコスチュームだ……! やばい鳥肌が……!」

 

 呼人がこっそり体内を変化させてオールマイトを観察している中、オールマイトはどんどん先へと進む。

 

「ヒーロー基礎学、今日の訓練はこれだ!」

 

 そう言って彼が突き出した板には、『BATTLE』と書かれていた。すなわち、戦闘訓練。その文字に皆が目を輝かせながらも身を引き締める。

 

「ヒーロー基礎学はヒーローになるための様々な訓練を行う課目だ! 今日は早速それを体感してもらうぞ! そして―――これ!」

 

 オールマイトがそう言うと、壁際の装置が機動して壁から収納棚が飛び出してくる。

 

「入学前に送ってもらった「個性届け」と「要望」に沿って作った戦闘服(小コスチューム)だ!」

「「うおおおおおおお!!」」

 

 戦闘服の登場によって、クラスのボルテージも最高峰に上昇する。

 

「では、皆着替えてグラウンド・βに集合だ!」

 

 オールマイトの言葉に皆力強くうなずき、それぞれが着替える。コスチュームとは、ヒーローの証、その証明でもある。それを纏ったものは、授業を楽しみにしながらグラウンドへ向かった。

 

「まあわりと、悪くないか?」

 

 呼人の戦闘服。それは、モンスターたちの世界で『新大陸のレザー装備』と言われた装備と見た目を同じにしていた。

 人格を獲得したモンスター達だが、その過程で、彼らの世界の人間側の知識をかなり獲得していたようで、武器や防具に関する知識があるのである。その過程で自分たちが人間からどう認識されていたかを知ったモンスター達の間に一波乱合ったのだが、それはまた別の話だ。

 

 呼人のコスチュームは、具体的には茶色のベストに焦げ茶のジャーキン、そして腕甲にフィンガーレスグローブ、ブーツとそのすべてが呼人から提供されたレザー、すなわちモンスターの革で出来ている。もともとは大自然の中で探索や戦闘、キャンプなど全ての活動をするための装備であるので、戦闘用の重厚な装いではなく行動しやすそうな見た目をしている。

 

「にしても、ちょっと浮くなこれは」

 

 周りがヒーローチックな、現代的なコスチュームばかりであるのに対し、自分のファンタジーチックなデザインに少し後悔する呼人であった。神王寺と一緒に大自然を巡るには問題の無い装備ではあるのだが、街中でこれは浮く。

 

(制服着るのもそういう理由かな~)

 

 人間の常識を様々教えられた呼人だが、こうしたレベルでの常識は教えられる時間が無かったため、これから学ぶ必要があった。

 

「百竜くんのコスチューム、ファンタジー風だね!」

「正直見た目はどうでも良かったから適当に決めたんだけど、ちょっと浮いてるから後悔してる」

「確かに浮いてるっちゃ浮いてるけど、目立って良いんじゃない?」

 

 周りから浮くコスチュームに否定的な呼人であったが、耳郎は意外と肯定的であった。ヒーローのコスチュームは実用面もそうだが見た目がよくてなんぼというところもあり、そういう意味では奇抜なものや古風な鎧武者のようなコスチュームを持つプロヒーローもいる。

 

「……コスチュームは利便性だけでなく、そのヒーローを示すものが求められる」

 

 そう言う障子は、背中部分、彼の触腕が展開する部分が自由に稼働できるようなコスチュームを身にまとっている。

 耳郎はほとんど軽装だが、靴だけが通常のものと違って彼女の個性に合わせた能力重視。

 葉隠は正直透明なので見ても何がどうなっているのかわからない。裸だが普通にコスチュームを来ているところを見ると、防御力重視だろうか。

 

「なるほど。その背中のは動きを妨げないためか」

「そういうことだ」

 

 その後互いのコスチュームのこだわりの点や、希望と違った点など話していると、やがてオールマイトと、何故か相澤がやってきた。

 

「さあ有精卵共!! 戦闘訓練のお時間だ!」

 

 授業の担当はあいも変わらずオールマイトのようで、彼が説明を担当する。

 生徒の質問に答えて曰く、現代凶悪な敵が出現するのは路上よりも屋内が多く、それを想定してヒーローとヴィランの組にわかれて、2対2の屋内戦を行うとのことだ。

 

 したがってルールは以下の通り。

 

・制限時間内に『核兵器』とされるターゲットを確保すればヒーローの勝ち。

・制限時間までターゲットを守備、あるいはヒーローを全員確保すれば敵の勝ち。

 

 要するにターゲットを奪い合いながら敵を叩きのめせという話である。

 

 場所は広大なグラウンドβ内の訓練用のビルで行うとのことだが、メンバー決めの段階になって初めて相澤が口を開いた。

 

「百竜。お前は一人チームで敵サイドを2回やれ」

 

 そう言った相澤に皆が疑問を浮かべると同時に、オールマイトが相澤を責めるように振り返るが、彼はそれを気にしない様子で呼人の方を見る。

 

「わかりました」

 

 相澤は非合理的なことが嫌いなたちだ。わけのわからぬ生徒を受け持つぐらいなら、その能力を明らかにしたほうが良いとの判断だろう。そう言ってくれれば説明ぐらいはするのに、と呼人はため息をついたが、もう皆の前で決まってしまった。

 

 結局ペア決めにおいて一人になってしまった呼人は皆から遠巻きに見られてしまい、1人で戦闘開始を迎えることになる。

 

「1試合目はAチームがヒーロー! Dチームが的だ! その他の皆はモニター室へ行くぞ!」

 

 第1回戦はAチーム:緑谷&麗日VS Dチーム:爆豪&飯田である。

 

 爆豪は個性把握テストのときから緑谷を過剰に意識していたようであるし、とうの緑谷はあのボール投げでの個性の発揮意向も不安げな様子が見て取れ、非常に安定しない。何か問題になりやしないかと密かに心配する呼人であった。

 

 

******

 

 

 勝ったのは緑谷のチーム。

 緑谷と爆豪がタイマン、というより爆豪の一方的な私怨で緑谷と戦っている間に麗日が核に接近し、核を守っていた飯田と対面。一時膠着するが、爆豪と激しい戦闘を展開していた緑谷が高威力の攻撃で階下から麗日を援護。

 その隙に麗日が核を確保した。

 

『――――――』

『爆豪が勝手してなければ、な』

『――――――』

『緑谷達の対応としてはあれしかないだろう。訓練なら、な』

『――――――』

『そうだろうな』

 

 呼人は試合を見ながら、脳内のモンスター達と高速で意思疎通をして分析を行っていく。ちなみに血気盛んな連中は分析するのではなく『そこだ!』『ぶん殴れ!』、なんて言っているので頼りにならない。ラーとガルルガとミドガはもう少し落ち着け。

 

 直後の分析においては、八百万が呼人の分析と同じくあくまで訓練だからこそ出来た戦法であり、それぞれ修正すべき点がたくさんあると指摘した。

 

「次は場所を変えて……ヒーローサイドがBチーム! 敵は百竜くんだ!」

 

 その指示に、周囲がどよめく。呼人の対戦相手は轟と障子。特に轟は推薦組の1人であり、個性把握テストでも高い記録を出していたのだ。

 

「……負けるつもりはない」

「おう。かかってこい」

 

 複数の腕を持つ彼との格闘戦は少しばかり燃えそうだ。そう考えていた呼人であった。

 

 

******

 

 

 ビルの最上階にはハリボテの核が置いてあった。こんなわかりやすい核があるものかよとも思うし、敵が自爆する可能性もあるのだろうなと考えた呼人だが、まだそこまでを求めないということだろう。

 

 訓練開始までには互いに作戦タイムが設けられており、少しばかり呼人は暇である。

 

 そして、戦闘開始。

 

 直後。呼人の体ごと、ビル全体を氷が覆った。

 

 その光景の一部始終を見ていたのが障子、そしてモニター室にいたクラスメイト。その光景は衝撃的すぎて、誰もが轟達の勝利を確信する。

 

「凄まじい……全てを無傷で確保するとは……! この中では敵も満足に動けまい……!」

「無茶苦茶じゃねえか!」

「相澤先生があんなこと言うからどんな戦いになるかと思ったけど……これじゃあ勝負にならないね」

 

 ただ、事情を一部知る教師を除いて。

 

 氷によって建物を覆ったが、例え敵の足を凍らせて捕縛していたとしてもターゲットを確保しなければ勝ちにはならない。そう考えて建物に突入した轟と障子は、少し進んだところで違和感に気づく。

 

「轟、これは……」

「……俺の氷じゃねえ」

 

 2人が異変に気づくと同時に、最上階を移していたカメラの映像が大きく乱れ、やがて映らなくなる。そしてそれは、順に、まるで()()()()()()()()()()()()()()()()カメラの映像が途絶えていった。

 

「これは……!」

「……」

 

 その途絶えたモニターを相澤は静かに睨んでいる。皆が騒然としている中、少しするとオールマイトのみに聞こえるイヤホンに、呼人からの通信が入った。

 

『終わりました。恐らくカメラがいかれてると思いますが』

「ううむ……! 勝者、ヴィランチーム……!」

 

 その宣言に、第1試合のような勢いは無い。

 

「え、もう終わったのかよ!?」

「先生、何があったんですか?」

「訓練に使用する機器の故障とはどういうことですか! 説明を求めます!」

 

 やがて、呼人がモニター室に戻ってきた。対戦した2人を背負って。見た目上外傷の無い2人だが、ひどく消耗した様子で震えている。

 

「凍傷の可能性があります」

 

 それを聞いた相澤はすぐに動き出し、バケツに水を汲んでくると2人の四肢をつけさせてゆっくりと低温で温める。またそれ以外の部分も、水を含んだタオルで摩擦することでゆっくり温めていった。都市部での活動を主としている相澤だが知識としてその対処は知っていた。

 

 一方2人を背負って連れてきた呼人も、右腕の手先を岩状に変化させた状態で水につけ、少しずつ水を温めていく。これを使えばどうなるのかというのは、呼人も理解していた。理解していて、自分の力を示すためにやったのだ。

 

 と。荒い息を吐いていた轟が、思い出したように自分の左半身から弱い炎を出して自分で自分の体を温めていく。本来は熱を循環する機能のあるラジエーターを背負っているのだが、それが完全にイカれているために左手を体のあちこちにかざして少しずつ温めていった。

 

 クラスメイトたちが満身創痍の轟と障子に息をのみ黙り込む中、障子よりも冷気に耐性のあって先に回復した轟が先に口を開く。

 

「百竜……お前、何、した?」

「どういう答えを求めてるんだ?」

「あれは……お前の個性だろ。俺の個性じゃあ、ああはならねえ」

 

 ああ、と。轟の発した言葉。ここにいる誰もがそれを見ていない中、轟と障子だけはそれを体感し。更に自ら氷の個性を扱っている轟だけが、それがどんなものなのかを察していた。

 

「轟少年、何が起きたのか説明してくれるかい?」

 

 オールマイトの問いかけに、轟はゆっくりと首を横に振る。

 

「俺にもはっきりとはわからない、です。ただ、寒かった」

「寒かった? 君が作った氷で、かい?」

 

 オールマイトの問いかけに、再び轟は首を横に振る。

 

 ビル全体を氷で覆ったのは、轟自身だ。その彼が寒かったと表現している。自身の個性が氷でも寒いものは寒い、と取ることも出来る。だが。

 

 2人が凍傷の可能性があると言ったのは、2人を運んできた呼人だ。氷がただあるだけで凍傷になるとはとても考えられない。つまり。

 

「百竜少年の攻撃、ということか」

「百竜、お前の個性なのか、あれは」

「……そうだな。お前が氷を使うのは最初の攻撃でわかった。だから俺も冷気を使った。氷点下50度の冷気。それがお前と障子が晒されたものだ」

 

 氷点下50度。それは人間が生存できるほぼ限界に近い気温。それも、コスチュームのような軽装で晒されて無事でいられるようなものではない。

 

 カメラが一気に途絶えたのも、それを放出しながら呼人が轟達の方向へ向けて歩いていたからだ。雄英のカメラと言えど、そんなものに晒されることは想定していない。だから、呼人の歩みに合わせてカメラの映像が途切れていった。

 

「そんなもん、どうやって」

「個性に決まってるだろ。それが俺の個性だ」

 

 正確に言えばそれ()ではあるが。言ったところで全てを説明するつもりなど毛頭ない。

 

 皆に見せつけるように、呼人がその右手を変化させる。装備していた篭手が肌に吸い込まれるように消え、代わりにそこから蒼い鱗を持った腕が現れる。そこから放たれる冷気によって周囲の空気は白み、気温はどんどん下がっていく。すぐ近くにいる轟や相澤以外のクラスメイトたちにもそれは確かに感じられた。

 

「これをもっと本気でやった」

 

 そう言って呼人は右手を篭手を装備した最初の状態へと戻した。だが、その影響は室内に色濃く残り、地面や壁が結露しているのが明確に見て取れる。

 

「あれ、冷気を出す、ってこと?」

「おそらく、純粋に周囲の空気を冷やしているのだと思いますわ。空気を放出しているとすると、もっと風が起きるでしょうから」

「いやでも……轟があんななるなんてよ」

 

 クラスメイトらの驚きは最もだろう。この世界の個性というのは、そんなことが簡単に出来るほど自由なものではない。

 

 だが。

 

 天候にすら干渉する古龍の環境干渉作用。建物1つ分の広さなど、ものの数ではないのだ。




簡単な報告。
pixivファンボックスを開設しました。まだURLは張りませんが。
作った理由としては単純に『一生文章なりイラストなり動画なり創作で生きて生きたい』のでそれらで収益を得る手段を模索する、って感じです。

ただ、書いた文章自体は全部一般公開したいと思うんですよね。一次創作にしろ二次創作にしろ外伝とか番外編含めて作品の一部だと思いますし。だからプランとか出来るのかなとか。

それに二次創作はそもそもアウトなのではという話ですし。

まだ何をどうしたら良いかわからないんですが、今後そういう話をまたするかも、ということだけ把握しておいてください。

小説内で登場したモンスターの形態変化とか生態について細かい説明が欲しいですか

  • 欲しい
  • 勝手にニヤつくからいらない
  • あまり興味がない
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