竜と龍の血を継ぎし者~英雄と狩人の証~ モンスターハンター×僕のヒーローアカデミア 作:アママサ二次創作
呼び出しの話はその場を逃れるための言い訳に映るかも知れないが、しっかりと事実である。
「相澤先生」
「……来たか。ついてこい」
そう言うや否や、相澤は面談室の一室へと向かう。必要の無い説明はしない。非合理的なことが嫌いな相澤の性格がよく現れていた。
「オールマイトから話は聞いた。が、どれも曖昧なものばかりだ。ジ・アドベンチャーがついていたなら、何か記録があるだろう」
仮にも研究者を名乗るならば、と、相澤にそう言われ、呼人は鞄から一枚のディスクを取り出す。
「アドベンチャーから、担任の先生かオールマイトが詳細な情報を求めてきたら渡せと言われています」
「中身は?」
「アドベンチャーと実験した際の映像記録だと聞いています」
「……オールマイトと見ておく。担任の先生とオールマイトということは、他の教師には見せるな、ということか?」
「そこには普段は隠している強力な能力がたくさん記録されています。どれも危険だったり利用価値が高いものだったりと、あまり知られると都合の良くないものばかりです」
「……ひとまず校長には共有する。その上で、場合によってはお前の許可を得た上で他の教師にも共有する」
「わかりました」
そのものわかりの良さに、相澤は違和感を持つ。
「なら何故初めから提出しなかった」
「隠せるのであれば全貌は隠しておくつもりでした。使うにしても中堅ぐらいの能力にしておこうと」
今も、クラスメイトはあくまで少し不思議な獣化、あるいは異形系の個性だと思っているだろう。オドガロンとトビカガチ以外のモンスターの力は、不自然に思われない程度にしか使うつもりは無い。特に強力な大型モンスターや古龍に関しては、見せるつもりはまったくないと言っていい。
「教師である以上、生徒のことは把握しておきたい。特に危険と言われてしまえばな」
「わかっています」
「ならいい。今日の授業では無駄に目立たせた。次からは普通にやれ」
あんたが言うな! とは言えない呼人であった。
******
その夜。
「わたしが来た!!―――さて相澤君、緊急の用とは何だい?」
「かっこつけて力まなくて結構です。……百竜から、百竜の個性をジ・アドベンチャーが記録した映像を受け取っています」
「! 本当かい! アドベンチャーの言い様だとあまり広めないようにとのことだったが」
「俺とあなたには把握しておいてもらった方が良いそうです。つけますよ」
無駄な問答を省いた相澤が、早速ディスクをプレイヤーに挿入して再生を始める。2人のいる場所は、雄英高校内の視聴覚室。すでに生徒は帰宅している時間であり、2人が用があるということでこの場を借りて使用しているのだ。
『やあ、俺は神王寺明博。ジ・アドベンチャーという名前でヒーローもやってい
る。これを見るということは、呼人の担任かオールマイトだな? まあ早速で悪いが最後まで見ていってくれ。ビビるなよ?』
ゆったりとしたチェアに座った男が、映像を見ている2人に向かって話しかけてくる。わざわざこのために撮った映像なのだろう。
そして映像が切り替わる。
『よし、それじゃあ百竜呼人の個性検証第1回だ。今日はジャギィという小さなモンスターになってもらう。彼の書いてくれた絵によるとこんな感じらしい』
そう言って画面の前に、小さな恐竜の絵が示される。
『これを見せてくれるために絵を随分と練習してくれたらしい。可愛いやつだ。よし、それじゃあ変身してくれ、呼人』
神王寺が話し終えて画面から離れると、画面の中央に一人の少年、というより子供が残される。まだ非常に小さい。そして何故か裸である。
そして彼がコクリと頷いた直後、その体が変わり始める。人間の肌が、橙と紫の鱗に覆われていき、その姿勢が前傾へ。そして四肢も大きく変わっていく。10秒後、そこには小さな恐竜のような生物がいた。
『本当に変化した。じゃあ呼人―――』
続けて神王寺に指示されるままに、様々な行動をこなしていく。恐竜になってはいるが人間の意識を持っているようだ。
そして映像が切り替わる。
『ここからはまきで行くが、基本的に体を動かすのに問題は無いそうだ』
まるでアイキャッチのように神王寺の映像が挟まると、次の映像へと変わる。
『百竜呼人の個性検証第二回だ。前回の後呼人と話したんだが、どうやら彼が宿している数多のモンスター達にはそれぞれ人格があるらしい。しかもそれぞれが人間の体を持って生活していたり戦う練習をしていたり、呼人くんにイメージを使って語りかけてくるそうだ。子供としては精神が成熟していると思ったが、どうやら100人以上の彼らと現実を遥かに超えるスピードで対話しているかららしい。よし、それじゃあ今日はこれとこれ―――』
『百竜呼人の個性検証第4回だ。呼人の中にいるモンスター達についての新情報だ。どうやらそいつらは、ここじゃない世界で実際に生きた存在らしい。それと問題が発生。モンスター達が大自然の中の野生を生きていたせいで、呼人君にモンスターの常識が備わってしまう可能性があると彼の中のモンスターの長老格が教えてくれた。俺が人間の常識を教えてやらないといけない。さて、それじゃあ今日は―――』
『百竜呼人の個性検証第18回。よし、それじゃあ今日から正真正銘の大型モンスターと呼ばれるモンスター達に移っていく。それとモンスター達の人格についての新情報だ。呼人君に教えた知識は、全部モンスター達の中でも聡明な者たちが理解、解釈して呼人君に意識内で教えてくれているようだ。どおりで学習が早いわけだ―――。さて、今日のモンスターはこいつ、オドガロンというらしい。他のモンスターたちと比べて物理的な力しか保たないため安心だそうだ。物理以外の力ってなんだ? まあ行くか』
そして、呼人が変身を始める。全身が筋肉のような赤黒い筋に覆われていくとともに、その四肢が、胴体が発達し、巨大な獣の姿へと変わっていく。その大きさは、隣に立った神王寺の身長を有に超えている。
『すげえ……よし、呼人、おすわりだ』
その神王寺の指示に、呼人であったモンスターは首を横に振る。激しく嫌そうだ。
『ありゃ、流石に嫌だったか。しかし大型モンスターになっても暴走はしないみたいだな』
『百竜呼人の個性検証第19回。前回のモンスターを見て呼人の中のモンスター達に聞いてみたんだが、やはりと言うべきかあいつらは人間をかなり殺しているらしい。というより、彼らの世界では人間はあくまで自然の一部として生存競争をしているそうだ。そいつに、呼人にそれを染み付かせないようにお願いしないといけない。よし、それじゃあ今日は、トビカガチというこの個体だ。大きめの体躯に加えて、発生させた静電気を毛と体内器官に蓄えて利用するらしい。どうやらそう言う力をそいつらの世界では属性というようだ。さて、それじゃあ―――――』
『百竜呼人の個性検証第35回。今流している音楽は呼人が作曲したものだ。老齢の龍と協力して、モンスター達のかつての姿と、それに対峙する人間の姿を曲にしたそうだ。モンスター達は、人格と人間の知恵を持ったせいか自分たちと戦った人間に興味を持っている。いやはや、こんなモンスター達と個性もなく剣や弓で渡り合った彼らの世界の人間、ハンターたちには頭がさがるな。さて、それじゃあ今日は、リオレウスという――――』
『百竜呼人の個性検証第79回。さて、今回は前回言った通り、火山にやってきた。予想以上に早く機会が巡ってきたわけだが……どこの火山かは秘密だ。後で怒られたくないからな。さて、モンスター達の話が本当だとすると―――いや、色々言わずにやってもらおう。今日のモンスターはイヴェルカーナ、というらしい。綺麗でかっこいいな』
このあたりまで来ると、呼人の絵はまるで写真のような精度になっていた。
『は、ははっ。まさか、まさか本当にマグマが―――』
『百竜呼人の個性検証第123回。どうやら呼人の個性は、ただ変化するだけではないらしい。と言っても、まだ不確定のものだが、彼とモンスター達が言うには、モンスターの形にならずともその体の特徴を持てるらしい。つまり、オドガロンの体を人間の形状で再現したり出来る、ということだ。呼人君がハンター達のイメージを再現しようとしたときに判明したそうだ。ハンター達はモンスターの鱗や甲殻を使った防具や、爪や牙を使った武器を使っていたらしいから、それが別の形で発現したんだろう。モンスター達は力を発揮することしかしない。それが制御できるとなれば――――』
映像が進むごとに、それを見ている相澤とオールマイトの顔が厳しくなっていく。
そして3時間ほどで視聴終了。かなりの部分を神王寺がカットし、必要な部分ばかりを繋いでいてくれたからこそこの時間ですんだ。
「……あなたなら止められますか」
「大丈夫! 私が来た! ……と言いたいところだが、ワイバーン達はともかく、ドラゴン、古龍達はわからないな。ワイバーンの中にも強力な個体はいるそうだし……しかも彼は、野生だったモンスターの力を鍛え、戦い方や力の使い方を洗練させている」
「そうです。それに、これだけの力がありながら百竜は力をほとんど使わずに今日のような戦いをしました」
ヒーローとなってくれればこれほど頼もしいものも無いが、彼が敵にならずとも人間であることをやめたら―――。
「ジ・アドベンチャーは、雄英高校で彼をヒーロー側に引き込めと言っているのかな?」
「おおむねそうでしょう。少なくとも百竜は、敵側の人間でもない。あるいは弱肉強食というのが本来の性質かも知れませんが、人間の社会では通用しないとわかってくれている」
「……私達が教える必要あるのかな。彼は、モンスター達と―――」
「特別扱いは出来ないでしょう。あいつには力の開放よりも制御を意識するように言っています。後はドラゴンクラスの力は使わないように強調しておきましょう」
全く非合理的だと、相澤は呟く。今の日本のヒーローの規則では、ヒーロー科の高校に通った人間でなければ正式なヒーローライセンスを取得できない。つまり、ジ・アドベンチャーが自ら育てた百竜呼人であれど、ヒーローとしての資格を獲得するためには学校に通うしか無い。
「しかし、彼ならヒーローにならなくても生きていけるだろう。実際―――」
「それは誰にでも言えることですよ。とにかく、あいつもうちの生徒です。面倒を見てやる必要がある」
相澤のその言葉に、オールマイトは静かに考える。と、そこに来客があった。
「やあ、2人とも! 深刻な顔をしてどうしたのさ?」
「校長先生……いえ、お伝えしておくべきことがあります」
ドアを開けて入ってきたのは、この学校の校長であるネズミ。彼は、個性を獲得して人間以上の性能となったネズミという、類まれな経歴を持つ。前例がないという意味では、彼こそが、呼人が今後おかれる状況を最も体感してきたとも言える。
そんな彼に、2人は映像を示しながら説明を初めた。
モンハン世界のモンスターの力はゲーム描写と実際どうかを自分の中ですり合わせて考えてます。例えば地面が割れる演出が合ってもゲーム的には地面が荒れることはない、ってのはあくまでゲームの都合であって普通に割れる力がある、みたいな感じに解釈してます。モンスター達はヒロアカ世界においてはかなり強いです。
小説内で登場したモンスターの形態変化とか生態について細かい説明が欲しいですか
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欲しい
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勝手にニヤつくからいらない
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あまり興味がない